彫刻家 渡辺尋志さん(再放送)第4回 ~作品は触ってもらえることが一番です~
みなさま こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家の渡辺 尋志さんです。
渡辺さんは作家インタビュー41番目にご登場頂きました。
2013年2月28日の記事 を再放送させて頂きます。
前回の彫刻家 田村茂直さんからのリレーでご登場頂きます。
彫刻家 田村茂直さん 第1回目 、第2回目 、3回目 、4回目 、第5回
渡辺 尋志さん
第1回目 ~ 命の原点の体験談
第2回目 ~素材との出会いについて
第3回
~自分の作っているものに楽しみを感じて作る
第4回
~作品は触ってもらえることが一番です~
第4回目の今日は前回社会との接点との続きで、
ご自身の作品をどんな風に味わって欲しいか、
今後の発表予定、リレー作家の紹介をして頂きました。
また、最後に渡辺 尋志さんにとってのアートとは?という問いに
お答え下さっています。
お楽しみ頂ければ幸いです。
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水の音(カジカガエル)
星空(フクロウ)
日下
さて前回の続きですが、
そのご自分の作品を認めて下さる方がいるというとろで
命をテーマにした。小さな動物の作品などがたくさんおありですよね。
で、そういう小さな個々の作品をちゃんと求めて下さる方に対して、
こんな風に伝わったらいいなぁ、と思われることはありますか。
渡辺 尋志さん
一番は「触ってください」っていつも言っています。
僕は福島のいわきでずっと個展をやって来ました。
で震災で画廊の建物が斜めになってしまい、
やっと今、修復が終わったみたいで。
多分来年あたりはまた個展やると思うんですけど。
そこに置いてある私の作品が1個あるんです。
たぬきなんですけど。
例えば、そのたぬきは本当にみんなが触っていくので
顔がツルッツルなんですよ。
日下
えぇ~、そうですか~!(感嘆)
渡辺 尋志さん
勿論磨いてはツルツルにはなっていたんですけど。
それ以上に、つるつるになって、こいつ本当に生きてるんじゃないの?
というような、なんか脂っぽい感じになっているんです(笑)
日下
(笑)それは、とても光栄なことですよね。
渡辺 尋志さん
そうですね。手の脂で
なんかね顔がギトギトの黒っぽいんですよ。
そのぐらい本当に黒くなっていくと本当に嬉しいですね。
日下
うーん、そうですね~。(共感)
渡辺 尋志さん
美ヶ原に置いてある作品は牛を3頭作っているんですけど
等身大の牛なんですよ。
日下
そうですか~。
私、多分その作品は拝見していると思います。
牛3頭、かなり大きいのがありますよね。
渡辺 尋志さん
あっ、そうですか、
牛が3頭、寝そべっている作品なんですけれど、
それは、子供たちが、登ってもいいように、
「柵は作らないで下さい。触っていいようにしておいてくださいよ。」
と、美術館には言ってあるんです。
それも触われることが一番だと思っています。
台座に乗ってどんと上から見下ろしてくるみたいな彫刻
伊達政宗みたいな彫刻は好きじゃないので。
まあ確かにそれは記念碑だから
しょうがないと言えばしょうが無いんですが
なんか僕たちのイメージとして
子どものころから彫刻というのは上にあって
下から眺めるものというイメージがすごくあったので
そこがあまり好きじゃなかったところはありますけどね。
それで若かりし頃、そういう考えで作って、
未だにその考えはあまり変わっていないですけど
個展の会場にいらした方にも、
「どうぞ触ってください」って言って、
みなさんに感想を聴いています。
美術館でも、美術館の職員の方を見ていると
「触っちゃ困ります。」と言われるんですけど、
私が横にいて、「私、作家ですけどどうぞ」って言って
美術館でも触って頂いて、といういことをよくやっています。
日下
ああ、そうですか~。(感心)
どんな所でも触って見てもらう
ということを大切にしていらっしゃるんですね。
渡辺 尋志さん
そうですね。
鉄はちょっとギザギザとかあったり、とがりがあったり
問題があると思いますけど、
木とか石とかだと、やはり触った時に素材感がとても伝わるので、
見た目より触った時の方が、「ああ、こんな感じなの」って
伝わると思うんですよね。
だから触って欲しいなってそこで思いますね。
なんかみなさん、石とかはすごく遠い所にあると
思っていらっしゃるようなので。
日下
ええ、確かにそういうところはあるようですね。
渡辺 尋志さん
大理石とかっていうと
すっごく高価なものって思ってしまわれるんですけど、
値段はそんなに他の黒い石とも変わらないし。
「触って汚れたら、洗えば落ちますから。」
ってお伝えしています。
みなさん、知らないので。
触っていいですよって言って触ってもらった方が本当に
直に分かってもらえるとは思っています。
日下
なるほど~。ありがとうございます。
2なかよし(フクロウ)
日下
今後の発表の予定はおありでしょうか。
渡辺 尋志さん
近く3月に愛媛で5人展があります。
ここ2年ほど毎年夏に銀座で5人展をやっているんですけど
その時にやる5人のうちの一人が愛媛で、
画廊さんがあるからやらないかという話しで開催します。
五人のうち一人が77歳で、その方が予備校の先生で、
あとはその先生に教わった4人なんです。
日下
はあ~、みなさん彫刻家さんでいらっしゃるんでしょうか。
渡辺 尋志さん
はい、全員彫刻家です。
その先生には、予備校の時はデッサンしか教わっていないですが
たまたま石を彫ってのいる先生で、
で、残り四人のうち男三人はたまたま同級生で石を彫っているんです。
で残り一人は女性は一学年後輩でブロンズの作品なんですけど。
それから毎年9月に六本木の国立新美術館で新制作展
を開催しています。
日下
はい、ありがとうございます。
さてリレーして下さる作家さんをご紹介くださいますか。
渡辺 尋志さん
岩手県出身の彫刻家で加藤裕之さんです。
新制作彫刻部会員です。
日下
ありがとうございます。
では最期に渡辺 尋志さんにとってのアートとは、なんでしょうか。
渡辺 尋志さん
やっぱり自分の一番楽しいこと、楽しいこと明るくなれることです
人はどうでも自分が明るくなれるものです。(笑)
日下
(笑)それは良いですね。
渡辺 尋志さん
悩みがあっても、石を彫りに行けば、悩みのことが全然頭に残らない
作っている時には全部彫刻になっちゃうので。
日下
そうかもしれませんね。
自分がワクワク出来るものだと、
きっと人にも魅力的に伝わりますよね。
今回は、素晴らしいお話をお聴かせくださいまして
ありがとうございました。
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今回、渡辺 尋志さんとは田村茂直さんからのリレーで
初めてお話をさせて頂きました。
渡辺 尋志さんと前回の田村茂直さんはオンロードのバイク仲間で
学生時代、先輩後輩の親友でいらっしゃるのだそうです。
長野県の美ヶ原高原美術館にある、渡辺 尋志さん作の
大きい牛3頭の作品は、私もたまたま拝見していたことがありご縁を感じました。
私は渡辺 尋志さんの「命の莢」シリーズの作品に、とても共感するものを感じました。
今回その背景にある、渡辺 尋志さんの生命観をお伺いして、
命を特別視しない、普通のこととして受け容れていらっしゃるところにとても新鮮さを感じました。
また、社会との接点についても、野心的に何かを問うというのではなく、
生命感あふれる、いきいきとした作品を制作なさり、
実際に手で触れて楽しんで頂くことを大切にされる姿勢が
とても明快でいらしゃると感じました。
自分自身が自分の制作をちゃんと楽しむことを太い軸にされていて
何か姿勢にブレないものをお持ちでいらして、
そこが素晴らしいと感じました。
みなさまも、ぜひ、渡辺 尋志さんの作品をご覧になって見てはいかがでしょうか?
