こんばんは。

魂響書占 たまゆらしょせん 恵理子です。

 

 

両親の老いについて 

また私が面した老いについて綴っています。

 

 

老いを生きる(1)両親の老い

 

老いを生きる(2)老いの容量

 

老いを生きる(3)母の衰え 認知症

 

老いを生きる(4)認知症の対応

 

老いを生きる(5)延命治療

 

老いを生きる(6)死への向かい方

 

老いを生きる(7)老いとの色々な関わり方

 

老いを生きる(8)そのまま認める

 

老いを生きる(9)死の話合い 末期がん

 

老いを生きる(10)凸凹で取れるバランス

 

老いを生きる(11)歩み寄り

 

老いを生きる(12)私が思う認知症

 

老いを生きる(13)みんないい人

 

老いを生きる(14)どう生きたい?

 

老いを生きる(15)父の変化

 

老いを生きる(16)母は最強

 

老いを生きる(17)普通ってなに?

 

 

 

 

先月3月22日に母が入院しました。

 

糖尿病でインシュリン注射をしていますが

3月に入ってからは 自分で注射を打つこともままならず

それ以来 もうずっと父が注射を打っていたそう。

 

しかも食欲が落ちてあまり食べていないにもかかわらず

数値が測れないほどの高血糖が連日続いたのだとか。

 

原因は 脱水症状でした。

 

 

糖尿病の1つの症状として「のどの渇き」があり

食べられなくてもお茶は飲んでいたので

「あんなに飲んでいたのに なぜ?」

と 疑問だった父。

 

私も 母がお茶を飲んでいる姿はよく見ていたので

父同様 「なぜ脱水?」 とわからず。

 

 

主治医の先生のお話では

お茶の成分で水分が対外排出してしまうので水分補給にならないそう。

よって水をそのまま飲むのが1番良い とのこと。

 

でも 母はそのままの水を飲むのは嫌い。

 

とにかく点滴の処置を受け

あれだけ「食べたい♡精神」で生きていた母の食欲がなぜ落ちたのか 

しばらく色々な検査をすることになり 入院したのでした。

 

 

 

 

私は 母入院の一報を父から聞いた時

「ママは自分の望み通りの状態になったんだ」

と思ったのね。

 

状況的には入院だし まだ検査結果もわからないし

決して良くないのだけど

 

「良かったね」と思ったの。

 

あれだけ「寝て食べるだけでいたい!」って言ってた母だから。

 

望み 叶ったねって。

父にもそう言いました。

 

 

ただ 母が自分の望みを叶えたのと同時に

この入院を機に 母の状態が大きく変わるだろうことも

父と話しました。

 

 

結局 母は8日間入院し 様々な検査もして

内臓的に悪い所はどこもないとのことで

食欲が落ちた原因はよくわかりませんでした。

 

今までの血糖値の記録や母自身を診察して

先生は「この患者は自分で治そうという意志がないし無理」と診断。

 

はっきり言って サジを投げられた状態です。

 

 

私と息子が前回行った2月中旬 実家での滞在中

 

母は血糖値の測定は出来なかったけれど 

注射は自分で打ってました。

 

休みがちではあったけれど 体操教室に行けてました。

 

座りながらだったけれど 私と一緒に料理しました。

 

立ち上がるのが大変だったけれど 自分でトイレに行ってました。

 

お風呂も1人で入ってました。

 

 

それが 入院中 すべての移動は車椅子。

看護婦さんの介助でトイレとお風呂。

 

 

あれから 約1カ月半。

退院後 私が前回見た母の姿はもうありません。

 

1人で立っていることも出来ず 

父の介助なしでは 危なくてお風呂も入れません。

 

下の世話も必要になりました。

 

 

 

「とうとうここに来てしまった」

と父は言ってました。

 

まだ母が動けるうちは

介護の状態になることだけはごめんだ

と言っていた父。

 

でも 今の母の状態を

「病気には勝てない」と受け容れていました。

 

 

入院中 病院食に

「味がない 少ない」と不満たらたらだった母。

 

退院後は いつもの食事になって食欲も戻ったそう。

「美味しい」って笑って食べているみたい。

 

お医者さんに正式にサジを投げられたこともあり

「医療的に母を良くしよう」という望みを父は諦めました。

 

 

 

私は ここまで早いとは思っていなかったので

急激な母の身体の落ち込みに驚きつつ

納得もしています。

 

