2月2日はお絵描きを

公開したかったのですが(^^ゞ

お話進めたい欲が強くて、

若干日にち遅れて

公開する事になりそうです(^^ゞ

 

 

ちょっきりに公開したかったものの

こちらも来月中に完結したいので、

欲に任せて更新いたします(゚∀゚)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは本題へ。

 

 

未来編では

出来過ぎ高校生として登場します、

モリシタくんこと森下賢一くん。

今回は現代設定の

小学4年生編をお送りいたします。

 

 

 

賢一くんが登場する

『ひだまりハウス』のエピソード

↓↓↓↓↓

 

 

『旅行前にもまたひとつ』

(前編後編)

 

『バレンタインの恋模様』

 

『マスクですから!』

 

『18歳』

 

『もうひとつの短冊』

 

『…翔べ!』

 

『笑顔が見たいから』

 

『受難は続くよどこまでも』

 

 

『もうひとつの噓』

 

 

 

2人の先生との

やり取りを綴った妄想を、

思いつくままに垂れ流したいと思います^^

 

 

 

 

 

 

 

image

 

 

 

4年生の秋に

家出をしてしまう賢一くん。

それまでの間、

この子に何があったのかを

主に本人視点で、

いくつかの話を公開予定です。

(父・賢吾さん視点の

『もうひとつの軌跡』

第6話第7話第8話の内容を

賢一くん視点で書きます)

 

 

 

この頃の経験も踏まえて、

サキちゃんや仲間と

青春を謳歌する高校生モリシタくんを

書けたらと思いながら書きますが、

辛い内容も多いと思うので、

読む読まないは無理なさらず、

お時間とお心に余裕のある場合に

お付き合い頂ければ幸いです(^^;

 

(☆第1話第2話第3話

第4話第5話第6話

第7話第8話第9話

第10話第11話第12話

第13話第14話第15話

第16話第17話第18話

第19話第20話第21話

第22話第23話第24話

第25話第26話第27話はコチラ)

 

 

 

 

今回は第28話。

 

9月といえば、シルバーウイーク♪

お彼岸シーズンで忙しい

『ひめじ堂』に呼び出され、

再び働きます。

 

 

 

 

******************

 

 

オリキャラ妄想

「散らばるココロ 第28話」

 

 

 

月曜日。

途中でゴロウ達と合流して

登校すると、正門前で

1年生のソウタくんと目が合う。

軽く手を振ると、

ソウタくんもにっこりと

振り返してくれた。

 

(運動会のおかげで、

知り合いが増えたな)

現に友達と合流するまでの間、

近所の人数人から声を掛けられた。

父さんと親子揃って活躍した事もあり

顔が知られたようだ。

参加して良かったな…。

 

 

 

学校では、この週から本格的に

運動会の練習が始まる。

今年度までは2学年ごと校庭に出て

競技に取り組むという形式で、

来年度からは従来通りの

全校揃う形に戻るらしい。

楽しみにしていた騎馬戦は

来年の楽しみとなってしまったけど、

リレーとソーラン節に

全力で取り組もうと決める。

 

「おおっ!ミツキさんカッケーっす!」

「だよなユウキ先生!

ミツキ先生、すげえキレがあるもん!」

 

『ひだまりハウス』でも、

ミツキ先生がソーラン節の練習に

付き合ってくれた。

ひとつひとつの振り付けに

込められた意味も、『ミツキノート』を

通じて教わったおかげで

イメージが掴めてきたと思う。

「明日も練習があるから、

クラスの皆にも意味を教えるよ!

ありがとなミツキ先生!」

「うん。いい演舞になるといいな」

あっという間にお迎えの時間が訪れ、

父さんと家に帰る。

 

 

 

「俺ソーラン節リーダーだから、
みんなの前で踊る事になったよ!」
「そうなの!じゃあ賢一の事、
すぐに見つけられそう。楽しみだわ」
「ミツキ先生も、賢一の踊りが
かっこいいって言ってたよ!
今年も皆で応援に行くからな」
「うん!」

楽しみなあまり、夕食中の話題も、

運動会の事が口をついて出る。

 

「…あっ賢一。誕生日の日の夜、

ホテルのレストランを予約したわよ」

「エ!マジで!?」

母さんと2人でご飯を食べに

出掛けたときの約束を、

覚えていてくれたようだ。

「ええ。マジよ。

この日は『ひだまりハウス』も

17時には迎えに行くから

楽しみにしていてね」

「ありがと!母さん。」


(俺の誕生日が9月20日で、

運動会は30日だったな)

運動会が楽しみ過ぎて、

誕生日が先だった事を忘れていた。

ホテルの食事って、

どんな物が出るんだろう。

きっと美味しいんだろうな……。

 

思いを馳せている間、

健児の運動会の話題に移る。

「あのねぇ!ぼく玉入れで、

いちばんいっぱい入れたんだよぉ?

