穴と橋とあれやらこれやら

穴と橋とあれやらこれやら

初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

【3】より続く。

 

今回、序盤の文章がかなり多めだが、重要ポイントにつき、興味ある方はしっかりお読みいただくことをお勧めする。

 

 

 

時刻は9時6分。そのコーナーにあったものは、やはり重要なものだった。

木製の大きな看板…は、実はどうでもいい。何が書いてるのかほぼ判読不可能だし。重要なのは奥のほう、「遊漁禁止」。

 

 

 

 

こう書かれているということは…と、そのさらに奥を見てみると…

階段があった。まさにビンゴ。

 

 

 

 

この鉄製階段こそ、

白川発電所取水施設への巡視路…すなわち沢屋さんたちの入渓ルートに違いない。

 

 

 

【ここから重要!】
ここ「入渓ポイントが意味する重要性」について触れる前に、今回のターゲットの「特異性」について、改めて言及しておきたい。それは、

 

一切ネット上にその姿の記録がない…どころか、隧道がある/ない問わず、ぞの存在に触れた記録のひとつさえも、全く見当たらないことである。

 

確かに、ほとんどの地図にはまともに載っていないという幽霊物件ではある。とはいえ、所在場所は現役の、かつしっかりと人が入っている林道であり、決して「地形図から消えた誰も知らないド廃道」にあるわけでもないのに、だ。

 

 

そんなことあるだろうか?

これだけインターネットで何でもわかる時代になって久しい、2026年現在で?

 


実際この記事を書くにあたって、「白川又林道にある、素掘り隧道ではなく、そのもっと奥にあるもうひとつの隧道について、少しでも触れているネット情報がないか」を、ChatGPTに時間をかけて調査してもらった。

結果は上記のとおり、AIが追える範囲においては絶無。なかなか考えづらいことだが、これが現実だった。記事タイトルの「幻の隧道」は、伊達や酔狂ではないのである。

 

 

それはいったい、なぜなのか?

 

 

理由はひとつではないかもしれないが、大きなポイントであろうと思われるのが、(お待たせしました)ここ入渓ポイントの位置である。

 

ちょっと整理しておこう。この白川又林道を通行する人を分類して多い順に並べると、以下のようになると思う。

  1. 沢屋さん(沢登りを楽しむ人たち)
  2. 山屋さん(十郎山など山歩きを楽しむ人たち)
  3. 本来の利用者(林業など山仕事、または林道の維持・保守に従事する人たち)
  4. われわれ隧道屋など土木趣味者(発電所関連含む)

 

もちろん私見ではあるが、ネットでヒットする白川又関連情報でダントツで多いのが沢屋さんであることは間違いない。よって2~4の順位は感覚でしかないが、われわれ4勢はまあ少ない。

 

さて、こっからが本題だ。

2の山屋さんはだいたい十郎山に絡めてこの林道を使うようだが、その場合は最初の素掘り隧道を過ぎたあたりから山に取り付く(あるいは降りてくる)らしいから、それより奥には来ない。4のわれわれ土木系趣味者は、地図に乗ってない隧道に気づくのはムズイから、当然奥には来ない、9年前のわたくしのように。さらに、3の人たちは仕事だから、いちいちネットで発信することはない。よって、追えるような記録はない。

そして、最大派閥である1の沢屋さんたちも、ここ入渓ポイントをもって林道から離脱してしまう。で…件の隧道はここからさらに奥にある…。

 

 

つまり、今回の隧道が、人がよく入る林道にありながらも真正の「幻の隧道」であり続けてきた理由は、

「『それを情報として発信する動機のない人たち』しか目にしてこなかったため、こうした稀有な状況が生まれた」、と考えられるのである。

 

これは、現地に来ないとわからなかったかもしれない。

 

 

はい、長文お疲れ様でした~。

 

 

 

 

 

この推論(でも自信はある)に基づけば、

ここから先は「プロ」しか立ち入らない領域となる。

 

とはいえ、道の様相が格段に荒れ始める、という感じもない。ただ、「いよいよ大詰め」感は漂い始めた、自分の中で。

 

 

 

 

 

 

 

 

9時12分。

ひとつめの隧道から奥で初めて、「ちゃんとした橋」が現れた。

 

 

 

 

相変わらず、橋としてはなんの面白みもないものだが、

この立地だけに、しっかりと記録はしておく。

 

 

 

 

ここは、美しい段瀑が落ちていて、

 

橋をくぐって、さらに続いていた、白川又に落ちるまで、果たして何段あるんだろう?っていう。

 

 

 

 

