1968年12月26日~1969年2月15日にかけ,北米ツアーを行ったレッド・ツェッペリンは,3月1日英国ロンドンはフィッシュモンガーズ・ホール公演を皮切りに,4月17日英国サンダーランドのザ・ベイ・ホテル公演まで英国&北欧ツアーを行います.
 
 本CDは,同英国&北欧ツアーから,ツアー中盤に当たり,北欧ツアー初日の1969年3月14日アフタヌーン・ショーとして行われたスウェーデンはストックホルムのコンサートホール公演を,FM放送用のサウンドボード音源と,オーディエンス録音を収録した 『 Stockholm 1969 (No Label) 』 です.

 サウンドボード音源の方は,音質的には問題無いのですが,放送時間の関係等もあり,オープニングの "Train Kept A Rollin'" や,"White Summer - Black Mountain Side" が収録されていなかったり,曲順を変えていたり,メンバー紹介を含んだ "How Many More Times" が,最初の 2分強しか収録されていなかったりと,色々な欠点があります.

 方やオーディエンス録音の方は,多少音が籠っていますが,かなりオンな音源で,"Train Kept A Rollin'" 中に,マイクの位置関係を修正する為か,時々マイクを触るオーディエンス・ノイズが入ったり,録音レベルを探るかのように,ヴォリュームがオフ気味になる部分がありますが,その後は安定しています.
 そして何と言っても,オープニングの "Train Kept A Rollin'" のドラムの導入部を聴くだけで鳥肌ものです.

 同日にリリースされ,翌日に当たる 3月15日の 2公演(:アフタヌーン・ショー,イブニング・ショー)を収録した 『 Denmark 15th March 1969 (No Label) 』 も含め,勢いのある演奏が展開されますが,特に本CDは,メーカー情報にあるように,ジミー・ペイジのギター(:テレキャスター)の弦が切れると言うドキュメントをも捉えています.
 このようなドキュメントに出会えるのもブートならではなので,止められないですね.(笑)

 メーカー情報では
 『名演の宝庫である1969年のZEP。ライブ次ぐライブを重ね、「精力的」という言葉すら陳腐に映ってしまうほど、怒涛のライブをこなしてみせた伝説の一年。当店でも4月のフィルモアや8月のテキサス・ポップ・フェスティバルといった名演かつ名音源をリリースしてまいりましたが、今回は3月のスカンジナビア・ツアーからの名演かつ名音源を一気に二公演もリリース!
 そもそもZEPにとってスカンジナビアのエリアは遡ること半年前、グループが結成されて初めてのライブ活動として1968年の9月にツアーを行った地であり、しかもその時は「ニュー・ヤードバーズ」というバンド名の元で行っていました。正に駆け出し。しかしグループ名をレッド・ツェッペリンに変えたバンドは1968年末からアメリカを徹底的に攻略。正に武者修行と呼びたくなるハードなライブ三昧の日々を経験し、格段にたくましいバンドへと生まれ変わって再びスカンジナビアを回ったのが3月。ここでもZEPはまだ人気が爆発する前のバンドらしく、後の彼らからは考えられないほど積極的なメディア出演に勤しんでいたのです。
 中でも3月14日はストックホルムでオフィシャル「DVD」に収録(そういえば「Blu-ray」は出ないのでしょうか?)された「Communication Breakdown」の白黒で口パクのテレビ映像の収録を終えたかと思えば、その後に二回ものステージを一日でこなしていたというのだから驚き。こんな過密スケジュールをやすやすと消化できたのも、彼らの若さが成せる業だったのでしょう。

 この日最初のライブがストックホルム・コンサートホール(Konserthuset)で行われています。しかもここでは実質的にカントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュの前座であったというだけでなくラジオ局の収録も行われたということから、いつもなら演奏するはずの「As Long As I Have You」が省かれ、その上でさらに各曲の尺が短めという面白い構成で行われました。ラジオ局が放送した音源に関しては30分にも満たない長さでモノラル、なおかつベース強めなバランスながらも最高の音質を誇るということから、初期ZEPライブにおける定番音源の一つに数えられているもの。
 もちろん今回は放送用音源を最良のバージョンにて収録みせたのですが、そこではペイジのテレキャスターの弦が切れてしまったということから、他の三人が場つなぎで急遽オーティス・ラッシュの「I Gotta Move」を演奏したことは有名な場面。
 しかし放送を聴くと「I Can't Quit You Baby」でペイジの弦が切れた様子はなく(ギターの弦が切れるとチューニングが狂うもの)、ましてやサウンドボードであればそうした様子が捉えられるはずなのに、ハプニングが起きたようには聴こえません。
 この不自然さを解き明かしてくれたのが、同じショーを録音したオーディエンス録音。
 これによって、ラジオ音源は放送時に数曲をカットしたり「How Many More Times」の序盤で放送を終えてしまっただけでなく、曲順を変えて放送していたことも明らかとなったのです。
 オーディエンス録音はショー序盤の録音状態が落ち着かず、おまけに歪んでいたせいで口が裂けても高音質だとは言えない。むしろ劣悪に近い。そのせいでラジオ音源のパートと比べ、ちゃんと聞いていない、あるいは序盤だけでギブとなってしまったマニアが少なくないかと思われます。せっかく当日のショーの全貌を明らかにしてくれたにもかかわらず、ある意味敷居の高い音源だったかもしれない。