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◆渡辺 尋志さんのホームページ
◆渡辺 尋志さんが会員になられている新制作展のWEBページ
会場 :いよせきストーンギャラリー
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学び場美術館登場作家リスト
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学び場美術館 登場作家リストⅢー2014
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アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館
日下育子セルフインタビュー(再放送) 第5回 ~対話を大切にした制作をしています~
みな様、こんにちは彫刻工房くさか
みなさま こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今回、学び場美術館 54人目の作家として
彫刻家 日下育子の掲載をさせていただくこととなりました。
今回は、このブログを担当している本人について、彫刻作家・
2014年6月19日の記事を展覧会情報を最新に差し替えて再放送させて頂きます。
読者の皆様に、お楽しみいただけましたら幸いです。
日下 育子 (Photo by 喜久里 周)
前回はガラス工芸作家の大槻洋介さんにご登場頂きました。
彫刻家 日下育子
第1回 ~大学で路線変更がありました~
第2回 ~「君は何者なんだ?」が本当の出発点になりました~
第3回 ~彫刻で生命感を追い求めています~
第4回 ~新しい作品で変化がありました~
第5回
~対話を大切にした制作をしています~
第5回目の今日は、社会との接点についての考えを掲載させて頂きます。
お楽しみ頂けましたら幸いです。
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「コアへ向かうためのすきま」
H187×W220×D100cm 沼宮内石
1998 岩手町総合運動公園に設置
仙台市立台原中学校
新校舎落成 創立周年記念モニュメント
H305×W80×D65cm インド産 黒御影石
2003
東北大学病院「救命救急と医療安全の碑」
H330×W260×D130cmの彫刻他7点の石碑群
青葉御影
2004
「 未来への種子 」
H325×W85×D65(cm)
インド産黒御影石、青葉御影石
万世福祉の里「松風園」に設置(山形県米沢市)
2004
「 航―ワタル― 」
H60×W60×D30cm
黒御影石、伊達冠石
杜のホテル仙台 エントランスに設置
2006
種子’02-Ⅱ
伊達冠石 白御影石
東北生活文化大学に設置
彫刻工房くさか
彫刻家の方々には空間の関わり方を問いかけてきました。
つまり、展覧会で展示発表するという場合の展示空間での作品の提示の仕方も
ありますが、現実の生活空間や公共空間に関わる設置の意味合いもあります。
ご自身ではいかがでしょうか。
⇒⇒⇒
私は、これまでに病院、学校、福祉施設など、半ば公共的といえる場所に
モニュメントを設置させて頂く機会がありました。
個人邸の場合もそうですが、私自身は可能な限り、そのような現実の生活空間
で見て頂くことが出来る作品の制作をしていきたいという希望があります。
それは、彫刻の作品発表を始めた当初からの私の信条なのですが、
対話を大切にした制作をしたいということがあるからです。
これは、制作する自分自身との対話、素材との対話
鑑賞者と作品との対話、作品をみた鑑賞者がご自身の内奥とする対話、
そういう対話のある制作ということです。
彫刻作品を現実の空間に設置して、常に観られる状態で特に
鑑賞者と作品との対話、鑑賞者のご自身との対話が出来る状態であったらと思います。
彫刻によって、現実の空間、記憶のような観て下さる方の内奥の空間をつなげるが
ある意味でモニュメントや彫刻の役割ではないかと考えているからです。
彫刻工房くさか
そうですか。
⇒⇒⇒
特に、多くの方が利用する空間では
一つの『かたち』をそこに関わるたくさんの方々がご覧になることで、
その組織への所属意識(誇りの気持ち)を高めるようなはたらきかけがうまれます。
その組織の伝えたいこと、理念などを誰にでも観て感じられるかたちにできる
ということが視覚芸術である彫刻の良いところだと思っています。
私たちの社会の中でも、有形文化財、無形文化財など
いろいろな文化を宝として持っています。
無形という人間自身が継承していくものもがありますが、
個人的には、素晴らしい精神というのは、かたちに託すことによって
より後世まで遺し伝えられるようになると想っています。
例えば、いわゆる日本の魅力を何で感じるかと言うとき、
分かりやすい例で言えば、寺社仏閣の建築や庭園などを見た時に
その時代の思想や気風など、創られたものを通して精神が分かります。
そんな風に私自身も微力ではありますが、かたちで表現することで
望まれる所で空間に関わって行く機会がありましたら嬉しいと思っています。
彫刻工房くさか
そうですか。
ところで、制作と生業という点では、どのように活動してこられたのでしょうか?
制作だけで生活するのは大変だとよく言われますが。
⇒⇒⇒
私自身は大学を卒業してたころから専業の作家を目指してきました。
実際に収入の発生した最初の仕事は20代後半での彫刻シンポジウムでした。
ですが彫刻シンポジウムというのは大抵、夏の約50日程度です。
またモニュメント等の大きな設置の機会は30代前半にあり
他にも個人邸などの仕事もありました。
ただ、常にそういう仕事がなかなか継続しては得られず、
別の仕事でつないできた時期もありました。
個人的には近頃は、結婚、出産があり、育児は今も継続中ですが
今感じるのは
常に、求められたときに動けるような準備ができていることが大事だと想います。
結果的には自分もそれが出来ていたので、制作再開出来たのだと想います
準備というのは、肉体的な健康は勿論、精神的な健康というか、
どのような姿勢で制作していくのかという心持ちがまず大事だと思うようになりました。
後は、アトリエ空間を維持して道具もちゃんと揃えてあるとか
子供を預かってくれる環境と制作時間の確保ですが。
今は、制作に集中している毎日ですが、
これからも、本業の彫刻に専念出来る状態が、生きている限り、
出来るだけ長く続くことを願っていますし、
そうなるように私自身も頑張りたいと想っています。
彫刻工房くさか
今後の発表予定などはありますか。
⇒⇒⇒
秋、9月下旬に仙台メディアテークで
宮城県芸術祭の彫刻部に出品する予定です。
(※2014年掲載当時、現在は終了しています。
2015年11月20より最新の展覧会 東北生活文化大学設立50周年記念展がございます。
詳しくは編集後記以下をご覧くださいませ。 )
彫刻工房くさか
次回のリレー作家紹介を紹介してください。
⇒⇒⇒
彫刻家の片桐 宏典さんとケイト・トムソンさんです。
お二人はご夫妻で彫刻家でいらっしゃいます。
先日展覧会で紹介した 「POSTCARDS TO JAPAN」巡回展
の主催者でもあります。
お二人には私が20代前半の時にお会いしました。
今現在は日本とイギリスを行き来しての活動をされています。
プロフェッショナルに精力的な活動をされていて、たくさんの実績から
とっても有意義なお話をお聴かせ頂けると思います。
彫刻工房くさか
「あなたにとってアートとは?」なんでしょうか。
⇒⇒⇒
私の場合は作り手としてのアートと受け手としてのアートの意味合いが違います。
作り手としては、アート(彫刻)は自分が生きていて、他者のために
本当に喜んで下さる方のために貢献出来る特別に大切な手立てです。
今のところ、他のことで人様に貢献出来る手立てはあまり無いように思います。
受け手としてのアートは、作品(時にはそれを作った芸術家の人生も含めて)
人生の深さ、重さ、時には軽味も含めて、教えてくれて
それによって私を豊かにしてくれるものだと想います。
そういう優れた力のあるアートにこれから出会って行きたいです。
自分が知っていること、自分が分かると感じられること以外にも
様々な視点や常識、感性、文化があるということを教えてくれるのが
アートの魅力だと想います。
彫刻工房くさか
そうですか。
ありがとうございました。
『杜の夢 Ⅰ』
