1969年4月24日カリフォルニア州サンフランシスコのフィルモア・ウェスト公演を皮切りに,5月31日ニューヨーク州ニューヨークのフィルモア・イースト公演まで行われた,春の北米ツアー.

 本年11月中旬 LIGHTHOUSE が,このツアーから,ツアー初盤に当たる 4月27日カリフォルニア州サンフランシスコのフィルモア・ウェスト公演を,AUD収録の 『Fillmore West 1969 Final:Audience Recording (No Label)』 ,SBD収録音源の 『Fillmore West 1969 Final:Soundboard Recording (No Label)』,SBD収録音源とAUD収録音源を編集して完全盤に近付けた 『Fillmore West 1969 Final:Soundboard & Audience Recording (No Label)』 と,3種類リリースしたのは,記憶に新しいところですが,今回は,ツアー初日に当たる 4月24日,同会場での公演を収録した 『Fillmore West 4.24.1969 (No Label)』 をリリースしました.

この商品も店頭に並ぶ前に予約完売!
  「12/2 ★レッド・ツェッペリン「FILLMORE WEST 4.24.1969」は予約完売致しました。

 相変わらず人気のレッド・ツェッペリン.

 既発では,1991年に Scorpioレーベルの 『Fillmore West '69 (SC91021) 』 ,Flying Disc Musicレーベルの 『Who's Country Joe ? (CD 6 - 824) 』 が,その数年後に Jelly Rollレーベルの 『Cracker Jack Blues (JR 15) 』 ,House Of Elrondレーベルの 『Fillmore 69 (LZ000965)』 , 『Fillmore 69 (jpn98006)』 ,2000年代に入ってからは Empress Valley Supreme Discレーベルから 『Blues Anytime (EVSD 145) 』 等がリリースされています.

 音像は非常に近く,SBD音源と間違う程です.
 楽器音のバランスはベースとドラムが前面に出て.ギターが小さいめな状況ではあるものの,余り問題は無く,途中リミッター機能が働いたように,全体的に音量が小さくなる部分がありますが,全体を通して安定して聴く事ができます.
 残念なのはヴォーカルがオフ気味なところ.

 オープニングを飾る18分に及ぶ "As Long As I Have You" メドレーは,何時もながらスリリングな展開ですが,メーカー情報にもあるように途中(:8分46秒~)で,ジョン・ポール・ジョーンズのベースにトラブルが発生します.シールドの関係なのか,アンプ側なのか不明ですが,ノイズが発生する関係で,ベースの演奏を中断します.その間,プラントとボーナムのヴォーカルとドラムの掛け合い~ギターとドラムの掛け合いで,間を持たせます.14分25分頃からベースが本格的に入り出し,15分24分からメイン・テーマに戻り完奏.

 この時期定番の "As Long As I Have You" メドレーでは,"As Long As I Have You" ~ "Fresh Garbage" ~ "Shake" ~ "Mockinbird" ~ "You Can't Judge A Book By The Cover" ~ "As Long As I Have You" の流れで,素晴らしい演奏です.
 この曲と言うか,メドレーと言うか,個人的に非常に好きなので,この曲を相応の音質で聴く事ができるのは嬉しい限り.

 この時期の演奏は,若さに任せての勢いがあります.

 メーカー情報では
 『数週間前に当店が1969年の4月のフィルモア・ウェスト最終日の各バージョンをリリースした際に「初日の音源はリリースされないのか?」という質問が多く寄せられました。
 4月24日と27日、それぞれがブックエンドの両端を担うかのような良質音源です。もちろん初日の音源もリリースしない訳にはゆきません!
 そんな4月24日のライブを捉えた音源ですが、CDの本格的な普及によってアナログLPが急速に衰退し始めた1990年頃、10インチ・サイズのレコードという特殊な形で初めて姿を現しています。
 この音源の特徴として、パッと聴いた感じはリアル・ステレオなサウンドボード録音のように思えるものです。ところが終始プラントの声が奥に追いやられているという独特な録音状態が憶測を呼び、当初はこの日がラジオで放送される予定で収録されながら、その問題によってお蔵入りしていた音源だと思われていました。
 ところがです、その後に研究本などで「オーディエンス録音」と記述されるようになったことで、この独特な録音バランスがサウンドボード録音でないということの証へと変わりました。さらに研究が進んだ結果、この音源はステージの上から二本のマイクを吊るして収録したものであったことが判明しました。演奏や楽器のバランスはサウンドボードそのものといったバランスですが、一方で楽器の音がやけに生々しく、ドラムを叩いている最中で飛び交うボンゾの雄叫びまで捉えてみせたのは、通常のサウンドボード録音では成せない技だったのです。