 しかしこれを聴けば、実はオープニングの「Train Kept a Rollin'」でペイジの弦が切れてしまい、そのせいで「I Gotta Move」を場つなぎとして演奏していたことがよく解ります。さらに弦を貼り直して演奏された「I Can't Quit You Baby」は放送用音源を聴くと当時のペイジがレスポールでなくテレキャスターを使っていたということを差し引いても、やけに薄っぺらい音で鳴っていたことも気になります。これは弦を張り替えてセッティングもままならない中で弾き始めていたのだと推測されるもの。
 結果としては「I Gotta Move」が演奏されたことで、初期のZEPならではのブルース色が強いライブ・サウンドがたっぷりと味わえる音源となっている点は聞き逃せません。特に今回のオーディエンス録音パートは過去最高のロージェネレーション・コピーを使用し、かつてないほどにナチュラルな(ヒスノイズも自然な響きです)状態を実現。それに何と言っても過去にリリースされていた音源すべてでおざなりにされていた、低いピッチを徹底的にアジャスト。あの粗い音源が格段に聴きやすくなりました。
 そして「I Can't Quit You Baby」以降は粗いなりに随分と聴きやすくなるのです。それに何と言っても1969年のZEPです。粗くてもフットワークの軽い演奏へ引き込まれてしまうこと間違いなし。ラジオ音源ではさわりしか聴かれなかった「How Many More Times」のワイルドな演奏ぶりを今回の限定プレスCDにて再確認してください!

 ★同じライヴで 前半がサウンドボード4曲、後半が同じショウのオーディエンス録音です。』

Stockholm 1969 (No Label)
 
 Live At Konserthuset,Stockholm,SWEDEN 14th March 1969 (SBD/AUD)

 [Soundboard Reel Master Pre-Broadcast FM Recording]
  1. I Can't Quit You Baby
  2. I Gotta Move
  3. Dazed And Confused
  4. How Many More Times

 [Audience Recording 1st Generation Tape]
  5. Intro.
  6. Train Kept a Rollin'
  7. I Gotta Move
  8. I Can't Quit You Baby
  9. Dazed and Confused
  10. White Summer - Black Mountainside
  11. How Many More Times
  12. Outro.
  TOTAL TIME (71:30)

 I Gotta Move [Track 02]
 

 Train Kept a Rollin' [Track 06]
 
 How Many More Times [Track 11]
 

[参考]
 Poster
 
 Ticket
 

1969 UK & Scandinavian
 March
  01 Fishmonger's Hall,London,UK
  02 Van Dyke Club,Plymouth,UK
  03 Playhouse Theatre (BBC),London,UK
  05 The Locarno,Cardiff,UK
  07 Hornsey Wood Tavern,London,UK
  10 Cooks Ferry Inn,Edmonton,UK
  12 Leicester University,Leicester,UK
  13 De Montfort Hall,Leicester,UK
  14 Stockholm Konserthuset,Stockholm,SWEDEN [Afternoon Show]
  14 Uppsala University,Stockholm,SWEDEN [Evening Show]
  15 Teen Clubs Box 45,Egegaard Skole,Gladsaxe,DENMARK [Afternoon Show]
  15 Brøndby Pop-Club,Norregard Hallen,Brøndby,DENMARK [Evening Show]
  16 Tivolis Koncertsal,Copenhagen,DENMARK [2 Shows]
  17 TV-Byen (Danish TV),Gladsaxe,DENMARK
  19 Maida Vale Studios (BBC),London,UK
  21 "How Late It Is" (BBC TV),London,UK
  22 Mother's Club,Birmingham,UK
  23 Argos Butterfly Jazz and Blues Club,Peterlee,UK
  24 Cooks Ferry Inn,Edmonton,UK
  25 British Supershow,Staines,UK
  27 Beat Club,Bremen,GERMANY
  28 Marquee Club,London,UK
  29 Bromley College of Technology,Bromley,UK
  30 Potter's Bar,Southall,UK

 April
  01 Klooks Kleek,Hampstead,UK
  02 Top Rank Ballroom,Cardiff,UK  
  03 Swan Hotel,Bolton,UK
  05 Roundhouse,London,UK
  06 Nottingham Boat Club,Nottingham,UK
  08 The Cherry Tree,Welwyn Garden City,UK
  12 Toby Jug,Tolworth,UK
  14 The Place,Stoke-on-Trent,UK
  17 The Bay Hotel,Sunderland,UK

 Danish TV Show [17th March 1969]
 
 
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