父が諦めたことで 

なんだか父の力が抜けたように感じるし

それも良かった と思ってます。

 

 

 

 

 

 

そして

父と 「夫婦のバランス」 という話になりました。

 

 

父が仲良くしていて 私の結婚式にも出てくださった

父が尊敬する今は亡きOさんが 生前こう言っていたんだって。

 

「夫婦はバランスを取るものだ。

 どちらかが面倒を看る方で もう1人が面倒を看られる方。

 色々な夫婦と会う時に 

 『この夫婦はどっちがどっちなのか』観察しているんだ。」

 

 

父もそれから 

自分でもその意識で出会う夫婦を見てみたら

「なるほど!」と思ったと。

 

 

両親で言えば もちろん

父が面倒を看る方で 母が面倒を看られる方。

 

 

「じゃあ もしもだけどさ パパが面倒を看られる方だとしたら?」

と質問したら 予想通りの言葉が返ってきました。

 

「そんな人に迷惑をかけて面倒を看られなければいけないとしたら

 辛くて生きていたくなんてないと思う。

 断然面倒を看る方がいい。」 

 

と 即答。

 

「じゃあ パパもママも望み通りだね。

 ママはどう見ても面倒を看られたい方だもん。

 自分でも言い続けてたし。

 2人共 願いが叶ってるよね。」

 

「そうだな」って父も笑ってました。

 

 

 

 

私も人間はバランスを取ろうとするものだと思います。

 

夫婦関係だけでなく 親子関係もそう。

人間関係全般において 

バランスを保とうとする何らかの働きがあると思ってます。

 

 

あと 1人の人間としても 

「人生において」バランスを取ろうとしているように

今の母の様子から そう感じます。

 

母はこの入院中 父に宣言したそうです。

「もう私はお勝手仕事はしない」って。

 

 

身体が動かなくなってからも 母は

「私はお料理が好きだから」とか

「女の仕事は全部私がやっている」とか

外部の人たちに豪語していていましたが

それは 母のプライドと罪悪感があったからだと思います。

 

まだ出来る自分でいたかっただろうし

自分が動けず 代わりに家事をする父に

「悪いねぇ 悪いねぇ」と言っていたそうだから。

 

 

病状が重くなり 入院となった時

父も同じように言っていたけれど 

何も出来ない状態になって 母は安心したと思う。

 

堂々と安心して 何もしなくていい状態となるために

病気の症状が助けてくれた とも私は思う。

 

 

だけど その安心のためには

今の自分の状態を受け容れなければいけなかったから

母は辛かったとも思う。

 

出来ない自分 

これからもっと出来なくなっていく自分

 

そんなこと 考えたくないもんね。

 

 

入院前には 

「もう死にたい。あの世に逝きたい。」

という母の口癖が一層激しくなったそう。

 

認知症の症状がさらに進んで 

今の自分の状態さえわからなくなってしまえば

精神的に母は楽なのだろうけれど

今 母はまだ自分の状態を認識出来ます。

 

だから とても辛いと思う。

死にたい と言う気持ちもわかる。

 

「もうお勝手仕事はしない」と宣言したことで

母は 堂々と安心出来ることと

出来なくなっていく自分

その両方を受け容れたのだと思います。

 

 

 

 

 

父と母の生き方は 本当に凸凹で正反対。

 

頑張り屋で忍耐強い父 

に対して 

頑張ることは苦手で嫌いな母。

 

 

でも 逆に言うと

 

人に頼るのが苦手で嫌いな父

に対して

人に頼るのが得意で上手な母。

 

 

あえて凸凹正反対の夫婦になって

自分とは真逆の状態を体感する状況になっている。

 

父は 今 人に頼る時

母は 今 忍耐の時

 

 

もし母が 糖尿病にも認知症にもならず

ずっと元気でいたら

それはそれで とても幸せなことだったと思います。

 

でも 

母は 最期に頑張りたいんじゃないかな

父は 人を頼る経験をこの世でしておきたいんだろう

 

そんな風に思う。

 

 

 

バランスを取るって 受け容れることで

受け容れると 穏やかな心持ちになる

 

だけど それには覚悟がいるんだね。

 

 

父と母の生き様を通して

私も 兄妹も 子供たちも 孫たちも

色んなことを考えてきたし これからもそう。

 

「命」や「老い」について 

何を感じて どう想うか

 

両親はその機会を与えてくれていると思います。

 

 

 

 

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老いを生きる(19) 叔父他界