我々ヴォーカリストは12月に入った途端、みな一斉にX'masソングを競って歌う。欧米では1月以降も“クリスマス休暇”だが日本には“お正月”があるのでX'masソングは12/25までしか歌えないからだ。そもそも12/24はクリスマスイブではなく12/25はキリストの誕生日ですらないのだが、ま、これは文化の違いで仕方ないことだ。

 

そしてどのヴォーカリストもX'masソングは他の歌より下手だ。何故なら年間で1か月足らずしか歌えないため歌い込めないからである。なので人によっては歌詞さえ覚えていなかったりする。だって歌詞を覚えるのは大変なのに1か月弱しか歌えないのでは覚え甲斐も無いし折角覚えても次に歌えるのは翌年。忘れてしまう。

 

SEABIRD第二金曜バンドの岩井バンマスから「今回は器楽曲はデューク・エリントン特集で歌はX'masソングで」との連絡があった。1st.setと2nd.setで歌モノ枠は3曲ずつ計6曲あるが、メインヴォーカルの出雲井さんが4曲、私とマッキー(こと牧かおるさん)が1曲ずつX'masソングを歌えばいいかな~と思っていたのだが…。

 

【杉山さん(ts)作成の可愛いブローシャ】

 

しかし世の中そんなに甘くない。すぐにヴォーカル部の出雲井カントクから「お二人には数曲をメドレーにアレンジし、リハ無しでも出来るようにします」との指示が・・・え、メドレーなんてリハ無しで出来るの?さらに後日「冒頭に私のWinter Wonderlandをボサで1コーラス入れて更に長くなりました」えぇーっ!マジか?

 

全5曲「Winter Wonderland」「JingleBells」「Blue Christmas」「The Christmas Song」「White Christmas」、キーもテンポもみな違うのに。しかしマッキーは「メドレーのご提案ありがとうございます!楽しみです!!」って、おいおい、そもそも「JingleBells」なんて二人とも歌ったことねーし…と思っている間に手書き譜も添付されてきた。

 

あっという間に全5曲を1コーラスずつ繋げたメドレーの譜面を書いてコードも振ってしまう。さすがカントク、すっげー!そして当日、カントクは1st.setでエリントン2曲と「A Christmas Love Song」を歌って2nd.set・・・「ではX'masソング5曲をメドレーにしたんですけど上手く出来ますかどうかホホホ」え、出来るようにしたんじゃないの?

 

♪Christmas Song Medley・・・with 出雲井裕美&牧かおる、2021年12月10日、SEABIRD第二金曜ライブ♪ (🎥杉山さん撮影・編集)

 

カントクは、ボサでテンポ出しして「Winter Wonderland」を、なんとポルトガル語で(カッチョイィー!)1コーラス歌うと、マッキーにマイクを渡して颯爽と去って行ってしまった。あ、あ、えーと、ピアノの中川さんのG7のコードを聴きながら「ワン、ツー、ワンツー」とカウントを出して「JingleBells」に入る。ワ~全然声出ないゾ低いのか?

【カントクはネイティブポルトギー】

 

私は1オクターブ上げてダメで下げて、もう半ばパニクりながら進むがマッキーは平然と歌いのける。でも次の「Blue Christmas」のキーはFだが大丈夫!だって「JingleBells」の最後の音と同じ「ド(C)」から始まるから。最初にテンポを出し忘れたがドラムの小島さんが三連(四分音符が三連符のロカバラッド)に。おお、これだ!

 

続く「The Christmas Song」はマッキーのソロ。ここのA♭の歌い出しが最も難しいゾ。音が取れるかなと心配するも難なくクリア、そもそも彼女は普段はFで歌っているのに半音で3つも高いキーA♭でもケロっと歌ってしまうから音域が広いのだろう。通常、男女デュエットだと女声はキーを半音一つも譲ってくれないのに…凄い!