先生が、健児くんはすごいって

いってたよぉ?」

「あら。健児も練習頑張ってるのねえ」

「健児の運動会は19日だったな。

兄ちゃんは学校だけど、

父さんと母さんが応援に行くからな」

「わぁーい!」

6歳まで家と病院を

行ったり来たりという生活だった

健児にとって、生まれて初めての運動会。

こいつとは色々あるけど、

楽しい運動会になったらいいなと思う。

 

 

 

 

 

その後毎日練習していくうちに、

9月も後半に突入。

16日の土曜日からの3連休中、

『ひめじ堂』を手伝いに行った。

敬老の日と来週のお彼岸のために

和菓子を買いに来る客が

殺到するのだという。

 

「…え。きょうは健児くんも来たの?」

「ぼくも、おこずかいもらうもん!」

約ひと月ぶりに会った沙羅ちゃんは

顔を合わせた瞬間、顔をしかめる。

「健児くんに出来るの?

賢一くんは有能なチビだけどさァ、

健児くんってどう見ても…ぎゃっ!」

「コラァ、バカ沙羅!

失礼な事言わないの!」

「ママだってバカって

言ってるじゃんか!」

 

(相変わらず辛辣だよな。沙羅ちゃん)

沙奈叔母さんと沙羅ちゃんの

激しいやり取りを見ながら息をつく。

むしろ30点のチビから

有能なチビに昇格した事を

喜ぶべき。なのだろうか…。

 

 

「ちょっと健児くん!

ショーケースの拭き方が汚い!」

「ぼくちゃんとやってるもん!」

「コラ沙羅!もっと優しく言いなさい!」

沙奈叔母さんが1年生組に

開店前の掃除を指導している間に、

外回りの掃除に取り掛かる。

開店時刻が間近になった頃

店頭の札をひっくり返しに行くと、

「よォケン坊!」

「久し振りだねえ。ケンちゃん」

「シンさんとスエさんっ!」

古田夫婦との再会に、声を上げる。

 

「おまんがおらんくなってから、

『ひめじ堂』も静かだっただよ!」

「お父さん、ケンちゃんがおらんのが

寂しかっただげな!

『ケン坊はおらんのか』って

恵奈さんにしょっちゅう聞いてただよ」

「そうなんですか!?

僕も、また会えて良かった!」

さっそく店内へ案内し、

沙羅ちゃんと健児が出迎える。

 

「おはようございます!

いらっしゃいませ!」

「あらァ!きょうは

沙羅ちゃんもおいでるのねぇ!」

沙羅ちゃんはお盆シーズン終了後、

夏休みが終わるまで店を手伝ったと

母さんから聞いていた。

古田夫婦とも、

すっかり顔馴染みになったようだ。

 

「んんん!?

おまん、どこの子だげな?」

「!」

シンさんが健児に目を向ける。

「ぼくはぁ…」

「はアアアァ!!?」

「ひっ……!」

 

(あー。最初は皆

シンさんの大声に驚くんだよな)

怯える健児を見て、間に入る事に。

「シンさん!僕の弟です!」

「ケン坊の弟かァ!」

「け。健児でぇす……」

「はアアアァ!!?」

「………。」

「健児!健児っていいます!」

「おォ!健児くんかァ!」

硬直する健児の代わりに名前を伝え、

紹介を終える。

 

「スエさん見て!

このおはぎ出来立てよ!?」

「きょうはおはぎがいっぱいだげな!

もうすぐお彼岸だものねえ!」

沙羅ちゃんが9月のおすすめ商品を

紹介し、スエさんが選んだおはぎを

シンさんが注文する。

 

「また来るでよォ!ケン坊!」

「うん!明日も待ってます!」

「またねェ!

