香港部隊を閲兵、最大規模に 習近平軍事委主席
盧溝橋事件記念日に空母駐留も
6月29日から香港返還二十周年の記念式典出席のために香港入りしている習近平中国国家主席(党中央軍事委主席)は30日、香港・新界地区の石崗にある中国人民解放軍駐香港部隊を閲兵し、香港各界の来賓約4000を含めて参加する最大規模の愛国愛軍の祝賀ムードに包まれた。(香港・深川耕治)
軍の車輌から習主席が「同志たち、ご苦労」と声をかけると、兵士たちは「人民服務のために」「主席好(主席、了解)」と答え、約10分で終了した。
香港の人民解放軍部隊の閲兵式は中国返還後、1998年、04年、07年、12年の過去四回行われたが、五回目の今回が軍部隊20隊3166人が参加する最大規模となった。
返還二十周年を記念し、7月8日、9日に香港の人民解放軍部隊のうち3つの基地が一般公開される。
中国国防省は香港返還二十周年を記念し、中国初の空母「遼寧」を7月7日から二日間、香港に派遣し、香港市民に幅広く見て海軍の発展に親しんでもらい、愛国教育に拒否感の強い香港市民の意識を変えていきたい動きとなっている。遼寧は旧ソ連の空母を改修した訓練用空母で12年に就役。23日、母校の青島港を出港し、台湾海峡を通って香港に向かっている。
香港紙「星島日報」によると、7日に香港駐留するのは7月7日が盧溝橋事件80周年の記念日であり、日本が中国を侵略した象徴的な日を忘れない反日愛国が中国と香港の共通結束意識を強化できるとの一部消息筋の見方を紹介している。
一方、天安門事件の犠牲者を追悼する香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)と7月1日の民主化デモを主催する民間人権陣線は6月30日夜、獄中で末期の肝臓がんと診断された人権活動家、劉暁波氏が海外出国による治療を求めるデモを香港中心部の湾仔(ワンチャイ)と中環(セントラル)の間をデモ行進した(写真右=深川耕治撮影)。
劉曉波氏の病状悪化を受け、ノーベル賞受賞者154人が連名で習近平中国国家主席に宛ててノーベル平和賞を受賞した劉曉波氏と劉霞夫人の米国での出国治療を求める書簡を送り、早期出国を促している。
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同性婚を認める米国最高裁判決をきっかけに中華圏では同性婚の合法化をめぐり、賛否が先鋭化しつつある。とくに5月に発足した台湾の蔡英文政権は総統選で蔡氏が同性婚容認を掲げたため、与党・民進党の立法委員(国会議員)らが性的少数者(LGBT)による同性婚推進派の意向を反映する形で合法化に向けた法案準備を本格化させている。香港でも同性愛差別撤廃条例案の制定の動きが強まり、中国でも性の乱れを抑止できず、欧米型の同性婚推進や性交避妊教育の推進が市民権を得始めている。(香港・深川耕治)
同性婚を認めている国は22カ国、同性カップルの権利を保障する制度を持つ国・地域は29カ国・地域。アジアでは台湾以外にタイ、ベトナムも国会での法案審議が準備されつつある。
同性婚が認められる国・地域は以下の通り。
オランダ、ベルギー、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク、フランス、南アフリカ、アルゼンチン、カナダ、ニュージーランド、ウルグアイ、イギリス、ブラジル、米国、メキシコ、ルクセンブルク、アイルランド、グリーンランド(デンマーク自治領)、エストニア、コロンビア、フィンランド(2017年より)
登録パートナーシップなどを持つ国・地域は以下の通り。
フィンランド、グリーンランド、ドイツ、ルクセンブルク、イタリア、サンマリノ、アンドラ、スロベニア、スイス、リヒテンシュタイン、チェコ、アイルランド、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、オーストラリア、イスラエル、ハンガリー、オーストリア、クロアチア、ギリシャ、マン諸島(英王室属領)、ジャージー諸島(英王室属領)、ジブラルタル(英国領)、マルタ、エストニア
※デンマーク、スウェーデン、ノルウェーにおいては登録パートナーシップ制度にあるカップルが同制度にとどまることは可能だが、新規にパートナーシップを登録することは不可。
アジアではこれまで同性婚が認められた国ないが、タイ、台湾あるいはベトナムにおいて法案が可決されればアジア初となる。
写真は香港での同性愛差別撤廃条例を通過させるための民主派デモ。
中国共産党一党独裁に反対し、民主化を求めるデモのはずが、2014年7月1日の民主化要求デモでは、先頭に同性愛差別撤廃を求める巨大なレインボー旗が広がり、民主化デモを完全に乗っ取る形になったため、同デモに毎年参加していた、同性愛に反対するカトリック香港教区の陳日君枢機卿らは2016年のデモに参加することを取りやめた。
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