 

最後の「White Christmas」は男声キー(C)だから私から歌い出して二人で掛け合いにしたが、マッキーは普段のキー(G)より半音で5つ!も高いキーで歌っている。出雲井カントクといいマッキーといい、はやり女性は肝が据わっている。杉山さんの動画を観ても私はフラフラと落ち着きが無くステージングもダメダメだ。嗚~呼

歌伴達者な中川さんだから出来た芸当でしたよね?そしてライブはエリントンナンバーの器楽曲「Mood Indigo」さらに管楽器陣総出の「Things Ain’t What Use To Be」で勇壮に締め、意気揚々と有志は2次会へと繰り出したのであります。ああ、ようやくこうしたリアル飲み会も出来る状況になってメデタシ、メデタシ。

 

Saigottimo

12月7日(火)、私が所属している朗読グループ“5Thanks(サンクサンクス)”で、埼玉県久喜市立栢間(かやま)小学校の全校生徒を対象に朗読会をさせて戴いた。同校ではリーダーの前尾津也子さんが高学年生を対象にこのコロナ禍にリモートで朗読の授業をした事があり、今回は学校に出向いてのリアル朗読会となった。

 

【正面左の体育館が朗読会場】

 

午前8時半、実に恐縮なことに桶川駅に校長先生自らセダンでお迎えに来て下さった。校長の富山司先生はとてもお人柄の良い優しい方で、生徒さん達を自らの家族の様な存在だと仰った。先生は「趣味のようなもんですよ」と興味のあるイベント等に参加しては学校での講義や公演をお願しているのだという。

 

自ら(ご自身の時間とお金を使って)体験し、「良い」と思ったものを「是非、生徒達にも見せたい(聴かせたい)」という純粋な想いから演者を学校に招待する、これはなかなか出来ることではない。生徒さん達は幸せだと思う。そして今回、その演者としてご招待に与った我々も大変光栄であり、またありがたいことだと思う。

 

お聞きするに2018年4月に開催した我々5Thanksの朗読音楽会「ロバのおうじ」(リュートの演奏に合わせて)も観に来て下さったとのこと。そしてその時のリュート奏者(永田さん)は既に同校で公演をされたらしい。今回、全校生徒86人を低学年と高学年に分けて、1回約40分間の別プログラムで午前中に2回実施した。

 

【マスク&ソーシャルディスタンスでコロナ対策も万全】

【生徒さん達は皆しっかり聴いてくれた】

 

●低学年生向けプログラム

・「きつねの電話ボックス」和田和代:作

・「スイミー」レオ・レオ二:作、谷川俊太郎:訳

・「あたしの あ あなたの ア」谷川俊太郎:作

・「クレヨンからのおねがい」デイウォルト:作、木坂涼:訳

 

●高学年生向けプログラム

・「星の王子様」サン・テグジュペリ:作、池澤夏樹:訳

・「あたしの あ あなたの ア」谷川俊太郎:作

・「ごんぎつね」新見南吉:作

 

生徒さん達は実に真剣に聴きいてくれた。メンバーからは「こんなに(聴衆の方々が)真剣に聴いて下さる公演というのは今まで無かったのでは?」との声も出た。学校の授業(行事?)であり、先生から見られているから当然かも知れないが、それでも生徒さん達が集中して聴いてくれていることはヒシヒシと伝わり、嬉しかった。

 

【懐かしい!給食】

 

終演後「お疲れさまでした。ではお昼をご用意していますのであちらへどうぞ」と案内された校長室には、なんと給食が!私は中学からお弁当だったので、小学生以来半世紀ぶりの給食を、校長先生と一緒に頂戴した。しかもランチョンマットは小学校の様々な写真をラミネート加工した自家製。これは皆がお土産に戴いた。

 

【私のマットは航空写真。左下にはマスコットキャラも】

【富山校長先生との記念写真】

 

当日は謝礼に加えて綺麗な花束と地元菓子舗「梅林堂」の美味しいお菓子もお土産に頂戴し、翌日には先生方が撮って下さった写真と生徒さんからの「またきてほしいです」など可愛く嬉しい感想文も複数送って下さった。メンバー全員が感激して「またこんな素敵な公演が出来たらいいね」と語り合った。

 

やはり聴いて戴く人々を前にしての対面でのステージは、演者も聴衆もネットにはないライブ感覚を味わえるもの。我々にとって2年ぶりのリアル公演が実現できたことは嬉しい。でも今回都合によりメンバーの大幡かおりさんが参加できなかったため、4Thanks(?)になってしまった。次回は是非5人揃って参加したいものだ。

