先日リリースされた「Chatenay - Malabry 1969 (No Label)」に付属しているボーナス CDで,2年強程前(2011年前後)にリリースされたものだと思います.

 何せ西新宿の柏木公園近くの某店では,このCDが出てから既溌のDJがかぶったFM放送エア・チェック音源のCDは叩き売り状態です.ちなみに本CDがリリースされた当時には,当然本CDを購入しているので,個人的にはボーナスとしては不要だったのですが,致し方ありません.(爆)

 1969年10月10日フランスはパリのオリンピア公演.当時FM放送用に収録された元テープから,プリFMマスターとしてCD化されたものです.以前はこのFM放送のエア・チェック音源を元に収録されていた関係から,フランス語のDJが被っていたのですが,今回のものはDJは一切無いので,ストレス無く通しで聴くことができます.
 でも1969年の音源がこのような高音質で聴くことができるという事は凄い事ですね.

 メーカー情報にもありますが,元マスターを必要な部分,例えば "Good Times Bad Times Intro." のボリューム調整等,補正・リマスターしても元マスターに起因する欠点も,かなり緩和され,現時点では最良の状態にあるかと思います.

 それにしても勢いのある時期の録音であり,セット・リスト的にもこの時期の定番.文献では "How Many More Times" の後(あるいは直前)にジョン・ボーナムのドラム・ソロ "Moby Dick" を演奏しているはずですが,未収録となっています.
 "Good Times Bad Times Intro." から "Communication Breakdown" に雪崩れ込む展開で,非常にドライブ感と迫力があります.間髪入れずに演奏される "I Can't Quit You Baby" の,導入部でロバート・プラントの歌い出しの溜めも良いですし,ブルースとしても聴かせます,"Heartbreaker" では,中間のギター・ソロ部分で,一時的にエコーというか,リバーブを効かせているのでしょうか.続く"Dazed And Confused" では,ジョン・ポール・ジョーンズのベース・イントロが流れる中,曲紹介が行われます.バイオリンの弓を使用し,弦を叩く部分は,後期と比較すると若干遅いテンポで演奏しています."White Summer - Black Mountain Side" は,スロー・テンポからアップ・テンポと,ジミー・ペイジが自由にギターを弾いています,続く "You Shook Me" はヘビーに演奏され,ロバート・プラントのボーカルも素晴らしい出来です.そして最後にバンドのメンバー紹介を伴い,メドレー形式で23分に及ぶ演奏を繰り広げる "How Many More Times" は圧巻です.

 メーカー情報では
 『1969年10月10日パリのオリンピア公演のプリFMマスター・ヴァージョンを収録。放送版において曲中4箇所に被っていたフランス語のDJが全く入っていない最良のヴァージョンをリマスター。音質は全く変えずに、元テープに発生している小さなポップ・ノイズを可能な限り除去し、急激なボリューム調整を 緩和するなど、オーディオとしての完成度を目指した現段階での最良のヴァージョンです。Good Times Bad Timesのイントロで、エンジニアがドラムアタックの大きさに慌ててボリューム調整した部分、Dazed And Confused 冒頭のベース入力過多による歪み、さらに How Many More Times 2:07 - 2:39位 にかけて、プラントがマイクを叩いてしまっていることでの接触ノイズ(この部分はリミッターをかけて音の起伏を平坦化させた放送版ではそれほど目立ちませんでしたが、TCOLZ版ではクリアーになった分、ボツボツしたノイズのように聴こえてしまう、という欠点がありました。)の緩和など、プリFMマス ター・ヴァージョンを聞いて気になるであろう部分を調整しています。元の音像が素晴らしいだけに無理なイコライズやノイズ・リダクションで音色が変わることのないリマスターを施し、全体のサウンド・バランスを最適に整えたオリンピア1969のベスト・ヴァージョン。

★beatleg誌 vol.105(2009年4月号)のレビュー要約です。ご参考まで。
 1969年10月10日のパリ公演。今回はフランス語のナレーションが被さっていないヴァージョンのみを収録した1枚物で、『One Night Stand In Paris (TCOLZ 029/030)』の1枚目のリマスター・ヴァージョンとなっている。リマスターといっても音質面での処理が施されているのではなく、「Good Times Bad Times」と「Dazed And Confused」のそれぞれの出だしで入力レベルが急激に変化してしまう部分の音量調整や、「How Many More Times」のトラック・タイム(2:07)~(2:39)で発生しているポップ・ノイズの除去といった、まるでオフィシャル・リリースする際に行われる ような音像修正が施されているのが特徴だ。しかし、このような耳に優しさを与えることを目的とした細かなリマスタリングは別としても、既に必聴音源のひとつとして君臨している必殺ライヴなだけに、何度もリリースされるのは当然な流れなのかもしれない。』
との事.

Olympia 1969 Pre-FM Master
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ -  Olympia 1969
 Live at Olympia, Paris, France 10th October 1969

 1. Introduction
 2. Good Times Bad Times Intro.
     - Communication Breakdown
 3. I Can't Quit You Baby
 4. Heartbreaker
 5. Dazed And Confused  
 6. White Summer - Black Mountain Side
 7. You Shook Me
 8. How Many More Times


 Good Times Bad Times Intro.
     - Communication Breakdown
 
 I Can't Quit You Baby
 
 Heartbreaker
 
 You Shook Me
 
 How Many More Times
 



[参考]
 One Night Stand In Paris (TCOLZ 029/030)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ - One Night Stand In Paris
 こちらは放送用とプリマスターとの2枚組でリリース.

 以下は放送用を収録したものです.
 Paris Par Excellence (EVSD-510)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ -  Paris Par Excellence
 Olympia 1969 (No Label)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ -  Olympia 1969 (NL)
 Paris Olympia 1969 (WECD-104)
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-LZ Paris Olympia (WECD-104)



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