装備自作(その17)88式鉄帽「うなじ当て」レプリカ | ちょんまげインプの部屋

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(以前、ちょんまげのついたインプレッサに乗っていたのでこんなタイトルです)

昨年、かなりの苦心をして完成させた「88式鉄帽・初期型あご紐レプリカ」。

(↓陸自/空自ver.)

もうコレほとんど官品でしょ!とお叱り(?)を頂戴したりしましたが、実はこの時は断念していた付属品があったのでした。

それは「うなじ当て」。

(MDN製のSDF-88に付属のうなじ当て)

顎紐だけだと前後にちょっとグラつきますが、このうなじ当てを適切に調節すると、鉄帽は意外にグラつきません。

しかしこのうなじ当ては、コスプレ程度であればなくても大丈夫。

それにコイツを作ろうとすると、とんでもないお金がかかりそう。

なぜならこのうなじ当て、ただのヒモではないからです。

この仕様書の通り、紐の両端は15mm幅なものの、後頭部の当たる真ん中部分は30mm幅と、一本のヒモなのに途中で幅が変わる変テコリンな代物。

そして真ん中からぴょいっと出ている紐は、他の顎紐部材にはない15mm幅。

さらに3か所の金具(↓)も、そこいらには売ってません。

変な部材ばかりのこんなモノを特注でもしようものなら、いくらかかるか分かったものではありません。

それにまあ、顎紐と違って必ずしもなくてもいいしな・・・というモノなので、当初版あごひもレプリカ製作の際には省略したのでした。

 

それから半年。

とある顎紐レプ(まだナイショ)の製作を検討しだしたのですが、そこで文字通りネックとなったのが、このうなじ当て。

ここでもこのうなじ当てが使われているのです。

そうか・・・やはりチミからは逃れられないか・・・というわけで、特注をするハメになったのでした。

 

【紐の特注】

しかし、ここも相当な難関なのでした。

なぜなら実物は、40cmくらいの長さのうち、両端が15mm幅、中心部分が30mm幅と、幅が可変する「特殊テーパー織り」という変テコリンなものだから。

しかもコイツ、なぜかポリエステルでなくナイロンなのです。

※顎紐自体はポリエステル。

過去に存在していた各種鉄帽レプリカに付属する顎紐のうなじ当ても、20mm幅程度の紐をそのまま使っていたり、あるいは30mm幅程度の薄めの紐の両端を折り込んでいたりして対処していました。

(MDN製SDF-88に付属していたうなじ当て)

このように折り込んで縫うというのはよく考えたものです。

うちも当初は、↑のように30mmテープを使って両端を折り込んで15mm幅にするか、あるいは18mmのテープをそのまま使うか…というところでしたが、どちらもワシとしては納得しかねます。

いやワシが納得しても、陸自装備マニア勢が納得しないでしょう。

そこで、すでに顎紐用のポリエステルテープを特注した業者様に相談をしてみます。

まあ門前払いだろうなと思っていたところ、「できますよ」とΣ(;゚Д゚)

しかもソコはこちらの要望をよく聴いてくださり、前の3点スリングのナイロン業者さんの

「これでいいでしょ?え?ダメ?なんで?」

ではなく、

「仕様通りだとこうなりますが、風合いを似せるためにこういうふうにできますよ」

という提案してくださる等、個人にとって神のような会社サマ。

ナイロンで特注もできるのですが、そうするとポリエステルの原糸が流用できずに高くついてしまうので、仕方なくポリエステルの原糸を流用してもらうことに。

そうして、仕様書のナイロンではないポリエステルで、形状だけでなく織り目や風合いが官品風になるように特注に応じてくれたのでした。

(余っていたグレーの原糸を使ったサンプル)

ナイロンに比べてほんのちょっとゴワつく触感ですが、後頭部なので違いは分からないし、見た目もOK。

ここまでの要求に応えてもらえる業者さんに出会えて本当に良かったです。

ちなみに実物は、小・中・大・特大で長さが違います。

とはいえうなじ当ては長い分には問題ないので、すべて大号(43cm)くらいにカットしてもらっています。

実物のココは、顎紐よりも色落ちが早く、黄緑色になっているものが多いですね。

顎紐のポリエステルがベージュ色に退色していくのとは違くて、なんだか面白いです。

 

あとは、真ん中から飛び出している15mm幅の紐。

これは実物はナイロンとポリエステルの混紡で、なんでこんな素材にしたのか不明ですが、コレもポリエステルの原糸を使って再現してもらいました。

 

【金具の特注】

実はここも地味にネックでした。

うなじ当てを支える3か所の小さな金具なのですが、小さい割に造りが特殊で、特注するにも数は要るし費用も掛かる。

しかしあのうなじ当てのテーパー織りができたのだからココも特注しないともったいない。

ということで、こうなりました。

見えない部分でもあり官品との差異を出すために実物よりも1mm幅を広めに。

実物は真鍮のようですが、こいつはステンレスにしました。

板金具については、工場様が実物のような綺麗な折り加工ができず、簡易的なものになってしまい可動範囲が狭くなってしまったのですが、まあ見えないしいいでしょう。

実物は黒っぽいメッキですが、どうせすぐ剥げて銀ピカになってしまうので気にせず。

しかし高い部品なのに3つも使うんだよなコレ。

しかも、どうも海外ではコレが買えるらしく(ーー;

リサーチ不足でした。

 

ちなみに丸ナットは顎紐レプで使ったものが余っているので流用し、ネジは官品は11mmですが、そんなサイズがないので12mmの市販品を使いました。

 

というわけで、こうなりました。

 

たかだかと言っては失礼ですが、こんな存在意義のいまいち不明な(失礼)パーツにも関わらず、えらい金額がかかってしまいました。

しかし見た目「まんま官品」のものができてしまい、とはいえ今さらこんなものを必要とする人もいないだろうに、ワシはなんでまあこんなことをしているのかとしみじみ思ってしまう今日この頃です(笑)

 

 

 

 

 

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