 

5Thanksのこれまでの活動とネット上の朗読動画はこちらから。

 

Saigottimo

先月、1年半ぶりにステージ復帰をしたものの、渋谷SEABIRD第一金曜ライブではRumikoさんのバックコーラス兼パーカッショニスト。そしてデュエットでのリハビリを終え、ソロヴォーカルでの復帰は、12/3(金)の第一金曜ライブから。曲目は、私としては新しい曲となる「恋の気分で(I'm In The Mood For Love)」にした。

 

この曲は持ち歌ではなかったが、自粛期間中にマッキー(牧かおるさん)が歌った音源を送ってくれて何度も聴いているうちに自分でも歌いたくなった。スタンダードだから様々な人が歌っているが、私のイチオシは布施明。彼はきっとディナーショウなどで歌っているのだと思うが、実にムードたっぷりなスロウバラッドとして聴かせる。


まだ歌い込んでもいないし、仮に歌い込んでも勿論こんな風には歌えるわけもないが、普段ハンドマイクで歌っている私が気分だけ布施明になってスタンドマイクにして歌ってみた。やはりスロウな曲の方が落ち着いて歌える。御子柴さんがイントロをテナーサックス、その後クロマチック・ハーモニカでムーディーに盛り上げてくれた。

 

原詞は例によって歌詞専門サイトをご参照戴くとして、ナンチャッテ和訳をすると、こんな感じだろうか。

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恋の気分で(I'm in the mood for love)

Written by: Dorothy Fields, Jimmy Mchugh

 

私は貴方と恋の気分
それはただ貴方が近くにいるから
ヘンでしょ、でも貴方が近くにいると
私は恋の気分になる

天国は貴方の眼の中にあり
それは頭上の星々のように明るい
それってちょっと不思議なこと?
私はいま恋の気分だけど

このささやかな幻が消えたとしても
想いが止まることはないでしょう
お互いが心をささげて
私達はいま一つになった
もう何も恐れることはない

空に雲がかかり、やがて

雨が降るなら一緒に濡れるだけ
でも今夜だけはそんなことは忘れて
だって私は恋の気分なのだから

(Translated by Saigottimo)

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♪恋の気分で(I'm in the mood for love)…2021年12月3日、SEABIRD第一金曜ライブにて♪

 

この日は私を含め6人のヴォーカリストがX'masソングを中心に歌ったが、私は11/7にコケた’S WonderfulのリアルDuetもさせてもらった。丁度、コケた時のセッションでドラムを叩いてくれていた藤井さん(ds.)も聴衆で来ていたのでレギュラーの岩渕さんと代わって飛入りしてもらい、何とか無事にリベンジを果たすことができた。

 

♪’S Wonderful with 牧かおる・・・2021年11月3日、渋谷第一金曜ライブにて♪

 

【上左:柳田(やなだ)さんは「Winter Wonderland」、

 上右:益田さんは「Blue Christmas」、中左:私とマッキーのDuet、

 中右:マッキーのソロは「The Chrstmas Song」】

【下左:高橋さんは「Almost Like Being In Love」、

下右:Rumikoさんは「Moonlight In Vermont】

 

Saigottimo

石貫慎太郎さんの新作オーディオ・ドラマ「実録・ももたろう」に出演させて戴いた。なるほどね!確かに田舎の村に金銀財宝があるとは思えないし、イヌやサルやキジが言葉を話すのもおかしい。そして絵本に描かれている「日本一」という旗は意味があるとは思えないから、実際はこんな感じだったのだろうと思う。

 

●「実録・ももたろう」【約40分間】←クリック!

