皆さま、おばんです!
自分、駅巡りを楽しむ際は基本的に下調べはしないのですが、
その結果、とても悔しい想いをすることがありました。
最近では、今年の6月に訪れた
日高本線・西様似(にしさまに)駅もそんな駅でしたの。
どんな思いをしたのか…まずは話を聞いてくだされ。
自分はこの日、日高本線の駅を周るのにレンタカーを使いました。
鵡川駅-様似駅間は路盤流失により、只今運休真っ只中でしたから。
日高本線の終着・様似駅から西様似駅に向かいましたが、
辿り着くには山をひとつ超えなきゃなりません。
西様似駅は様似駅のすぐ西側にあると思いましたが、
実際には、かなり町外れな場所にあったみたいですね。
そんな西様似駅は、広い空き地に
貨車好きな身としてはこの貨車の素性が気になるところ。
車体に付く昭和29年製造の銘板と4つ窓から、
なお、独創的なイラストはお隣りの鵜苫駅 と同様、
地元の様似中学校の生徒さんが描いたものだそう。
駅待合室に絵が描けるとか、様似中の生徒さんがめっちゃ羨ましいです。
もし自分に描けるチャンスがあったら、
この待合室全体を真っ黒に塗りつぶして
白字で「ヨ3500」とか「苫」とか「自重」とか書いちゃうかも。
日高本線の不通区間は現在、代行バスが運行中ですが
構内にはバスは入らず、駅手前で折り返してしまうようです。
西様似駅がいかに奥まった場所にあるか、このことからもわかりますよね。
西様似駅は単式ホームが1本あるだけの棒線構造ですが、
このホームは見ての通り、かつては島式ホームだった模様。
その他、構内にはなぜか大量の木材が置かれていましたが、
その理由も考えず(調べず)に帰宅しちゃいましたのよ。
後の後悔はここから始まっていたとは…
さてさて、ここからが本題です。
後から知った話ですが、昭和6年から20年までの14年間、
木材を輸送するための森林鉄道・三井軌道が存在しまして、
ここ、西様似駅辺りから30キロ先の浦河町上杵臼地区まで
延びていたそうなのですよ。
日高本線が開通したのは昭和12年のことですから、
こちらは昭和23年に撮影された航空写真で、緑線が三井軌道の線路跡、赤○が西様似駅です。
三井軌道は西様似駅の東側で交差し、
その先は荷役船が発着する海岸周辺まで延びていたようです。
ちなみに三井軌道は
道内初のディーゼル機関車を保有した鉄道会社だったとかで。
三井軌道は終戦とともに役目を終えて廃止され、
その後の木材輸送は国鉄の西様似駅が担ったそうですよ。
西様似駅に置かれていた木材にはそんな経緯があったとは…
なお、廃線跡はそのまま道路に転用されたようです。
そんな、駅マニアが垂涎しそうなコアな話を知らない自分は
カモメの絵がかわいいなぁ…って
待合室を見つめてました。
この辺りが多分、三井軌道の終点だったのにね。
悔しいのう悔しいのう。
物事はすべて、事前の準備が大事であることを悟りました。
今後はこんな後悔をしないよう、
出来る限り下調べを済ませてから駅巡りを楽しみましょう。
日高本線
↑(苫小牧駅方面)
西様似駅(平成27年6月3日)