 つまり、この日のライブは、放送用のような目的を持ったものではなく、何らかの「記録用」として収録されたことが明らかとなっています。よってサウンドボード録音はもちろん、客席から録音されたオーディエンス録音とも違う、文字通りワン・アンド・オンリーな質感が大きな魅力でしょう。まるで自分が舞台袖から69年ZEPのエネルギッシュなステージを垣間見ている…そんな疑似体験を錯覚させてくれるほど、独特な味わいを持った音源。
 それでいて鮮度は抜群。これが1969年の録音なのか?と耳を疑いたくなるようなクリアネス。69年の4月と言えば、まだまだ駆け出しのZEP。マネージャーのピーター・グラントが強権を振るうようなこともなく、ちょっとバンド側に話を付けれは、このようなフロア・マイクをセッティングした「ステージ録音」を行うことは難しくなかったはず。そんな絶好のタイミグで録音が行われていたというだけでなく、この日のZEPのパフォーマンスが奇跡的な名演をみせつけたこともラッキーだとしか言いようがないのです。

 その中でも極め付けとなったのが「As Long I Have You」。初期のZEPが得意としていたフットワークの軽い演奏能力を見せつける絶好のナンバー、それでいて1960年代後半のサイケデリックな雰囲気を漂わせたレパートリーでもあります。そんな曲が、ここフィルモアでの日々を最後に演奏されなくなるという、最後の輝かしい時期でありました。実際にここでの演奏も抜群のフットワークで演奏が目まぐるしく展開します。ところが演奏が中間でテンポアップしたところからジョンジーのベースにトラブルが起きたのです。ここで聴かれるノイズの発し方からしてベース・アンプの故障、あるいはギター・シールドの接触不良に見舞われてしまいました。
 このトラブルが演奏の長い曲で起きたというのもラッキーではないでしょうか。そこでペイジとジョンジーのギター類が演奏を止め、プラントとボンゾがアドリブで場をつなぎます。そのスリリングな展開は何度聴いても絶品。この間でジョンジーがタンバリンを叩いて加わるのですが、その音がやけに生々しいところもステージ録音ならではの味わいでしょう。結果として、むしろトラブルを見事にリカバーし切った名演が最高の音質で残されることになったのです。

 バンドの演奏があまりにもリアルに伝わってくる録音であり、プラントの声がオフ気味なバランスですら、むしろこの音源の独特な魅力に貢献しているようにすら聴こえてくるのだから不思議なもの。いや、全開のスクリームが当たり前な時代です、それでもプラントの存在感がはっきり伝わってくるのです。むしろライブを完全収録していない点が惜しまれるのですが、奇しくもプラントの歌の出番のないインストゥルメンタルが多く収録されているというのも面白い偶然ですよね。
 ペイジの「White Summer」が6分を超えたところで起きてしまった、レコーダーの誤作動と推測されるピッチの急速な上昇は近年リリースされてきたアイテムにおける補正ポイントとなっていますが、今回のリリースにおいてもしっかりアジャスト。一昔前のアイテムでは考えられなかったような、安定再生を約束。もちろんZEP各メンバーがMCや音を鳴らし始める前、録音が始まった段階でのざわめきから収録しています。そしてマスター・リールからVHSにダイレクト・コピーしたJAMESKGバージョンをベースとして、もっともナチュラルな状態での収録。4月27日に続いて24日のフィルモア、この名音源もベストのバージョンを限定のプレスCDにてリリースいたします!』

Fillmore West 4.24.1969 (No Label)
 
 Live At Fillmore West,San Francisco,CA,USA 24th April 1969

  1. Tuning
  2. As Long As I Have You
  3. Killing Floor
  4. White Summer / Black Mountain Side
  5. Babe I'm Gonna Leave You
  6. Pat's Delight
  TOTAL TIME (59:02)

  As Long As I Have You 
 
  Babe I'm Gonna Leave You 
 


 本商品の初回ナンバー入りステッカー付きに限って,フィルモア・ウェスト公演の翌日に行われた 4月25日カリフォルニア州サンフランシスコはウィンターランドのウィンターランド・ボール・ルームの初日公演を収録した 『Winterland Ballroom 1969 Day 1 (Special Bonus)』 が付属しています.
 しかも何と珍しくプレスCD.

 しかしボーナス・アイテムの為に,わざわざプレスにするとは思えませんので,商品として販売する目的でプレスCD化したのでしょうが,余りにも収録時間が短過ぎるので,商品として扱うには厳しいのか,他にも理由があるのかも知れませんが,何らかの理由でボーナス・アイテムにしたのは明らかですね.

 音像は多少遠いものの,録音された年代を考慮すれば,非常に高音質で,十分商品としてリリース可能な音源だと感じます.

 メーカー情報にも記載されていますが,不完全な収録となっており "As Long As I Have You" に至っては,1/3程度が終了する 6分4秒で,一気にエンディングまでカットされ,エンディング終了後に,プラントが 「Thank You Very Much. Good Night. Thank You.」 と言ってステージを後にする部分なので,本編最終に演奏されているのですが,この当時は,1日 2ステージをこなしており,1st Set ,2nd Set でセット・リストは異なりますが,収録されている曲以外に,"Dazed And Confused" や "How Many More Times"等を演奏しているものと思われます.

