『信長協奏曲 1巻』の感想 | まんが栄養素

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【マンガ感想】

 

『信長協奏曲 1巻 (石井あゆみ)』

 

4091221009 信長協奏曲 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
小学館 2009-11-12

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【あらすじ】

ごくごく普通の今どき高校生サブロー。そんなサブローがひょんなことから飛ばされたのは、なんと戦国時代! そう、彼はタイムスリップしてしまったのである。自分の人生に日本の歴史なんてこれっぽっちも関係ないと思っていたサブロー。そんな彼がこの時代で出会ったのは、あの織田信長であった。歴史上とは似ても似つかないほど病弱な信長に、更に驚くべき頼み事をされる。それは、信長とサブローが入れ替わることであった…。乱世で生きることとなってしまった平成育ち信長の、奔放奮闘記!!

 

 

タイムスリップ系の戦国ファンタジー作品です。

 

やる気があまり無く、勉強が大嫌いの不良っぽい高校生・『サブロー』。

そんな彼が、ひょんなことから戦国時代にタイムスリップをしてしまい、偶然、織田信長と出会う。

織田信長は、顔がそっくりである『サブロー』に対して、突然、「わしの身代わりとなれ」と言い放ち、

自らの脇差を『サブロー』に与え、立ち去ってしまう(以降、行方不明)。  『サブロー』は成り行き上、

何故か織田信長本人となりすまし、この風雲の時代を生き抜くこととなってしまった・・・。

 

という感じで始まる作品でして、主人公・『サブロー』がひょんなことから戦国時代へタイムスリップをして

しまい、織田信長として生きていくことになったという戦国ファンタジー作品です。

 

この作品の特徴は、『主人公が戦国時代へタイムスリップして戦国武将として活躍する』という非常に

ベタな設定である点でして、この作品ではナント、あの戦国の風雲児・『織田信長』と入れ替わり、

戦国時代を戦っていくという非常に壮大な物語となっております。

 

この作品の面白いところは、主人公が戦国時代の知識を一切持っていないという部分でして、

例えば『これから何が起こるか判っているから歴史を変えてやろう』というような悪知恵を働かす事は無く、

あくまで、主人公の知識はゼロの状態で、戦国の風雲児・『織田信長』を演じていく作品なのです。

なので、「それだとタイムスリップという設定の意味があるのか?」と思われるかもしれませんが、

これがなかなかよく出来ていまして、例えば、主人公と共に過去の時代に飛んできているアイテムが

『織田信長』を演じるために色々と役立ったり、鯛の天ぷらを『松平竹千代(徳川家康)』に振舞ったりと、

彼がこの時代の人物ではなく、未来から来た人物であることがストーリーに上手く盛り込まれています。

 

また、主人公・『サブロー』も良い感じです。

人当たりが良く運動神経も良いが、勉強嫌いでやる気もゼロという性格の主人公でありますが、

恐らく、多くの方が持っているであろう『うつけ時代の織田信長』の人物像に非常に近い感じでして、

「若い頃の織田信長はこんな感じで生きていたのかな」と感じさせてくれるキャラ設定であると思います。

もちろん、これから描かれるであろう弟・『織田信行』との家督争いや、天下布武を掲げ全国の大名と

戦っていくことにより徐々に私たちがイメージしている『あの残酷な織田信長像』へ変化していくのかも

しれませんが、それを含めてもこれからの主人公の成長を期待できる性格のキャラであると思います。

 

いや~、面白かったですよ。

次巻も楽しみです。

 

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【総評】

タイムスリップという設定からも色物系と思われるかもしれませんが、

時代背景や人物描写など丁寧に作られていて、非常に面白く仕上がっていると思います(^^ゞ。

少年誌連載作品ですが、戦国時代らしい血生臭いシーンもちゃんと描かれているので、

もしかしたら、今後、大きな話題になっていく作品に成長していくかもしれませんね。

絵柄などは好き嫌いが判れそうですが、個人的にこれからも期待していきたい作品です。

(まあ、ネタがネタなので史実重視で歴史物を読まれる方にはお薦めは出来ませんが・・・)

 

点数的には

90点

です。
 

 

では、ここまで。

 

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