■スタッフ
脚本/制作/ギター演奏/編曲:石貫慎太郎

■キャスト

ナレーション/老婆:山木梨花

桃太郎:南春奈

五作/青鬼:Saigottimo (開始1分15秒頃から登場)

お花:中田真由美

赤鬼:能登洋宇

赤ん坊:しょしょ、Towako

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私にとっては「キューピッドは雪女」「海沿いの夜行列車」「桃太郎達の焚火を囲む会」「コケノコの旅立ち」「夏の夜空を見上げて」「夕闇トンネルの幻」「煙突の上のコンペイトウ」「魔女のツリーハウス」「加乃子の海辺の夏休み」に続く、記念すべき第10作目となる石貫作品への出演だ。どれもホッコリ癒される作品である。

 

私以外のキャストは皆プロフェッショナル揃い、と毎回書いているが、桃太郎の赤ん坊役のお二人は、存じ上げなかったので石貫さんに伺ったところ、南さんと石貫さんのお子さん(の赤ん坊時代の声)とのこと。まあ、このお二人は正確にはプロフェッショナルではないかも知れないが、逆に“本物”である。

 

また、本編のエンディングテーマ曲「春芽」の作曲/演奏はGuo Ganさん。彼は映画のサントラや世界80カ国以上でリサイタルを行なう世界的な二胡奏者とのこと。この曲は石貫さんとの共同制作アルバムから。因みにオープニングテーマ「月」の作編曲はHinakoさん。石貫作品はいつも美しい音楽に彩られている

 

今回、私は桃太郎のお爺さん(五作)と青鬼の二役をさせてもらったのだが、何故か青鬼は台本に(おねえ風)と書かれていたのでビックリした。う~ん、まあ、最近はマツコやイッコーさんや尾木ママなどオネエもキャラの一つとして市民権を得ているのでオネエの鬼もあり得るな、と思って演ってみたがどうだっただろうか?

 

Saigottimo

今月の渋谷SEABIRD第一金曜ライブ(11/5)で、Rumikoさんのバックコーラス兼パーカッショニストとして一年半ぶりのライブステージ復帰を果たした。当のRumikoさんからは「ダメですよ!これはステージカムバックになってないですよ」とダメ出しされたが、私は彼女の様なクソ度胸は持ち合わせてないから仕方ない。

 

それに私は高齢者だから無理せず徐々にリハビリをしていくつもり。だからバックコーラス兼パーカッショニストをしたら、いきなりソロで歌うのではなく次はデュエットしようと考えた。1人より2人なら負担もプレッシャーも半分になる。以前、4人の混声ジャズ・コーラスをしていた頃、負担も4分の1になることは体験済みだ。

 

折しもSEABIRD一金レギュラーのマッキーこと牧かおるさんがご自身のバンド(3tet)で11/7(日)に新宿aliveにてライブ&セッションをするというので聴きに行った。バンドとしてはコロナで中止になった「すみだストリート・ジャズ・フェスティバル」に向けて準備をしていただけあって演奏曲目(10曲)はどれも完成度が高かった。

 

【リアルDuet初演は私がコケて歌い直しに】

 

そして休憩を挟んだ後半のセッションタイム.。お店にはポップスを上手に歌うお姉さんや、スキャットを達者に操るジャズシンガーのお兄さんらが来ていた。早速、マッキーとネットでの音声合成デュエットをした「’S Wonderful」を実際に演ってみたが、私が最初の音を取り損なって見事に大コケした。ま、そうなるわな。

 

翌週の11/12(金)、SEABIRD第二金曜ライブ。ここも一年半ぶりの参加となる。もう席が無くなってても仕方ない状況だが岩井バンマスやメインヴォーカルの出雲井さんらは心優しく迎えてくれた。この日は、以前演ったことのあるボサノヴァのデュエット曲を出雲井さんと一緒に歌わせてもらうことにした。

 

【ポルトガル語?の歌詞はバッチリ】

 

このデュエットは出雲井さんの作譜と発案で、先ず1コーラス目は私が「Este Seu Olher(エスチ・セウ・オリャール)」を歌い、2コーラス目は出雲井さんが「Só em teus braços(ソエン・テウス・ブラコス)」 を歌い、3コーラス目は2人がこの2曲を同時に歌うのだ。この2曲はほぼ同じコード進行なのでそんな事も可能なのだ。

 

バンドは同じ曲を3コーラス分伴奏していれば、オーディエンス(聴衆)にボサノヴァ2曲を一度に提供できるという趣向だが、私にとっての難点はポルトガル語で歌詞を覚える事と、3コーラス目では2人が違う曲(メロディ&歌詞)を同時に歌うので、出雲井さんの歌につられたり惑わされたりしないようにする事だ。

 

以前にブラジルでの生活経験もある出雲井さんはネイティブ・ポルトギーだから歌詞は揺るぎないし、絶対音感もあるから音程も盤石だ。一方の私はピッチ(音程)感は悪いし外国語はダメだから耳で聴いてカタカナで丸暗記した。前回は不覚にも出雲井さんの曲を聴いて自分の音程がブレたが今回はなんとか耐えた!

