どうしてでしょう?

 最近、子育てブログの方からのペタが目立ちます。

ワタシ、子供の居ない(産んでない)一人っ子。

よって、兄弟愛も知らなきゃ、母性愛もあると思うけど、表現する対象がいない。

何か欠落してる気がします、皆知っていてワタシだけが知らないんじゃ損でしょう。

ワタシは実体験ではなく、本で兄弟愛や母性愛を学びました。

例えば、森鴎外の山椒大夫なんぞは安寿と厨子王の姉弟の愛と、引き裂かれた母を

思い探して歩く母への愛、目が見えなくなるほど、子供を思う母の愛。

この本一冊だけでも、全てがわかってしまう。

もちろん、「若草姉妹」や「次郎物語」なんかも読みました。

 でも、世なのかにはこんなにも悪い人間もいるんだ、そう山椒大夫です。人買いの

男です。子供の頃、悪い事をすると「サーカスへ売り飛ばされるよ」とか「山椒太夫が

子供をさらいにくるぞ」とか言われました。古い物語かもしれませんが、人間社会の

明暗をちゃんと書いて教えてくれてます。さすが文豪鴎外です。

 さて、ワタシはブログに、お料理のこと、読んだ本の感想、映画の感想や日々の

出来事の中で、不思議に思ったり、感じたりしたことを書いていますが、その中で、


世界中で一番大好きなおかあちゃんのことを書いている記事もけっこうあるんです。

 奇想天外な子育てをしたワタシのおかあちゃんの話です。

そんな関係でしょうか?ただ今子育て真っ最中なヤングママさんや、子育てパパさん

から、コメントをいただいたり、ペタをつけてくださったり、嬉しく思っています。

まず、ブログ以外でお話することは絶対ないジャンル(?)の方々ですから、


子育て経験のないワタシには新鮮です。おとうさんやおかあさんはこんな風に悩んで


子供を大きくしたんだな。。。。


 その中である若いおかあさんのブログにいつも心を動かされます。



彼女のプロフィールです。



   叱らない子育てをしたらどんな子になるか、実験中です。

   なので博士です。

   ちなみに出席日数ぎりぎりで卒業した高卒ですので
   
   博士号は持っていません(笑)

   読んでもらえるとやる気でます!

   よろしくお願いします。


 どうです、おしゃれな自己紹介でしょう?かっこいいでしょう?

 29歳、3歳と1歳の天使と悪魔が同居した二人の子育て日記です。

 そんな戦争みたいな中で毎月15冊の本を読破してる、自称「活字中毒患者」さん。

 これ、ワタシと同じです。

 あなたに、一冊の本を紹介させていただきます。

 世の中の、子育て真っ最中のおかあさんにとってこの本はバイブルと言っていいと

 思います。子育てしていない人も、もちろんです。

 ベストセラーになりました、映画化もされました、テレビドラマにもなりました。

 時代が違うので、全く知りません。当時の日本人なら皆読んだ本です。

 でも、知らない人の方が多い現代になりました。

 ワタシが、この本を知ったのは、あの一大ブームになった、「国家の品格」の著者

 藤原正彦氏を知ってから後です。彼の本はこぞって読まれたと思います。

 その彼のおかあさんです。夫は直木賞作家の新田次郎氏です。

 去年の夏に、「流れる星は生きている」を記事で紹介し、著者の藤原ていさんのことを

 書き、皆さんから始めて知りましたというコメントをいただきました。

 激動の戦中戦後を子供とともに生きるという強い意思と英知をもって貫いた母の

 記録です。母26歳、6歳、3歳(藤原正彦)1歳と半年の娘を連れて昭和20年

 8月9日の夜10時からこの母と3人の、想像を絶する脱出劇が始まるのです。

 子供を死なさずに、4人で一緒に日本へ帰るという恐ろしいまでの母性は38度線を

 も越えとうとう日本の地を踏むことになりますが、まさにそれは母性が産んだ奇跡です。

 長編ですが、息をする暇もないほどのスリルと、驚愕とそして、パニックに陥った時の

 人間の心の恐ろしさ、醜さも隠さずに書いています。

  この本を紹介して、「アンチ金子みすゞ」という記事も書きました。

 あの3・11以来、彼女の名前を知らない日本人はいないはずです。そして彼女が大好き

 になった人も大勢いらっしゃるでしょう。

 小さな命をいとおしむ一連の詩は、ワタシ達に見えないモノが見える詩人独特の目を

 持った、すばらしい女性であることは間違いありません。

 映画になったり、ドラマになったりもっともっと彼女の魅力を知る機会が増えました。

 でも、わからないんです。金子みすゞというおかあさんが。

 「可愛いお顔をしているね」

 自殺する前の晩に、眠ったわが子にむかってつぶやいた言葉。

 子供を持たなかったワタシが言うことではないかもしれません。

 わからない。わからない。どんなにこの世が地獄でも、子供を置いて死ぬなんて。

 いろんなおかあかさんがいるんだ、おかあさんを選らんで生まれてくることが出来ない

 子供たち。だけど、深い縁で結ばれている母と子供。

 そのどっちかが、どんな事情があったって、勝手に縁を切ってはいけない。

 心からそう思える大切な母と子供の本「流れる星は生きている」

 ぜひ、敗戦国日本に生まれたワタシ達が読まねばならない1冊だと強く思います。

 終戦記念日のある国、日本。

 あれからの日本は平和になったのでしょうか?

 皆が幸せになったのでしょうか?

 母と子が、安心して暮らせる国になったでしょうか?

 もう一冊、井伏鱒二の「黒い雨」

 毎年、夏に読むことにしています。

 でわ、今夜はこの辺で。