H29.8×W19×D4.7cm
台湾蛇紋石、大理石、糸
杜のホテル仙台 客室808号室への設置
2006
今回は、まさかの本人登場となっておりまして、恐れ入ります。
これまで私は美術を通して育てて頂いたので、
何か美術の分野に自分でもできる恩返しがあれば、という想いもあり
出産後の里帰り中、2011年7月に
この学び場美術館の作家インタビュー掲載を始めました。
これまでに、登場して下さった作家さんにも
それぞれの今に至る貴重なプロセスがあり、それをお話して下さっています。
インタビューでは、素材や造形表現のことをお伺いしていますが、
それに向き合う作家さん達の真摯な姿勢は、もしかしたら美術分野以外の方々に
とっても生き方として参考になるところがあるかもしれません。
また美大生の方々や美術への進路をお考えの若い世代の方々にも
有益な情報になればと想っております。
いつものブログでは、なかなか自分の作家としてのヒストリーに触れる内容は
書けておりませんでしたので、読者の皆様にも、登場作家の皆様にも
これを機にありのままの私を知って頂けたら嬉しく存じます。
本日もここまでお読みくださいましてありがとうございました。
*************************
◆ 日下育子が出品する展覧会(最新)
2015年11月20日(金)~25日(水)
10:00~19;00 (最終日~16;00)
会場 せんだいメディアテーク5Fギャラリーabc, 入場無料
会期中のイベント開催 11月22日(日)
①10:30~11:30 第3回TBSアートコンペティション表彰式
②13:00~15:00 ギャラリートーク
③16:00~16:30 パフォーマンス 「こしかたゆくすえ」
卒業生でバレエダンサーの千葉里佳氏のパフォーマンス
私は、2009年と2010年に制作した「高く 遠く」のシリーズ2点を出品いたします。
また11月22日(日)13:00~のギャラリートーク(制作者が制作の意図や技法等について
解説)に参加予定です。
※ホームページに 『彫刻を設置する』ことのメリットを書いております。
http://www.k-195.com/Merit.html
私の誕生日が11月14日なのにちなんで名づけました。
今現在は休刊中ですが バックナンバーはお読み頂けます。
2011.11.14 第1号 ~ 2012.4.14 第18号
藤田観龍 著(写真) 本の泉社
この写真集、118ページに私の作品写真が掲載されております。
( 次回登場の片桐 宏典さん、ケイト トムソンさんの作品も掲載されています。)
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1970年 仙台市出身
1989年 宮城県第一女子高等学校卒業
1993年 東北生活文化大学 家政学部 生活美術学科卒業
1993~’96年 東北生活文化大学 家政学部 生活美術学科に副手として勤務
≪受賞歴・入選等≫
1995年 河北美術展 (’97、‘02 河北賞、 他入賞6回、毎年出品、現在招待出品)
1999年 富士火災アートスペース (関西空港)
第29回 日彫展 入選 (東京都美術館)
国民文化祭・ぎふ99 佳作賞 (岐阜県美術館)
2002年 アートタウン三好 彫刻フェスタ2002 マケット優秀 (愛知県)
2008年 第45回 宮城県芸術祭 彫刻展 河北新報社賞
2009年 第46回 宮城県芸術祭 彫刻展 宮城県知事賞
2015年 第52回 宮城県芸術祭 彫刻展 宮城県知事賞
≪展覧会・グループ展≫
1996年 白石野外彫刻展(’99、’02出品)
1998年 みやぎ秀作美術展(’99、’00出品、リアスアーク美術館、他県内巡回)
2001年 みちのくアートフェスティバル(国営みちのく湖畔公園)
2004年 日下育子彫刻展(仙台市博物館ギャラリー)
2005年 個展 (大和町 まほろばホール)
2007年 CAF.N展 (仙台メディアテーク)
日韓現代美術交流展 (宮城県美術館 県民ギャラリー)
個展 (大和町 まほろばホール)
2008年 第45回 宮城県芸術祭 彫刻展 (’09、’12 ’13せんだいメディアテーク)
2009年 河北美術展 招待出品('10 ’14 出品)
2010年 彫刻小品展ー南東北の15人の作家たちー(しまぬき本店ギャラリー・仙台市)
2012年 「~アートでつながる・宮城とつながる~希望の地より芸術家のメッセージ展」
(沼信ストリートギャラリー Gallery+Cafe エビスヤ 静岡県沼津市)
2012年 ~りらく大人の文化祭~ F NALE(エフナーレ)みんなのアート展
(藤崎百貨店・仙台市)
2014年 湧きでるいのち 人間のための芸術の復興 Vol.3 3年目の春 ”We make up mind!" (新宿プロムナードギャラリー 東京都)
他、多数出品
≪シンポジウム等≫
1996年 アーチストキャンプ・イン・カサマ(茨城県) 笠間市石材団地に作品設置
1998年 第25回岩手町国際彫刻シンポジウム(岩手県) 岩手町総合運動公園に作品設置
2000年 ザ・サマー・スカルプター・ミーティング2000(チェコ共和国) チェコ・テルチに作品設置
≪作品設置≫
2003年 仙台市立台原中学校
2004年 東北大学病院
2006年 万世福祉の里 松風園 (山形県米沢市)
2006年 杜のホテル仙台
2007年 東北生活文化大学
2015年 プラウドシティ仙川
他、個人邸に作品設置
2007~ 内閣府認定/特定非営利活動法人 日本臨床美術協会 資格認定・臨床美術士(3級)
2008~ (社)宮城県芸術協会会員
2009~ 河北美術展 招待作家
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海外でも人気の緑茶
皆様、こんにちは
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です。
先日、あるコンサルタントの方のご縁で
海外のお客様に接茶&販売の機会を頂きました。
リトアニアからの生産性向上のための現場視察の皆様の
昼食に合わてお茶の接待です。
事前に、海外の方は玄米茶がお好みと聞いておりましたので
お食事に合わせてホットな抹茶入り玄米茶 を召し上がって頂きました。
鮮やかな真っ青な水色と
玄米の香ばしい香り
さっぱりとした程好いコクに
皆さん、喜んでくださりお代わりしてくれましたよ~
お抹茶は、海外でも本当に人気が高いですね~
それに加えて、煎った玄米の香ばしい香りが
とても好評でした。
併せて、苦味が無く甘味が出る
水出し煎茶も楽しんで頂きましたが
玄米茶の人気が高かったかな
お土産に沢山購入して下さいました
欧米の水は、日本と違い多くが硬水なので
本来の緑茶の風味を引き出すのが難しいのです。
だから、繊細な味わいの煎茶より
インパクトの強いお茶の方がマッチするのかな
ほうじ茶のティバッグも用意していましたが
こちらもお土産に売れました。
海外の食事は、ソースやスパイスなど
味がしっかりしているので、これらがウケるんだと思います。
近年は、日本の食事も味付けが濃くなり
インパクトの強い飲み物を求める傾向でしょうか。
素材の味を楽しむ
古来からの日本食は、健康にも良いんですけどね
濃い味ばかりに慣れると、繊細な風味が分からなくなってしまうのも心配です。
当然、塩分・糖分も過剰摂取になるので
健康的とは言えませんよね。
あなたも折角自然に恵まれた日本に生れたのだから
日本の良さをトコトン味わって
海外に自慢しちゃってはいかがでしょうか(笑)
海外の皆さんに日本の食文化に感心を持って頂いて
本当に嬉しい一日でした
ご縁を結んでくださった(株)STI の井村社長 様
心から感謝申し上げますm(__)m
これからも日本の食文化が
世界に広まればいいな~
ご縁に心から感謝です。
鉄彫刻 前野悦子さん (再放送)
みなさん、おはようございます。
毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の
「彫刻工房くさか」日下育子です。
本日は素敵な作家をご紹介いたします。
鉄を素材に、溶接で彫刻を作る前野悦子さんです。
前野さんの作品について、インタビュ―をさせていただきました。
前野悦子さんは、みんなの学び場美術館 作家インタビューの最初の作家様です。
2011年7月7日
のインタビュー に 現在開催中の個展情報を加えて