 

♪Este Seu Olher & Só em teus braços with 出雲井裕美・・・2021年11月12日、渋谷SEABIRD二金ライブにて♪

 

よーし、これでリハビリも済んだことだし、12月からはいよいよ本格的にソロ・ヴォーカルで歌うことにしよーっと。

 

Saigottimo

海外では感染再拡大の動きもあるが、日本では新規感染者数も重症者数も激減し、4回目の緊急事態宣言も全て解除された。これによりマスク等の予防措置は継続しつつも飲食店やエンタメ関連への規制も緩和されたので、私も昨年3月以来自粛していた音楽ライブへの参加を再開することにした。

 

まずはオーディエンス(聴衆)として9/25(土)渋谷・SEABIRDでの唐沢寧(pf.)トリオライブを皮切りに、10/23(土)高田馬場・サニーサイドでの益田伸子(vo.)ライブ、11/1(月)代官山・レザールでの岩井千尋(tp.)バースデーライブを聴いた。マスクをしての飲食ではあるが、やはりナマの音楽を聴ける歓びは格別である。

 

【左:唐沢寧(カラサワ・ヤスシ)Trio、中:益田伸子&Rumiko】

【右:岩井千尋Birthdayライブのフライヤー】

 

高田馬場では嬉しい再会もあった。私と一緒にSEABIRDでレギュラーVo.をしている益田伸子さんのライブにゲスト出演したRumikoさんだ。彼女は以前Rositaとして一緒に雑居祭りに出演したり、私が自由が丘の彼女のライブに客演したことがあり、この日はその自由が丘ライブ以来、3年ぶりにお会いしたのだ。

 

この日は”益田伸子カラー全開”の楽しいライブだったが、彼女が師事している智恵先生(vo.)とRumikoさんが同郷で師弟関係、なのでRumikoさんは益田さんの妹弟子という関係でゲスト出演したようだ。変わらず上品で瑞々しい彼女の歌を聴いた私は「来月一緒にステージに立って欲しい」とお願いをした

 

そして11/5(金)、昨年3月以来1年半ぶりに渋谷SEABIRD第一金曜ライブに参加した。これまで短縮営業で参加が難しかった益田さんも久々に復帰し元気な歌声を響かせた。私は本多バンマスに事前にRumikoさんの飛入りの了解を得て、そこにパーカッション奏者兼バックコーラスとして参加することにした

 

Rumikoさんが歌う曲は高田馬場でも歌った「Bridges」。私は知らぬ曲だったがミルトン・ナシメント作のブラジル音楽「Travessia」英語詞版でセルジオ・メンデス盤等がある。彼女は「2番を歌って下さい」とか言うが女声キーなのでムリ。「サビだけバックで歌うから」と言ってパーカッション奏者としてステージに!

 

 

ブラジル音楽だからどんなパーカッション楽器でもサマになるのだが、お店にあったギロという楽器を使うことにした。これは二つの穴に左手の親指と人差し指を入れて掴み、右手でスティックを表面のギザギザに擦り付けて音を出す。当然、楽器である以上、演奏の奥は深いのだろうが、取り敢えず初心者でも音は出る。

【これがギロと呼ばれる楽器】

【中央赤矢印の怪しいギロ奏者が私】

 

彼女が呼ばれてステージに立つと同時に客席の椅子を持ち何食わぬ顔をしてバンドの中に潜り込みギロを構える。マイクで歌う訳ではないのでマスクはしたままだ。うん、やはりステージの向こう側(客先側)とこっち側(演者側)では景色が違う。彼女の歌と御子柴さん(ts.)のソロを聴き、久々の演者の高揚感を楽しんだ

