思い浮かんだエピソードを

好き勝手詰め込んだ結果、

長くなったので夏祭り当日まで

収まりませんでした(´∀`)ゞ

 

19話で、夏祭りまで終わらせます(笑)

 

 

 

 

 

それでは本題へ。

 

未来編では

出来過ぎ高校生として登場します、

モリシタくんこと森下賢一くん。

今回は現代設定の

小学4年生編をお送りいたします。

 

 

 

賢一くんが登場する

『ひだまりハウス』のエピソード

↓↓↓↓↓

 

 

『旅行前にもまたひとつ』

(前編後編)

 

『バレンタインの恋模様』

 

『マスクですから!』

 

『18歳』

 

『もうひとつの短冊』

 

『…翔べ!』

 

『笑顔が見たいから』

 

『受難は続くよどこまでも』

 

 

『もうひとつの噓』

 

 

 

2人の先生との

やり取りを綴った妄想を、

思いつくままに垂れ流したいと思います^^

 

 

 

 

 

 

 

image

 

 

 

4年生の秋に

家出をしてしまう賢一くん。

それまでの間、

この子に何があったのかを

主に本人視点で、

いくつかの話を公開予定です。

(父・賢吾さん視点の

『もうひとつの軌跡』

第6話第7話第8話の内容を

賢一くん視点で書きます)

 

 

 

この頃の経験も踏まえて、

サキちゃんや仲間と

青春を謳歌する高校生モリシタくんを

書けたらと思いながら書きますが、

辛い内容も多いと思うので、

読む読まないは無理なさらず、

お時間とお心に余裕のある場合に

お付き合い頂ければ幸いです(^^;

 

(☆第1話第2話第3話

第4話第5話第6話

第7話第8話第9話

第10話第11話第12話

第13話第14話第15話

第16話第17話はコチラ)

 

 

 

 

今回は第18話。

役割が決まり、着々と準備を進める

『ひだまりハウス』の子どもたち。

運営係の賢一くんも、

張り切って準備に取り組みます。

 

 

 

 

******************

 

 

オリキャラ妄想

「散らばるココロ 第18話」

 

 

 

運営係になった俺が、

夏祭りまでにやるべき仕事は、

会場内の飾りや招待状を作る事。

小学生未満の子に渡す招待状に

俺が平仮名と片仮名を使って文を書き、

ミコトちゃんイチカちゃんが

イラストを描いてくれた。

 

 

 

自然と、家で父さんに話す内容も

夏祭りに関する話題が増える。

「『ひだまりハウス』の未就学児は、

平日は保育園や幼稚園に行ってて

土日しか来なくて、

土曜日、先生たちが代わりに

招待状を渡してくれたんだ。

みんな参加するって言ってたって」

「良かったじゃないか。

当日は忙しくなりそうだな」

「うん!チケットも沢山用意しねえと。

あと、お土産のお菓子の袋詰めも

前々日までには終わらせて…」

「ははは!当日どころか

準備も忙しそうだなあ。頑張れよ」

 

父さんに話しながら

自分のやるべき事を頭の中で整理する。

俺の話をにこにこと聞きながら

洗い物を済ませた父さんが、

入浴の準備のためリビングを出て行くと。

 

 

 

「ぼくのがっこうのお祭りのほうが

すごいんだもんね!

おいしいたべもののお店が

いっぱいあるんだ!」

それまでゲーム機とにらめっこしていた

健児が、自分の自慢を始める。

 

「コウコウセイのお兄さんお姉さんが

お店をやってくれるんだ。

賢一のお祭りは子どもの

ショボイ店しかなくてカワイソー!」

「ああそう。よかったね」

健児は自分が一番でいたいのか、

何かにつけて張り合って来る。

俺も、むきになって

張り合った事もあったけど、

都合のいい部分だけを切り取り

俺を悪者扱いすると知ってからは、
無難に相槌を打ってやり過ごしている。

 

(アイツが病気じゃなかったら

ぶん殴ってやりてえくらいだ)

本当にぶん殴ってしまわぬよう、

リビングを後にする。

『ひだまりハウス』の事まで

悪く言われて、正直なところ

怒りが喉まで込み上げている。

ただ、健児の目的は俺を怒らせたり

ダメージを与える事。

その手には乗らないぞと、

ぐっと堪えるのだった。

 

 

 

 

役割分担をしてから1週間経ち。

『ひだまりハウス』では

食べ物以外の出店の備品が揃い、

必要な物を作り始める。

 

 

「……げッ。何でお前がいるの」

あからさまにテンションが下がった

シハル先生の視線の先には

ユウキ先生によく似た顔した

若い女の人がいる。

「ちょっとォ紫晴ちん!

