コメントありがとうございました(*^^*)

返信と次の記事更新が前後して

申し訳ありませんが、

この記事の公開後に

順次返信いたします(^^ゞ

 

 

 

 

 

 

それでは本題へ。

 

未来編では

出来過ぎ高校生として登場します、

モリシタくんこと森下賢一くん。

今回は現代設定の

小学4年生編をお送りいたします。

 

 

 

賢一くんが登場する

『ひだまりハウス』のエピソード

↓↓↓↓↓

 

 

『旅行前にもまたひとつ』

(前編後編)

 

『バレンタインの恋模様』

 

『マスクですから!』

 

『18歳』

 

『もうひとつの短冊』

 

『…翔べ!』

 

『笑顔が見たいから』

 

『受難は続くよどこまでも』

 

 

『もうひとつの噓』

 

 

 

2人の先生との

やり取りを綴った妄想を、

思いつくままに垂れ流したいと思います^^

 

 

 

 

 

 

 

image

 

 

 

4年生の秋に

家出をしてしまう賢一くん。

それまでの間、

この子に何があったのかを

主に本人視点で、

いくつかの話を公開予定です。

(父・賢吾さん視点の

『もうひとつの軌跡』

第6話第7話第8話の内容を

賢一くん視点で書きます)

 

 

 

この頃の経験も踏まえて、

サキちゃんや仲間と

青春を謳歌する高校生モリシタくんを

書けたらと思いながら書きますが、

辛い内容も多いと思うので、

読む読まないは無理なさらず、

お時間とお心に余裕のある場合に

お付き合い頂ければ幸いです(^^;

 

(☆第1話第2話第3話

第4話第5話第6話

第7話第8話第9話

第10話第11話第12話

第13話第14話第15話

第16話はコチラ)

 

 

 

 

今回は第17話。

過去を振り返る回が続きましたが、

今回からは4年生現在の話に戻ります。

 

7月に入り、夏休みを

意識し始める季節に。

『ひだまりハウス』の

子ども達の間でも

夏休みの話題が出て来ますが…。

 

 

 

 

 

******************

 

 

オリキャラ妄想

「散らばるココロ 第17話」

 

 

 

6月末の金曜日。

『ひだまりハウス』に到着したあと

ミツキ先生にミニ竹刀の作り方を

教えていた。

ミツキ先生は俺が作ったミニ竹刀を

ストラップとして

家の鍵につけているらしい。

それを見た家族から

欲しいとせがまれたのだという。

 

「これはあげられないから、

俺が作り方を覚えて

家族に作ってあげようと思ってさ。

助かったよ賢一」

「ミツキ先生器用だから、

大した事教えてねえけど。

家族の人、喜んでくれるといいな」

そもそもミツキ先生の事だ、

その気になれば自分で作り方を調べて

作ってしまえるだろう。

きっと作り方を口実に、俺と話す時間を

作ってくれているのだと思う。

ミツキ先生を慕う子は多く、

普段は他の子のお迎えが来て

最後まで残ったときしか話さないから、

その気持ちが嬉しい。

 

「賢一は、年々器用になっていくな。

その調子で七夕飾りの手伝いも頼むよ」

「はァーイ」

今年は、ゴウシくん家の裏山から

大きな竹を貰って飾りをつける事に。

7月に入って先生たちが取りに行くまでに

飾り作りを終わらせるため、

希望者が集まり手伝っている。

 

「ケンちゃん、

ここが上手く折れなーい」

「んー?見てやっから、

ちょっと待ってな」

先に来ていた1年生の

飾り作りをサポートしていると、

2年、3年生のきょうだいが到着。

この二人は市内で一番遠い

小学校から来るため、

他の同年代と比べて

遅めに到着するのだった。

「あれ?…イチヤ、何かあったの?」

2年生の弟・イチヤは

何やら暗い顔をしている。

 

 

 