 

Saigottimo

先日(10/5)、ジョージ・ガーシュインの記事の末尾で「マッキー(牧かおるさん)からこの曲をSaigottimoと、トニー・ベネットとダイアナ・クラールのようにデュエットしたいとの社交辞令あり」と書いたら、律儀な彼女は本気で私の老い先を案じ、ネットによる音声合成Duetに応じてくれた。わーい、わーい、これも爺ぃの特権だぁ。

 

♪’S Wonderful・・・Mackyとのネットによる音声合成Duet♪

 

【’S Wonderfulは、このアルバムに収録されています】

 

ま、当然ながら私はトニーの様には歌えてないけどマッキーはダイアナに勝るとも劣らない低音の響きと高音の伸びを発揮。実は何takeか録音を送ってもらった中にはもっとグラマラスな低音の魅力が炸裂しているものもあったが私のショボさが余りにも際立つので「Duetはバランスだから…」と却下しましたゴメンチャイ。


※マッキーの低音炸裂バージョンは、先の記事の末尾にリンクしておきました。

 

Saigottimo

遂になんちゃって作詞をしてしまいました!石貫慎太郎さんのオリジナルメロディに、生意気にも歌詞を付けさせて戴いたのだ。これまで「作詞」っぽい事では「讃美歌496番(うるわしの白百合)」「君といつまでも」に英訳詞「星を求めて(Look For A Star)」に歌える創作詞を作ったりしたが、原詞が無いメロディではなかった。

 

唯一のオリジナル曲(「風よ」)は詞も曲も自作だが、他人が作ったメロディに最初から詞を付ける「作詞」経験は初めてだ。先日出演させて戴いたオーディオ・ドラマの中で流れていたBGM(「想い」)が余りにも美しく心惹かれるので何度も聴いていたら、やはりヴォーカリストだからか、自分で歌いたくなってしまったのである。

●「想い」石貫さんのオリジナル曲ギターソロ ←クリック!

 

「これ、私に歌わせて下さいませんか?」と石貫さんに申し入れたところ「ぜひ歌って頂けたら嬉しいです!」と快諾して下さり、譜面まで送って下さったが、ギター曲だから歌詞は無いようだ。う~ん、でも歌詞が無いと歌えない。私はjazzシンガーではないので、シャバダバ、デュビダバとスキャットは上手く出来ないし・・・。


そこで「もともと歌詞は無いと思いますが、歌詞を付けて戴くことは可能でしょうか?もし難しければ、作曲時の思いなどを散文的に頂戴できれば、それらを基に私が歌詞案を作ることは出来るかも知れません」と作詞の経験もないのに図々しく言ってみると「作詞、ぜひ、よろしくお願いします!」とのご返事、おお大変だぁ。

 

そして「(この曲は)淋しくて、切なくて、優しいイメージで作りました」え、それだけ?う~ん、あと作詞に使える情報としては、「想い」というタイトルと、Youtube動画に出て来る海辺のイメージだけか…。でも、ここまで来たら引き返せないのでエイヤッと、一応、下記のようなナンチャッテ歌詞案を作ってしまったのである。

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「想い」

(作曲:石貫慎太郎、作詞:Saigottimo)

あの日の想いを 忘れぬように

どこまでも 私はひとりで歩くよ

海が呼んでいる 水平線の遥か先

面影は波間に揺れて

さあ ゆこう 風のなか ふと佇むだけ
そしてあの日 君が残したかすかな兆しを胸に

あの日の想いを 忘れぬように

どこまでも 私はひとりで歩くよ

 

果てしない道

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素人のクソ度胸で目を瞑って「歌詞案です。ご確認下さい」とお送りすると即座に「とっても素敵です!!これで完成で良いのではないでしょうか??」と意外なご返事。ええーっ?ホントにこのままでいいんですか?あの、作曲者として「ここはちょっと」とか「この言葉は変えて欲しい」とかご遠慮なく、と申し上げたが…。

 