感動の再会だってのに

『げッ』はないっしょ~!

――『近藤イイ女になったね♡』とか、

気の利いた事言えないのかよッ」

 

テンションの高さまで

ユウキ先生そっくりなこの人は、

ユウキ先生の姉・近藤美紀さん。

高校時代は小さな弟と妹を連れて

この施設内の児童館に遊びに来ては

明るい性格で、俺たち

『ひだまりハウス』の子どもの輪にも

とけ込んでいた。

高校卒業後は仕事が忙しいのか

ぱったりと見なくなったけど、

相変わらず元気でやっていたようだ。

 

 

 

「いきなりいたら

誰だってびっくりするだろ!?

ってか何しに来たんだよお前!?」

「フフン。きょうのアタシは、

『ひだまりハウス』の関係者なのだよ」

「…関係者???」

「なんでも夏祭りで、女の子が

アクセサリー屋を開くらしいじゃん?

アタシはその子らに、ビーズアクセの

作り方を教える講師なのだっ!」

 

先週末、傘を忘れてバイトに来た

ユウキ先生の事を迎えに来たらしい。

そこで所長先生から夏祭りの事を聞いて

講師役に立候補したという。

「妹のマリンに頼まれて、

マリンや友達に作ってあげてたから

自信あるんだよねー」

「…ったく。こんな時期に

なんで傘忘れるんだよ」

「すいません!朝は晴れてたんで!」

ユウキ先生を咎めるなど、

シハル先生が女性に対して

こんなに塩対応になるのも、

この近藤さんくらいだ。

 

しかし当の本人は全く気にせず

大きな瞳をシハル先生より

遥か下へと向ける。

「…アーーーッ!

賢一久しぶり!大きくなったねえ」

「うん!こないだの身体測定で

やっと130センチになったよ」

目が合った俺が答えると、

近藤さんはさっと俺に近づき、

 

「うんうん!

順調にイケメンに育ってるねえ」

「……ッ」

「将来が楽しみだっ」

両頬を手で包まれた状態で

至近距離で見つめられ、

一瞬息が止まる。

「…だあああっ!やめろよっ」

家族は母さん以外男ばかりで

モテとも縁のない俺にとって、

れっきとした『異性』の近藤さんに

近づかれるのは恥ずかしい。

近藤さんの手首を掴み、

慌てて距離をとった。

 

「コラ近藤!お前距離が近いんだよッ」

「だってイケメンなんだもん、

近くで見たいじゃん?」

「賢一はもう4年生なの!

年頃の男の子なんだから」

「そーだそーだ!」

慌てて間に入ったシハル先生に

しがみつき、一緒になって反論する。

 

「近藤さんにとっては、

小さい子やゆるキャラみたいな感覚で

近づいてるかもしれねーけど!?

迂闊に、男に近づくなよなッ!」

もしこれが俺以外の誰かだとすれば、

距離感が近い事によって

自分の事が好きなのかもしれないと

下心を持つ可能性もあるんだ。

顔が沸騰したかのように熱いけど、

お互いの安全のためにも

言うべき事は言わないと……。

 

「俺だって、人間の男なんだぞ!?

ゆるキャラと違って、

ウンコやオナラだってするんだからなッ!」

「ギャハハハハ!

ウンコやオナラって!可愛いーッ!」

「ケンちゃんが、

ウンコオナラって言ったー」

「あはははは!ウンコオナラー」

 

 

 

(皆、ウンコオナラに食いつき過ぎだろ)

こっちは必死に説明しているというのに

近藤さんも周りのやつらも

一緒になって笑っている。不服だ…。

 

「あの人、賢一くんの知り合い?

あの人の事好きなの?」

「ち、ちげーよ!

あの人は誰にでもあんな感じだから!」

イチカちゃんが入った頃

ちょうど近藤さんが社会人になったから

2人は初対面だ。

当然のようにとけ込む近藤さんに

驚いたに違いない。

俺は俺でミコトちゃんイチカちゃんと

準備を進めるが、当日運営係で

忙しいからと、女子2人は

ビーズアクセサリーを

作らせてもらえる事になって離れていく。

 

「おーいケンちゃん!

射的の鉄砲と的が出来たから

試し撃ちしてくれよ」

「やるやる!