再放送でお送りします。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*
『 Gate Of Life 』シリーズ
『鉄は火によって形成し、私達の体内に流れ、朽ちてのち砂に還る。二度
と同じ姿を見せず、刻一刻と変わっていく鉄の作品を楽しんで頂けたらと
思う。』
これは、前野さん自身の、鉄に対する思い入れを表した言葉です。
何故、鉄で作品を作るかについて、前野さんにうかがいました。
くさか
鉄を素材に作品制作することの思いを聴かせてください。
前野さん
鉄は手入れをしないと錆びてきます。
ミャンマーの砂絵、枯山水の白砂紋などもそうですが、
仮にそれが人々から素晴らしいものとして選ばれず、
放っておかれたら朽ちてしまいます。
そういう鉄の在り様が、制作者として、気持ちの上でとても楽なのです。
石やブロンズのように、いつまでも残ってしまう感じが私にとっては、とても重いのです。
鉄の溶接で制作を始めた頃は、素材の重量を感じることなく、
発想通りにピタッと溶接できることが楽しかったです。
今、私は作品をお客様にお売りするときに、
鉄の手入れ方法を丁寧に説明してからお渡しします。
鉄は手入れをしないと錆びてしまい、作品の維持が大変なのです。
それなのに何故、お客様は作品を買って下さるのかを私はよく考えるのです。
そこで思うのは、私の鉄の作品は、人に選ばれ、
時代に選ばれたときに作品が残るということです。
逆に選ばれない作品は、錆びて朽ちて残らないのです。
そのことが、私にとっては、気持ちの上で安心感につながっているのです。
くさか
前野さんは、どんなものに美しさを感じますか。
前野さん
私は絵画等の制作を始めた高校生の頃から、
美しいと感じるものを突き詰めていくと、純粋で、弱弱しい、
はかなさのあるものに惹かれるのだと、わかりました。
また、枯山水のようなわび、さびのあるものにも惹かれます。
私は自分の時間の移ろいの感じ方など、本当に日本人だなぁと感じています。
そういった時間の移ろいの感じ方や、はかなさを表す言葉に「あえか」と
言う言葉がありますが、それが私のテーマといえます。
それは例えば、今の季節で言えばあじさいの花にも感じます。
あじさいは一本の木に、今咲き誇っている花と、これから咲く花と、
もはや枯れているものとがつながっています。
さきほどの鉄の作品が錆びて変化するということで言えば、お売りする私からみると、
お客様にその作品が手入れをして頂けても、頂けなくても、
この作品は10年後どうなっているのだろうか・・・、ということが楽しみなのです。
お客様の中には、錆びた姿がいいからと、
敢えて塩をかけて野ざらしにするという手入れをされる方もいたくらいです。
鉄のそういう変化に私は、時間を感じて好きなのです。
くさか
前野さんの作品には、私は以前から『祈り』をテーマにしているのかなと
感じてきました。今はどんな作品を制作しているのでしょうか?」
前野さん
以前私は、ベストセラーになった「鈍感力」という本を読み、
自分でそれを身につけようと思ったことがありましたが、上手くいきませんでした。
そんなことから、今は『 THE FEELER 』(触角)というシリーズで制作をしています。
これは鈍感な人にも、敏感な人にも優劣はないはずという思いから着想したものです。
人間の感性の触角に、かたちがあるとしたら、どんなかたちなのだろうという発想です。
感性というものは、例えば、人間の日本人、欧米人、血液型、十二星など、
枠組でははかれないものです。
そして、人間には優劣などない!ということを表現したいと考えています。
この他に、もう一つ並行して『 Gate Of Life 』(人生の門)というシリ
ーズも制作し続けています。
産まれてくる前、魂はとても会いたい人がいて、
したいことがあってこの世に生まれてくると思うのです。
この世に生まれて、現人生でその記憶がなかったとしてもです。
その生まれてくる前に、魂がいろんなものを誓って生まれてくるということを
顔のない人のかたちなどの作品群で表現しています。
このシリーズは展覧会で発表するたびに、群像の内容が増えたり、
展示のアレンジが変わったりし続けていて未完成なのです。
くさか
前野さんは、鉄という素材の変化を認め受け入れているだけでなく、
ご自身の制作プロセスの中にも変化や移ろいを認めているのですね。
前野さん
はい、そうなんです。制作に時間がかかるのは仕方のないことだと思っています。
自分が生きている間に完成させればいいと思っていますし、
自分でも完成したところを見て死ねたらいいと思っています。
努力は大事ですが、それでもどうしようもないこともあります。
私は、努力に対して結果が出ないときはそれはそれでいいと考えています。
くさか
前野さんの作品は、どんなところで見ることができますか?
前野さん
はい。今年3月20日(※)にオープンした伊豆高原にある
感・無・料ミュージアム⇒ http://ameblo.jp/kanmuryo-museum/
に6点ほど常設されています。
(※2011年当時~)
この他7/4~7/13(※)まで銀座のギャラリー、ユニグラバス銀座で掌展
(たなごころ展)という彫刻小作品の展覧会に参加しています。
⇒http://www.uniglavas.com/
ご覧頂けましたら、とても嬉しいです。
(※2011年当時で、現在は開催されていません。)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前野さんご自身と作品について、とても素晴らしいお話を聴かせて頂きました。
鉄の素材と時間、作品が展示の都度に変化していくこと、
また作品完成をご自身の人生のロングスパンでとらえているということ、
それら様々な変化の要素を受け入れながら制作していらっしゃる前野さんに、
私は弱さではなくむしろ強さを感じました。
皆さんも、前野さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆ 前野悦子さん 個展 ~鉄の羽~
会期 2015年11月9日(月)~11月14(土) (現在開催中です。)
11:00~18:00(最終日17:00/日曜休廊)
会場 gallery UG
〒101-0031 東京都千代田区東神田1-14-11
TEL 03-5823-7655
FAX 03-5823-7656
◆ 前野悦子さんのホームページはコチラ
⇒http://emaeno.blog.shinobi.jp/
前野さんの作品が見られる
◆ 感・無・料ミュージアムについてはコチラ
⇒ http://ameblo.jp/kanmuryo-museum/
静岡県伊東市大室高原1ー129(旧アフリカンアートギャラリー)
Tel/Fax 0557-51-5757
開館日 金、土、日、月曜日及び祝日(2月は休館)
入館料 無料
前野悦子さんを含む21名の様々なジャンルの作家作品が見られます。
前野さんの6点の作品は販売可能だそうです。
◆ 前野悦子さん 個展 ~鉄の羽~
会期 2015年11月9日(月)~11月14(土) (現在開催中です。)
11:00~18:00(最終日17:00/日曜休廊)
会場 gallery UG
〒101-0031 東京都千代田区東神田1-14-11
TEL 03-5823-7655
FAX 03-5823-7656
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彫刻家 笠原 鉄明さん 第2回 ~自分の原風景からテーマを探る~(再放送)
みなさま こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家の笠原 鉄明さんです。
笠原 鉄明さん(ポートレイト)
前回登場の渡辺 忍さんからのリレーでご登場頂きます。
彫刻家 渡辺 忍さん 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回
彫刻家 笠原 鉄明さん
第1回 ~ 共鳴できるものを探ってみたい~
第2回
~ 自分の原風景からテーマを探る~
第3回 ~ 作品制作の想い、人と人の狭間について ~作品「蒼い月」~
第4回
~素材と制作の思い 作品「記憶のはざまに」~
第5回
~素材と制作の想い 木の扱い方について~
第6回
~制作の思い 作品「黄金伝説」「蒼い筐」~
第7回 ~生きている感触の中で~
第2回の今日は、笠原 鉄明さんがどんな風にご自身の制作テーマにたどりついたのかと、