沙羅ちゃんとケンちゃん。弟くんも」

「ありがとうございました!」

沙羅ちゃんと声を揃え、

大声で見送る。

「…すげえな沙羅ちゃん。

すっかりスエさんと仲良しだし」

「まあね。お店の儲けのためよ」

(素直じゃねえなあ。スエさんと

嬉しそうに話してたくせに)

すまし顔を見て、吹き出すのを堪える。

 

「ぼく、あの人たちキライだ…」

「古田さん達はお年寄りだから

耳が遠いんだ。

最初はびっくりするよな!」

渋い顔で外を見つめる健児に声を掛け、

次のお客さんに挨拶をする。

 

 

 

9時になると、レジのパートさんが出勤。

「あ!ケンちゃんと沙羅ちゃん久し振り」

「おはようございます!」

「2人共元気だった?学校楽しい?」

「うん!あたしリレーの選手になった」

「すごい!沙羅ちゃん足速いんだ?」

気さくなパートさんは

にこにこと話を聞いたあと、健児を見る。

「この子がケンちゃんの弟くん?

可愛いわねえ」

「こんにちは!健児だよぉ」

「健児くんっていうんだ?よろしくね!」

 

この日は子どもが3人いるため、

俺はパートさんがトレイに載せた商品を

包装する係にまわる。

今週は敬老の日が近い事もあり

贈答用の包装を頼まれる事も多かった。

「あら!賢一くん、包装上手ねえ」

「ケンちゃん、スピードも

速くなってきたんですよ?

もっとシフトに入って欲しいくらい」

沙奈叔母さんとパートさんに褒められ

ちょっとむずがゆい気持ちになった、

そのとき。

 

「あっ健児くん!湯吞は

少しずつ持っていかなきゃ駄目!」

沙羅ちゃんの大声が、店内に響く。

「ぼくできるもんッ!……あ!」

「お!……っと。ギリ間に合った…」

健児の持つお盆の上には、湯呑が6つ。

急いで運ぼうとしてお盆が

前に傾いた瞬間、俺が飛び出し

健児の正面からお盆を受け取め。

身体で壁を作り、

滑り落ちる寸前の湯吞を守った。

 

「ケンちゃん大丈夫!?

火傷してない?」

「大丈夫です!お茶冷めてたし」

「よかった…」

ほっとしたパートさんは

タオルを持って来てくれた

沙奈叔母さんと入れ替わり、

カウンターへと戻る。

 

「健児。湯吞は少しずつ運べ。

ゆっくりでいいから」

「ぼく…わるくないもん!」

「責めてるんじゃねえ。

お客さんやお前が

怪我しないように言ってんの」

「兄ちゃんのいう事なんか

ききたくない!」

沙羅ちゃんが同じ失敗をしたとき

強めな口調になってしまった事を

反省し、静かに伝えたものの、

聞く耳持たない態度に、

ついイライラしてしまう。

「……あのさァ。ここの仕事は、

チームでやるものなんだぞ?

俺の事が嫌いでも、仕事のときくらい

話聞いてくれねえと……」

「うわああああんん!

兄ちゃんがおこったァァァッ!」

 

健児が大声で泣き出し

店内が修羅場になるんじゃないかと

懸念したけど、工場から来た

恵奈伯母さんが健児を呼ぶ。

「健児くん大変!

工場の洗い物が溜まって困ってるの。

力を貸してくれない?」

「うん!ぼくできるよ!」

 

瞬時に涙を引っ込め、

やる気満々で恵奈伯母さんに

ついていった。

 

「…何なのよアレ。

ボク泣いてるもん

アピールだったってワケ?

店の中で騒がれて、いい迷惑…」

「お仕事再開だよ沙羅!

残りの湯呑運んで」

「はぁい…」

沙羅ちゃんが動き出したあと、

俺は沙奈叔母さんに言われて

着替えに行く事に。

売り場から従業員専用の部屋へ行くと

母さんが着替えを持って立ってた。

 

「準備速っ!」

「怪我してない?賢一」

「全然!ってか俺の着替え持ってたの?

小さい子じゃねえんだから、

別にヨダレ垂らしたりしねえのに…」

「汗対策です!

