装備自作その4(9mm機関けん銃官品負い紐レプリカ) | ちょんまげインプの部屋

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今後ともどうぞよろしくっす。

(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

昨年フと思い立って製作した、9mm機関拳銃の負い紐。

しかし、もちろん実物を触れるわけでもなく、さらに実物に使用されている部品がそう簡単に見つかるわけでもなく、そして情報があまりにも少ない中で作ったため、素材の全てを

「それらしく見えなくもない物」

で済ませるしかありませんでした。

 

しかしそんなスリングを作っている中で、重要なアドバイスをくださる親切な方が何人もご登場。

 

ネット検索だけでは入手できなかった、貴重な情報が次々と舞い込んできたのでした。

やはり人とのつながりというのは重要で、ありがたいことです。

とはいえ、だからと言って実物に似た部品が簡単に入手できる保証もなく、さらに

「一度作ったのに作り直すなんて節操なくね?」

という思いもあったのですが、

「いや、これは改めて作るしかない・・・!」

と一念発起。

半年以上かけて材料を探し、吟味し、やり直し、いくつも素材を無駄にし、何度も諦めかけ、そして

「ぜひ作ってほしい」

という声援に後押しされ、ついに「9mm機関けん銃官品負い紐レプリカ・バージョン2」として完成させたのでした。




というか、自分で言うのもナンですが、これはもう「完全版」

まあ、そのためにわざわざ9mm機関拳銃のガレージキットまで買い(←チョー高い)、しかも各種材料についてもかなり痛い出費をして・・・

 

しかし当然、こいつも苦心惨憺でした。

 

まず肝心のスリング素材ですが・・・

たぶん実物はビニロンです。

いえ絶対ビニロンです。

で、織り目は89式小銃と同じ亀織り(ヘックス織り)らしいことが判明したのですが、そのヘックスのツブツブが89の負い紐のビニロンのものよりかなり細かい。

なのでよほど鮮明な画像でないと、亀織りであることが分からなかったのでした。

また、89同様25mm幅なのかと思っていたところ、とある詳しい方が画像解析をして、30mmであることが判明。

でも、こんな細かい目の亀織りのビニロン素材が市販されていないので、まあ普通のヘックスのでいいから30mm幅のビニロンを・・・と思ったら。

どこを探しても、30mm幅のビニロンで、OD色のものが市販されていないのです。

どうにか別の色で亀織りのビニロンを販売しているお店が見つかったのですが、ビニロンは織った後に染色するとムラになりやすいそうで、しかも糸の段階から染色してから織る特注については、最低数千メートルからというとんでもないロット。

 

ここでかなり萎えてしまいましたが、よろめく足を踏みしめ、代替案を探します。

 

ビニロンに風合いの似たものといえばコットンですが、市販品で見つけたものはゴワゴワしすぎ、また厚みも厚く、とりあえず取り寄せてみたものの、硬すぎてダメ。

かといってメジャーなポリプロピレンもナイロンも風合いがまるで似ておらず、そもそも亀織りなんてのが皆無。

こりゃダメだな・・・と失意に沈む毎日の通勤時、フと気づきました。

通勤に使っているバッグの肩紐が、亀織りで幅30mm、厚みが2.5mmなのです。

材質は・・・アクリルだ!

これならビニロンっぽい風合いが出せなくもない!

というわけでアクリルの亀織りテープを販売している業者さんを探しまくり、ようやく発見。

で、見本色で似てるものがなかったので、特注色で染色してもらいました。

(小ロットなのでチョー高くついた)

ビニロンでないのと、織り目が実物より大きいのが残念ですが、どうにかスリング部は決着。

 

 

 

さて、9mm機関けん銃負い紐の最大の特徴とも言える、両端のフック金具。

 

 

 

こんな妙ちくりんの形状の金具は市販品では皆無・・・・・・・・あるよΣ(°Д°;)

さすがその筋に詳しい「すてんがん工廠」さんが、「これっすよ」と教えてくださったのでした。

とあるメーカー製、珍しい形状のフック金具です。

紐を通す部分が、鉄板を重ね合わせたぺったんこな形状になっています。

メーカーを特定するのもかなり苦労しましたが…。
ただ実際は、この金具は↑と、もう1種類別のものがあるのです。

可動部が、画像左の鉄板をプレスしたものと、あとは右の針金形状のもの。

ただし左側のものはメーカーでも絶版で、右側の針金状のものしか存在していなかったので、そちらを入手。

ただし希望のメッキにしてもらうことができずギンギラギンだったので、メッキ替えを少量適価でしてくれる業者さんを探すものの、どこもお高め。

が、いつも金具を買ってる業者さんが

「モノにもよりますが・・・ああ、これならいいっすよ」

と適価でメッキ替えをしてくれました。

あー手間と金がかかる・・・(--;

でもこの金具はこの負い紐の顔みたいなもんですので、入手できてよかったです。

すてんがん工廠さま、ありがとうございました!

 

 

お次の難関は、この金具。

2枚のスリングを挟み込んで長さを調節する役目がありますが、正式名称は不明。

 

 

だって、どっこにも売ってないんだもん。

ネットで何日もかけて探しても、1度もヒットしませんでした(名称不明なので「金具」とか「バックル」だけで検索したため)。

でも実際にはよく見かけるもので、例えば64式小銃の官品風の負い紐や、昔のM16のコットンスリングなどに使われています。

仕方ないので、金具やさんに聞きまくり、ようやく発見。

そして特注でメッキをして・・・あー出費が(--;

 

 

このカン金具はだけは普通に買えました。

 

 

 

しかしこんなものでも特注メッキでお高くなり・・・(--;

 

 

このボール先止めも、普通に買えました。
ハンマーで潰して留めるものです。

ただし89用の25mmのものよりも大きい30mmのものなので、硬くてちょっと作業が大変でした。

お値段も25mmの3倍以上だし(--;

 

 

しかしこの負い紐は妙ちくりんな取り回しで、両端はこんなかんじ。

 

 

スリングのフック金具の片方が、銃の前側のここに。

もう片方は後ろ側のここにかける。

負い紐のどちら側が前にきてもいいようです。

しかし片側はカン金具を介して意味の分からない別パーツになってるし、もう片方はやる気のない(笑)縫製処理。

 

 

またこの負い紐の地味な特徴として、裁断した端が、このようにむき出しになったままになっていることが挙げられます。

 

 

これだとそのうちほつれてみっともなくなってきてしまいますが、いちおうほつれ防止のために「ホツレーヌ(アレなネーミングセンスですが)」というボンドで固めました。

実物の写真を見ると、たいてい端がほつれてビロビロになっています。

また縫製部分も、糸がビロビロになっている実物写真も多く見ますね。

 

 

 

 

しかしわざわざこんな負い紐を新たに作らずに、市販の負い紐をつけとけば十分なのに・・・。

 

射撃時どうこうはまったく無視で、携行性はいいですね。

でもコイツの使い勝手を試行錯誤して、簡易ワンポイントスリングとして活用している形跡もあります。

簡易1点スリング仕様。

こうして、首からぶら下げる。

 

いやあしかし、コイツも相当苦労しました。

金具、造り、としてはこれ以上ないくらいリアルなのものになりましたが、ビニロンが入手できなかったので、完成度としては完全には納得がいっていません。

でもこれ以上は無理(^^;

また部品も少ししか入手していないので、お金ばかりかかってとても費用対効果が悪くなってしまいました。

なので量産するかどうかは未定です。

でもカッコええなあ~


 

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