いがらし寒月、大川七瀬、猫井、もこなの4人からなる創作集団CLAMP。
その史上最大規模となる原画展“CLAMP展”が、
いよいよこの夏、国立新美術館にて開幕しました!
出展数は、驚異の約800点(前後期合わせて)!
1989年に商業誌デビューを果たした『聖伝-RG VEDA-』から、
今年4月に完結したばかりの『カードキャプターさくら クリアカード編』まで。
全23作品の原画が展示されています。
原画展というと、原画がただ並べてあるだけ、
例えば、年代順に並べてあるだけのものが多いですが。
本展は、CLAMPのユニット名にちなんで、
「LOVE」や「ADVENTURE」といった具合に、
頭文字をベースに、テーマ別に紹介されています。
また、史上最大規模のCLAMPの展覧会だけあって、
会場の隅々まで、世界観が作り込まれているのも見どころ。
CLAMPの作品世界、脳内世界に没入したような気分になれること請け合いです。
そうそう、作り込みと言えば!
個人的にもっとも感心したのが、
CLAMPの約35年の活動を記した年表のコーナーでした。
ただ、文字や資料を記載するのではなく、
実際に刊行された本を並べるというアイディアは秀逸。
このスタイルは、今後のスタンダードになりそうな予感がしました。
さてさて、もちろん『xxxHOLiC』や、
『魔法騎士レイアース』の存在は知っていましたが。
正直なところ、CLAMPの漫画を、
今日の今日まで、読んだことはありませんでした。
本展を通じて初めて、ちゃんと観たわけですが、
何よりも彼女らに驚かされたのが、その引き出しの多さ。
大人向けの漫画もあれば、少女向けの漫画もあり、
さらには、『ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE-』のように少年漫画もあり。
しかも、作品の世界観に合わせて、絵のタッチや画材まで変えているという。
そのこだわりが詰まった原画は、まさに芸術品。
漫画の原画展というレベルは軽く超えていました。
今年観るべき美術展の一つといっても過言ではありません。
これほどのクオリティの仕事を、35年間休むことなく、
それも、アシスタント無しで、4人だけで続けてきただなんて。
もし、何かしらの企画の一環で、
「史上最強の4人組は?」とアンケートを取ったとしたら、
1位に輝くのは、ビートルズかCLAMPなのではないでしょうか。
・・・とそれはさておき。
展覧会のラストでは、本展のために、
CLAMPが描き下ろしたカラーイラスト原画が展示されていました。
この作品を展示するための空間は、こんな感じでした↓
まさしく、この1点のためだけの豪華な展示空間。
フェルメールの《真珠の耳飾りの少女》や、
ブリューゲルの《バベルの塔》級の扱いです。
原画の展示史上もっとも豪華な展示といえましょう。
ちなみに。
本展のもう一つの見どころは、
やはり何と言っても、オリジナルグッズです。
展覧会場の約4分の1のスペースを使って、
ここでしか買えないオリジナルグッズが多数並べられています。
中でも個人的に気になったのが、こちらのグッズ↓
一見すると、カードキャプターさくらの夢の杖に思えますが。
なんとハンディファンになっているのだとか!
これがあれば、暑い今年の夏も乗り切れますね。
リアルに夢の杖です。