そうしたテーマでの最初の作品「伝説の森」についてお話をお聴かせ頂きました。
笠原鉄明さんは、みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて48番目の作家様です。
2013年10月8日のインタビュー
を展覧会情報を最新版に変えてお送りします。
どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。
************************
時を超えて
H160cm×W220cm×D75cm
樟(クス)・アクリル彩色・金箔
2007年
晴れた日
H160cm×W215cm×D130cm
樟(クス)・アクリル彩色
1994年
再会
H178cm×W330cm×D330cm
樟(クス)・欅(ケヤキ)・鉄・石 ・アクリル彩色・金箔
1997年
記憶のはざまに
H180cm(5体)
樟(クス)・鉄・銅線・真鍮線・アクリル彩色
1999年
(5体のうちの1点)
楽園へ
H120cm(6体)
樟(クス)・アクリル彩色
2001年
(6体のうちの1点)
頭上の月
H130cm×W235cm×D128cm
樟(クス)・アクリル彩色
2003年
日下
制作テーマについておうかがいしたいのですが。
わたしは、笠原さんの制作テーマは人間ではないかと感じます。
笠原さんは人間のポジティブなところ、ネガティブなところを
とても冷静な眼差しで見ていらっしゃると感じます。
けれども、冷徹に突き離しているというよりは、
人間のはかなげな在り様の愛すべき存在として表現されているような
温かさも感じます。
ご自身ではいかがでしょういか。
笠原 鉄明さん
そうですね。僕自身がものを作るということが、すごく大切だなって思うんです。
テーマと言えるものが、より身近になるというより、
もっと深く人間的な表現を出せればなという気持ちがあります。
今、日下さんがおっしゃったように、人間には明と暗というものが必ずありますし、
その表の見え方とは違う人間の心、ものの捉え方もあるはずですよね。
そういうものを、もう少し捉えていければいいかなと思うんです。
日下
はい。
笠原 鉄明さん
僕たちが絶えず生きている中で、
自分がここにいるということが、何でここにいるのかという在り方。
非常に不思議な感じや、不安な捉え方をするところがあります。
それが深さにも繋がるし、
それに対する捉え方も考え方も、その中にあるんじゃないかって思います。
それをできればより強く、立体的な空間の中に、
彫刻というのはやっぱりそういう強さがありますから、
その中に僕が作り、作品に接した人が客観的に捉え、対話が生まれる。
そういう繋がる接点みたいなものがあればいいなって思うんですけど。
日下
はい。そうですね~。
笠原さんの作品は、いつまででも見ていられる感じがします。
作品を通して、自分自身との対話が始まる、
その入口を提示して下さっているのだな~、と想います。
笠原 鉄明さん
ありがとうございます。
こういうかたちがいいとか、正解というものは多分ないと思うんですよ。
僕は作る側として、あるかたちを提示して「こうだよ」って言っても、
それを捉える方にとってはその時、その時によって感情や、
自分の心模様というものが絶えず動いていることが多いんじゃないかと思うんです。
僕も作品を作るときは、出発点の発想があり作り始めんですが、
途中で違う気持ちや考えが出て来て、少しずつ進化しながら出来上がっていきますから。
伝説の森
H195cm×W320cm×D140cm
樟(クス)・アクリル彩色・金箔
1990年
日下
そうですね。
笠原さんの作品は本当に普遍的というか、
彫られている人物に自分を重ね合わせられるところがありますね。
笠原 鉄明さん
最初の頃、自分が何を作っていいのかよくわからない時期がありました。
表現として自分が何をテーマとして持っているのだろうかとすごく悩んだときに、
やはり自分の原風景をたどってみる事から作り始めたんです。
日下
はい。
笠原 鉄明さん
僕は富山生まれで、合掌造りで世界遺産になっている五箇山の生まれなんです。
本当に山奥深いところで、僕らが子どもの頃は
一日にバスが朝晩の2本くらいしかない不便な所だったんです。
そこで育って、町へ出てきて、東京に出てきました。
その中で自分の原風景というものが何なのかなという気持ちが絶えずありました。
自分がそこに生きて、そこからものを見て、世界を見ていたわけだから、
社会や時代がどうのこうのというよりも
自分がそこに介在したものがあるという捉え方を
していきたいなと思ったんです。
それで、最初に個展をやった時に
「伝説の森」というのを作りました。
これは自分の故郷であるその世界観を自分なりに作ってみたんです。
千葉県立美術館に入っている「帰る日」という、
故郷、田舎の事を思いながら作った作品がありますけども、
そういうものを作りながら、全体を見ていけないかなという思いがありました。
それはさっきお話した鈴木実先生が絶えず、自分の身近なものから
人間の存在を探っていたんですよね。
やはり自分の家族や自分自身、身近なところから捉えている。
社会的な問題やテーマもその中に取り入れられていたところが
より存在感の強い表現になるのではないかと思っていました。
僕もそこからテーマを絞って作品にして出来ないかと思っていました。
日下
ああ~、そうですか~。(感動)
「伝説の森」はとても題名も印象的ですし
作品の構成、自然の中に置かれているプレゼンテーションもとても印象的です。
これは笠原さんのご家族の肖像なのでしょうか。
笠原 鉄明さん
モデルにしたのは家内の両親なのですが、それは特定の人ということじゃなくて、
男と女というような、全体感の中で長い間連れ添った夫婦がいるという想定ですね。
日下
そうですか。
夫婦像の横にいる女の子の像もとても印象的ですね。
笠原 鉄明さん
あれは象徴的なものとして置いてみました。
何か一体では出せない、何体かの群像にすることによってさまざまな関係が生まれ、
強い世界観がだせるのではないかと思いまして。
あまり成功していないかもしれませんが。
日下
いえいえ。
成功していると想います。
笠原 鉄明さん
若い頃って、結構思い込みが強いんですよね。
こうだというふうに捉え方を決めてしまいがちですが。
上手くいかなくてもやってみようという事が結構ありました。
今でもあるんですけどね。(笑)
出来るだけ抑えたいなとは思うんですけど。
日下
そうですか。
とっても深いお話をありがとうございました。
光さす彼方へ
H223cm×W90cm×D90cm
樟(クス)・アクリル彩色
2011年
**********************************
今回、渡辺 忍さんのご紹介で
初めて、笠原 鉄明さんをさせて頂きました。
私は、以前、国画会展を見ていた時に笠原 鉄明さんの作品を拝見していました。
ご自身の肖像なのかな、と想像されるような人物像が
生活の一場面を切り取ったようなプレゼンテーションで印象に残っていました。
今回、お話をお聞かせ頂いて、それが笠原 鉄明さんの
自分がそこに介在したものがあるという捉え方をして制作をされたい
という想いから来ていたのだと分かりました。
笠原 鉄明さんは、本当に真摯な姿勢で制作をなさっていて
作品を作ったご自身のお気持ちと鑑賞者のお気持ちが
お互い接するものがあれば面白いな、と仰っていたのが
印象に残りました。
皆さまも笠原 鉄明さんの作品をご覧になって見てはいかがでしょうか。
**********************************
◆笠原 鉄明さんの展覧会情報
◇国画会彫刻部の秋季展
2015年11 月07日(土 )~11月15日(日) (休館日無し)
9:30~17:30 (入場は17:00まで)
※初日は14:00会場、 最終日は入場は13:30まで、14:00閉場
東京都美術館
です。
先にご登場下さった原 透さん、 渡辺 忍さん も出品されます。
◆笠原 鉄明さんの登場するWEBページ
◇国画会
(笠原 鉄明さんは第2,3回展にご出品されました。)
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京都に行って来ました
皆様、こんにちは
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です
文化の日
各地の文化行事で
お茶会なども催されていますね
この様な気軽な機会に...
