我々ヴォーカリストは12月に入った途端、みな一斉にX'masソングを競って歌う。欧米では1月以降も“クリスマス休暇”だが日本には“お正月”があるのでX'masソングは12/25までしか歌えないからだ。そもそも12/24はクリスマスイブではなく12/25はキリストの誕生日ですらないのだが、ま、これは文化の違いで仕方ないことだ。
そしてどのヴォーカリストもX'masソングは他の歌より下手だ。何故なら年間で1か月足らずしか歌えないため歌い込めないからである。なので人によっては歌詞さえ覚えていなかったりする。だって歌詞を覚えるのは大変なのに1か月弱しか歌えないのでは覚え甲斐も無いし折角覚えても次に歌えるのは翌年。忘れてしまう。
SEABIRD第二金曜バンドの岩井バンマスから「今回は器楽曲はデューク・エリントン特集で歌はX'masソングで」との連絡があった。1st.setと2nd.setで歌モノ枠は3曲ずつ計6曲あるが、メインヴォーカルの出雲井さんが4曲、私とマッキー(こと牧かおるさん)が1曲ずつX'masソングを歌えばいいかな~と思っていたのだが…。
【杉山さん(ts)作成の可愛いブローシャ】
しかし世の中そんなに甘くない。すぐにヴォーカル部の出雲井カントクから「お二人には数曲をメドレーにアレンジし、リハ無しでも出来るようにします」との指示が・・・え、メドレーなんてリハ無しで出来るの?さらに後日「冒頭に私のWinter Wonderlandをボサで1コーラス入れて更に長くなりました」えぇーっ!マジか?
全5曲「Winter Wonderland」「JingleBells」「Blue Christmas」「The Christmas Song」「White Christmas」、キーもテンポもみな違うのに。しかしマッキーは「メドレーのご提案ありがとうございます!楽しみです!!」って、おいおい、そもそも「JingleBells」なんて二人とも歌ったことねーし…と思っている間に手書き譜も添付されてきた。
あっという間に全5曲を1コーラスずつ繋げたメドレーの譜面を書いてコードも振ってしまう。さすがカントク、すっげー!そして当日、カントクは1st.setでエリントン2曲と「A Christmas Love Song」を歌って2nd.set・・・「ではX'masソング5曲をメドレーにしたんですけど上手く出来ますかどうかホホホ」え、出来るようにしたんじゃないの?
♪Christmas Song Medley・・・with 出雲井裕美&牧かおる、2021年12月10日、SEABIRD第二金曜ライブ♪ (🎥杉山さん撮影・編集)
カントクは、ボサでテンポ出しして「Winter Wonderland」を、なんとポルトガル語で(カッチョイィー!)1コーラス歌うと、マッキーにマイクを渡して颯爽と去って行ってしまった。あ、あ、えーと、ピアノの中川さんのG7のコードを聴きながら「ワン、ツー、ワンツー」とカウントを出して「JingleBells」に入る。ワ~全然声出ないゾ低いのか?
【カントクはネイティブポルトギー】
私は1オクターブ上げてダメで下げて、もう半ばパニクりながら進むがマッキーは平然と歌いのける。でも次の「Blue Christmas」のキーはFだが大丈夫!だって「JingleBells」の最後の音と同じ「ド(C)」から始まるから。最初にテンポを出し忘れたがドラムの小島さんが三連(四分音符が三連符のロカバラッド)に。おお、これだ!
続く「The Christmas Song」はマッキーのソロ。ここのA♭の歌い出しが最も難しいゾ。音が取れるかなと心配するも難なくクリア、そもそも彼女は普段はFで歌っているのに半音で3つも高いキーA♭でもケロっと歌ってしまうから音域が広いのだろう。通常、男女デュエットだと女声はキーを半音一つも譲ってくれないのに…凄い!
最後の「White Christmas」は男声キー(C)だから私から歌い出して二人で掛け合いにしたが、マッキーは普段のキー(G)より半音で5つ!も高いキーで歌っている。出雲井カントクといいマッキーといい、はやり女性は肝が据わっている。杉山さんの動画を観ても私はフラフラと落ち着きが無くステージングもダメダメだ。嗚~呼
歌伴達者な中川さんだから出来た芸当でしたよね?そしてライブはエリントンナンバーの器楽曲「Mood Indigo」さらに管楽器陣総出の「Things Ain’t What Use To Be」で勇壮に締め、意気揚々と有志は2次会へと繰り出したのであります。ああ、ようやくこうしたリアル飲み会も出来る状況になってメデタシ、メデタシ。
Saigottimo