 メーカー情報では
 『4月24日から27日までの間、ZEPがサンフランシスコで行ったライブ・デイズはそれら二回のフィルモア・ショウの合間に、ウインターランドでのライブも行われています。
 どちらもプロモーター、ビル・グレアムが所有する会場であり、彼の口利きによってこれら一連の公演が実現したのでしょう。これら四公演を当店は順次リリースしてきており、26日のウインターランドに関しては『WINTERLAND BALLROOM 1969 DAY 2』がリリースされたばかり。ところが前日のウインターランドに関しては、現在に至るまで25分足らずのオーディエンス録音しか存在しないのです。
 25日だから25分しか録音しなかった…もちろん、それは冗談としても、やはり録音が30分にも満たないというのは痛恨の極み。おかげで複数ライブ音源とミックスさせた編集のアイテムに組み込まれることが多く、それが災いしてこの日の印象を薄くしているように思えてなりません。間違いなく「How Many More Times」なども演奏されていたことでしょう。演奏時間が元々短めな69年のZEPライブで不完全収録。とどめは「As Long I Have You」が前半部分で録音収録。これもまた痛恨だとしか言いようがありません。
 ところが、です。音質は翌日よりも演奏が近くて聴きやすい音像ですし、そんな短い録音の中でも聴かれる演奏はどれも一級品。これが 4月のサンフランシスコでの熱い夜というもの。ビル・グレアムによるアナウンスに続いて始まった「The Train Kept A Rollin'」からしてフル・トップな状態。
 これはサンフランシスコ音源すべてに言えることなのですが、ここでもプラントのスクリームが凄まじい!恐らくは「I Can’t Quit You」の後で演奏されたと思われる「You Shook Me」に至ってはこの日最高の名演です!プラントの声とペイジのスライド・ギターがどこまでも登り続ける様が圧巻。これが69年のZEPの典型的な名演でしょう。
 不完全収録が災いし、これまで見過ごされていた方が多いと思われる25日のウインターランド音源。今回は『FILLMORE WEST 4.24.1969』の初回納品分ボーナス・ディスクとして付属します。
 しかもただのボーナス・ディスクではありません。何とプレスCD盤での贅沢なもの。もちろんボーナス・ディスクとはいえ、ナチュラルさにこだわった状態と正確なピッチにアジャストされていますので、ここままアイテムとしてリリースされてもおかしくない丁寧な作りがまさかのギフト!
 特にオープニングの「The Train Kept A Rollin'」で目立っていたピッチの狂いをアジャストしたことで、格段に聴きやすい状態へとアップグレードしました。そして、このプレス盤ボーナス・ディスクだからこそ、この見過ごされた音源と名演を、むしろじっくりと聴いてもらえることでしょう!』

Winterland Ballroom 1969 Day 1 (Special Bonus)
 
 Live AT Winterland Ballroom,San Francisco,CA,USA 25th April 1969

  1. Intro.
  2. Train Kept A Rollin'
  3. You Shook Me
  4. Communication Breakdown
  5. As Long As I Have You
  TOTAL TIME (24:43)

  Train Kept A Rollin' 
 
  Communication Breakdown 
 

[参考]
 Fillmore West '69 (SC91021)
 
 Who's Country Joe ? (CD 6 - 824)
 
 Cracker Jack Blues (JR 15)
 
 Fillmore 69 (LZ000965)
   / Fillmore 69 (jpn98006)
 
 Blues Anytime (EVSD 145)
 

 Spring 1969 North American Tour Dates
  April
   24 Fillmore West, San Francisco, CA, USA
   25 Winterland Ballroom, San Francisco, CA, USA
   26 Winterland Ballroom, San Francisco, CA, USA
   27 Fillmore West, San Francisco, CA, USA

  May
   01 Crawford Hall (UC Irvine), Irvine, CA, USA
   02 Rose Palace, Pasadena, CA, USA
   03 Rose Palace, Pasadena, CA, USA
   04 Santa Monica Civic Center, Santa Monica, CA, USA
   05 Santa Monica Civic Center, Santa Monica, CA, USA
   09 Edmonton Gardens, Edmonton, BA, CANADA
   10 PNE Agrodome, Vancouver, BC, CANADA
   11 Green Lake Aqua Theater, Seattle, WA, USA
   13 Civic Auditorium, Honolulu, HI, USA
   16 Grande Ballroom, Detroit, MI, USA (Two Shows)
   17 Convocation Center, Athens, GA, USA
   18 Guthrie Theater, Minneapolis, MN, USA
   23 Northern California Folk-Rock Festival, San Jose, CA, USA
   24 Kinetic Playground ,Chicago, United States
   25 Merriweather Post Pavilion, Columbia, MD, USA
   27 Boston Tea Party, Boston, MA, USA
   28 Boston Tea Party, Boston, MA, USA
   29 Boston Tea Party, Boston, MA, USA
   30 Fillmore East, New York City, NY, USA
   31 Fillmore East, New York City, NY, USA


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