松岡美術館「館蔵日本画展 日本美術院の画家たち」を観た! | とんとん・にっき

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松岡美術館で「館蔵日本画展 日本美術院の画家たち」を観てきました。観に行ったのは3月31日のことでした。4月16日までの開催でしたので、この展覧会は終了しました。


松岡美術館のコレクションの始まりは「近代日本画」だったという。そして、室町時代から昭和に亘る幅広い日本画作品の中でも、日本美術院の画家たちの作品は約3割を占めているという。今回は、選りすぐった日本美術院の画家の作品を集めて展示してありました。


日本美術院については、「日本美術院沿革」 に詳しい。


以下、展示されていた作品の幾つかを、以下に載せておきます。


「形態*84-8」再興第69回院展 1984(昭和59)年 39歳

中島千波 1945(昭和20)年~

父は日本画家中島清之。1971(昭和46)年東京芸術大学大学院修了。院展やグループ展で意欲的に作品を発表、。1979年山種美術館賞展優秀賞受賞。1985年第1回日本が裸婦大賞受賞(東京セントラル美術館)。1992(平成4)年長野県小布施町に、おぶせミュージアム・中島千波館開館。ライフワークである大画面による人物像や、日本各地に取材した壮麗な桜の古木など魅力的な作品を描き続けている。1998年日本美術院を離れ、現在は無所属。東京芸術大学名誉教授。



「城門」 再興第64回院展 1979(昭和54)年 34歳
野村義照 1945(昭和20)年~

1972(昭和47)年東京芸術大学大学院修了、同年第55回院展に初入選を果たす。前田青邨、のち平山郁夫に師事。1975年日本美術院院友に推挙。1982年東京芸術大学保存修復技術科非常勤講師となり、院展を中心に作品を発表。「一世保存修復研究所」を設立、代表顧問となり古文化財の修理研究にたずさわる。1989年にはローマ市主催の作品展がローマ市立美術館で開催されるなど国外でも活躍。精神性の高い静謐さの漂う風景画が魅力である。元院展特待。現在は無所属。



「追想 王妃の谷」 再興第66回院展 1981(昭和56)年 51歳

鎌倉秀雄 1930(昭和5)年~

1946(昭和21)年安田靫彦に入門。1951年院展初入選、以後連年入選する。インド旅行の成果を示した作品群で4回の奨励賞を得た後、1978年「乳び供養」で日本美術院賞受賞。続いてエジプト古代追想をテーマとし、力作を次々と発表。本作「追想 王妃の谷」が2度目の日本美術院賞に輝き、同人推挙。1987年「阿修羅」で文部大臣賞受賞。奈良・京都の古寺を主題に日本の伝統美を追求し、1989年「鳳凰堂」で内閣総理大臣賞を受賞した。日本美術院理事。



「オストニーの朝市」 再興第65回院展 1980(昭和55)年 51歳

内藤和子 1929(昭和4)年~2009(平成21)年
1950(昭和25)年旧女子美術専門学校絵画部日本画科を卒業。安田靫彦に師事し、翌年の第36回院展に「初夏の店頭」で初入選。以後、入選を重ねる。奨励賞も多数受賞。特に人物画に秀で、中近東など海外で取材した作品も多い。1972年日本美術院特待。作者は1980年頃、南イタリアのムルギア地方へ写生旅行に出かけ、階段路のある丘の上の小さな田舎町でのスケッチから本作が生まれた。ほとんどが黄土系の色をした民家のなかで、オストーニはギリシャ的な白い壁の集落であった。



「青山の琵琶」 再興第67回院展 1982(昭和57)年 79歳

羽石光志 1903(明治36)~1988(昭和63)年

中学生の時、小堀鞆音に入門し、1919(大正8)年川端画学校に入学。関東大震災後、挿絵画家として活躍する。鞍音の歿後は、1938(昭和13)年より安田靫彦に師事し、1941年の第28回院展に初入選。以後、院展で活躍し、1956年同人推挙。1968年第53回院展「いかるがの宮」で内閣総理大臣賞受賞。文化庁委嘱の法隆寺の壁画模写や日光東照宮陽明門の天井画復元にも尽力した。正確な時代考証に基づく、清らかで気高い晴神性を擁した歴史画を現代の院展に伝えた。



「焔 八百屋お七・朝顔日記深雪」 再興第59回院展 1974(昭和49)年 67歳

北澤映月 1907(明治40)年~1990(平成2)年

1923(大正12)年16歳で上村松園塾に入門。25歳で土田麦僊に師事し、映月の雅号を受ける。1936(昭和11)年改組第1回帝展に「祇園会」で初入選。師、麦僊の没後は院展に出品を続け、1941年同人推挙。戦後は東京に拠点を移し、女性をテーマとした新しい歴史画を確立して高い評価を得た。1961年日本美術院評議員。1970年第55回院展「ねねと茶々」で内閣総理大臣賞受賞、1980年第65回院展「朱と黒と」が文部大臣賞を受賞。1990(平成2)年には勲四等瑞宝章を受章した。


「藤三娘」 再興第70回院展 1985(昭和60)年 84歳

真野満 1901(明治34)年~2001(平成13)年

父、祖父を画家に持ち、浅草に生まれる。10代半ばで尾竹竹坡に絵を学び、青樹社に参加。父の勧めで京都市立絵画専門学校に入学。1937(昭和12)年安田靫彦に師事。翌年第25回院展で初入選。1940年より文部省嘱託として法隆寺壁画の模写事業に従事。1957年院展同人に推挙。1980年第65回院展出品作「後白河院と遊女乙前」で内閣総理大臣賞受賞。靫彦に師事して以来、一貫して清新で優美な歴史画を追い求めた。



「館蔵日本画展 日本美術院の画家たち1」

美術館を開設するまでになったコレクションの始まりは近代日本画でした。室町時代から昭和に亘る幅広い日本画作品の中でも、日本美術院の画家たちの作品は約3割を占めています。前期(1月5日~2月21日)には、天心とともに創立に加わった横山大観、下村観山、前期日本美術院正員の橋本雅邦、寺崎廣業、小堀鞆音らの作品を展示します。後期(2月23日~4月16日)は、美術院の再興以降に制作された大観、観山らの作品を出品します。

「館蔵日本画展 日本美術院の画家たち2」

第2世代となる安田靫彦、小林古径、前田青邨、また歴史画で名高い羽石光志、真野満らの作品を出品いたします。花鳥、風景や物語を描いた作品など、明治から昭和にかけての巨匠たちによる多様な作風をお楽しみください。


「松岡美術館」ホームページ


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