という訳で作詞家Saigottimoのナンチャッテ処女作が出来た。石貫さんが私の声域に合わせて移調したカラオケ音源を作って下さったので、それに合わせて歌った音声をお送りしようと試みたが歌唱で苦戦した。何度録音しても「ここでブレス(息継ぎ)しちゃダメだろ」「声の出し方が違〜う」「あー全然ダメだダメだ!」となる。

 

行き詰まって「いっそ作詞だけして歌うのは遠慮しようか」と思い「いや本末転倒だろ、自分が歌いたいから歌詞作ったんだろうが!」と七転八倒を繰り返す。「あ、こういう事か?」今迄ドラマの台詞を毎回即刻録音し提出する私だが、他の声優さん達が台詞の録音で苦心されていた心境がようやく理解(共感)できたのだ。

 

「やはり専門性というか多少なりとも拘りがある分野に関してはこうなっちゃうんだろうな」と諦め、結局自分では納得していない録音のまま観念し石貫さんにお送りした。ところが「音と動画を編集してみました」って、石貫さんの編集と映像化の力は素晴らしい!何ですか、これは?もうMV(ミュージック・ビデオ)の世界だ。

●想い / affection…作詞/歌:Saigottimo ←クリック!

 

ま、実際の歌はしょうもないんだけど石貫さんの編集によってホワイトノイズやブレス音の削除はもとより自分で気になっていた部分を全て綺麗に修正処理して下さっているし、映像が素晴らしい!そして原曲が良いから歌詞もそれっぽく聴こえる。でも結局、オリジナルのギターソロの方が良かった気がするのはなぜ?

 

Saigottimo

「10月は青空」という事でスタンダードの「ブルースカイ(Blue Skies)」をご紹介したが、同じスタンダードで「私の青空(My Blue Heaven)」があるじゃないか、と思われる向きもあろう。確かにこの曲は戦前から日本でも有名な超スタンダードだし、まさに「青空」ド真ん中のタイトルなのだが、ちょっと引っかかる事がある。

 

この曲は1927年に出版され、翌年ジーン・オースティン盤が大ヒット、日本でも昭和3年(1928年)に堀内敬三氏が訳詞を作り、二村貞一、エノケンこと榎本健一ほか数多くの歌唱で知られている。歌詞は温かい家庭の素晴らしさを称える内容で「狭いながらも楽しい我が家」という堀内敬三氏の名フレーズでも有名である

 

【数多ある音源の中で私のイチオシはビング・クロスビー盤】

 

ところがところが、タイトルの“Blue Heaven”をどう訳すか、堀内敬三氏もきっと悩んだであろう挙句に「青空」と訳しているが、果たしてどうなのか、怪しいのだ。“Heaven”=「天国」だから“Blue Heaven”⇒青い天国⇒晴天となって“My Blue Heaven”⇒「私の青空」ということなのだろうが、それではどうも合点がいかないのだ。

 

堀内敬三氏は、“Blue Heaven”を「青空」と和訳しても辻褄が合うように上手に意訳している。だが、原詞は歌詞専門サイトでご参照の通りで、“My Blue Heaven”以外の部分を出来るだけ原詞に忠実にナンチャッテ和訳を試みると下記の様な感じになり、“Blue Heaven”を「青空」と置き換えると意味が通じない

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My Blue Heaven

 

ヨタカが鳴きだすと夜は近い
私はMy Blue Heavenに急ぐ
右に曲がれば、小さな白い光が

My Blue Heavenに導いてくれる

笑顔、暖炉、居心地の良い部屋
私と妻と子供の3人だけの

バラが咲く小さな愛の巣

私はMy Blue Heavenで幸せだ

 

(translated by Saigottimo)

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結論から言えば、原詞の“Blue Heaven”は「青空」ではないと思う。“Heaven”に相当する日本語の「天」という概念には特定の宗教的色彩は余りないが、“Heaven”という英語にはどうやらキリスト教的な意味合いが含まれているようだ。「理想の家庭こそ天国(=キリスト教的価値観の理想境)」だという境地なのかも知れない。

 

そういえば随分昔「青空」という名前を付けた某メーカーの洗濯機のTV-CMでこの曲のエンディング部分を「替え歌」にして「○○のあおぞら~」と歌っていたことを思い出した。宗教や信仰を生活の基軸に置かない我々日本人にとっては、こんな牧歌的な雰囲気が相応しい。だから堀内敬三氏意訳は名作だと思う!

