松岡美術館で「ファンタジー~幻想の絵画PART1-PART2」展を観た! | とんとん・にっき

松岡美術館で「ファンタジー~幻想の絵画PART1-PART2」展を観た!

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「ファンタジー~松岡コレクションの幻想世界~」展
チラシ

松岡美術館で「ファンタジー~松岡コレクションの幻想世界~幻想の絵画PART1-PART2」展を観てきました。こちらは、「中国の幻想動物たち」とは違って、自由に描かれた絵画です。チラシには以下のようにあります。


はるかむかし、伝説や迷信に囲まれた人々にとって、幻想の世界はごく身近なものでした。時を経て、物事が科学的に解明された現代においても、私たちは夢やまぼろしの世界への憧れを心に秘めながら、現実の社会を生きているのではないでしょうか。今展では、創立者が晩年まで足繁く通った公募展などで、自ら選んだ現代日本作家の幻想的な作品をご紹介します。特にPART2では初展示作品を集め、一挙公開。画家たちのさまざまなメッセージに耳を傾け、あなた自身の内なる声を聞いてみませんか。


今回の展示は「幻想絵画」というくくりはあるものの、全体的に観て作品の繋がりがあるわけではありません。そういうことからいえば、作品は玉石混淆ともいえますが、それでも一人のコレクターの目を通して集められたもの、一定のレベルは保たれているように思われます。それにしてもほとんど日本画のようなものもあれば、いわゆるリアリズム絵画もあれば、シュールレアリスムの範疇に属する作品まで、作品のテーマはあきれるほど幅が広い。「PART2」は、本邦初公開作品のようです。

僕の好みでいえば、と無理矢理選んでみると、以下のような作品が挙げられます。「PART1」では、河津胖子の「樹魂の譜」や堀川公子の「古経を拝す」、堀川公子は床の間に展示されていた「燈」という作品も素晴らしい。そして角浩の「ベネチア異変」が挙げられます。浅井光男の「メランコリー」と長宗希佳の「静かな移行」は並んで展示されていましたが、写実的に描いていながら、ギョッと驚かされる作品です。


「PART2」では、北村真の「砂の音No.5」、これは人物の描写が圧巻でした。他に今井信吾の「コンクリート・ボックス(内なる風景)」は、シュールな感じが素晴らしいと思いました。須藤初雄の「蝶道」は、写実絵画、リアリズム絵画の傑作です。


「幻想絵画の世界PART1」

幻想的な世界が身近であったのは、日常に伝説や迷信が生きていたはるか昔のこと。しかし、現実の社会に封印され、心の片すみにひっそりと息づいている夢やまぼろしの世界を、ひとは永遠に持ち続けるのだと思います。kaigaが囁きかけるさまざまなメッセージは心の奥深くに秘められた想いを呼び覚まし、あなたを幻想世界へといざなうことでしょう。


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「幻想絵画の世界PART1」会場風景


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左:行近壮人「蒼想」1973年
右:橋本龍美「里噺」1973年


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左:工藤甲人「鳥像」1962~7年頃
右:河津胖子「樹魂の譜」1983年


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堀川公子「古経を拝す」1985年


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左:松崎守「森」1981年
右:野田好子「祈り」1974年


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左:堀口千鶴雄「鳥と狩人」1983年
右:角浩「ベネチア異変」1985年


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左:浅井光男「メランコリー」1982年
右:長宗希佳「静かな移行」1985年

「幻想絵画の世界PART2」

松岡清次郎のコレクションといえば、海外オークションでの落札品ばかりに目が向けられ、自ら日展、新制作展などの公募展に足繁く通い、若手現代作家の絵画を購入していたことはあまり知られていません。この部屋では、そのような所蔵品の中でも、特に今回初展示となる作品をご覧いただきます。明治生まれのコレクターがどのような想いで現代の幻想絵画を購入していたのか。それを想像していただくのもおもしろいかもしれません。


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「幻想絵画の世界PART2」会場風景


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左:金子隆一「仮面A」1985年
右:岩田満穂「M乳業の弁明と嘘」1973年


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左:角浩「私の真夏の夜の夢」1986年
右:?


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北村真「砂の音No.5」1985年


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左:今井信吾「コンクリート・ボックス(内なる風景)」1974年
右:飯田順雅「枯枝棲『欠落の記憶』」1975年


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左:須藤初雄「蝶道」1972年
右:庇護英武「『芸人たち』1981年」1981年


「幻想絵画の世界PART1」
常識にとらわれない、自由な発想にあふれた不思議な絵画を現代日本作家の作品から選びました。現実にはありえない、まぼろしのような光景は、心の奥深くに隠された様々な想いを呼び覚まし、あなたを幻想の世界へといざなうことでしょう。

「幻想絵画の世界PART2」

清次郎のコレクションといえば二大オークションでの落札品ばかりに目が向けられ、自ら日展、新制作展などの公募展に足繁く通い、若手現代作家の絵画を購入していたことはあまり知られていません。展示室6では、そのような所蔵品の中でも、特に"幻想絵画"という大きなテーマを設けることで初めて出品することが可能になった初展示作品をご覧いただきます。


「松岡美術館」ホームページ


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