こんにちは。
魂響書占 たまゆらしょせん 恵理子です。
両親の老いについて
また私が面した老いについて綴っています。
先日 祖母の妹のおばさんが
97歳で亡くなったと父から聞きました。
今日が告別式で 身内だけの家族葬だったそう。
「自分とばぁばが逝く時は家族葬にしたい」
と前々から言っていて 葬儀社も決め準備している父。
おばさんのお葬式は父が考えている理想通りだったようで
「いいお葬式 という言い方も変だけれど とてもいい式だった。
家族葬を実際に見ることが出来て良かった。」
と言っていました。
父は 子供がいなかった祖父母の養子なので
遠い親戚にあたるものの 直接血が繋がった関係ではありません。
私は幼い頃からその話を聞いていたし
おじいちゃん おばあちゃんが直の祖父母ではないとわかってました。
それでも ひとつ屋根の下に暮らした
八王子のこのおじいちゃん おばあちゃんが
有り余るほどの愛情を私に注いでくれて
仏様となっても 一番近くで守ってくれている存在だと思っています。
この度亡くなられたおばあちゃんの妹のおばさんは
おばあちゃんに顔がそっくりで 幼いながら
「えっ? えっ?」
って二人の顔を見比べて びっくりしたのを覚えている。
おばさんは おばあちゃんの孫の私をすごくかわいがってくれて
おばあちゃんたちのお供で百草園(今で言うスーパー銭湯)に
よく連れて行ってもらったっけ。
ちょっと甲高いおばさんの声
穏やかで優しかった物腰
おばあちゃんとすごーく仲が良かったこと
などなど 懐かしい場面を久しぶりに思い出しました。
おばさんは 85歳の時に息子さんと一緒に
四国お遍路八十八カ所を車で25日間かけて回ったそうで
完了の認定証が告別式の時 壁に掲示されていたそうです。
おばあちゃんも信仰が篤かったけれど
おばさんも同じだったんだね。
他にも 晩年の数年 老人ホームで書いていた書があって
そのしっかりとした筆跡に
とても90代の人が書いたものだとは思えない
と父は驚いたそう。
祖母も最期までボケなかったけれど
おばさんも 認知症の症状は出ず
最期までしっかりしていたそうです。
だけど 老人ホームから「うちに帰りたい」
って言っていたんだって。
これは 父方の祖母も同じだったのね。
父方のおばあちゃんも
晩年は老人ホームに入っていました。
時々 記憶が交錯することはあったものの
最期までしっかりしていて
やっぱり「家に帰りたい」「一緒に連れて帰って」と言っていたそうで。
「おばあちゃんに会いに行って帰りにその言葉を聞くのが辛かった」
「おばあちゃんは長く生き過ぎて辛かったと思う」
と父は言ってました。
102歳という大往生で
「おばあちゃん 長生き! すごーい!」
と当時 私は無邪気に思っていたけれど
長く生き続ける裏側は良いことばかりではないことを
後になって知りました。
現在 入院中の母は
認知症の薬を一切やめたので
症状は進んでいると思います。
妄想が時系列を含め あちこち飛ぶし
意識が身体から抜け出て 自由に飛び回ることもあるようで
これも認知症の症状 と看護師さんから聞きました。
ベッドから動けない母なのだけど
妄想では毎日忙しく立ち回っているそうで
「あー忙しい! 今日はいっぱい歩き回って疲れちゃった~」
「今日は楽しいこと(催し)があるのよ」
なぁんて 看護師さんたちにルンルンしながら言っているらしい。
「光子さんはいいことしか言わない。
だからお世話する私たちもすごく嬉しいんです。」
と その日担当だった介護士さんに言われてね。
その話を父に伝えた時
「とにかく家に帰りたいと言わないでいてくれて本当に助かる」
「認知症で良かった」
と安堵して言っていた。
病院の看護師長さんは
今の母の病状が悪いながらも保たれていることに対して
「命は永遠ではないのでね。
徐々に(死を)受け容れていく ということなんでしょうね。」
とおっしゃっていて
その期間を設けられていることに感謝。
そんな話をしていた時 当の母は「父が死んだ」と妄想し
自分が葬儀を取り仕切ろうとしていたけれど。
「お父さんも幸せな人生で 天国に行けてよかったぁ」
と真顔で言っていたし。
そんな笑い話を父と出来る今も
やっぱり感謝のひと時ですね。
「家に帰りたい」と思いながら
帰れない状況にあったおばあちゃんとおばさん。
認知症を受け容れている 両親。
(母は自覚ないだろうけれど)
やはり晩年認知症になり でも朗らかに生きた祖父。
70歳の時に大腿骨を骨折し
その後様々な病気に見舞われながらも
穏やかさを持ち続けた祖母。
生きている私たちは 逝く人々に
様々な形で「受け容れる」ことを見せてもらっているんだな
と感じます。
おばさん たくさんの優しさをありがとうございました。
おばあちゃんと仲良く 安らかにお休みくださいね。
八王子祖父 父方祖母 八王子祖母
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