金曜日の

掃除戦隊4周年当日までに3編ほど、

高校生黄藤くんの妄想を

公開したいと考えています(゚∀゚)

 

 

今回は、その3編めです!

 

 

 

↓↓↓高校2年生黄藤くん↓↓↓

&もっちーの妄想まとめ

 

 

・長期休校中のやり取りを綴った

『いつだってそばに』

 

・黒執着心と書いて

クロトリツキミちゃんに脅迫された

『守りたいものがあるから』

(☆前編中編後編)

 

・黒執さん問題解決後に誘われた

ドキドキなAV鑑賞会エピソード

『黄藤くん、危機一髪!?』

(タイトル変えましたw)

 

・ブレ黄の交流が再び始まった

修学旅行妄想

『月にねがいを』

(前編後編)

 

・黄藤くんともっちーの♡友達

近藤さんが接近!?な

『縮まって、広がって』

(前編後編)

 

・クリスマス旅行のために

アルバイトを始めるもっちー視点な

『旅行前にもまたひとつ』

(前編後編)

 

・もっちーが誘惑に苛まれるお話

『丸い誘惑』

 

・互いに大事に想っているのに

すれ違うふたりの

『掛け違えるふたり』

 

・ついにクリスマス旅行へ☆

『青いふたりのクリスマス』

(前編後編)

 

 

 

 

↓↓↓高校3年生の妄想はコチラ↓↓↓

 

・マスク越しの○○!?

『マスクですから!』

 

・誕生日だけどモダモダ真っ最中な

『18歳』

 

・恋に失敗した黄藤くんのその後を綴る

『もうひとつの短冊』

 

 

このようにつかず離れずな二人の

様子を綴った妄想を、

思いつくままに垂れ流したいと思います^^

 

 

そして掃除戦隊の活動を始めて

まもなく4年。

筋力も実力もついた黄藤くんは、

新しい武器を作っているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

掃除戦隊物語

「…翔べ!」

 

 

 

早尻さんと別れてから、

そろそろ3週間が経つという頃。

試験が終わったら

息をつく間もなく三者面談。

他にも部活やバイトに忙殺され

悲観する余裕もなかった。

夏休みも、特進クラスは

夏ゼミと呼ばれる授業のため

午前中登校する事になっている。

 

「おかえり母さん!

夕食は冷蔵庫に入れてあるから

温めて食べて」

「あ。アンタ今夜は

サイコさん家に泊まる事になってたっけ。

夕食作らせて悪かったわね…」

「ううん、俺もお腹空いてたから。

じゃあ行ってきます!」

 

泊まるといっても、

サイコさんの家のガレージに籠り

徹夜で作業するから大した持ち物はない。

中身を入れ替えた通学リュックを背負って

自転車に跨り、サイコさんの家へと向かった。

 

 

 

サイコさんこと高嶺才子さんは

4年前からクリーンレンジャーの救護隊員

・ドクターホワイトとして活動している。

それまでは総合病院の外科医だったが

旧友である俺の母親の紹介で

転職したのだった。

 

また、あらゆる物を『造る』事が好きで、

転職と同時に引っ越した家では

ガレージを利用した研究小屋も用意。

ひとり娘の理子さんも

理系の大学に行っていて

たまに利用するらしいが、

進学と同時にひとり暮らしを始めたため

サイコさんが占拠しているのだとか。

 

機材も豊富で、

俺も自作の掃除道具を考えたときに

たまに貸してもらっているのだった。

 

 

 

 

そして翌朝。

 

「…よし。毛の強度も問題ないな」

「すっかりウチの機械たちを

使いこなしてるわねェ、ミツくん」

寝起きだというサイコさんが

ガレージに訪れたタイミングで

引張試験機のデータを専用アプリに保存し、

機械の電源を切った。

 

 

 

これまで『ホコリ取りイエロー』として、

自宅で作った細い棒状のものを

投げナイフのごとく使っていたのだが、

…入隊してまもなく4年。

14歳の頃と比べ

力も運動能力も成長したため、

近接攻撃部隊として出動する機会が増えた。

その際柄の長いハンディモップを

使っているものの、市販のものは

攻撃用に作られている

わけではないから、

どうしても耐久力が乏しい。

 

いままでガレージを利用するときは

自宅用の掃除道具を作っていたが、

サイコさんの、自作してはどうだろうかという

提案を受けて、今回初めて

戦隊活動の道具を作っている。

 

「まさか、毛まで

作るとは思わなかったけど」

「昔愛育委員をやっていたし、

生き物の毛は使いたくないんだ。

…それにどうせ作るなら、

掃除に役立つものにしたいし」

今回使ったハンディモップは

車用相当の大きなサイズ。

サイコさんの知人が営む

繊維工場を見学させてもらったりしながら

自分のこだわりをたっぷりと詰め込んだ。

 

「あとは持ち手の取り付けだけか…。

ミツくんアンタ、昼からバイトでしょ?

