【マンガ感想】
『リバースエッジ大川端探偵社 4巻 (ひじかた憂峰、たなか亜希夫)』
リバースエッジ大川端探偵社 4 (ニチブンコミックス)
ひじかた 憂峰 たなか 亜希夫 日本文芸社 2012-09-28 by G-Tools |
【あらすじ】
東京・浅草…隅田川沿いの雑居ビルに、小さな探偵社があった――。『オールド・ボーイ』『湯けむりスナイパー』のひじかた憂峰、『軍鶏』『かぶく者』のたなか亜希夫。常に“人間”を描き続けた唯一無二の原作者と、漫画界随一の画力で驚異的な描写を続ける稀代の絵師。名作『ボーダー』で多くの信者を生み出した黄金コンビが、20年ぶりに奇跡の復活!!描くのは、探偵社を舞台にした様々な人間模様。どこか都市伝説的な神秘性を感じさせる依頼内容は読み手の好奇心を喚起する。一見あり得なさそうな世界観を、圧倒的な筆致でリアルに表現する。どの話にもこの二人の共作でしか起こり得ないマジックが見られる。
浅草にある探偵事務所の日常を描く作品です。
東京の浅草の隅田川沿いの雑居ビルにある小さな探偵社・『大川端探偵社』。
その探偵社には、自らの情報網を駆使して依頼を解決する強面の『所長』を始め、
足で稼ぐタイプの優秀な調査員・『村木タケシ』、明るい性格の美人受付嬢・『メグミ』の3人が所属し、
一癖も二癖もある依頼者の依頼を解決に導いていく・・・。
という感じの作品でして、『大川端探偵社』にやってくる様々な依頼を主人公達3人が、
1話完結で解決していくヒューマンドラマ作品です。
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ここからは、4巻の感想。
4巻では、3巻までと同様に様々な依頼者が『大川端探偵社』がやってくる話が描かれつつも、
こけしに似た女性を探してほしいとか、5メートルの長身の女性を探してほしいなどの、
かなり変わった依頼を引き受ける話が描かれました。
そんな4巻で面白かったのは、赤ん坊の頃にお世話になった夫婦を探してほしいという依頼です。
このイベントは、服装などちゃんとした男性が『大川端探偵社』を訪れて、自分の父親の
エピソードを語り始めるところから始まります。 彼の父親は、中途半端なヤクザ者であり、
女癖も悪く、多くの女性に手を出し、孕ませては堕胎させては、その女を捨てるという最低な
男性であったようです。 そんな父親に、孕まされた女性が“とある復讐”を行います。
ナント、孕まされた女性は、赤ん坊を堕胎せず、赤ん坊を産み、その赤ん坊と手紙を
父親のアパートの部屋の前に置き、去ってしまいました(その手紙には、「あめえのガキだ。
受け取れや」と書かれていた)。 その赤ん坊こそ、今回の話の依頼人でありまして、
父親は、慣れない手つきでその赤ん坊にミルクを上げようとする描写が描かれるわけですが、
あまり上手くいかず、その赤ん坊は大声で泣いてしまいます。
その赤ん坊の泣き声を聞いた隣の夫婦(同じ年頃の赤ん坊がいる)が、父親に対して、
『もらい乳』をしようかと申し出ます。 結果的に、その夫婦から『もらい乳』をしてもらうことで
赤ん坊(依頼人)は成長できたようです。
で、今回の依頼は、その『もらい乳』をしてくれた隣の夫婦にお礼を言いたいから探してほしいと
いう依頼でありまして、『大川端探偵社』はその依頼を受けることとなりました。 これ以上の
展開はネタバレとなるので詳しくは書きませんが、最終的なオチが非常に上手く、「なるほど」
と声を出してしまうほど面白かったですよ。
いや~、面白かったです。
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【総評】
3巻では『性欲』をテーマとした話ばかりで、正直、あまり面白く感じなかったですが、
4巻では、1巻・2巻のような『人情系の話』が中心に描かれているので非常に面白かったです。
次巻も、ぜひともこの路線で続いていってほしいですね。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。