今日28日は、大相撲夏場所の千秋楽。今場所は、4場所連続休場明けの横綱照ノ富士が、昨日14日目に2敗の関脇霧馬山を堂々の横綱相撲で降し、楽日を待たずに6場所ぶり8度目の優勝を決めた。その横綱としての意地、責任感、貫禄そして地力と言ったものを改めて見せつけられた感じだ。横綱は場所前から「自分ができる準備をして、やるべきことをやるだけ。それを見る人がどう感じてくれるかだ」と繰り返していたが、彼の不屈の精神は、全ての相撲ファンに伝わったのではないか。序盤は若干不安視された相撲もあったが、終盤に入ってから若元春戦、朝乃山戦、霧馬山戦と難敵相手にむしろ調子を上げ、圧巻の相撲を見せてくれた。今日は有終の美を飾って欲しいしと思うが、相手の貴景勝にも大関の意地があるだろう。熱戦を期待したい。

 

 

 そして昨日はわれらが歌姫・宏美さんのツアーファイナル、言ってみれば千秋楽。東京国際フォーラム・ホールCの1,500席は早々に完売、聴衆で埋め尽くされた。感動のステージを文字にすることは難しいが、おいでになれなかった方々のために昨日のレポートをしてみたい。大変残念だが、今ツアーはこの5本のみで終了とのことなので、完全ネタバレでセットリストもご紹介していこう。

 

 それでは、『岩崎宏美コンサート2023』ファイナルレポート、始まり始まり〜!あ、下の写真は12日目の相撲観戦時と昨日のコンサート鑑賞時のものです。😊

 

2023/5/25&27 bumimas_shochan撮影

 

第Ⅰ部

ただ・愛のためにだけ

すみれ色の涙

思秋期

予約席

シアワセノカケラ

残したい花について

家路愛という名の勇気

聖母たちのララバイ

 

 挨拶・MCなしで代表曲3曲の連続歌唱で幕開けだ。特にオープニングの「ただ・愛のためにだけ」は、コンサートで歌われるのは実に久しぶりで、初日の名古屋でこの曲のイントロが流れた途端、感動で身体が震えた。衣装はグリーン。そして開演の挨拶の後、昨年は野口五郎さんとのジョイントをはじめ素晴らしい一年だったが、反面大切な人を次々と喪う辛い一年でもあったこと(『ついにスタート❣️岩崎宏美コンサートツアー2023』のブログもご参照ください)が語られた。「様々な経験を通して、自分は随分と強くなった」という宏美さん。それらの出来事が「予約席」以下、続く3曲の選曲に表れている。

 

 心に沁みる3曲に続いては初めての企画で、「火曜サスペンス劇場・主題歌メドレー」。「家路」「橋」は今世紀のコンサートでも時折り聴かせてくださっていたが、「愛という名の勇気」はこのツアーが生では初披露(当時『ミュージック・フェア』出演時のテレビでの歌唱はあった)。これも初日にはあまりのサプライズに私は内心狂喜乱舞(笑)。しかもメドレーの最後なのでこの曲だけはワンハーフ歌ってくださったのも嬉しかった。生まれて間もない乳飲み子の勇気クンをレコーディングに連れて行き、タイトルに「勇気」が入っていた偶然に驚いた思い出話も。「橋」「愛という名の勇気」はキー設定もジャストフィットで、サビのファルセットが美しく響いていた。

 

 その流れで、Ⅰ部ラストは「聖母〜」。この曲がⅡ部ラストでないのは、『40周年感謝祭』の2015年以来8年ぶりである。必然的に、Ⅱ部ラストの曲への期待も高まる。もちろん、圧巻の歌唱である。

 

 

 そして休憩時間には個人的に嬉しいことが。ブログを通じて知り合った野口五郎さんのファンの方と初めての対面である。昨年の『Eternal Voices』がキッカケで、宏美さん単独のライブにも時折り足を運んでくださっているとか。フォーラムにもお見えになるとのことで、約束を取り付けてご挨拶を交わすことができたのだ。ブログやコメントなどを通じて感じた通りの素敵な方で、短い間だったがお話しできて良かった。今度は五郎さんのコンサートでの再会を約して別れた。😊

 

 

第Ⅱ部

ワインレッドの心

思い出さないで

18才の彼

●逢いびき

再会

二十才前ロマンス女優小さな旅万華鏡〜(メンバー紹介〜)シンデレラ・ハネムーン私たち

いのちの理由

始まりの詩、あなたへ

 

 Ⅱ部はガラッと趣向を変えたステージだ。衣装は前掲の写真の通り白。照明が変わるたびに七変化するステキなドレスである。1曲目は五郎さんプロデュースの最新アルバム『Eternal Voices』からテレビやライブでも何度も披露されているお馴染みの「ワインレッドの心」だ。われわれファンもあまり聞いたことのない儚げなファルセットや、意図的なブレスなどに五郎さんの意図が透けて見える。次いで真逆とも言えるオーソドックスな宏美スタンダードの「思い出さないで」。この曲は前ツアー『太陽が笑ってる』に続いてのセットリスト入り、本当に心が安らぐ歌声だ。