お茶と和菓子を味わって
日本の歴史と文化を感じてみてはいかがでしょうか
今日は、京都で買って来た
宇治老舗茶店の「かぶせ茶」を淹れてみました
玉露や抹茶原料の碾茶と同様に
茶の新芽を葭等で覆い被せ
陽射しをコントロールしてじっくり芽を成長させることで
旨みと甘味を凝縮させる栽培法で作った煎茶です

浅蒸し製法の茶葉なので
水色は薄く透明感がありますが
香りは新鮮で、かすかに青のりの様なかぶせ茶独特な香りがします
60℃位に冷ましたお湯でゆっくり淹れると
見た目と違い、甘さと豊かな旨みが口の中に広がります
ふわぁっと飲んだ後も自然な甘味の余韻が残るお茶ですよ
関東の水だとこの繊細な旨みが十分出ないので
ミネラルウォーターで淹れましたが
京都で味わったようにはいきませんね
だから下総屋では
水質を選ばず、おいしく飲める
深蒸し煎茶をお奨めしているのです
上賀茂神社でご祈祷して頂いたので
御札を神棚にあげて
神様とご先祖様の仏壇にも
感謝を込めてこのお茶をお供えしました
彫刻家 高田洋一さん 第2回 (再編・再放送)
みなさん、おはようございます。
毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の
「彫刻工房くさか」日下育子です。
本日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家の高田洋一さんです。
前回の杉本晋一さんからのリレーでご登場頂きます。
前編⇒http://ameblo.jp/mnbb-art/entry-11220024851.html
中編⇒http://ameblo.jp/mnbb-art/entry-11226118580.html
後編⇒http://ameblo.jp/mnbb-art/entry-11233091536.html
第2回の今日は、高田洋一さんの作品制作や素材への思いについて
インタビュ―をもとにご紹介させて頂きます。
高田洋一さんは、みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて33番目の作家様です。
2012年5月3日
のインタビュー を再放送でお送りします。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*
■ 翼Ⅷ
1982
W/2600×D/2600×H/500(㎜)
和紙、竹、ステンレス、鉄、真鍮、鉛
■ 月の影
1990(2006再制作)
φ1800(㎜)
和紙、アルミニウム、ステンレス、鉛
You Tube動画 ⇒http://www.youtube.com/watch?v=VD9RKMZfCfw&context=C4a94851ADvjVQa1PpcFNvF8h2eqqVBlfwmSq0T2Q9rKGoy1wA-YU=
■ 見えない力
2009日本経済新聞社 新本社 千代田区
φ2200×L/5800(㎜)
和紙、カーボン、ステンレス、アルミニウム
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日下
制作や素材についての思いをお聴かせいただけますでしょうか。
高田洋一さん
『制作と素材』に関しては、まず私の屋内の和紙や竹を使った作品に関する考え方から、
お話をすべきですね。その上で、その後の公共空間での素材の選択や制作について
お話をしましょう。
私の作品、仕事での素材面での大きな特徴はやはり『和紙』ですね。そもそも彫刻の素材
として、和紙を用いるということが当時としては有り得ないものだったんです。
33年前『和紙』を、彫刻の素材として選択したことが、その後の自作にとって想像以上に
影響を与えています。当時、同時代の作家達が同様に『和紙』や『木』という素材を使って
作品を発表し始めたことも象徴的でしたね。それまでの現代美術に違和感を持っていた
作家が潜在的にいたんですね。それが時代の偶然として、一気に登場してきたんです。
私は模型飛行機の少年期の経験や技術を手掛かりに作品を作り始めたというお話を
しましたね。そういう自分史や技術的なこととは別に、当時の『美術らしさ』から外れた
『工藝』的な素材と技術に、自分の関心が向かっていたからなんです。
それは当時の美術が、美術として純粋であろうとするあまり『人としての物づくりの喜び』
という側面を取り込めなくなっていたことへの違和感だったのかな。
今申し上げたことは、後日自己分析をした結果の感想ですが、当時は直感的に感じた
違和感を元に、和紙と竹ひごでの制作を始めたんです。改めて『和紙』という素材は、
不思議な性質を持った素材だと思いますね。
勿論、和紙は天然の植物繊維で出来ているものの、実は完全に人工的な素材でも
あるわけです。和紙は丈夫な側面と、破れてしまう弱さの側面、一方障子や襖では、
破けても張り替えてリフレッシュさせると新品に戻るなどの粘り腰な側面。不思議な性質を
持った素材です。
動く作品にとって、素材が軽量であることは、大変歓迎されるのですが、実は不都合な
一面もあるんですね。和紙は空気中の湿度を吸って、微妙にその重さが変化します。
その重量変化によって作品のバランスが変わってしまう。当初はこれを厄介なことだと
思っていました。でも、見方を変えれば、その場所の空気の湿度の変化、
或は天候の変化の予兆まで見せてくれるわけです。
『和紙』という素材であるから、湿度の変化までも感知することができるものが生まれた
という事ですね。これは、当初全く想定していなかったことで、自分が作った作品に
教えてもらったことです。
その後、屋内外の公共空間での仕事、作品設置にも関わるようになってゆく中で、
素材への意識も深まりましたね。公共空間では、管理上の都合、メンテナンス性が
求められますので、一般的には工業的に扱いやすい方向に素材選択は向かいます。
そこに天然素材ゆえの魅力と、管理メンテナンス性の矛盾するテーマの両立を求める、
今日的なクラフトマンシップがあると直感しました。
近年『和紙』はどこか高級品といった印象を持たれていて、工藝品として現代人が
ありがたがり過ぎる傾向があると思いませんか?
従来の和紙は、一年草のコウゾやミツマタを原材料として漉かれます。古来、障子や襖が
汚れ、破れれば、張り替えてリフレッシュさせて新品に戻して使用するものだったんです。
いわば健全な消耗品として使われているものだったんですね。今で言えばエコですね。
公共空間での作品制作では、素材選択の自由度は高くありません。
まず簡単に燃えるものはダメですね。一日の間での湿度変化で作品のバランスが
変わっても困ります。
また、どうしても埃や汚れは溜まりますから、お掃除ができないといけない。私達の国には
『和紙』との魅力的な歴史があるにも関わらず、都市空間では『和紙』の居場所は
とても限られるわけです。
そのモノとの付き合い方の精神を持って現代社会が求める防炎、防水性という機能性和紙
を探したり、開発することを始めました。更に接着剤を使用しないで、紙にテンションだけで
パンッと張る方式を考案しました。
ノリを使わなければ『和紙』を簡単に交換することができるようになります。こういう話は、
とても技術的な話題のように聞こえると思います。ただ、そこには自分達の『和紙』との
付き合いの伝統を復活させたいという思いがあったんですね。
こういう経験は、その後新たな素材研究へ自分を向かわせてゆくことになりました。
カーボン、チタンなどの航空機技術からの応用。ヨットレースで使用される、膜素材、
セール素材(ポリエステル)などでも作品を制作してきました。
私のオリジナル作品が、和紙、竹、石という自然素材で制作されていたので、その後の
公共空間での展開に抵抗感を感じる方もいたようです。石油由来の素材への抵抗感
という事ですね。素材は現時点の作品制作だけではなく、最終処分の問題も意識して
選択するべきです。ですが、私は自然への敬意を持ちつつも『自然素材原理主義』に
陥ることは避けたいと考えているんです。
都市化が進んだ社会における、クラフトマンシップとはどういう精神なのかという問いでも
あるかもしれませんね。芸術作品を作り出すという「心」は変わりませんが、常にその場所、
環境の持っている条件を踏まえて作品を計画するという態度です。極めて、現実主義、
リアリズムの仕事です。
世間の方々がイメージされる芸術家像。『芸術は爆発だ!』と作家のエゴイズムを
むき出しにするアプローチとは異なる制作態度です。むしろ芸術家が法律や安全性を
無視して自由に貫くことを賞賛する傾向が一方にあるようですが、私はそういう
芸術の社会での実現を認めないという立場です。
しかし、誤解をしないでください。私は、より良い作品を実現するために、自然の条件に
対して、建築空間の持つ条件に対して真摯であろうとしているだけです。御用作家として、
クライアントや注文主の言うことを何でも聴く、御用聞き作家なのではありません。
プロの作家ではありますが、戦わない作家ではありません。
