【若紫4-3】古文単語「老いかがまる」
重要古語の記事では
源氏物語イラスト訳で出てきた古文の
単語を1つピックアップしています♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.とにかく丸暗記して覚える語
2.漢字やイメージで覚える語
3.文脈判断で決める語
があります。
今回はイメージで覚える古語です♪
【今回の源氏物語】
「老いかがまりて、室の外にもまかでず」と申したれば、「いかがはせむ。いと忍びてものせむ」とのたまひて、御供にむつましき四、五人ばかりして、まだ暁におはす。
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今回出てきた古文単語
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■【老いかがまり】…ラ行四段動詞「老いかがまる」連用形
※【老いかがまる】…年を取って腰が曲がる
■【て】…単純接続の接続助詞
■【室(むろ)】…(北山の某寺の)庵室
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【外(と)】…そと
■【に】…場所の格助詞
■【も】…添加の係助詞
■【まかで】…ダ行下二段動詞「まかづ」未然形
※【まかづ】…「出づ」「行く」の丁寧(行者⇒光源氏)
■【ず】…打消の助動詞「ず」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【申し】…サ行四段動詞「申す」連用形
※【申す】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)
■【たれ】…完了の助動詞「たり」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【いかがはせむ】…しかたがない。どうしようもない
※【いかが】…どうして~か(いや~ない)
※【せ】…サ変動詞「す」未然形
※【む】…推量の助動詞「む」連体形
■【いと】…ごく。とても
■【忍び】…バ行上二段動詞「忍ぶ」連用形
※【忍(しの)ぶ】…人目を忍ぶ
■【て】…単純接続の接続助詞
■【ものせ】…サ変動詞「ものし」未然形
※【ものす】…代動詞。ここでは「行く」などの意
■【む】…意志の助動詞「む」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【のたまひ】…ハ行四段動詞「のたまふ」連用形
※【のたまふ】…「言ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
■【御―】…尊敬の接頭語
■【供(とも)】…供の者。従者
■【に】…資格の格助詞
■【むつましき】…シク活用形容詞「むつまし」連体形
※【むつまし】…親しい
■【四、五人】…ここでは惟光を含めた数人の従者をさす
■【ばかり】…程度の副助詞
■【して】…共同の格助詞(~を伴って)
■【まだ】…まだ。いまだ
■【暁(あかつき)】…夜明け前
■【に】…時を表す格助詞
■【おはす】…「行く」の尊敬(作者⇒光源氏)
◇ 今回は「む」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「老いかがまる」 ☆
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「老いかがまりて、室の外にもまかでず」と申したれば、「いかがはせむ。いと忍びてものせむ」とのたまひて、御供にむつましき四、五人ばかりして、まだ暁におはす。
問)傍線部の理由として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.年老いて失態をおかしてしまったため。
2.年老いて腰が曲がってしまったため。
3.年老いて病気が重くなってしまったため。
4.年老いて外に出るのも億劫になったため。
5.年老いて治療する能力もなくなったため。
理由を尋ねる問題は
センター試験でも、一般入試でもよく出ます。
大学入試共通テストになる来年度以降の入試でも
よく問われる設問形式ですので
しっかり対策をしていくべきだと思います。
今回の傍線部の直前には
「―ば」(順接・原因理由)はありませんが
「―て」の単純接続部分が理由になってることは
見てすぐに分かります。
問題は、
「老いかがまりて」という言葉の意味です。
【老い屈まる(おいかがまる)】
【自動詞:ラ行四段活用】
…年をとって、腰が曲がる
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
「かがまる」という言葉のイメージは
現代でも理解できますよね!
「屈まる」という漢字のイメージで
覚えておくといいですよ。
【時期学習指導要領及び高大接続における古典のポイント】
・複眼的問題文の読み比べ
・複数の問題文の抽象化・要約
・客観的根拠・論理的視点による理解
大学入試共通テストでは
異なる時代背景の文章を読み比べたり
古文の解釈を対談形式で検討したりと
あまり細かな文法や重要古語にこだわらない出題となりそうです。
反対に、このような文脈判断を要する古文読解も
増えてきそうな予感――
【答え】…2
「老いかがまりて、室の外にもまかでず」と申したれば、「いかがはせむ。いと忍びてものせむ」とのたまひて、御供にむつましき四、五人ばかりして、まだ暁におはす。
● 過去記事リンク
■も
■まかづ
■いかが
■いと
■しのぶ
■ものす
■のたまふ
■ばかり
■おはす
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