「きょうイチヤのクラスの子たちが、

夏休みの予定を話してて、

旅行に出掛ける子が多かったんだって。

ウチは出掛けらんないから、

話を聞いてて悲しくなったみたいで…」

イチヤの代わりに、

3年生の姉・イチカちゃんが

説明してくれた。

「イチカちゃん達の学校って、

教室でお土産配るのOKなんだ?」

「うん。私のクラスでも、

去年色んな子がお菓子を配ってて、

ちょっと羨ましかったんだよね」

「あー…。それはキツイな」

俺の学校はお土産を

持ってきたらいけないルールだから

そこまで目の当たりにする機会は

なかったけど、出掛けた子の

土産話が耳に入って来て

羨ましいなと思った事はある。

 

特に『ひだまりハウス』では、

旅行どころか日帰りのレジャーすら

ままならない子だって少なくない。

学校で、似たような経験をした子は

多いんじゃないだろうか。

俺は3年前くらいから

父さんと出掛ける機会も増えたけど、

周りを嫌な気持ちにさせないよう、

出掛けたときの話は他の子が帰ったあと

先生にだけ話すようにしていた。

 

(イチヤは楽しかった頃の

思い出があるだけに、

いまの状況が辛く感じるのかもな)

イチヤ達は去年の春から

お祖母さんの介護が理由で、

ここに通い始めた。

きっかけは腿の骨折だったものの

認知症が急激に進んで、

家の中が大変だという。

 

俺の家みたいに

物心ついた頃から

家族が病気だった場合は、

その生活が普通だと思っているけど、

イチヤの家みたいに穏やかな生活から

一転した場合は、なかなか

受け入れられないだろうなあと思う。

 

「みんな出掛けてズルイよ。

おれはばーちゃんのせいで、

ここしか行くとこがないのに…」

「いい加減にしなよイチヤ!

夏休み中、ずっと

家の中にいるよりマシでしょ?」

「姉ちゃんだって、ばーちゃんの事

ウザイって思ってるくせに!」

「ウザイなんて思ってない!

…会うのが、ちょっと怖いだけ」

 

だんだん喧嘩っぽい雰囲気に

なってきた2人を止めようとした、

そのとき。

 

 

 

 

「よし!じゃあ『ひだまりハウス』で

夏祭りをやろうぜ!」

高校生スタッフのユウキ先生が、

声高らかに提案する。

「夏祭り?」

「旅行も悪くねーけど。

やっぱ夏っていったら、祭りっしょ!

おうイチヤ!お前も手伝え」

「え!?ええっ……?」

もう決定事項かのように

イチヤの肩をガシッと掴んでいると

シハル先生がやって来る。

 

「勝手に話進めるなよユウキ!

まずは所長先生に確認をとって、

それから…」

「去年の文化祭で

模擬店やったとき、

所長先生が来てくれて

ウチでも店開いて欲しいって

すげえ褒められたんっす!

チャラいシハルさんと違って、

夏祭りでは内容で集客するんで!」

「はああァァ!??

専門学校で学んでる僕を舐めんなよ?

ってかお前がチャラいって言うな」

 

 

(…いやいや。

だからまずは所長先生の許可を

取らなくちゃだろ)

ノリの軽いユウキ先生に

チャラい呼ばわりされた事が

よっぽど不満だったのか…。

シハル先生は、止めに入った目的を

忘れて言い返している。

 

「あらどうしたの?賑やかねえ」

「あ!あのさ所長先生…」

俺が状況を説明しているうちに、

所長先生に気付いたユウキ先生たちは

張り合うのをやめる。

「夏祭りねえ。…いいんじゃないかしら?」

「あざっす!」

「でも子ども達に話すのは、

方針を決めてからにしましょ。

明日、昼勤の先生たちにも

意見を聞いておくわ」

「まァ僕は、所長先生的にOKなら

賛成ですケド」

 

 

 

 