…まあ、元気そうで良かったわ。」

 

小走りで店内に戻って、仕事を再開。

必要に応じてカウンターの内外を

行き来し、ひとりになった沙羅ちゃんの

負担を減らす。

12時半に、沙羅ちゃん親子と交代で

昼休憩に入った。

 

母さんのいるプレハブでは、

先に休憩に入った健児が

父さんお手製の弁当を食べながら、

仕事の内容を報告していた。

「ぼくねぇー。機械のなかに、

あらいものをいっぱい入れたんだよぉ?

すっごくいっぱい、おしごとしたよぉ?」

「そうなのね。お疲れ様」

 

母さんは俺の休憩の時間まで、

休憩するのを待ってくれていたようだ。

戻って来たのを見計らい、

仕事用のパソコンから離れると。

 

 

「健児くん!きょうは

お手伝いしてくれてありがとう!」

女将の恵奈伯母さんが、

満面の笑みを浮かべてドアを開けた。

「これ、手伝ってくれたお礼よ。

少ないけど、好きな物を買ってね」

「え…」

恵奈伯母さんは、健児にだけ

ポチ袋を渡した。

 

「お金なんて戴けないわ、恵奈姉さん。

こんな忙しい日に参加させて

もらっただけでも申し訳ないのに…」

「いいのよ。ほんの気持ち!

きょうは初めてだから

お昼まででお終いだけど、

また繫忙期じゃないときに

色々教えていくからね」

「え?ぼく、まだはたらく……」

「ありがとう!また今度よろしくね!」

終始笑顔のまま、恵奈伯母さんは

プレハブから去って行った。

 

 

 

「なんで?ぼく…まだはたらくよ?」

「きょうは疲れたでしょう?

来週は運動会だし、

あとはゆっくり休みましょうね」

母さんの言葉のあと、

健児はポチ袋の中を覗き。

 

「やだよ!まだやるもん!

もっとおこずかいほしい!」

「きょうは終わりよ。

もうすぐお父さんが

お迎えに来るから帰りなさい」

「兄ちゃんはおばあちゃんから、

いっぱいもらってたのに!ズルイ!!」

「お兄ちゃんは17日も働いたから

多くもらえたのよ」

「じゃあぼくもはたらくもん!」

「きょうはお店が

忙しいから、また今度ね」

 

 

(やる気満々なのに可哀想だけど。

伯母さんたちの事情もわかるからな…)

終わる気配のない

ふたりの押し問答を聞きながら、

ご飯を頬張る。

この日は繫忙期であり、

俺や沙羅ちゃんのような子どもの手も

借りたいほどに、店は忙しい。

初めてで、しかもか弱い健児に、

手厚く仕事を教える余裕などないのだ。

 

 

 

「みんなみんな、イヂワルだ!

ケンちゃんの弟、ケンちゃんの弟って、

ぼくをオマケ扱いするし!

ぼくのほうが、かんごしさんに

いっぱいケンちゃんって

呼ばれてたのに!」

「お兄ちゃんが先に働いてたのだから

仕方ないでしょう?」

「ヘンなじいさんは怒鳴るし、

沙羅ちゃんはおこりんぼだし!」

「お客様の事を、

ヘンって言うんじゃありません。」

 

普段は怒って大泣きする健児に

母さんが折れる形で終わるのに、

珍しく母さんは折れなかった。

それが気に食わないのか、

健児はポチ袋の中に手を突っ込む。

 

そして、

「恵奈おばさんだって!

たったこんだけしかくれない!」

取り出した500円玉を

投げ捨てるのを見た瞬間、

母さんの大きな目がくわっと開いた。

 

 

「みんなみんな、大キライ!

ぼくにだけイヂワルして…」

「健児ィィィィィッ!!!」

「ひっ……」

 

 

 

 

母さんの叫びが室内に響き、

ようやく健児が黙る。

 

「健児を帰らせる事を

決めたのは、母さんよ。

恵奈伯母さんじゃありません。」

「…なん……で…?」

「健児が、自分の事しか

考えていないからです」

よっぽどショックだったのか、

健児は口ごもりながら理由を尋ねる。

 

「健児がお仕事する姿を、

母さんも見ていたけど。

お兄ちゃんと沙羅ちゃんが

こうした方がいいよって

教えてくれてたのに、

あんたは全然聞かなかった。

…たとえ普段は喧嘩していても、

お店の中では皆仲間です。

仲間の話を聞けない子は、

お店に出す事は出来ません。」

「ぇぇっ……」

母さんの毅然とした態度を見て、

きょうは帰るしかないと悟ったのか。

健児は目に涙を浮かべ、

ぶるぶると震えている。

 

「そんなあんたに、優しい伯母さんが

お小遣いを持たせてくれたというのに、

たったこれだけ。…じゃないわよ!