あとはアタシがやっておくから、

ちょっと寝ていきなさい」

「ありがとうサイコさん。

でもシャワーしたいから、

家に帰って寝るよ」

 

使用前と同じくらいに綺麗に片付け、

すでに日が照り付ける道を

自転車で駆け抜けた。

 

 

 

 

帰宅すると、入れ替わりで

家族が出て行った。

妹たちは学童へ、母親は妹たちを

送ったその足で出勤する。

シャワーを浴びて数時間仮眠したあと

有り合わせの具材で炒飯を作って昼食。

13時で帰る女性スタッフと交代で

シフトに入った俺は、16時半に

最後の保護者のお迎えが来た事で

ほっとひと息ついた。

 

(完成が楽しみだな)

完成品は次の訓練の日に、

基地で受け取る事になっている。

睡眠時間が短かったにもかかわらず

気分が高揚しているおかげで

辛くなかった。

 

 

「きょうもありがとうございました!」

「さっきまで通り雨がありましたが、

強くなくて良かったですね」

「ええ。どしゃ降りだったら

どうしようかと思いましたが…。

普段よりも2時間早く帰れるし、

息子と遊ぼうかな」

この日は取引先との打ち合わせだったらしく

その父親はスーツ姿で現れた。

傘を片手に機嫌よく喋っていると、

小さな身体に大きなリュックサックを背負った

子どもが駆け寄り、2人は帰っていく。

 

「遊ばなくていーから宿題やりたい」

「でも夏休みの宿題は、

ここでもやってるんだろ?」

「ワークや漢字ノートが全部終わったら、

ミツキ先生が宿題出してくれるんだ」

「そうか!じゃあ一緒に、

学校の宿題頑張ろうか」

 

仲睦まじい後ろ姿に和んだあと、

片付けに取り掛かる。

夏休みに入ってからは

スタッフの女性も多忙なため、

この日最後まで残ったスタッフは

俺と所長のみだったが…。

 

 

「ミツくん、緊急事態よ」

「え?」

『ひだまりハウス』専用の部屋から、

所長が顔を出した。

「いまサイコさんから連絡があって、

この公園の野外ステージで

凶器を持った集団が暴れているって…」

「!」

 

実は所長は、

俺の戦隊活動の事を知っている。

俺と紫晴にこのバイトを紹介した際、

サイコさんから所長に伝えたのだとか。

 

 

 

「野外ステージって確か、

きょうはイベントがありましたよね」

「そのステージに出演した歌手の中に

元暴走族の人がいたらしくて。

ステージを台無しにして

報復するつもりかしらねえ…。

こっちの仕事はあと片付けだけだし、

早く行ってらっしゃい」

「すみません。所長」

 

『こどもの笑顔を守りたい』という

俺の理念に所長は賛同し、

出動要請があったときには

バイトのフォローまでしてくれる。

所長に深々と頭を下げて、

自分専用のロッカーから

黄色い作業着を取り出した……。

 

 

 

 

大きな緑地公園の遊歩道を、

市販のハンディモップを片手に

全速力で走る。

混乱する観客や出演者の

避難経路を確保し誘導していると

女性隊員たちが駆け付けた。

 

「すみません。

僕は犯人たちを懲らしめるので。

誘導お願いします」

逃げる観客を威嚇しようと

バットを振り上げた敵を目掛けて

入隊当初から使っている

ホコリ取りを投げつける。

注意がこちらに向き

観客が逃げたのを確認し、戦闘を始める。

 

(戦闘の応援は、いつ来るんだろう)

こういう集団を相手にする場合、

一人一人の戦闘力は大した事なくても

限界がある。

 

5人目がのびた矢先、

(―――背後を取られた!?)

身の危険を感じ、慌てて振り返ると。

 

 

 

「え。」

背後から襲ってきた敵は、

一瞬のうちに倒れていた。

見ると先ほど『ひだまりハウス』から

帰ったばかりの父親が、傘を武器に

切れのある動きで

次の敵をなぎ倒している。

映画のワンシーンを観ているような

不思議な気分だったが…。

 

「大丈夫ですか!?―――“先生”」

「ありがとうございます。…“お父さん”」

正体が割れている事を察したが、

いまは自分の事で御託を並べる

暇はない。

 

「いやあ…。お気に入りの映画のひとつに

傘で戦うスパイ映画がありまして。

息子が寝たあと動きを練習してたんですよー」

「スーツ姿で、よく動けますね…」

「ちなみにこのスーツも映画の影響で

イギリスのオーダーメイド品を…」

喋りながら、俺の肩の上に傘を置き。

 