ここへきて、なんとなく心が澄んでいくような心地よさを感じ始めていた。

色んな感情が混じってのことだったが、とてもすがすがしい気分だった。こういう感じ、わりと久々だったかも。うまく伝わらないだろうが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして…

ああ…あれがそうなのか。

 

 

 

【5】に続く。

 

 

 

【2】より続く。

 

 

 

隧道から進軍再開して20分少々経ったが、まずまず快調に歩いている。

けれど、当然ながら一貫してずーっと登り坂。ちょっとずつ疲労を感じてきた。ゲートからだと1時間10分ほど歩いている(休憩除く)し、まあアラ環なんでこんなもんよね~。

 

 

 

 

8時53分。斜面上にヤバイもの発見。

「俺たち、いつでもイケますんで!」的な、ゴロゴロ巨岩。次の大雨に向けてスタンバってる。おとなしくしといてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

相変わらず、路外には樹木が繁茂してるので伝わりにくいんだが、

このチラ見えで、相当高~いところを往ってるんだなとわかっていただければ。

 

 

 

 

と言ってる先から、

あの先、開けてそうだ。そして…なんかある、あのコーナーに。

 

 

 

 

そこにあったのは…

詰まれた土砂(たぶん崩土?)と、その前にジグザグな金属部材。なんだこれ?と思ったけど、この後すぐに正体が判明した。

 

 

 

 

それと、

金属部材が飛び出した、でかめ長方形のコンクリ塊。これは索道を用いた集材の関連遺構だろうか?集材機の据え付け台とか。

 

 

 

 

そしてここから数百mは、見晴らし良すぎ区間。

日なたと日陰のコントラストが強すぎで、写真撮りづら!

 

 

 

 

そしてここで、ついに発見した。時刻は9時ジャスト。

引くほどはるか下に…建造物。写真真ん中ちょい右下。わかりますかね?

 

 

 

 

ズームしてみると…おおっ!

あれこそが、白川発電所取水施設…の、たぶん一部。隠れて見えないところにも広がっていると思う。これまで一度も言及しては来なかったが、あれは重要ポイントだ。位置はこちら。

 

 

ここで特筆すべき前提事項をお伝えしておきたい。

 

ここ白川又は、関西屈指の名渓として沢屋さんには広く知られたポイントで、ネット上でも多くの遡行記録が見られる。そして実は、ここまで紹介してきた白川又林道は、入渓ポイントを目指す多くの沢屋さんたちが歩く道でもあるのだった。

なので、9年前に訪ねたあの素掘り隧道も、我々隧道趣味者目線の記事は相変わらずほとんどないけれど、沢屋さんたちの記録では時おり登場している。

 

その沢屋さんたちの入渓ポイントこそがあそこ、白川発電所取水施設なんである。

 

 

それがなんで重要なのかは…次回に(笑)。

 

 

 

 

こういう時に撮りたくなる、スマホの広角モードを使った1枚。

エライとこ、来てますよ~。

 

 

 

 

そのすぐ先で、斜面に見つけた階段。

ていうか、さっきあった金属部材はアレだ。仮設階段だ。寝かせてあるとわからなかった。

 

 

 

 

コントラスト強すぎて色調がおかしいが、さらにその先で、

近年崩れたんだろうな、ってパートが現れた。

 

 

 

 

そこで見上げると、

あー、復旧工事の際の仮設通路かな?

 

 

 

 

9時4分。

また何か、見えてきた。重要なものか?

 

 

 

【4】に続く。

 

 

 

【1】より続く。

 

 

 

8時39分、進軍再開。

去り際に一瞥。また、後でね。

 

 

 

 

ここからは未知の道だが、

様相は特に変わらない。

 

ターゲットまではさらにどのくらいかかるのか…1時間はかからないとみてるのだが、果たして。

 

 

 

さて、改めて今回の探索について。

 

よもや、最低限目を通してほしいとお願いしたこちらさえも読んでいない、なんていう不届き者(コトバニキヲツケロ!)はいないと思うが、念のため説明しておこう。

 

 

前回(2017年5月)、念願だった白川又の隧道訪問を果たしたわたくし、訪問困難な物件を攻略してご満悦だったのだが、同年8月、記事を書くにあたってなんとなく地図を見返していたら、なんと林道のさらにさらに奥に、謎の隧道記号を発見してしまう。オゥマイガッッ大泣き

 

それはしかし、当時のゼンリン地図の特定の縮尺だけで現れるっていう「鵺(ヌエ)」のような存在。地理院地図、および当時調べたその他の電子地図も含め、その場所には隧道なんて描かれていなかったんである。

