- ホテル ルワンダ プレミアム エディション
- ¥4,230
HOTEL RWANDA
イギリス/イタリア/南アフリカ 2004年
ドン・チーゲル、ホアキン・フェニックス、ニック・ノルティ、ソフィー・オコネドー、デズモンド・デュベ、デヴィッド・オハラ、カーラ・セイモア、ファナ・モコエナ、ハキーム・ケイ=カジーム、トニー・キゴロギ、ジャン・レノ
監督・脚本:テリー・ジョージ 『ジャスティス』、『ボクサー』、『父の祈りを』
脚本:ケア・ピアソン
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ 『森のリトルギャング』
アンドレア・グエラ 『幸せのちから』
【ストーリー】
1994年、ルワンダの首都キガリ。ベルギー系の高級ホテル“ミル・コリン”の支配人ポール・ルセサバギナ(ドン・チーゲル)は、ホテルの食料品や飲み物の調達をするため、顔見知りのジョルジュ・ルタガンダ(ハキーム・ケイ=カジーム)の元を訪れていた。町は多数派のフツ族の民兵が、少数派のツチ族を退治しよう!と、不穏な空気に包まれていた。ポールはフツ族だが、妻のタティアナ(ソフィー・オコネドー)はツチ族。けれど、フツ族大統領がツチ族との和平協定を結ぶことで平和になると思っていたポールは、タティアナの姉夫婦が逃げるようにと伝えに来たが相手にしなかった。だが、大統領が何者かに暗殺され、これを機にフツ族の人々がツチ族の住民を襲撃し始めた。外国資本のホテルであるミル・コリンはフツ族の民兵たちもうかつには手を出せなかったため、命からがら逃げ延びてきた人々が続々と集まってくるのだが…。
ついに観ました
この作品は、私の住む島の小さな映画館で
リバイバル上映をするほどの作品で
私も劇場鑑賞しよう!!と思っていたけれど
タイミングが合わなくて残念だった作品
大きなスクリーンで見るには勇気がいります
きっと、あまりの衝撃にしばらく席をたてなくなったかも・・・
フツ族とツチ族という二つの種族間の争い
これがわずか12年前に起きた事件
国連軍も平和維持軍も手助けしない
アメリカ、イギリス、フランス・・・どの国も救済に来ない
たしかに国の内紛に他国が口を挟むのは
内政干渉ということになってしまうのはわかりますけど・・
アメリカから来たマスコミのジャック(ホアキン・フェニックス)が
自分達だけ帰れるというときに
ツチ族のホテルスタッフに傘をさされて
「傘なんかいらない、恥ずかしい・・・」と言ったあのセリフ
私自身、もしもあの場にいたら・・・
死の恐怖から開放される
地獄のようなこの場所から脱出できる
その喜びを感じることはできても
自分の非力を恥ずかしいと感じることができるだろうか
「どうやってフツ族とツチ族をわけたのか?」
外国人ジャーナリストから観れば
どちらの部族も見分けがつかない・・
それもそのはず、もともとは一つの国の民族なのです
ベルギーが統轄していた頃に見た目で分けられた二つの部族
それは、国を分けることで、力を二分し
互いを反目させることで、力を抑圧できるから・・
なんと恐ろしいことでしょう
彼らは自分達のルーツを正しく知ることなく
互いを憎むことを教育されて育ったのです・・
そこには善や悪の区別などありませんでした
ホテルの中にいる人々には知る由もない外の世界
たまたま食料調達に出たポールが目にした光景は
あまりにも想像を絶するもので・・・
ホテルに戻ったポールが一人従業員控え室で
声を殺して泣く姿、「誰も入ってこないでくれ・・・」
あの苦しみのどれだけを私は感じ取れているだろうか
とても恐ろしかった・・・
でも、きちんと最後まで見なくてはいけないと思いました
ポールの信じていた救済の手が離されたとき
それでも凛とした態度をとるポールと従業員
自分達のできることをしようと話すポール
電話を掛けて、相手の手をつかめと話すポール
この人がいなければ、たとえホテル内に非難できたとしても
そこにいる人々は平常心を保てなかったと思います
この作品は、人種差別の現実、教育の重要性
人々を思いやり家族を愛する心
どんなことにでも感謝する心の大切さ
いい部分も悪い部分も私たちが持っている
全てのものが詰まっているように感じます
未公開だったこの作品を公開にまで導いた人々に感謝します
不思議と先日観た『ミュンヘン』に比べて
こちらのほうが悲惨なはずなのに
観終わった後に残る気持ちは優しかったのは
あの明るいアフリカの音楽と
ポールの強さがあったからかもしれません・・
とても深い作品でした。
観てよかった・・・