日下
高田洋一さんの和紙という素材に対する深い思い入れとプロフェッショナルな作家としての
姿勢をお伺いして身が引き締まりました。今日も素晴らしいお話をありがとうございました。
■ 森の話を聴く花
2011
花蓮平地森林区国際芸術祭-MASADI・豊美緑境
台湾
花直径/φ600×L/1200×H/1200~1500(㎜)
×52基
竹、ポリエステル、ステンレス、ベアリング、合板
You Tube動画 ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=CZjR7C4gBUQ&context=C4981d70ADvjVQa1PpcFNvF8h2eqqVBhp6NjQCkjyaSdbfeo0Pdp4
=
■ 漸減線(ぜんげんせん)
1990
W/100×D/100×H/100(㎜)
鉄、油絵具(コバルトブルー)
■ 漸減線(ぜんげんせん)
部分拡大写真
1990
H/600×D/600×9t(㎜)(平面作品)
鉄、油絵具(コバルトブルー)
■ 光よ天までとどけ
2002
センチュリー豊田ビル前 名古屋市
H/14,650×W/3460(可動部H/9000)(㎜)
アルミニウム、ステンレス、鉛
■ 光よ天までとどけ
2002
センチュリー豊田ビル前 名古屋市
H/14,650×W/3460(可動部H/9000)(㎜)
アルミニウム、ステンレス、鉛
■ 玉 翼
1985
W/700×D/300×H/200(㎜)
和紙、竹、河原石、真鍮、鉛
■ トランプの国
1997
扇町キッズパーク 大阪
(地下鉄堺筋線換気塔改造計画)
H/7080×W/6520×D/3550(㎜)
アルミニウム、ステンレス、鉄、鉛
■ 雲の子
1990
W/2000×D/2000×H/2600(㎜)
和紙、ラミン材、ステンレス、
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*
高田洋一さんには、前回登場の杉本晋一さんリレーでご登場頂きました、
今回は記事は2回目です。前回に引き続き、高田洋一さんの制作への思いを
お聴かせ頂きました。
高田洋一さんは、模型飛行機少年という背景をお持ちで、自然や設計条件というものに
真摯に向き合い制作をされています。作り手個人と、素材やものに対する向き合い方、
作り手として美術が社会に対して役割をになうということを本当に幅広く深い視点から、
問題意識をもって自問され、またより良い方向に向かうための具体的な実践も
していらっしゃる、素晴らしい作家さんだと感じました。皆さんもぜひ高田洋一さんの作品を
ご覧になってみてはいかがでしょうか。
今日もここまでお読み下さってありがとうございました。
次回は、高田洋一さんの作品制作と社会との接点への思いについてのインタビューを
お届けします。どうぞお楽しみに。
*・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*
■高田洋一さんの展覧会の予定です。
展覧会名:「白い一日」でいちごいちえ(仮称)
期 間:2012年8月20日~12月24日(未定)(芸術祭は7月14日から)
「水と土の芸術祭2012」URL⇒ http://mizu-tsuchi-archive.jp/
「水と土の芸術祭」最新版URL⇒ http://www.mizu-tsuchi.jp/
◆高田洋一さんのブログ ⇒http://winglab.blog.fc2.com/
◆高田洋一さんのYou Tube チャンネル
⇒ http://www.youtube.com/user/pengin1956?feature=mhsn#p/u
◆紙の話 紙とアーティスト ⇒ http://www.newcolor.jp/column/library5/0901a.html
◆水琴屈について ⇒ http://www2.tokai.or.jp/hikaru/index01.html
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
※高田洋一さんの記事は当初4回でお送りしておりました。
その後、読みやすくするためと入力フォーム文字数制限の都合で
2015年3月に再編集させて頂きました。
彫刻家 高田洋一さん 第1回続き(略歴)
彫刻家 高田洋一さん 第2回ー①
彫刻家 高田洋一さん 第2回ー②
彫刻家 高田洋一さん 第2回ー③
彫刻家 高田洋一さん 第2回ー④
彫刻家 高田洋一さん 第3回ー①
彫刻家 高田洋一さん 第3回ー②
彫刻家 高田洋一さん 第3回ー③
彫刻家 高田洋一さん 第4回ー①
彫刻家 高田洋一さん 第4回ー②
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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彫刻家 松田重仁さん 前編(再放送)
毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の
「彫刻工房くさか」日下育子です。
本日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家の松田重仁さんです。
松田重仁さんの作品のテーマ、制作方法、作品制作の思いについて
インタビュ―をもとにご紹介させて頂きます。
とてもたくさんの有意義なお話をお聴かせいただきましたので、
前編・後編の2回に分けてお届けいたします。
今日はその前編です。
松田重仁さんは、みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて16番目の作家様です。
2011年11月17日前編
、24日後編
のインタビュー を再放送でお送りします。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*
樹・樹 100X160x280h 桂 シンチュウ
夢の木が大きく育っていくところをイメージしています。
水のおもて 1030x1600x150 桂 真ちゅう
水面を流れる生命の風をイメージしています。
生命の宇宙 400x400x80 桂 シンチュウ
宇宙の中で新たな生命が生まれるところをイメージ
しています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日下
松田さんの制作テーマを教えていただけますか?
松田重仁さん
私は生命の大切さや『 浮遊 する 水 』ということをテーマに制作しています。
私は、彫刻を始めた頃から彫刻の宿命ともいえる重力から自由になり、
軽やかに空間に存在するものを造りたいと夢見てきました。
ある時、故箱崎総一先生より生命の大切さを教わり、
それ以降「浮遊する水」をテーマに制作を続けてきました。
浮遊するというのは、重力からの開放と同時に、事物は止まることなく、
常に変化し移り変わることを表しています。
たとえれば、山の懐に湧き出た水が川となり、やがて大海に注ぎ、
それが雲になり、また雨として大地に帰るということです。
それは、仏教が説く輪廻観も意味しています。また、水は生命の根源で
あります。古代の哲学者タレスは「万物は水から生まれ水に帰る」
という言葉を残しています。
現在私は、室町・桃山時代に生まれた日本人的美意識を基に、
現代の空間造形を模索しています。
この世界を押し進めることで、 新たなフィールドの創造につながることを
願っています。
日下
私は、松田さんの2007年の現代彫刻美術館での個展を拝見したときから、
その『室町・桃山時代に生まれた日本人的美意識をもとに現代の空間造形
を模索している』
というのはどんなことなのか、具体的にお聴きしてみたいと思っていました。
私は自分が好きな石庭が始まったのが室町時代なので、
その意味でも興味があります。
松田重仁さん
はい。
現代の美意識というのは、お茶をはじめとする室町時代の美意識が
現代の美意識の基になっているという説があるのです。
よくお茶は、『わび』『さび』という二つのことが言われていますが、
実はこれにはもう一つ『華美』というものがあるのです。
この『わび』『さび』『華美』というのがお茶の三軸になっているのです。
このことはあまり知られていないと思います。
私は、彫刻を制作するにあたって美術の系譜というものを
とても大切にしています。
これは過去の天才たちの作り上げてきた流れにのって、現代の空間のことを
考えて制作をするということです。
私はそういう意味で、琳派の作品が大好きなのです。
俵屋宗達の『風神雷神図』のデザインチックなところとか。
日下
はい、私も俵屋宗達はとても好きです。
松田重仁さん
そうですか。
私は俵屋宗達というのは、現代でいえばデザイナーだと思うのです。
それは、日本人の優れた美意識の中にあるデザイン意識が
とても洗練されていて、抽象化して表現することに長けているということです。
