デパートでも簡易包装・・・お印にテープだけ。のちょっと味気ない買い物になりました。


ワタシがお勤めしているころは、どんな形の箱であれ、お品であれ、デパートオリジナルの包装紙で


お包みしたものです。お客様の前で、あっと言う間に包装、おリボンなどをしつらえるととても喜ば


れたものです。包装紙と言えば、お使いに行った時に、ちょっとしたお菓子やら、何かを包んでくれ


たり、食器棚の引き出しに敷いたり、天ぷらの敷き紙にしたりして案外使い道があったものです。


 今では、デパートの包装紙を取っておかなくても、ありとあらゆる柄の包装紙が安く売ってます。


映画の中で、キュートな女の子が、彼にもらったプレゼントの包装紙を目の前でバリバリ破いて


中身を取り出してる様子はちょっと「いやだぁ、もったいないぃー」


日本人のもったいない精神は、お台所や納戸の中が膨れ上がるんですが、これも一昔前の話です。


一昔、精神は二昔前かもしれません、ワタシ。


包装紙はもちろんのこと、どんな小さな紙切れでも、好きな色や柄があるととっておきます。


クッキーの缶や、箱の中はそんな紙切れでいっぱいです。布着れもそうです。


 さて、移り気なワタシの何度か目の職場であるMデパートの包装紙は、あの猪熊源一郎の


デザインです。


おうどんで有名な丸亀市に猪熊源一郎美術館があります。3年前にツレと二人、おうどん経由


美術館行きの小さな旅をしました。ワタシたちはたいてい、美術館へ行く時には、とにかく


先に、名物、それから美術館です。この間の宍道湖のほとりの島根県立美術館の時のあの美しい


鰻重もしかり、美術と名物とはセットになっています。


ワタシにとって、美味しいものがノドを通る時の、至福の喜びと、美術を見た時の目から心へ通る


あの感動が全く同じなんです。だから、不味いものを食べた時と不細工な美術を見た時のあの


どんよりした、飲込めない感覚も一緒なんです。


 1950年代から、Mデパートの「華ひらく」と題された包装紙とショッパーの色、柄は今も変り


ません。ちょうどその時代でしょう1952年、黒澤明監督の「生きる」という映画が作られたの


は。その時のポスターの画が猪熊源一郎なんです。

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 なぜか、日活のポルノ映画のとなりに貼ってますが、ツレが両方好きなもんで。


両方とも名作だといってききません。


 余命3ヶ月と宣告された、平凡に生きる、市民課の課長役に当時初の主役を演じた志村喬と


その3ヶ月の命を、本当の意味で「生きる」ことができた、きっかけをつくった一少女の役を


チャコちゃんのお母さんの小田切みきが演じています。ブランコに二人がのっているシーンです。


映画本編では二人でブランコにのるシーンはありませんが、このポスター、画も達者な黒澤が


あえて画家、猪熊に依頼したのも始めて、猪熊も映画のポスターは最初で最後の仕事です。


時代の先を歩んでいた、若き監督と画家の一度だけのコラボレーションです。


 精力的に芸術人生を生き抜いた猪熊は90歳、8歳年下の黒澤は88歳で亡くなっています。


何かをなしとげることが、生きる意味とは思っていません、何もしなくても、生きることこそ


一人、一人に意味がある。つまらない人生などひとつもないとワタシは考えます。


しかるに、二人の人生の、ワタシたちに与えた影響の大きさは、偉大なものといえます。


ともに明治、大正、昭和、平成を繊細かつ大胆に花道を生きた二人といえましょう。




  おまけ:



映画「生きる」についての感想文は、映画ファンが泣きそうな文章を沢山書かれているので、


ワタシのような、エセ映画ファンがあれやこれやと、知ったぶりで書くのは恥に恥を重ねるような


ものなので書きませんが、この映画と「天国と地獄」を見て、黒澤明がちょっとわかったような


気がしました。「羅生門」は国語の教科書で原作を知っていたので、「ふーん」と言う感じでした。


京マチコのこの世のものとは思えないほどの妖艶さと三船敏郎のはぁはぁばっかりの演技しか記憶に


ありません。森雅之はこの役以外は全部好きです。やっぱり映画をわかってないなぁ、ワタシ。



  おまけ2:ここからは個人的なメッセージになります。


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 がたちゃん、えろたん、真ん中の子がな、野良猫やって、病気になって家猫になったチャコや


茶太郎、または茶吉と呼んでたあのがたちゃんとこのマーマ丼と同じ種の猫。


今日も病院へ連れていったんよ、だっこしても、痩せてしもてな、「長生き音頭」作詞作曲ベー子


の歌をずっと聞かせてんねんよ。


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寝床はこの「粒より小餅」が好きみたい。