ってかこの割り箸鉄砲、ゴツくね?」

「そうそう。コレ、連射も出来るんだぜ」

俺は俺で、射的や輪投げを試し

その様子を見て、担当の子たちが

改善案を考えていく。

「景品は、

バルーンアートを用意するんだ」

「皆が作るの?すげえな!」

「ミツキ先生が教えてくれる事になってさ」

(ミツキ先生、やっぱり器用だな)

かっこいい割り箸鉄砲のアイデアも

ミツキ先生によるものだという。

 

 

「ほォーら出来たよ!イッちゃん」

「近藤さん、ありがとうございます」

教えてもらいながら

作ったヘアゴムを使って、近藤さんが

可愛く結んでくれたらしい。

イチカちゃんは嬉しそうに戻ってきた。

「それ、イチカちゃんが作ったの?

すげーじゃん」

「ありがとう!

今度の火曜日が誕生日だから、

その日に下ろすんだ」

弟のイチヤの事を

気にしてばかりだったから、

イチカちゃん本人も楽しそうで

良かったなあと思う。

 

 

「ビーズも寄付してくれて

ありがとう美紀ちゃん。

あんなに沢山、本当に良かったの?」

「ウチの妹、細かい作業が苦手で

すぐ飽きちゃったんで!

皆に使ってもらえて良かったです。

…あ!当日も来ていいですか?

皆の髪をアレンジしてあげたーい!」

「ぜひ来て頂戴!子ども達も喜ぶわ」

高校時代から所長先生とも仲良しで、

夏祭りの参加もすんなり許可された。

 

「…近藤さん、テグスとか

足りない物があったら言ってね。

俺、まとめて買い出しするから」

「悪いからアタシも行くよ!」

「でも仕事で忙しいだろ?」

「最近早番だから夜なら平気!」

シハル先生と対照的に、

ミツキ先生はすんなりと

近藤さんの参加を受け入れているようだ。

 

「行くときは一緒だよ?黄藤くんっ」

「じゃあ僕も!3人で行こう!」

「おおう…。紫晴ちんったら積極的ィ」

「お前が言うと

変な意味に聞こえるんだよッ!」

「???」

意味が分からないといった様子の

ミツキ先生を挟んで、シハル先生達は

なんだかんだで楽しそうに喋っている。

 

(近藤さんも来るなら、

夏祭りは賑やかになるな)

このイベントのおかげで、

家での健児とのやり取りや、

雨の日が多く秘密基地へ遊びに

行けない事による苛立ちも紛れた。

 

 

 

 

こうして、活気のある雰囲気のなか

準備が進んでいくと思っていた、

その矢先。

 

(…あれ?イチカちゃん、元気ねえな)

月曜日、『ひだまりハウス』に来た

イチカちゃんの様子が、いつもと違う。

作業を始めたあとも表情が曇っていた。

 

「…イチカ、疲れてる?

きょうの作業はおしまいにしよう」

「………ッ。ぐすっ…」

ミツキ先生に声を掛けられるなり、

イチカちゃんの目に涙がたまり、

手で涙を拭い始める。

「イチカ、落ち着ける場所に行こうか。

…賢一は悪いけど、この飾りも

仕上げといてくれないか?」

「了解。」

ミツキ先生から作りかけの

飾りを受け取った、そのとき。

 

 

「ヘアゴム。…壊しちゃったの」

イチカちゃんはその場で、

事情を話し始めた。

「日曜日、友達と遊んで帰って来たら、

私の部屋にお祖母ちゃんが

勝手に入ってて…。

デスクに置いてあったヘアゴムを

手に持ってたから、

慌てて取り返そうとしたら

お祖母ちゃんも引っ張り返してきて、

それで。――――――うう…っ」

「そっか…大変だったな。

頑張って作った物を取られたら

誰だって必死になるよな」

 

ミツキ先生が相槌を打っていると、

姉ちゃんの異変に気付いたイチヤが

説明しに来る。

「ばーちゃん、たまに頭の中で

若い頃の自分に戻るんだ。

だから姉ちゃんの部屋にいたのも、

子育てしていた頃に戻って、

自分の子の部屋を掃除しようと

してたんじゃないかって、

母さんが言ってた」

 

(お祖母さんに悪気がないだけに、

気持ちのやり場がねえよな。きっと)

もしくはこの一件に関する記憶も、

年相応の自分に戻った頃には

消えているのかもしれない。

そんなお祖母さんを罵る事も出来ず、

病気だから仕方がないと

諦め続けなければならないのかと思うと、

胸が苦しくて。

 

 

 

「イチカちゃん。

新しいヘアゴム…作らねえ?」

「えっ」

気付けば、自然と声を掛けていた。

 

「新しいの作ったところで、

壊れたヘアゴムの替えには

ならねえけどさっ。

…今から作れば、

まだ誕生日に間に合うぜ?

