週末はお絵描きに

時間を割いていたため、

約2週間ぶりの

4年生モリシタくん編です(゚∀゚)

 

 

 

 

 

 

未来編では

出来過ぎ高校生として登場します、

モリシタくんこと森下賢一くん。

今回は現代設定の

小学4年生編をお送りいたします。

 

 

 

賢一くんが登場する

『ひだまりハウス』のエピソード

↓↓↓↓↓

 

 

『旅行前にもまたひとつ』

(前編後編)

 

『バレンタインの恋模様』

 

『マスクですから!』

 

『18歳』

 

『もうひとつの短冊』

 

『…翔べ!』

 

『笑顔が見たいから』

 

『受難は続くよどこまでも』

 

 

『もうひとつの噓』

 

 

 

2人の先生との

やり取りを綴った妄想を、

思いつくままに垂れ流したいと思います^^

 

 

 

 

 

 

 

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4年生の秋に

家出をしてしまう賢一くん。

それまでの間、

この子に何があったのかを

主に本人視点で、

いくつかの話を公開予定です。

(父・賢吾さん視点の

『もうひとつの軌跡』

第6話第7話第8話の内容を

賢一くん視点で書きます)

 

 

 

この頃の経験も踏まえて、

サキちゃんや仲間と

青春を謳歌する高校生モリシタくんを

書けたらと思いながら書きますが、

辛い内容も多いと思うので、

読む読まないは無理なさらず、

お時間とお心に余裕のある場合に

お付き合い頂ければ幸いです(^^;

 

(☆第1話第2話第3話

第4話第5話第6話

第7話第8話第9話はコチラ)

 

 

 

今回は第10話。

喧嘩相手だった6年生と

友達になった賢一くん。

6人で遂行するはずの秘密基地計画に、

大物ゲストが登場!?します(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

******************

 

 

オリキャラ妄想

「散らばるココロ 第10話」

 

 

 

日曜日。

きのう公園で友達になったゴウシくんと

裏山に行くのを楽しみにしていたが、

昨夜から雨が降り続いているから

中止になってしまった。

 

(父さんは、きょうは休みか)

きのう大人しく頬を冷やしながら

読書していたときに

難しかった英文があった事を思い出し、

父さんの方を向くが…。

 

「おとうさぁん!

ぼくのパケモン、

レベルが上がったから見てぇー」

「はいはい。

ゲームは朝ご飯を食べてからな」

パケモンに夢中な健児は、

最近父さんにゲームを見てもらう事が

多い。きっときょうも父さんの横から

離れないだろう。

俺が訊きたかった事は

自分でも調べられる事だから、
部屋に戻って調べる事にしよう。
 

「…賢一。腫れはもう大丈夫か?」

「うん。もう痛くなくなったよ」

「そうか。良かった…」

リビングを出ようとしたとき、

父さんに声を掛けられる。

「午後から、

久しぶりに図書館に行こうか?

最近は父さんが週末も仕事で

なかなか行けなかったからなあ…」

「俺はいいよ。

休みの日くらい、ゆっくりしてえし」

「ん?そうか。

気が変わったらいつでも言うんだぞ」

 

(俺まで相手をしてもらったら、

父さんの休む時間がなくなっちまう。)
健児はパケモンのひらがなドリルも
熱心に進めていて、父さんは
それにも時間を割いている。

いくら丈夫な父さんでも、

たまの休みくらいゆっくりしねえと。

この本も、5月いっぱいで

ミツキ先生に返さなくちゃいけないし

意味を調べながら読み進めよう。

 

 

 

その後は1日中部屋で読書をして、

週明けを迎え。

タイガとゴロウと登校すると、

正門前にゴウシくんと仲間が待っていた。

 

「賢一。顔は痛くねえか?」

「大丈夫!すっかり元通りだよ」

「ってかお前の顔、よく見ると……」

「?」

「いや。何でもねえよ」

一瞬気まずそうに目をそらしたように

見えたけど、すぐに裏山の話を

始めたから気のせいだろう。

「お前ら、土日なら来れるんだよな?」

「うん。」

「じゃあ今度の土曜日に行こうぜ」

(よかった。あの計画が中止にならなくて)

次こそは晴れてくれよと、空を見上げる。

 

