前回の記事「スタンダードとしての讃美歌を歌う」で、讃美歌496番「うるわしの白百合」の英語詞を作っちゃった経緯を紹介したが、実はもう1曲、私が全く違う理由で英語詞を作っちゃった曲がある。それは日本人なら誰でも知っている歌謡曲のスタンダードともいうべき名曲、若大将こと加山雄三の「君といつまでも」である。
とても爽やかで良い曲なのに、(最近になって高橋真梨子がカバーしたが)男性歌手のカバーを聞いたことがない。きっと「ふたりを~」と歌った瞬間に結婚式での親戚のオジサンと同様に加山雄三のバチモンになってしまうからだ。それくらいオリジナリティが強過ぎる彼のイメージを纏わせずに新鮮に楽曲を聴かせられないか!
と、そこで思い付いたのが英語で歌うこと。件の英語の達人に監修してもらい、下記の英訳詞を作ってみた。タイトルは「We Are In Love Eternally」。そしてこの曲を歌う際はピアニストに「すみません。この譜面とは違うイントロを8小節ほどお願いします」と言わねばならない。そうしないと例のイントロだけでバレてしまうからだ。
-----We Are In Love Eternally-----
In the twilight, we stand by the sea,
nightfall gently holds two of us.
And I love you, tomorrow will bring
beatiful morning for us again.
Now starlike shining of your eyes
seem to lead me to heaven.
And your heart burning in love
keeps my heart warm and bright.
In the midnight, just time goes by ,
the sunlight never reach two of us.
And I love you, as the sunrise comes,
so we are in love eternally.
(Talk)
"Happiness.... Happiness is the time with you.
I'll never let you leave until the day I die.... OK?"
(2番のサビからはもう「君はそよ風に髪をとかせて~」
と日本語詞に切り替えても問題なし)
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初演は2007年4月6日(金)渋谷・SEABIRDの第一金曜ライブ。MCで「え~今日は日本のスタンダードナンバーから、皆さんがよくご存じの曲、We Are In Love Eternallyです」と何気なく喋るとお客さんはみな怪訝な表情に。でも配った譜面は邦題のままのベタなので、バンドのメンバーはみんなニヤニヤしながら演奏を始める。
ピアノの小松さんが分からないように上手なイントロ(前奏)を8小節弾いてくれて、上記の歌詞で歌い出すと概ね2小節くらいはお客さんも新鮮に「ほう、良い曲だな」と受け止めてくれ、そのうちにお客さんも「うん?この曲知ってるぞ」という顔になり、3小節過ぎた当たりで「あ、あの曲の英語版か!」という感じで笑顔に変わる。
そして例の「しあわせだなあ~」の語り部分を英語で語ると、皆笑い出して大ウケとなり拍手!続くサビからはもうネタバレしているので堂々と「君はそよ風に髪をとかせて~」と日本語で歌う。ドラムも三連リズムのロカバラッドからジャ~ン!とブレイクを決めて「今宵も~陽は暮れてえ~」後は昭和のカラオケスナック状態に。
この曲は私のレパートリーの中で最も男性ウケの良い曲で何故か男性は皆熱くなって喜ぶ(女性は割と冷ややか)。そして最も喜んでくれたのがお店のマスターだった。長く歌っていると曲ウケに男女差があることにも驚かされるが、因みに真逆で男性ウケがイマイチで女性ウケが超良いのは「ムーン・リヴァー」である。
Saigottimo