俺で良ければ一緒に作るし」

「賢一くん…作れるの?」

「作った事はねーけど。

確か近藤さんが作り方のメモを

残してくれたはずだから、

それを見ればイケると思う」

「賢一は器用だし覚えるのも

早いから、出来ると思うよ」

俺の言葉を、

ミツキ先生が後押ししてくれる。

「イチカさえ良ければ

ビーズアクセサリーの子達にメモ借りて

コピーしてくるよ?…どうする?」

「私は……」

目の周りを腫らしたイチカちゃんは、

俺とミツキ先生の顔を交互に見て

返答を考えているようだ。

 

 

(あ。もしかして、

ミツキ先生と作りてえのか?)

突如浮かんだ可能性に、焦ってしまう。

もし上級生に断りにくくて

言葉に詰まっているのだとしたら、

イチカちゃんが可哀想だ。

 

「もしアレなら、ミツキ先生も

手伝ってくれるんじゃね?」

「え?言い出しっぺは賢一なんだから

面倒見てあげなよ」

困らせないよう、こちらから

選択肢を増やしたというのに、

ミツキ先生に阻まれる。

「イチカちゃんも、ミツキ先生のが

いいんじゃねえかなって」

「なんで」

「いやホラ…アレだよアレ。」

「アレって何?新手の詐欺の手法か?」

「アレアレ詐欺なんてねえからッ!」

自分の人気に鈍感なミツキ先生は

妙な所に食いつき反論するけど、

上手く説得しないと……。

 

「ミツキ先生のが器用だし?

イチカちゃんも出来のいい物の方が…」

「待ってよ二人とも!

私、賢一くんでいいし」

「……へ?俺でいいの?」

「あ!だからそれは…」

ようやくイチカちゃんが

口を開いたところで、

無意味な争いが終わる。

 

 

「壊れたヘアゴムのパーツを

家に残してあって…それを使いたい。

誕生日はもう明日だけど、

ミツキ先生お休みの日だし……。

 

一人じゃ間に合わないから、

賢一くんが手伝って」

 

「おう!帰るまでに完成させようなッ」

消去法とはいえ、ひとりで作るという

選択肢を選ばなかったという事は、

多少は頼りにされているのだろう。

張り切って答えると、

イチカちゃんは少し嬉しそうに微笑んだ。

 

 

 

******************

 


高校生編でも、

ちょくちょく世話好きっぷりを

発揮する賢一くん(笑)

その世話焼き根性は

小さい頃からのものなので、

小さな子に寄り添って

サポートしてあげる運営係は

ピッタリだなあと思いました(*^▽^*)

 

そんな賢一くんなので、

下級生・イチカちゃんの事も

世話してあげたいと思うものの、

イチカちゃんとの年の差はたった1つ。

モテない賢一くんは

同年代の女子と話す機会が少ないため、

1コ下の女の子との接し方は

小さい子が相手のときより難しく、

ヘアゴムの件も有難迷惑じゃなくて

良かった~と、内心胸を

撫でおろしたのでした(^▽^;)

 

 

このように皆の役に立とうと

世話焼きしたがる賢一くんを書くたび、

「みんなのために」と奔走する

クマくんとの違いは

一体何なのか?と考えてきたのですが。

 

顔!とかにょへ子の贔屓目!

という答えじゃなくて(笑)、

賢一くんの「みんなのために」

という思いの純度が高いのかもな~と

思いました(゚∀゚)

「みんなのために頑張る俺」感が

透けて見えてしまうと、

周りは引いてしまうのかも。

 

…純度が高ければ、

仮に自分のしてあげたい事と

相手の望みがイコールじゃ

なかったとしても、

相手の気持ちに寄り添えます。

「みんなのために」なる事によって

自分も満たされるから。

 

しかし後者のバアイ、

こんなに頑張ってるのに!と

独りよがりに突き進んでしまいがち。

「みんなのために頑張る俺」が

満たされたいから。…なのかな?

説明ヘタですみません(^▽^;)

 

 

 

話は変わりまして、

今回は陽キャ美人・近藤さんが登場!

賢一くん(と黄藤くんw)は

普通の買い出しへのお誘いだと思っていた

「行く時は一緒だよ」を

言わせたいという理由だけで、

このタイミングで

登場させた次第です(笑)

 

初めて『ひだまりハウス』に来た頃は

自由気ままに振る舞う

乱入者の様相でしたが、

所長や女性のスタッフとは

世間話を出来るくらいの仲。

夏祭りの参加も

サラリと許可を貰っていましたし、

にょへ子も羨ましくなるくらいの

コミュ力の持ち主なのであります( ̄▽ ̄)

 

夏祭り編以外でも

まだ登場予定なので、

彼女の活躍と紫晴ちんの

塩対応っぷりに乞うご期待です♪(笑)

 

 

 

 

 

それではお付き合いいただき、

ありがとうございました(^^)