なので、その実在については半信半疑、いつかは確認に行こうと思いながらも、実際地図上での隧道誤植ってよくあるんでね、やっぱり空振りが怖いから、後回しになっちゃいますよ。

 

 

だが2021年11月、「疑惑」から「確定」に変わった。「ある」のだと。そのきっかけについては、連載のもっと後で触れる。

 

 

てことで、もう絶対に再訪しなくてはいけなくなったわけだが、ただでさえ遠かった隧道のさらにだいぶ奥ってことで、なかなか踏み切るにいたらずで、こうして5年近くの歳月が流れてしまった。ようやくのシバキ残し回収ってことで、心は弾む弾む!

 

 

…というのが、この探索の背景である。OK?読者をだれ一人置き去りにしない、良心的ブログでございます。

 

 

 

 

 

 

8時41分。

視界が開け、開放的なストレート区間へ。

 

 

 

 

ここもまた、

そそり立つ断崖が圧巻!

 

 

 

 

片や、珍しく視界を遮るもののない白川又の見下ろし。

これ、対岸から見たとしたら、凄いとこ通ってるんだろうな~。

 

 

 

 

8時44分。

開放的区間は終わり。

 

 

 

 

続いて、このようなパートへ。

その良好な道路状況から、今もしっかりと関係車輛が入っていると思われる白川又林道。しかし忘れた頃に、こういう荒れたパートが現れたりする。

 

まあ、ここに入ってくる車両には問題ないレベルの荒れ具合ではあるが。

 

 

 

 

そんな一画の斜面に、

ひときわ目を引く太い木が踏ん張っていた。それも3本。

 

 

 

 

わかりにくいかなあ、この立派さ。

他にもあったのかもしれないが、林道よりも下に生えている木ではかなり立派な方だったと思う。

 

 

 

 

そのすぐ先では、小さな滝が。

林道下を暗渠で抜けていたが、これは橋としてカウントせず。そうそう、この「未知の道」において、新しい橋と出会うのも楽しみにしていたが、今のところまだ現れない。

 

 

 

 

さらに、滝のすぐ先。少し高い斜面上に…

マジで、待ち箱ってどんなとこでもあるよな~。そして、設置してる現場には一度も遭遇したことがないっていう…。凄いな養蜂家。

 

余談だが、わたくしこれまでこの手の「ニホンミツバチ捕獲用の空き巣箱」を「蜂洞」と呼んでたのだが、これは対馬のもの固有の呼び方で、一般的には「待ち箱」と呼ぶ…とChatGPTが教えてくれたので、今後はそう呼ぶ。

 

 

 

 

…と、いろいろなイベント(ってほどでもないが)が連続した後、8時48分。

今度は、ここまでで最大くらいに道幅が広くなった一画が現れた。

 

 

 

 

今は何もないが、

昔はここに土場があったのかも?

 

 

 

 

そこに在ったひときわ目立つ木(上の写真でも中央に写ってる)には、こんな貼り紙が。

注意 ツキノワグマ調査中

クマの生息数調査のため、カメラトラップを設置しています。カメラに触らないでください。また、トラップに近づかないようお願いいたします。

 

カメラトラップ?カメラに全然気づけなかったわたくしは野生動物と同レベルか。ごめんなさい、たぶんわたくし写っちゃってます泣き笑い

 

ちなみに前回は、往路で「小さな黒い影」を見たためにけっこうナーバスになってたが、今回はそういうこともなく、また熊鈴も快調にカランコロン鳴ってたので、これを見てもあまり不安は感じなかった(幸い、実際なにもなかった)。

 

 

 

 

こんな感じで、

「道」を楽しみながら、のんびりと登っていく。

 

 

 

【3】に続く。

 

 

 

【序】より続く。

 

 

7時31分、ゲート・イン。

 

まず目指すは、前回のターゲットたる素掘り隧道。

そこまでは、かつて知ったる道。無駄な寄り道はせずに、粛々と進むぞ。

 

 

 

 

とはいえ、

前回は気づかなかった(あるいは、なかった?)こんなものに気づいたり。

 

 

 

 

わかりますかね?