足元から鳥が立つような提案から

始まった騒ぎも、

ひとまず収束したようだ。

週明け、少し楽しみにしながら

『ひだまりハウス』へ向かう。

「みんなー!所長先生から

お話がありまァす」

平日に通う小学生が

ほぼ全員揃う時刻になると、

シハル先生とミツキ先生は

みんなを呼ぶ。

集まると、所長先生が前に立って

夏祭りの話を始めた。

 

「7月29日、土曜日に。

『ひだまりハウス』の夏祭りを

開く事になりました。

…そこで!小学生のみんなの中から、

お店を開きたい子を募集します」

 

「え?…お店?」

出店は先生たちが準備し

子どもは客として

参加するものだと思っていたのは、

俺だけじゃなかったようだ。

小さなざわめきの中、

先生は話を続ける。

「お店を開くか、客として楽しむかは

みんなの自由です。

今週の金曜日に希望を聞くので、

お店を開きたい子は

どんなお店にするのか、

考えて来てくださいね」

「はい!」

 

 

ちなみにシハル先生は

チョコバナナ屋を、

ユウキ先生は焼きそば屋を開くとの事。

先生の店の手伝いという選択肢も

あるという。

「夏祭りの出店?面白そうじゃないか」

迎えに来た父さんに、さっそく説明をする。

「土曜日の送り迎えが必要になるけど、

昼ご飯は焼きそばとチョコバナナが

出るから弁当不要だって!

…参加していい?」

「もちろん。頑張っておいで」

「ありがとう!父さん」

その日のうちに所長先生に

参加する事を伝え、父さんと帰宅。

 

「…だあああっ!

どの店も面白そうで決まンねえッ」

部屋へ戻りタブレットを使って

検索しながら考えるものの、

色々あり過ぎて、却って迷う。

結局決まらないまま金曜日を迎えた。

 

 

 

綺麗に飾られた竹の下、

七夕にちなんで配られた

アイスクレープを食べ終えたところで、

希望調査が始まる。

男子は、高学年の大半が出店側を希望し

低学年は客…といった感じだったけど、

女子は低学年からも

出店の希望者が多く出た。

 

解散後は出店希望者だけ残り、

どんな店を開くのかを決める事に。

男子は5,6年の子が考えた

かき氷屋や輪投げ屋、射的、

もしくはユウキ先生の焼きそば屋の

いずれかに加わる子が多そうだ。

(俺は、どの店に入ろうかな)

『ひだまりハウス』は、

喧嘩がありつつ

なんだかんだで平和な所だから、

余程人数の偏りがない限り

断られる事はないと思うけど……。

 

 

 

そのとき、女子の高い声が室内に響く。

「キャーッ!私当たりだって!」

「私も!ヤッター」

 

(…あー。チョコバナナ屋の件か)

宝くじにでも当たったかのような

盛り上がりっぷりを見て、

何が起こったのか察しが付く。

 

女子はプラ板屋や

ビーズアクセサリーショップを

考えた子もいたものの、

圧倒的に希望者が多かったのは

シハル先生の店の手伝い。

結局くじ引きで決めたらしく、

当たりを引いた子が喜びのあまり

叫んでいたのだった。

逆に外れを引いたらしい低学年の子は

涙ぐんでしまう…。

「うわっ。女子たち必死だな…」

誰かの呟きに、男子一同同意する。

 

 

「あれ?望月、また女の子泣かせたの?」

「違うって!人聞き悪いなァ」

先に解散した低学年に

大型遊具を出してあげていたミツキ先生が

戻って来た。

「…それで、進捗はどう?」

「男子はだいぶ決まったよ。

女子は、僕のチョコバナナ屋を

手伝ってくれるメンバーが

決まったところ」

「そっか。まだ全員

決まったワケじゃなくてよかった」

どうやら何か言いたい事があるらしく、

男子と女子、それぞれの輪の間に立ち。

 

「まだ役が決まっていない子の中で、

夏祭りの運営を

手伝ってくれる子はいませんか」

少し大きめの穏やかな口調で、

全体に呼びかけた。

 

