10月になった。コロナ禍で4月から歌ってないが例年なら10月に歌う曲は“青空”に因んだ曲が多い。ジャズ・スタンダードなら「Blue Skies(ブルースカイ)」「My Blue Heaven(私の青空)」そして私は「Volare(ヴォラーレ)」をよく歌う。この曲は「永遠のポップス」には載っているがジャズではないので黒/赤/青本には載ってない。
「知ってる!キリンのCM曲でしょ?」という人も多いだろうが、あれはジプシー・キングスのスペイン語でのカバー盤(1998年)であってオリジナルではない。オリジナルは1958年作のドメニコ・モドューニョのカンツォーネだから原詞はイタリア語。この曲が英語以外の歌で初の全米No.1になった事は以前ブログでも書いた通り。
実はこの曲には英語詞もあり、ディーン・マーチンは1コーラス目だけ英語で(何故か2コーラス目の前だけにあるバース以降は原詞のイタリア語で)歌っている。オリジナルのドメニコ・モドューニョ盤のリズムは1950年代らしく三連(ロカバラッド)だが、40年後のジプシー・キングス盤は16beat(?)のアップテンポで実に軽快なアレンジだ。
でもこの曲が凄いのは「全米ヒットチャート」No.1のみならず、「サンレモ音楽祭」グランプリ、「第1回グラミー賞」最優秀楽曲賞と”三冠王に輝いた唯一の楽曲”である点だ。「全米ヒットチャート」No.1だけでも充分に凄いが「サンレモ音楽祭」はユーロポップス最大の祭典、「グラミー賞」はアメリカ音楽界最高の権威である。
“アメリカ音楽界のアカデミー賞”として1957年に創設されたグラミー賞の記念すべき第1回受賞曲を知っている人は少ないだろう。初の最優秀レコード賞&最優秀楽曲賞がなんと英語の曲でもアメリカ人の曲でもなく、イタリア人が歌うこのカンツォーネだったのだ。そういう点がいかにもアメリカらしいと言えばアメリカらしい。
もう一つ驚くべきはタイトルである。この曲のタイトルは「Volare(ヴォラーレ)」ではない。正式なタイトルは「Nel Blu Dipinto Di Blu(ネル・ブル・ディピント・ディ・ブル)」、日本語に訳すと「青の中で藍(色)に染まって」というような意味らしい。では「Volare(ヴォラーレ)」の意味は?イタリア語で「飛ぶ」だそうだ。
【アルバムタイトル↑Volareは括弧書き】
バース(前歌)部分からの全体の原詞(イタリア語)と英訳はWebに譲るが、コーラス(本編)部分の原詞と私の「ナンチャッテ」和訳はこうなる。「Volare, oh oh.../飛ぶ、おーおー」「Cantare, ohohoho.../歌が出る、おーおー」「Nel blu dipinto Di blu/青の中で藍(色)に染まる」「Felice di stare lassù/そこにいる幸せ!」
う~ん、はっきり言って「なんかヤバいクスリ、やってない?」と突っ込みたくなるような歌詞だが、まあ意味としては夢の中で歌いながら自由に大空を飛び回っている解放感あふれた?内容だ。話を戻すと「Nel Blu Dipinto Di Blu (Volare)=青の中で藍に染まって(飛ぶ)」だから「青空」に因んだ10月の歌なのだ。
映画音楽の主題曲などは「第三の男」(歌のタイトルは“Harry Lime Theme”)、「いそしぎ」(同“Shadow Of Your Smile”)などと映画のタイトルが通称名となってしまうことが多いが、1979年の大ヒットJ-POP、久保田早紀の「異邦人」も当初のタイトルは「白い朝」だったというから、こういうケースは案外あるのかも知れない。
♪Volare 2016年8月5日・渋谷「SEABIRD」第1金曜日ライブにて♪
Saigottimo