索道のケーブルと搬器?的なもの。ここらでは、リアルな「林業の現場」の息遣いがそこここで感じられる。

 

 

 

 

 

 

 

7時58分、見覚えのある現場へ。

このモノレール、覚えてる。

 

 

 

 

でも、

前回あった、この立派な「奈良県有林白川又経営区分収契約共有樹木」(長ッッ!)の看板はなくなってるな。

 

 

 

 

それで言うなら、

前回はあったっけ、あの立派なモノレールの駅。

 

興味はあったけど、復路でいいやとスルーした。そして、そのまま忘れた(笑)。

 

 

 

 

続いて8時5分。

これまた見覚えのある、索道小屋(勝手に命名)。

 

 

 

 

前回の様子はこちら。

9年の歳月は…感じられない。変わらんね~。

 

 

 

 

そして~。これがもう一度見たかった!

林道にのしかかるように屹立する、断崖!ここのファーストコンタクトはしびれたなあ…。

 

 

 

 

ここを過ぎれば、もう間もなく。

はい、徒歩進軍57分が経過した8時27分、白川又の素掘り隧道に到着。

 

いやほんと、前回ここを立ち去った際には、もう来ることもないと思ってたもんだが…いやはや、お久しぶり!変わりなさそうだね!

 

ちなみに、前回の所要時間を確認したら、ゲートからの所要時間は1時間1分と、4分早いだけだった。まあ結局さっきの断崖パートであーだこーだと写真撮りまくってしまったからな~。

とはいえ、前回は岩屋橋北詰からの徒歩進軍、1時間25分かけて到達している。やっぱゲートまで車で入れたのはありがたかったな。

 

 

 

 

かつて水汲みを楽しんだ洞内、

やっぱりほとんど変わりはなかった。変わらず豪快な、完全素掘り。

 

 

 

 

いや、マジでこの隧道は

それほど数が多くない関西圏の素掘り隧道の中でも、最大級のスケールを誇るね。

 

 

 

 

しばし再開を楽しみながら愛でたあと、

抜けたところで初めての休憩。いや~ほんとに、またこんなとこまで来るとは。現在地このへん。

 

 

ということで、これが「地図に載っている」隧道。誰が知ろうか、このさらに奥に、「地図に載らない」もうひとつの隧道が存在している、なんてことを。

 

 

 

 

そいつを目指して出発。

ここから先は、未知の道。時刻は8時39分。

 

 

 

【2】に続く。

 

 

 

2026年9月22日、憂いと絶望、救済と浄化~紀伊半島深山跋扈の2日目。この日の予定は、朝からメインターゲットをひとつやっつけて、帰る。それで終了。

そのメインターゲットは、およそ5年越しの宿題回収…いわゆる「シバキ残し回収」ってやつだ。

 

その顛末をこれから記事にしていくわけだが、その前にぜひとも目を通しておいていただきたい過去記事がある。それが、林道白川又線(全7回)だ。

全7回なんて読んでられっか!っていうお忙しいあなたも、この【顛末篇】だけはご覧いただきたい。今回の宿題回収の背景は、すべてそこに書いてあるのでね。

 

 

 

…読みましたか?試験に出るからね?

 

 

 

 

ってわけで、時刻は6時56分。

岩屋谷橋北詰のいつもの場所。

 

 

 

 

かつてこの場所には、

こういう簡易なAバリ封鎖があり、ここから徒歩進軍に切り替えた。これは前回、つまり9年前の写真だが、以降のいつかにゲートは撤廃されたようだ。

 

 

 

 

そのおかげで、

前回は徒歩およそ20分かけて到達した、ここ明芽谷出合のゲートまで、車で入ることができたのだった。これは転回してから停めた景。

 

これはありがたい…が、その道中は前日までの悪天候による落石、落枝の片づけのため、15分もかかったことは、備忘のために明記しておきたい。歩きと5分しか変わらんとか、メゲるわ。


そして前回と違うのは、先の写真にも登場していた相棒・ダホンちゃん(折りたたみ自転車)がいないことだ。つまり、往復ともに徒歩が確定している。

 

 

 

手早く準備。とはいえ、こんな感じのカジュアルスタイルだ。

なんといってもここは2回目、ずっと舗装路であることはわかっており、現在は崩落個所もないことも下調べ済み。足元と服装はこれで十分と判断した(そしてその通りだった)。あ、これにリュックは背負っておりますよ。

 

ひとつ懸念は、このエリアにもしっかり生息している熊について。前回も探索中に、「黒い影」を目にしているし。

今回はズボンのサイドポケットのボタン穴に熊鈴を付けてみたらいい鳴り具合だったので、それで進軍することにした(上の写真の黄色いやつ)。

 

 

 

 

さて、まったく変わっていないように見えるゲート。

一度スタートしたものの忘れ物して戻り、改めて7時31分、ゲート・イン。現在地こちら。

 

まずは「前回ターゲットだったほうの隧道」を目指していこう。

 

 

 

【1】に続く。