松岡美術館で「巴里をいのちを謳歌しよう」を観た―三彩編! | とんとん・にっき

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松岡美術館で「巴里をいのちを謳歌しよう―巴里につどう星たち・いのちの賛歌」を観てきました。 玄関前の植え込みにはなんとサツキが咲いています。観に行ったのは5月30日、もう2ヶ月も経ってしまいました。いや、お恥ずかしい。松岡美術館は、僕の好きな美術館の一つです。ここで今までけっこう勉強させていただきました。展示品が古典から現代まで幅広いこと、解説が丁寧なこと、静かでゆっくり観ることができること、写真撮影が自由なこと、等々によります。


「いきもの賛歌」ですから、陶製の動物像全般が扱われていますが、それは後回しにして、ここではまず、僕の好きな「唐三彩」を選りすぐって載せておきます。東京国立博物館の東洋館が開館した時に観に行ったのですが、唐三彩は数体しか展示されていませんでした。これでは欲求不満になってしまいます。収蔵庫にはたくさん眠っているのかも知れませんが・・・。今回の松岡美術館では、唐三彩がメインではないのですが、ここでは唐三彩の駿馬と駱駝を、以下に載せておきます。


三彩 馬


唐時代の駿馬たち

高さ50cmを超す大型の馬俑は、たてがみを刈り揃えたり片側に撫でつけるなど美しく整えられている。短く束ねた尾は当時の流行という。シルクロードを経て西域からもたらされた名馬を豪奢に飾り立て貴公子が長安の大路をいくさまは、李白が

「五陵の年少 金市の東 銀鞍白馬 春風を度る・・・」

と詠った、唐詩を想い起こさせる。

また、前後のひざを噛むのは、血気盛んな馬によく見られるしぐさという。型で作られるなかにも、動きに変化をつけた躍動感あふれる造形である。








三彩 騎馬人物




三彩 駱駝

駱駝は砂漠の厳しい環境に適応して乾燥に強く、こぶに蓄えた脂肪で体力を保ち、砂嵐の際は長いまつげで目を保護し、鼻の孔も閉じられる。また、砂上を歩くのに適した足を持ち、重い荷を運ぶことも出来るため、砂漠の舟と呼ばれた。中央アジアにサンするフタコブラクダは、シルクロードを介した公益に欠かせない機動力だった。頭をあげ、いななく表情はリアルかつ、伸び伸びとしている。都・長安では長旅を終えてガラス屋ペルシャ絨毯、香料、金銀宝石、金属器、楽器といった様々な荷を下ろす駱駝の隊商が幾隊も見られたのだろう。駱駝は異国への憧れ、そのものだったのかもしれない。




中国陶磁 いきもの賛歌 

生活の営みに欠かせない家畜や、吉祥の意味をかけて好まれた動物など、人の暮らしと共にあって親しまれてきたいきものたちに着目しました。往時の人々が姿をかたどり、また器表に描いた動物たちは躍動感豊かに、また象徴的にあらわされ、現代の私たちに何かを語りかけてくるかのようです。2014年の干支は午。この機会に、午年生まれの松岡が気に入って求めた、躍動感あふれる「三彩馬」も出品します。


「松岡美術館」ホームページ