 

♪My Blue Heaven・・・2010年3月22日、茅ケ崎「Hi-Hat」での前週リハ♪

 

♪My Blue Heaven・・・2022年10月8日、松戸「Corcovado」にて♪

※2コーラス目は覚えたてのハーモニカで窒息しそうになった(複音ハーモニカなので「吹く/吸う」の見通しを誤るとそうなる)。

 

Saigottimo

小さい頃に習った「一年中の歌」の歌詞には“♪おめでとう一月、つもる雪二月”と続き“♪青い空十月”だった。日本の10月は秋まっ盛りで“天高く馬肥ゆる秋”だから「青空」に象徴されるのだろう。9月が「月」なら10月は「青空」、通常なら私は「ヴォラーレ(Volare)」も歌う。何故この曲が「青空」なのかは既に書いた通り。

 

 

日本で青空に関する歌となると、まあ世代にもよるが西城秀樹の「ブルースカイブルー」を思い浮かべる人も多いだろう。この曲は彼の代表曲とも言われているが、まさに晴れ渡った青空という曲調だ。物悲しい「短調」の曲が多い我々日本人のメンタリティでも「青空」ならさすがにこの曲の様に「長調」になる。

 

ところが洋楽は違うのだ。コンチネンタル・タンゴには「碧空(あおぞら)」という名曲があり、ジャズスポットで一般的なスタンダードには「ブルー・スカイ」(綴りはSkiesだから「ブルー・スカイズ」と記載すべきかも)という曲もあるが、両曲とも明るい曲調の「長調」ではなく、何故か「短調」なのである。

 

「青空」なのに短調になっている理由として、私は二点考えた。一点目は“blue”という英語には「青色」以外に「憂鬱な」「悲しい」という意味があることだ。例によって原詞は歌詞専門サイトをご参照戴くとして、原詞にある“Blue days”は「青い日々」ではなく「憂鬱な日々」だろう。ナンチャッテ和訳をするとこんな感じである。

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「ブルースカイズ」

(作詞作曲:アーヴィング・バーリン)

 

青い空が私に微笑む
私には青い空以外何も見えない

青い鳥が歌をうたっている
一日中ずーっと、青い鳥だけが

太陽がこんなに輝いているなんて
物事がこんなにうまく運ぶなんて
恋に落ちてからは、まるで飛んで

行くように日々は目まぐるしい

憂鬱な日々は全て消え去った
もうこれからは青い空以外何もない

 

(translated by Saigottimo)

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2点目は、この曲がヒットした時代背景が影響していると思うのだ。この時代に起きた最も大きな出来事は「世界恐慌」である。1929年に“暗黒の木曜日”で米国株式市場が大暴落し米国内の失業率は20%を超え、翌年には全世界に拡大した。日本でも翌1930年(昭和5年)に昭和恐慌が起きている

 

それを考え併せると「青い空以外何も見えない」のは住居を失ったから?「青い鳥が一日中歌っている」のが分かるのは失業したから?「憂鬱な日々が全て消え~これからは青い空以外何もない」のは全財産を処分してどん底まで落ちたから?などの解釈も可能で、もしそう解釈するなら、まあ「短調」が相当だろう。

 

でも、この曲は1926年のミュージカルの曲で恋の曲だから、“作り手側”にその発想はない。上記のような解釈は私の勝手な妄想に過ぎない。ただ、この曲がその後、大衆に広く受け入れられロングセラーとなった背景として“受け手側”の一つの要素としてはあったかも知れないと思っている。

 

なので私はこの曲を歌う際には、日本人的な「青空」というイメージとはどうしても相容れないからか、「明るい表通り」と同じように、どこかで世界恐慌のご時世を意識して歌ってしまうのだ。

 

【カントリーのウィリー・ネルソン盤もヒットした】

 

♪Blue Skies ~ Blue Moonメドレー…2011年3月27日、茅ケ崎「Hi-Hat」でのHi-Hatカルテットライブにて♪

 

Saigottimo