「…運営?夏祭りの?」

「そう。会場の飾りつけの準備をしたり、

当日は、受付で、会場へ来た子に

チケットを渡したり、

会場に来た小さな子の

手助けをしてあげるんだ」

「あー…。店を開く先生もいるから、

フォローが手薄になっちまうもんな」

ミツキ先生の説明に、うんうんと頷く。

(運営かあ。考えた事なかったけど、

やり甲斐ありそうだな)

出店を一から考えて

作り上げるのも楽しそうだけど、

一箇所に属していないほうが

より沢山の子を手助け

出来る気がするし…。

 

縁の下の力持ち的な役割も、

なんだかカッコイイ気がする。

 

「俺は運営係なんだ。

他の先生もいるけど、少しでも

手伝ってくれる子がいると助かるな」

「じゃあ俺やる!」

「私もっ」

「あ。私も…」

俺とイチカちゃん、

少し遅れて5年生のミコトちゃんが

手を挙げ運営係が決まる。

「3人ともありがとう。

今から所長先生たちと

打ち合わせをするところなんだけど、

参加出来る子はついて来て」

「はいっ」

普段おっとりしたミコトちゃんが、

珍しく率先してミツキ先生の

後をついていく。

 

(ミコちゃん、ミツキ先生に

ずっと憧れてるもんなァ…)

シハル先生は圧倒的な人気者だけど

ミツキ先生は男女問わず

慕っていて、恋している女子も、

俺が知る子だけでも3人は存在する。

イチカちゃんはその3人の中には

含まれていないものの、

可愛い文房具が好きで

普段女子グループの中にいる子だ。

女子感満載な出店を選ばず

こっちの仕事に回った動機も、

さしずめミコトちゃんと似たものだろう。

まあ俺としては、

真面目に仕事してくれさえすれば、

動機が何であろうと大歓迎だ。

 

「…イチヤは焼きそば屋の

グループに入ってたな」

「うん。ユウキ先生に誘われて

アイツも嬉しかったみたい。

イチヤ、ちょっとは

元気になるといいな…」

(兄弟の年長者ならではの

性ってモンなのかな)

きっと自分も

思うところがあるはずなのに、

弟の心配ばかりしている

イチカちゃんを見て、笑ってしまう。

「イチヤもそーだけど。

イチカちゃんも楽しもうなっ!」

「あ!うん。よろしく……」
 

その後の打ち合わせでは、

会場内の出店の配置について

色々な先生たちから意見が出る。

普段俺たち子どもが気づかないような

様々な気配りがされている事を知り、

先生たちの努力を垣間見る事が出来た。


(俺も頑張って、

夏祭りをいいモンにするぞ)

ミツキ先生の隣で気合をみなぎらせ、

メモを取った。

 

 

 

 

******************

 

 

 

この回と次回

(延びそうだったら次々回も)は

夏祭りの話題に♪

 

ただただ楽しいエピソードにしたいと、

思いついた当初は考えていましたが、

“賢一くんと下級生”を

サブテーマに置く事に。

 

わんぱく坊主なゴウシくんや

『ひだまりハウス』で出会った

ユウタくんやショウタくん、

ミツキ先生達など。

 

好奇心と向上心の塊な賢一くん、

様々な事を吸収出来る

年上のお兄さんとの交流を描く事が

多いのですが、

夏祭り編では兄貴分として

下級生のために心砕く賢一くんを

書けたらいいなあと

思っております(*^^*)

 

『ひだまりハウス』という

場所が場所なので、少し

シリアス展開もありつつですが(^▽^;)

なんだかんだで、皆が楽しむ

夏祭りになったらいいなあ☆

 

 

とか言いつつ、シハル先生絡みで

女子をさっそく泣かせて

しまったのですけどねっ

 

罪なオトコだ、シハル先生(´艸`*)

 

 

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)