「ただ、その秘密基地って

木の上にあるんだよ。

6人が入ったら壊れちまうかも」

「そうだな。いまにも床が

抜けそうなくらいボロいもんな」

「ゴウシの父さんが

子どもの頃に作ったんだっけ。

そろそろヤバそうだよな…」

どうやら、かなり年季が入った

基地のようだ。

いい案がないかと考えているのか

黙り込んで考え込む上級生たちを、

しばらく眺めたあと。

 

「…じゃあ、作ろうよ。新しいの」

「!」

「高学年が6人もいれば、

それなりのモンが作れるんじゃね?」

教室に入る時間が迫ってきたため

意見を発した。

「俺ら専用の、新しい基地か…」

「いいな!面白そうじゃん」

前向きな意見が返ってくるなか、

ゴウシくんは質問を返した。

「俺も賛成だけどよ。

基地って、どうやって作るんだ?」

「それは、これから

調べて……あ!そうだ!」

ある事を思いついた俺は、

ゴウシくんに、ある知り合いに

相談してもいいかと尋ねる。

 

「お前の父ちゃんとか?」

「いや。大学生。

そういう遊びが好きそうで、

口の堅そうな人だよ」

「それならいいんじゃねえか?

秘密基地の事は、

なるべく秘密にしときたいからな。」

「ありがと!きょうその人に会うから

さっそく聞いてみる!」

 

登校時間ギリギリになったため

タイガ、ゴロウと教室に向かう。

(早く『ひだまりハウス』に行きてえな)

遊び心がある“あの人”なら、

きっといい案を出してくれるはず……。

 

 

 

 

午後6時。

ショウタくんナノハちゃんが

『ひだまりハウス』を辞めて以来、

俺ひとりで迎えを待つ時間が

少し長くなった。

「エーッ!お前また喧嘩したの!?」

「“また”っていうほど

頻繁にはしてねえよ」

公園の出来事を話すと、

シハル先生は大きな目をくりっと丸くした。

 

対して、ミツキ先生はいつも通りの

淡々とした表情をしている。

「賢一が頬を腫らすなんて…。

せっかく『ミツキノート』に

人体の急所を書いておいたのに、

活用しなかったのか?」

「こらこらァ!

子どもに何て事教えてんの!」

淡々と語られた事実に、

シハル先生は驚きを通り越して真っ青になる。

『ミツキノート』は大量に余った

わら半紙を活用した、

交換日記のようなノート。

希望者のみ、ミツキ先生と

やり取りをしていて、

内容は持ち主とミツキ先生だけの

秘密になっていた。

 

「僕らバイトだけど、いちおう

“先生”って呼ばれる立場なんだから!

喧嘩を勧めてどうすんの!?」

「誰彼構わず勧めたりはしない。

賢一の場合、喧嘩を咎めるよりも

大怪我をしないよう身を守る術を

教えた方が、役に立つと思ってさ。

―――現に賢一は、むやみやたらに

使ってはいないし、

ちゃんと活用出来る子だと思うぞ?」

「まあアレは、使ったらガチで

ヤバそうだなって思ったから。

不審者と遇うレベルの

緊急事態に使うべきかなって」

「ダメダメ!不審者と遇ったら

とにかく逃げるの!」

 

シハル先生はまだ何か言おうとしたけど

所長先生に呼ばれて離れて行った。

 

 

 

 

二人きりになった俺は、

ランドセルから例の本を取り出す。

「ミツキ先生。

この本、そろそろ返すよ。」

「そっか。5月いっぱいっていう

約束だったっけ」

「週末、晴れの日は

公園に行く事が多くて

最後まで読み切れなかったけど。

あとは図書館で借りて、読破するよ。

大事な本をありがとう」

こうして、借りていた本を

返したあと。

 

 

「あのさ。ミツキ先生」

「ん?」

長机の消毒を始めたミツキ先生に、

今朝の件を相談する事に。

一見落ち着いた雰囲気に見えて、

実は学生の先生たちの中で

一番子どもの心を持ってる人だから

いい案を考えてくれると思ったのだ。

 

「子どもの頃、

秘密基地って作った事ある?」

「…うーん。

元々あった土管とか橋の下を

拠点にした事はあるけど、

一から作った事はないな。…なんで?」

「実はさ。喧嘩した6年生と

友達になって――――」

 

ひと通り事情を説明すると、

ミツキ先生は真剣な顔へと変わる。

「――――賢一。」

「え?」

(もしかして、…怒られる?)

