松岡美術館で「女性美 あなたの美神に、出会う春。」―現代彫刻編! | とんとん・にっき

松岡美術館で「女性美 あなたの美神に、出会う春。」―現代彫刻編!



松岡美術館で「女性美 あなたの美神に、出会う春。」展を観てきました。 観に行ったのは3月9日でした。久し振りの松岡美術館、前回行ったのは1年以上も前のことでした。今回のテーマは「女性美」です。チラシには、女性は芸術の世界で最も重要なモチーフの一つであるが、しかし、作品の作り手、作られた時代や地域によって女性美の定義は様々であり、その多様性は観る者を喜ばせ、驚愕させ、また混乱させもした、としています。


一方、松岡美術館の創立者・松岡清次郎が築いた松岡コレクションは、清次郎個人の好みが素直に反映され、一貫した共通性が見て取れるとしています。今回の趣旨を、古今東西、女性に関する作品を一堂に公開し、芸術における女性美の多様性と共通性を探ろうとするものであるとしています。


松岡美術館にはもう何度も行ってますが、全館が共通したテーマで展覧会が開催されるんは、あまり例がないことです。いつもは1階が常設展示、2階が企画展示といったことで、展覧会が開催されていました。さすがに展示室1の古代オリエント、展示室3のインド彫刻などは大部分が常設展示と同じですが、それでも「女性美」に関連づけた展示がなされていました。


ここではまず、展示室2の現代彫刻を取り上げます。玄関を入って正面には、プールデルの大きな作品「ペネロープ」が展示してあります。その横にエミリオ・グレコの「エイコ」が展示してあり、また展示室2に入ると、エミリオ・グレコの作品が数点、そしてこの美術館の目玉であるヘンリー・ムアの大きな作品「横たわる女、肘」が展示してあります。エミリオ・グレコの「腰掛ける女」は、脚を組んで座る形がなかなか肉感的で、僕の好きな彫刻の一つです。








「女性美 あなたの美神に、出逢う春。」―現代彫刻編

オーストリア人画家、オスカー・ココシュカから「現代彫刻の歌麿」と評されたイタリア人彫刻家エミリオ・グレコ。30代で初めて中央の大きな美術展へ出品し、初めての個展を経験した「遅れてきた彫刻家」は、後半生には、日本を始め世界各地で個展や巡回展を開催するなど、その官能的表現が高く評価されました。一方、グレコが中央にデビューを果たしたその頃、イギリス人彫刻家ヘンリー・ムアは20世紀を代表するマリア像《聖母と幼児キリスト》を聖マタイ教会のために完成させました。小さな子供を守る母親をテーマにした《母と子》、もっとも自由でかつ安定した姿勢を表現した《横たわる女》など、ムアにとって女性というモチーフは、生涯に亘って追い続けたテーマでした。展示室2では、このヨーロッパを代表する彫刻家二人の女性像を常設展示しています。具象彫刻と抽象彫刻という対照的な造形表現が見せる多様性や可能性をお楽しみください。


「松岡美術館」ホームページ


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