【マンガ感想】
『リバースエッジ大川端探偵社 3巻 (ひじかた憂峰、たなか亜希夫)』
リバースエッジ大川端探偵社 3巻 (ニチブンコミックス)
ひじかた 憂峰 たなか 亜希夫 日本文芸社 2011-05-28 by G-Tools |
【あらすじ】
東京・浅草…隅田川沿いの雑居ビルに、小さな探偵社があった――。『オールド・ボーイ』『湯けむりスナイパー』のひじかた憂峰、『軍鶏』『かぶく者』のたなか亜希夫。常に“人間”を描き続けた唯一無二の原作者と、漫画界随一の画力で驚異的な描写を続ける稀代の絵師。名作『ボーダー』で多くの信者を生み出した黄金コンビが、20年ぶりに奇跡の復活!!描くのは、探偵社を舞台にした様々な人間模様。どこか都市伝説的な神秘性を感じさせる依頼内容は読み手の好奇心を喚起する。一見あり得なさそうな世界観を、圧倒的な筆致でリアルに表現する。どの話にもこの二人の共作でしか起こり得ないマジックが見られる。
浅草にある探偵事務所の日常を描く作品です。
東京の浅草の隅田川沿いの雑居ビルにある小さな探偵社・『大川端探偵社』。
その探偵社には、自らの情報網を駆使して依頼を解決する強面の『所長』を始め、
足で稼ぐタイプの優秀な調査員・『村木タケシ』、明るい性格の美人受付嬢・『メグミ』の3人が所属し、
一癖も二癖もある依頼者の依頼を解決に導いていく・・・。
という感じの作品でして、『大川端探偵社』にやってくる様々な依頼を主人公達3人が、
1話完結で解決していくヒューマンドラマ作品です。
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ここからは、3巻の感想。
3巻では、2巻までと同様に様々な依頼者が『大川端探偵社』がやってくる話が描かれつつも、
所長の“情報網”の秘密が描かれたり、受付嬢の『メグミ』の友人が新登場してみたり、
浅草の女番長(お婆さん)の依頼があったりと様々な話が収録されております。
そんな3巻で面白かったのは、売れなかったアイドルを探してほしいという依頼の話ですね。
この話は、冴えないサラリーマン風の男性が、30年前の学生時代にレコード屋さんのイベントで
偶然見た新人アイドル・『桃ノ木マリン』の行方を探してほしいという依頼を持ってやってきたところ
から始まります。 ちなみに、この新人アイドル・『桃ノ木マリン』は、このサラリーマン風の男性を
魅了するくらいの可愛らしい容姿の女の子であったのですが、アイドルとしては残念なことに売れる
ことはなく、そのまま引退してしまったようです。
サラリーマン風の男性にとって、新人アイドル・『桃ノ木マリン』はまさしく青春の思い出であるようで
30年経っても忘れられない思い出であるようです。 なので、彼なりに『桃ノ木マリン』の引退後の
行方を調べていたようなのですが(所属事務所にも問い合わせていた)、さすがに素人では調べ
きることが不可能に近いため、『大川端探偵社』にやってきたようです。
ということで、今回もまた、変な依頼がやってきました。 早速、『大川端探偵社』の所長は自らの
情報網を駆使して、新人アイドル・『桃ノ木マリン』の行方を探し当てることに成功しました。
早速、調査員・『村木タケシ』が『桃ノ木マリン』に会いに行くこととなったのですが・・・、
彼の話によれば、彼が所属していた芸能事務所では、女装させて売り込むというやり方で
何人か成功させた実績から、彼もその方法で売り込むこととなったようです。 しかし、
彼の場合、上記の画像からわかるとおり、デビューから半年~1年ほどで男性らしい容姿に
成長してしまったため、この方法での売り込みができなくなり、結局、引退することとなって
しまったようです。
ということで、調査員・『村木タケシ』は、依頼者に、この『桃ノ木マリン』を引き合わせることと
なります。 そのときの依頼者の反応は恐らく多くの読者が予想して通りの反応でありまして、
何と言うか、良い思い出は思い出のままにしておいた方が良いのだな~とつくづく思いました(笑)。
いや~、面白かったですよ。
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【総評】
一巻・二巻に比べれば、かなりパワーダウンした印象が強いですが、まだまだ面白いです。
個人的には、性欲以外の“欲”に関する話が多く読んでみたいですね。 正直、性欲に関する
イベントは飽きてしまったので・・・。 次巻も期待したいです。
点数的には
90点
です。
では、ここまで。