アナログ・ブート時代から有名なレッド・ツェッペリンの1969年4月27日フィルモア・ウエスト公演の音源が IMP(:=Idol Mind Productions)レーベルからリリースされました.リリースは英語オビ付き仕様の IMP-N-040F(\4,800) と,通常仕様の IMP-N-040R(\3,900)の 2種類です.店によっては,それぞれ \4,830 と \3,990 の場合があります.ちなみに私は LIGHTHOUSE にて購入しました.

 既発の同日のSBD音源では Bumble Beeレーベルの「Blue Flame (BB-0702009-10)」や TARANTURAレーベルの「American Beauty (SFSB-1,2)」等が,またSBD音源とAUD音源を編集して可能な限り完全盤に近づけた TDOLZ(:The Diagrams Of Led Zeppelin)レーベルの「Collage (TDOLZ Vol.91)」や Scorpioレーベルの「Go West, Young Man! (LZ-08014)」等がリリースされていました.

 今まではFM放送をエア・チェックした音源からのブート化でしたが,今回は何と元のオープン・リールからの収録という事で,その発掘もさることながら,非常に嬉しいリリースである事は間違いありません.内容は当日行われた 2回の公演(アーリー・ショウ,レイト・ショウ)を収録しています.当時のフィルモアでは,記録用として収録されていた関係もあって,他のアーティストのものも不完全なものが多いように思いますが,今回の音源も同様です.しかもメーカー側の拘りなのか,同日の別オーディエンス音源を編集収録しあえて完全盤とすることもなく,リールに収録されたいたものだけでのリリースとなっています.

 音質的には,殆どイコライジング,トリートメントを施していないんではないでしょうか.既発と比較すると,明らかにヒス・ノイズが少なくなっており,また音的にも既発より生々しい音です.ただゲインを多少上げているのか,あるいはそもそものリールのゲインがこのレベルなのかは不明です.この辺は好き嫌いがあるかも知れませんが,個人的には同日の既発商品を持っていても,購入すべき商品だと思います.

 当時オープニングを飾ることの多かった 1曲目の "The Train Kept A Rollin'" からフル・スロットル状態で,ダイナミックな演奏が四身一体で繰り広げられます.続く "I Can't Quit You Baby" は,1曲目とは異なり静かなブルース・ナンバーとして聴かせます.
 そして何にもまして素晴らしい演奏が展開されるのが "As Long As I Have You" です.カヴァー曲ながらオリジナルを大幅に拡張し "Fresh Garbage","Shake","Cat's Squirrel","No Money Down","Mannish Boy" 等をメドレー形式で挿入しています.この曲は1969年当時相応に演奏されているので,ファンの方ならば知っている人は多いと思いますが,このブログの読者で未だ聴いた事が無い方は,この 1曲を聴くために購入しても損は無いと思います.
 続く "You Shook Me" もブルースとして聴かせ,そして最後のメンバー紹介を含む "How Many More Times" もスタジオ盤とは異なり "The Hunter" 以外に "Feel So Bad","Here We Go Round The Mulberry Bush"等を含んで演奏されます.この導入部のメンバー紹介を兼ねた "How Many More Times" が,また格好良いんですよ.

 レイト・ショウは,アーリー・ショウに比較するとカット箇所が多いのが難点で,何故かジミー・ペイジのギター・ソロ "White Summer - Black Mountain Side" がリールには収録されていません.またロバート・プラントの調子が悪かったのか "Communication Breakdown" では,一部精彩を欠く部分も見受けられます.
 "Good Times Bad Times" に似たイントロから始まる "Killing Floor"(後の "The Lemon Song")は "Sweet Jelly Roll" を含んで演奏されます.ちなみに "Communication Breakdown" がレイト・ショウのオープニングに演奏されているような編集になっていますが,"Killing Floor" の導入部が当時のオープニング的な演奏,当時 "Dazed And Confused" が最後に演奏されるのは在り得ない,"Communication Breakdown" 演奏の盛り上がりを考えると,同曲がレイト・ショウの最後に演奏されたのは明白でしょう.

 しかし,この当時のレッド・ツェッペリンは荒削り感がありますが,かなりの勢いがあります.