その500円は、お饅頭を5個売って

やっと手に入るお金なの!

よく覚えておきなさい」

「ぅっ……」

「分かったら早く拾いなさい!」

「うぅぅぅぅっっ……!」

母さんの迫力に圧されて

べそをかきながら

お金を拾ったとき、窓の外に

父さんの車が停まった。

 

 

 

「おーっ。皆お疲れ様!」

「呼び出してごめんなさい、賢吾くん。

せっかくの休暇なのに…」

「いや。午前中、

ゆっくり読書を楽しんだからさ」

にこにこと入ってくる父さんに、

健児がしがみつく。

「んー?疲れたのか健児?

家に帰って、パケモンで遊ぼうか。

初めてのお仕事、お疲れ様」

「ぅええええええんん……」

俺と母さんに顔を見せる事なく、

健児は部屋を出て行く。

 

「じゃあ、午後も頑張って。」

「ありがとう…」

「弁当、全部美味かった!

ありがとな父さん」

「ははは!それは何より」

 

父さんの車が去っていくと、

部屋の中に沈黙が広がる。

 

 

 

 

「…せっかくの休み時間なのに

騒いでごめんね。賢一」

「んー?別に。

母さんも弁当食べれば?

チキンのトマト煮、すげえ美味いよ」

「ええ。そうよね……」

きっと、ここで働く人たちに対して

申し訳ない気持ちで

一杯だったんだと思う。

2人を見送ったあとの母さんの肩に、

どっと疲れがのしかかっているように

見えたから。

あえて言及せず、食事するよう勧める。

 

 

「母さん、ずっと裏から見てたの?」

「ううん。ちょうどきりがついたとき

様子を見に行ったら、沢山の湯吞を

運ぼうとする健児を見たの。

賢一も……。

健児を助けてくれて、ありがとう」

「まァ健児はまだ小1だし。

初めてなんだから

失敗もつきものなんじゃね?」

水筒の水をぐびっと飲んでから、答える。

 

「でもさァ。これに懲りずに、

健児もまた頑張れるといいよな。

一見失敗と思える出来事も

成功するまで継続すれば、

そは成功するまでの過程であって

失敗ではないんだ~って、

父さんから貰った本にも書いてあった」

「あんた、本の趣味まで

お父さんに似てるのね……」

 

 

 

(それにしても。意外だったな)

母さんはたとえ

健児に非があったとしても

味方でいるモンだと思っていたから。

 

でも親だって、生身の人間だからな。

健児への対応について、

悩み、迷いながらも、

正解を模索しているのかもしれない……。

 

 

 

そんな事を考えているうちに、

なんだか母さんの顔色も

良くなったような気がする。

きっと空腹が、気分の落ち込みを

助長していたのだろう。

 

「…よし!午後も頑張ってくるよ!」

「ええ。行ってらっしゃい」

 

 

少し安心したところで、仕事へ戻った。

 

 

******************

 

 

8月に会ったときは

ただただ辛口な

従妹の沙羅ちゃん。

お店の手伝いを続けるうちに、

内面が成長したようです♪

古田夫婦に対しても友好的ですし、

賢一くんの評価も

上がった?もよう(笑)

 

 

対して、健児くんにとっては、

苦いデビューとなりましたが。

同じ小1の沙羅ちゃんも

同じ失敗を経験しましたし、

賢一くんが1年生の頃も

『ひだまりハウス』で

失態を犯した事があるので、

今後の成長に期待!?ですね!

 

 

 

 

ちなみに、実は町内の運動会の後

すぐに健児くん運動会の話に

持っていく予定が、単なる気まぐれで

『ひめじ堂』のエピソードを

入れたんですけどね(^^ゞ

 

この気まぐれがきっかけで、

パズルのピースがはまったかのように

自分的にしっくりくる話の流れが

形作られたような気がしております^^

 

って^^を書いたものの、

今後の展開は全然^^では

ないのですが( ̄▽ ̄;)

もうすぐあの男の親ばかが

解禁されるので、

心折れずに書ききりたい!

番外編的なニュアンスで

ネタが浮かんでいるので

いつかお披露目したいです!

 

 

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)