さすがに、危険な遊びは

看過できないと考えたのだろうか。

……しかし。

 

 

 

 

「俺も、混ぜてくれないか?」

「えっ」

 

大真面目な顔して発した言葉を

ひと呼吸置いて咀嚼し……。

 

 

「ええええええっ!」

「こらこら。声が大きいよ」

言葉の意味を理解して驚くが、

ミツキ先生に咎められて

音量を絞る。

「…いや。マズイって。

先生達はプライベートで

子どもと会ったらいけないんだろ」

「誰かにバレたら、偶然山で

会った事にしてくれればいいから」

「そんな偶然、誰が信じるんだよ。

…ってかそんな理由でクビになって

ミツキ先生と会えなくなったらヤだし」

 

(こういう類のハナシは好きだと

思っていたけど、まさか仲間に

加わりたがるとは…)

でも規則を破った事がバレたら、

困るのはミツキ先生だ。

心を鬼にして断ろうとするが、

ミツキ先生は必死に両手を合わせる。

 

「頼むよ!秘密基地を作るの、

小さい頃からの夢だったんだ。

大人になる前に夢が叶う

最後のチャンスかもしれないんだよ」

「…いや。18歳の時点で既に成人だろ」

「もし賢一が仲間に掛け合ってくれるなら

この本無期限で貸すからさ。お願い!」

「ええっ…無期限で?うーん……」

本まで条件にするあたり、

相当必死なんだろうけど……。

 

「…とりあえず。本はもういいから。

先生の宝物なんだろ?」

差し出された本を、先生に押し返す。

「まあ…俺も、

先生来てくれるなら助かるし?

ゴウシくん達に掛け合ってみるよ。

会うのは、お互い秘密って事で」

「恩に着るよ!賢一。」

目を輝かせるミツキ先生を見ながら

軽く息をつく。

 

(ミツキ先生には、

いつも世話になってるからな)

ここに入った初日に

散々迷惑を掛けた俺を、

この人はまたおいでと受け入れてくれた。

その後も他愛のない話から困り事まで

耳を傾けてくれて…。

そんな先生の夢が叶うというのなら、

力になりたいと思ってしまったのだった。

 

 

 

 

 

「あれあれェ?何だか2人、

楽しそうに喋ってるじゃーん!」

「ああ。今後の電気代の推移について、

賢一と予想してたんだ」

「うわ。取ってつけた嘘っぽいケド、

話し相手が賢一だからあり得るかも」

他の片づけを終えたシハル先生が現れ

この日の秘密基地の話は終了。

 

 

翌日、6年生に

連れて来ていいかと尋ねると

歓迎してくれた。

そして水曜と金曜のミツキ先生出勤日に

こっそりと打ち合わせをした結果……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…この人が、俺の友達の“ミツキくん”。」

「ミツキです!きょうは皆よろしくね」

「と。……友達!??」

 

土曜日の午前中。

ずい分大きな、俺の“友達”を見て

5人はあんぐりと口を開けた。

 

 

 

 

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お父様・賢吾さん視点では

構おうとしても素っ気ない

賢一くんの様子に、親離れキタ!?と

寂しがっていましたが。

 

実際のところは、

多忙なお父さんを気遣うがゆえの

優しい嘘なのでした(゚∀゚)

 

賢一くんは照れくさいのか?

優しさの示し方が不器用で、

ついつい天邪鬼な言い回しを

してしまいがち^^;

負けず嫌いで減らず口を叩くし

偉そう・生意気なやつと

思われる事も多いけれど、

根っこは世話好きなので、

敵ばかりではなさそう?と

予想しています^^

 

 

 

そんな賢一くんなので、

ミツキ先生の頼みも引き受ける事に。

…というか無意識に書いていましたが、

ミツキ先生の駄々っ子ぶりが

高校生サキちゃんに似ていて

笑ってしまった(´艸`*)

 

サキちゃんと出会うずっと前から

黄藤家とは切っても切れない

関係だったのだなあと想像し、

この日も萌えるにょへ子なのでした。

(*^^*)

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)