 メーカー情報では
 『IMPが独自ルートからまたまた激レア・リールを発掘して独占入手!しかもリールから直接ヴィンテージ・コンソールを通しての高品位コンバート!
 Fillmore Westでの名演、1969年4月27日のサウンドボード音源が、あまた出回ったエアチェックでのFM放送を録音したテープ類からではなく、遂にその元リールからのダイレクト・トランスファーで登場です!
 今回あえてオーディエンス録音を混入してのコンプリート版を指向せず、終始一貫、元リールならではの鮮度抜群なサウンドボードの音色のみを追求!テープヒスは若干軽減するにとどめ、自然な鳴りを最重視したマスタリングで、ブ厚く、空間密度が濃く、それでいてクリアーで分離の良いサウンドを実現!しかもSonic HDルビジウムシステムで生成されたプレスマスターにより、ワイドレンジかつ輪郭の冴えた音場と圧倒的にリアルな質感で2CD化!

 当日LIVE現場でムーヴされたフェーダーの動きの荒々しさが時にピークを超えつつも、縦横無尽に展開されるギター、ベース、ハープ、各楽器本来の確かな音色と、まるでそこにいるかのように生々しいトーンで迫るヴォーカル!そして立体的に飛び出しつつどっしりと腰の入った実存的なタイコの鳴りと響き!これらが一体となって聴くものの根源的なロック衝動を鼓舞してやまず、あの伝説のコンサートが別次元の新たなる感動とともに甦ります!
 今も色あせない、白人が到達した最強のヘヴィ・ブルーズ・ロックの原型!リールに刻まれた若かりし ZEPPELIN の激しくも美しいステージの息吹き!これはもう、ただ聴くのではなく全身で浴びちゃって下さい!』
との事.

[初回限定版:厚型DUO CASE+英語オビ付き仕様]
Fillmore West 1969 Off Reels (IMP-N-040F)
 
 Live At Fillmore West, San Francisco, CA,USA April 27th 1969

[通常限定版:2CDプラケース仕様]
Fillmore West 1969 Off Reels (IMP-N-040R)
 

 中身
 $cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin Fillmore West 1969 Off Reels


 Disc 1
 [FIRST SET - OFF REELS] Soundboard Recordings
  1. The Train Kept A Rollin'
  2. I Can't Quit You Baby
  3. As Long As I Have You
  4. You Shook Me
  5. How Many More Times

 Disc 2
 [SECOND SET - OFF REELS] Soundboard Recordings
  1. Communication Breakdown
  2. Killing Floor
  3. Babe I'm Gonna Leave You
  4. Sitting And Thinking
  5. Pat's Delight
  6. Dazed And Confused

 As Long As I Have You
 
 How Many More Times
 

[参考]
 SBD
 American Beauty (SFSB-1,2)
 cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - American Beauty (SFSB-1,2)
 Blue Flame (BB-0702009-10)
 cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Blue Flame (BB-0702009-10)

 SBD&AUD MIX
 Collage (TDOLZ Vol.91)
 cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Collage (TDOLZ Vol.91)
 Go West, Young Man! (LZ-08014)
 cinnamon の裏音楽、そしてときどき競馬予想-Led Zeppelin - Go West,Young Man!

 1969 North American Spring Tour
 April
  24 Fillmore West, San Francisco, CA, USA
  25 Winterland Ballroom,San Francisco, CA, USA
  26 Winterland Ballroom, San Francisco, CA, USA
  27 Fillmore West, San Francisco, CA, USA

 May
  01 Crawford Hall - UC Irvine, Irvine, CA, USA
  02 Rose Palace, Pasadena, CA, USA
  03 Rose Palace, Pasadena, CA, USA
  04 Santa Monica Civic Center, Santa Monica, CA, USA
  05 Santa Monica Civic Center, Santa Monica, CA, USA
  09 Edmonton Gardens, Edmonton, Alberta, CANADA
  10 Pacific Coliseum, Vancouver, British Columbia, CANADA
  11 Green Lake Aqua Theater, Seattle, WA, USA
  13 Civic Auditorium, Honolulu, HI, USA
  16 Grande Ballroom, Detroit, MI, USA (Two Shows)
  17 Convocation Center, Athens, OH, USA
  18 Guthrie Theater, Minneapolis, MN, USA
  23 Northern California Folk-Rock Festival, San Jose, CA, USA
  24 Kinetic Playground, Chicago, IL, USA
  25 Merriweather Post Pavilion, Columbia, MD< USA
  27 Boston Tea Party, Boston, MA, USA
  28 Boston Tea Party, Boston, MA, USA
  29 Boston Tea Party, Boston, MA, USA
  30 Fillmore East, New York City, NY, USA
  31 Fillmore East, New York City, NY, USA