 

「―――!」

「この傘、BB弾ライフルを

改造してるんですよ。ふふ…」

俺の背後にいた敵は、

この人が放った弾を眉間に食らい

うずくまっていた。

「いまは説明している暇も

無いようですね…。

先生さえよろしければ、応援が

来るまでの間だけでも助太刀しますが」

「お気持ちは有難いんですが、

遠慮しておきます。」

 

本音を言えば、

喉から手が出るほど助けが欲しい。

しかし……。

 

「お父さんは。いま一番守りたい存在を

守ってあげてください」

後ろの植え込みの、

さらに奥まった場所にある木から、

小さな顔が様子を窺っていた。

ひとりで心細いのか、父親が心配なのか。

黒目がちな瞳が

潤んでいるように見えるが…。

 

 

「父さんすげえ!

傘で敵を倒したァ!!!」

テレビのヒーローを見るような眼差しで

叫んだ途端、敵が声のしたほうを見る。

 

「わかりました。

…先生も、どうかご無事で」

「はい。

今度、その傘の作り方教えてくださいね」

そんなやり取りのあと、父親は

間一髪で我が子にたどり着き、

肩に担いで走り去っていった。

 


 

 

(本当に、何者なんだろう。あの人)

戦闘を再開すると、どこからともなく

現れたストレッチャーが

物凄い勢いで敵2名に衝突。

 

「よォし!リモコン操作出来るよう

改造しといて正解だったわ」

「……ドクター!」

白い作業着とヒョウ柄のタンクトップ姿で

サイコさんが現れた。

「出動要請が掛かってから、

慌てて仕上げたの。

柄の伸縮も耐久度も問題なかったから

すぐに使えるはずよ」

「ありがとう、ドクター…!」

受け取った真新しい武器をぐっと握り、

敵たちを見据える。

 

「ダアアァァァアーーーッッ!!!!」

掛け声と同時に振り回した。

長く、重みがあるおかげで、

複数名の敵をなぎ倒す事に成功。

起き上がった敵もいたが、

武器を支柱にしてうなじに

ハイキックを叩き込む。

(これは、色々な活用方法がありそうだ)

後日検証しようと決めながら

ステージのある広場へと戻った。

 

気づけば戦闘部隊が到着し、

動ける敵の数はみるみるうちに減っていく。

(族のターゲットになった歌手はどこへ…)

店が閉められている売店の屋根に登り、

四方を見ていると。

 

「やめろ!助けてくれえええええ!」

族のリーダーらしき敵が

歌手に迫っているのを発見。

この売店から客席へと連なる屋根を

通っていけば、上から奇襲を

仕掛ける事が出来そうだ…!

 

 

 

(自分の正義のために。俺は戦う)

武器をぐっと握り締め、俺は駆け出した。

 

 

 

 

掃除戦隊に入って、もう4年。

特出した力もない少年隊員だった俺は、

役立たず、足手まといと敵から罵られ。

自分自身それを痛感していたから

心を痛めたときもあった。

 

だが、そんな俺を

必要としてくれる存在に支えられ、

再び立ち上がる事が出来た。

そして『ひだまりハウス』の

交流を通じて、見えて来た。

ただ強いだけじゃない、

俺が本当になりたい

正義の味方の在り方が……!

 

 

リーダーらしき敵まであと少しというとき、

ターゲットの歌手が殴り倒された。

「助けてッ。ください…!」

馬乗りになった敵の肩越しに、

俺に無言のSOSを送ってくる。

 

 

 

 

(……翔べ!!!)

俺は迷いなく、

屋根の縁を蹴り上げ高く舞った。

これまでの悩みや葛藤をも

踏み台にして―――。

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

黄藤くんは

少年隊員として加入したものの、

クラスで1番運動神経がいいんじゃない?

というレベルであり、

大人の隊員と肩を並べて戦うには

あまりにも未熟なひよっこ隊員でした。

本人もその事を自覚していて

何年も悩んできたけれど、

高3になって、ようやく

ひよっこから抜け出した感が(゚∀゚)

 

今年の絵はそんな、

羽ばたく黄藤くんをイメージ☆

(したつもりw)

 

荒々しい出来かもしれませんが^^;

雰囲気だけでも伝わればいいなあ^^

 

 

 

 

ちなみに傘で戦った某お父様。

後日「父さんの真似~」といって

友達と傘で戦いごっこしたムチュコタンが

傘を破壊した結果、

奥様の知るところとなり

父子揃って説教を受けたとか(笑)

黄藤くんは、あの傘にすっごく

興味津々でしたけどねっ( ̄▽ ̄)

 

 

 

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)