以前紹介した、戦闘背嚢。
そのレプリカである、T〇P製のコレ。
いろいろと再現度には難があるものの、貴重な唯一無二のレプリカ製品です。
しかしコレ、大事なものがついていません。
それが、フレーム。
戦闘背嚢の中の、背中側に入っているこんなのです。
このように、うねうねしたアルミ製の棒(というか板)。
↑この画像はワシのものでは決してありませんホントホント、多分メイビー。
まあコレがなくてもパンパンに中身を詰めれば、ガワの突っ張り具合でいくらかシャッキリするのですが、それでもこのフレームがあるのとないのとでは背負った際の安定感が違います。
なんでT〇Pは「官品をサンプリングした」と謳ってレプリカ作ったのにこのフレームを再現しなかったのか・・・
(でもその理由は後で分かるのですが)
当然ながら、こんなうねうねしたアルミ棒は売ってません。
まっすぐのアルミ棒はいくらでもありますが、そんなのではいけません。
となれば、ワシの出番。
レプリカがないならこのワシがレプリカを量産しましょう!
・・・と思い立ったのが1年前。
いつも金具類の特注をしている業者さんに依頼をしたのですが、コイツもかなりの難敵だったのでした。
まず、ウネウネのためには治具が必要で、実物はおそらくちゃんとした工場でン千万もするプレス機でガチャンガチャンとやっているのでしょうけど、さすがにソレは無理。
なのでまずは治具を作ってもらう必要がありますが、ソレがン万円かかります。
さらに曲げ加工は手作業となり、形状が毎回バラバラになるのと、あと傷ができやすいという問題が生じました。
クルマ趣味の方は詳しいかと思いますが、アルミボンネットとかは事故の時に鈑金ができません。
アルミは曲げ加工がけっこう難しいのです。
しかしここは業者さん、本業の合間に試行錯誤をしてくださり、数か月かかってどうにか成型上の問題はクリア。
もちろん形状に若干のバラつきは出てしまいますし、小傷も避けられませんが、許容範囲となりました。
もともとそれほど数がハケないものに治具代も加わり、かなり苦しいところですが仕方ない、と踏ん張りGOサインを出します。
しかし試作品が完成すると、新たな問題が。
官品は3mm厚・25mm幅なのですが、どうも官品はただのアルミ棒ではないようで、規格品の3mm厚・25mm幅のアルミ棒で試作してもらったところ、なんか強度が弱い。
官品は、材質が市販の規格品と僅かに違う強度の高いものを使っているのか、あるいは焼き入れか何かで強度を高めているのかもしれません。
とりあえず「外寸が同じ」という意味でのレプリカならもう完成なのですが、大量に荷物を詰め込んで負荷がかかった時に曲がってしまうかもしれず、そうなると元に戻せません(直そうとして力を入れると破断しかねない)。
見るレプリカなら問題ありませんが、コイツは実際に背嚢の中に入れて使ううえに見えない(笑)ものなので、強度が弱いのではダメでしょう。
そのため、規格品で3mm厚の次は4mm厚のため、思い切って4mm厚にしてみます。
しかし重さが増してしまうのもどうかと思い、幅を20mmにして試作してもらいました。
しかしどうも幅が狭いのは見た目的にも頼りなげなうえに、なぜか20mm幅より25mm幅のほうが単価が安い。
それなら・・・と4mm厚、25mm幅と決定しました。
左が官…いやなんのことか分かりませんが右がレプ。
当然、官…いやなんだかわかりませんけど、より強度が増しました。
しかしここでさらに問題が。
T〇Pの戦闘背嚢レプにも当然フレームを入れる部分は造られているのですが、なぜかサイズが全然違うのです。
T〇Pに合わせると官品には全然寸足らずですが、官品サイズにしてT〇Pのに入れるとかなりハミ出てしまいます。
そこで悩みぬいた末、官品より2cm短い長さとしました。
そうすると、T〇Pに入れると
このようにフタができませんが、これは仕方ないでしょう。
養生テープとかで先端を養生して使うしかなさそうです。
一方、官品に入れると
ほとんど隠れてしまいましたが、指で取れるレベル。
・・・というわけで、完成したのがコイツ。
左がなんだかよくわからないアルミ棒、右がレプリカです。
↑どっちがレプリカかは一目瞭然ですね。
重さは、官…なんだかよく分かりませんけどは1本120g、レプリカは1本150gと30gの差。
2本で60gの増ですが、筋骨隆々の隊員さんには誤差の範囲以下でしょう。
いやあコレでT〇Pの背嚢もシャッキリするし、諸般の事情で実物をどこかにやってしまった人も大丈夫!
ワシは布団叩きか孫の手代わりに使います!
おしまい!
【装備自作量産記事】
※思えばレプ作りすぎでは・・・?