 

 今回の目玉企画(?)のシャンソン三部作。お若い頃谷村新司さんと山口百恵さんに誘われて一緒に渋谷のパルコ劇場に金子由香利さんのコンサートに行き、その美しさに見惚れていた、というお約束のMCだ。一昨年のライブハウスツアーで歌われ、昨年レコーディングもした「18才の彼」、今回初挑戦の「逢いびき」、そして1983年のリサイタルの録音が残る「再会」。「大人〜!」な宏美さんが、無理のない音域で語るように歌われる。そして、「岩崎宏美のオリジナルにはない、不倫の歌です」と笑わせてくれる。金子さんの録音で「逢いびき」をご紹介しておこう。

 

 

 「岩崎宏美に戻ります!」のキップのいいひとことで、いよいよ10〜20代の頃のヒットメドレーだ。宏美さんが1曲目から順に曲を紹介してゆく。一般のファンにとっては親切丁寧な対応だが、私のようなコアなファンとしてのささやかな注文は「曲名紹介は後にして欲しい!」だ。何を歌ってくださるか、を何より楽しみにしている自分などにとっては、宏美さんの“事前”曲紹介は「ネタバレ」なのだ。特にそのツアーに初めて参加する時は、イントロが鳴って何の曲か判るまでの数秒間のドキドキ、判った時の感動がたまらないのだ。宏美さん、よろしくお願いします!あ、ここに書いても仕方がない(笑)。ファンメールを送るとしよう。

 

 脱線してしまった。曲紹介が終わると、「私たち」の振り付け指導。毎度のMCは「他の曲はワンコーラスなのに、これだけフルコーラス歌います。それだけ力入ってるってことですよ。2階席・3階席も見えますからね。やるのよ!」と半ば脅し。🤣

 

 そして何と何と、ファイナルならではの大サプライズが。2曲目の「ロマンス」で宏美さんが歌いながら客席に降りて来られたのだ!もうそこで涙腺崩壊。宏美さんの客席降臨は、『PRESENT 〜for you*for me〜』ツアー(2018〜19)のアンコール、「Thank You !」以来である。コロナ禍で、もう宏美さんが客席に降りて見えるなどということは二度とないのではないか、と思っていただけに、もう客席のファンの興奮は頂点に達した。客席が明るくなり、お客さんは皆一様に笑顔、笑顔。それを後押しするわれらが岩崎宏美親衛隊のコールとペンライトワーク。「女優」「小さな旅」までを客席通路で歌われた。そして「シンデレラ・ハネムーン」でさらに盛り上がり、「私たち」では、コンサート初参加のお客様も巻き込んでの、“両手をフリフリ”。宏美さんから「すごい!揃ってる!」のお褒めの言葉が。😍筆舌に尽くしがたい盛り上がりでメドレーを終えたのである。

 

 ここでツアーに何度も参加している人にしか分からない変更が。今までアンコールの1曲目だった「いのちの理由」がここに繰り上がる。ということはアンコールに1曲追加?内心色めき立つ(そんな言葉あるか?)。「いのちの理由」がしっとりと心に響き、メドレーで高鳴った胸が穏やかに落ち着いてゆく。

 

 ここのMCも笑えた。休憩時間に楽屋に来たヨシリンこと岩崎良美さんが心配して「ひろちゃん、『聖母』もう歌っちゃって大丈夫?」と質問されたのに対し、「私にはまだまだあるのよ!」と答えたとか。さもありなん、これも久々の「始まりの詩、あなたへ」である。2015年のニューヨーク公演に於ける大江千里さんのキー間違いアクシデント以来、封印されていたかに思えた本楽曲だが、やはり宏美さんにとって大切な1曲だったのである。サビは現在の宏美さんにはやや高いキーと思われ、ツアー初日では若干ハラハラしたが、歌い慣れて来られ、地声とファルセットの切り替えもスムーズになり、ラストに相応しい風格を見せる曲となった。

 

アンコール

月見草

太陽が笑ってる

 

 宏美さんが一旦捌け、アンコールに応えて再登場。するとバックのメンバーはピアノの上杉クンのみ。われわれの期待は、確信に変わる。そう、「月見草」である。マイクは使用されていたが、満員の聴衆が水を打ったように静まり返り、宏美さんの透明な歌声がホールの隅々まで響き渡った。そして前ツアーのタイトル曲で、コロナ禍に負けず前を向き続けた宏美さんのテーマソングとも言える「太陽が笑ってる」で感動のステージに幕を下ろしたのである。

 

 

 われわれ仲間たちはもちろん、その後会場にほど近いイタリアンで打ち上げ。大いに盛り上がったことはここに記すまでもないであろう。宏美さん、皆さん、お疲れ様でした。そしてどうもありがとうございました。次回ツアー、今から楽しみです!😊