松岡美術館で「松岡コレクション うつわのかたち」展を観た! | とんとん・にっき

松岡美術館で「松岡コレクション うつわのかたち」展を観た!

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松岡美術館で「松岡コレクション うつわのかたち」展を観てきました。


手と耳と植物にちなんだかたちに注目した、中国や日本などの東洋陶磁器のほか、古代ギリシャ陶器、古代ガラス、ペルシャ陶器、中国清朝玉器など、約50点が展示されていました。とはいえ、この分野はまったくの素人、何回観てもよく分かりません。が、しかし、数を観ること以外に、いい手はありません。また整理の仕方もよく分かりません。従って、毎度のことですが、会場に展示してあった解説文に従って、以下の文章を書きました。


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手のあるうつわ

私たちが生活する上で欠かせない水や油、酒や茶といった液体を容れて、キッチンや食卓で使用するうつわには、把手(はしゅ・とって)が付けられています。ここで紹介するのは、紀元前6世紀~19世紀というおよそ2500年という永い年月の間に作られた手のあるうつわですが、いずれも美しさと実用性を兼ね備えています。



黑絵式陶器:

人物を黒いシルエットで表す古代ギリシャ陶器のスタイルのひとつ。顔や着衣のドレープなどの白い細線は、黒く塗った上から針のような先の尖った道具で引っ掻くようにして描かれています。黒絵式陶器では女性は肌を四六塗られています。このオイノコエの両面中央が女性で、アテネの守護神であるアテナ。向かって右は酒神ヂュオニソス、左は伝令神ヘルメスです。






耳のあるうつわ

こちらでは耳のあるうつわをご紹介します。耳とは、壺などの肩に付けられた両手で持つための把手や、壺の蓋を固定するための紐や縄を通すリング状の部分などを指します。本来は実用的な役目を果たす耳ですが、純粋に飾りとしてデザインされる場合もあります。壺の両肩にひとつずつ付いていると「双耳」、もっと多い場合はその数によって「八耳」、「多耳」などと呼びます。装飾としての耳には、龍の姿をした「龍耳」、花が付けられた「花耳」などさまざまなかたちがあります。




植物のかたち

千変万化な姿をみせる植物は、自然がもたらしたデザインの宝庫といえるでしょう。遙か古の時代から洋の東西を越えて、建築や工芸など人間がつくり出してきた数多くの造形に、そのかたちは反映されてきました。水柱や瓶に象られた瓢箪や白菜、瓶の口や盤に写し取られた美しく咲く花々。ここでは、わたしたち現代人にとっても身近な、くだものや野菜、花など植物のかたちを表現したうつわをご紹介します。


柑子口瓶:

柑子とはミカンのこと。ふくらんだ口のかたちをミカンに見立てて日本では柑子口瓶と呼んでいます。中国での名称は蒜頭瓶(さんとうへい)、ニンニクの頭をした瓶という意味です。もともとは漢時代の青銅器で、お酒を注ぐうつわでした。



花咲くうつわ:

花はさまざまなかたちでうつわにデザインされています。

チューリップがが咲いたような「ラスター彩花鳥文花口瓶」
うつわそのものが花の姿の「ラスター彩花文輪花鉢」

口もとに咲く花「正寺彫花花文杯」「白磁百合口瓶」




「松岡コレクション うつわのかたち」展
松岡コレクションには、世界中のさまざまな地域、さまざまな時代に製作された、多種多様なうつわが収蔵されています。日々のくらしで利用する道具としてのうつわには、地域や時代を越えて共通するかたちがみられます。また、鑑賞するためにつくられたうつわには美しい装飾が施され、わたしたちの目を楽しませてくれます。本展は手と耳と植物にちなんだかたちに注目して、中国や日本などの東洋陶磁器のほか、古代ギリシア陶器、古代ガラス、ペルシア陶器、中国清朝玉器など約50件で構成いたします。

「松岡美術館」ホームページ


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