写楽に代表される克明に描くのではなく、大きく捉えて描くというそれが
日本的の美の系譜の流れで原点です。
俵屋宗達というのは自然を大きく捉えて、抽象化したもので特色だけを
表現してくという日本の美意識をよく表現していると思います。
日下
本当にそうですね。私も美術をやってくる中で、『美術ってよく分からない』
という言葉を聞いてきたところがあります。
けれどもこれまでの日本の美術の中には抽象的な表現が多くて、
日本人は本来はそういうものを感じる力はあったはずなのにと
感じてきたところはあります。
松田重仁さん
はい。
そういう日本の本来の美の系譜が分断された時というのがあるのです。
それは明治時代の西洋化で廃仏毀釈によって、日本の本来の美の系譜が
分断されてしまったことです。
その美の系譜というのは、さきほどお話した琳派などもその流れの一つです。
今は美術の中でも仏像や工芸というものは何となく低く見られているところが
ありますが、本来は日本では工芸の流れが美意識の本流なのです。
江戸期までは工芸の流れが日本の美意識でした。
今の『アート』というというのはもともと日本には無かった概念かと思います。
明治期の西洋化では無理矢理『美術』という言葉を作り上げて、
それまでの工芸とは異なる系譜を導入しました。
現在の日本の小中高の美術教育では、西洋の美術をベースにしているところ
が大きいですが、その中で西洋美術がいい、素晴らしいという刷り込みが
されてきて日本本来の美意識が追いやられたところがあると思います。
その一つのいい例が床の間です。
戦前までは普通の家であっても床の間という空間がどの家にもありました。
床の間は心の空間であり、パブリックな空間です。
それに対してプライベートな空間というのが個々のお部屋です。
この床の間というのは、四季を通じて掛け軸や花を飾る美の空間でした。
そんな風に日本は戦前まではどの家でもそういう空間を持っていて、
美意識の高い民族なのです。
日本はもっと世界にそのことを声高に言っていいと思います。
風の塔 700h
桂材に銀箔をはっています。
金属でできているのか、木でできているのか、
不思議な作品になりました。
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日下
あぁ~、本当にそうですね。
松田重仁さん
日本の美術はアジアの中で、民族のアイデンティティーが問われると
思うのです。
日本は今ものすごく元気が無いですよね。海外は今の日本と比べたら
華やかです。
今の若い人たちはアートをやっていく上で、世界を見て日本の立ち位置を
見つけて行かないと続けて行くことができないと思います。
アジアでもこれからユーロ圏のようなものが出来てくると思います。
それは日本、中国、インド、シンガポール、オーストラリアなどですが、
そういう中で日本人としての立ち位置、歴史、ルーツ、日本の歴史を
もっと勉強しないといけないと思います。
アジアの系譜の中でもっとアンテナを張らないと。
その歴史観を持つということでも、1000年の歴史観が必要だと思います。
それで私は室町時代からはじめているのですが、これを持てば
1000年未来のアプロ―チができると思います。
日本での立ち位置をしっかりしながら、世界でどう活動していくのかを
もっと意識していかないと。
私もそう考えて活動しているのです。
日下
あぁ、そうですね。
今の松田さんのお話で、私自身も作り手として、もっと意識していかなければ
いけないと感じました。
生命の和 100x100x270h ブロンズ シンチュウ
起き上がりこぼしのようにゆらゆら揺れます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
松田重仁さん
いいことを教えて上げましょう。
これは私も人から教わったのですが、ものづくりの三軸というがあります、
これは理性・感性・技術というものです。
理性というのは教養や知識、感性というのは磨いていくもの、そして技術です。
これらものものはどれかに偏りがちですが、その三角形をバランスよく
大きくしていくことで作家として大成していけるそうです。
日下
そうですか。素晴らしいですね。
そのことを教えて下さった方というのは、松田さんのテーマを伺った時に
お名前の出てきた、箱崎先生という方なのでしょうか?
松田重仁さん
いいえ、箱崎先生から教わったのはまた別のことです。
それもとても素晴らしいことなので紹介しましょう。これは美術を学んでいる人
は知っておくととてもいいことですよ。
日下
あっ、それはぜひ教えて下さい。
松田重仁さん
これは『夢を持つ人の三つの心得ABC』というものです。
Aは「Art of Art」、Bは「Bssuiness・Better Life」、Cは「Comunication」
というものです。
Aの「Art of Art」は純粋な心、Bの「Bssuiness・Better Life」というのは
お金に関わること、お金を生み出して生活をよりよくしていく
ベターライフの仕事です。
そしてCの「Comunication」というのはコミュニケーション用の仕事です。
とかく芸術家というのは頼まれ仕事に後ろめたさを感じがちですが、
ベターライフのための仕事だと割りきって集中すればいいと思うのです。
そしてそこで得たお金で「Art of Art」の純粋な心で作る自分の仕事を
すればいいのです。
それからCの「Comunication」というのは人と人とをつなぐ仕事です。
箱崎先生は『たとえ君の大きい作品を今は買えなかったとしても、
手に乗るような小さな作品でも君のことを思い出して、いつか大きな作品を
買いたいと思ってくれる人はいるだろう』とお話して下さいました。
そういう意味で、イベントやワークショップも含めて、人と人をつなぐ仕事も
していかなくてはいけないと思います。
この三つの仕事をしていくことで大成していけると思います。
日下
これは本当に素晴らしいですね。
私をはじめ、今美術をやっている人皆にとっても、力になる教えだと思います。
ありがとうございます。
ところで、松田さんの彫刻の素材についての思いを
お聴かせ頂きたいのですが。
松田重仁さん
はい。
木というのは不思議な素材で、人間が休むときの『休』という漢字は
にんべんに木と書きます。
つまり木に寄り添うことで人は休まるということは古代から人間の営みの中で
行われてきたことで、木に触れることはこれからの時代にとっても
大事なことだと思います。
そしてまた私は木をベースに作品を制作し始めましたが、自分のことは
木彫家ではなくて彫刻家だと思っています。というのは私は原型を作るのが
彫刻家だと考えているのです。
つまりあくまで原型を何で作るのかということで、私は木を扱っていますが、
例えば日下さんのように原型を石で作っても、そこからブロンズにすることも
できるし、木でもかたちは作れるわけです。
どうも日本では素材ごとに分けて考えてしまっているところがありますが、
私はそうやって自分たちでフィールドを狭くしない方がいいと思っています。
私が目指す生き方というのはアーティストとしての生き方としては
イサム・ノグチが素晴らしいと思っています。
イサム・ノグチはデザインから北海道モエレ沼公園のようなランドスケープまで
幅広く制作活動を展開しています。
そんな風に限定せずに制作活動をしたいので、そろそろ素材的な話は
やめたいところです。
とはいえ私自身は木を中心に石の作品も作っています。
日下
ありがとうございます。
そうですね。素材的な話はやめたいところだそうですが、
そういう質問をしてしまい、恐れ入ります。
さて、松田さんの作品はどんなところでみられるでしょうか。
松田重仁さん
最近の設置作品では、先月、アルペンスキーの名スキ―ヤ―の
トニー・ザイラーを顕彰する高さ5mの大きなモニュメントを設置しました。
この作品の前には三つの木の実の彫刻を置いたのですが、その一つずつに
『好奇心』『体力』『意志』という言葉が刻んであります。
彫刻では、こんな風に言葉を刻むということはあまりないかと思いますが、
私は思い入れでかたちを作るだけではなく、意味を複合していくことが
モニュメントとして大事だと考えています。
そういう言葉を刻んでいくことも後世には大切です。
トニー・ザイラー モニュメント
※2011年11月24日後編 で詳しくお話頂いています。
日下
それは素晴らしいですね。
私も意味性というのは大切にしたいと思っています。
単に物体を空間に置くというのではなく、設置する方角の向きや、
屋外で変化する光の当たり方などにも関わって意味のあるかたちで
モニュメントを作りたいと考えています。
松田重仁さん
そうですね。
さきほど『夢を持つ人の三つの心得ABC』というお話をしましたが、
このモニュメントは私にとって「Bssuiness・Better Life」のための制作
であっても、完全にそればかりではなく、「Art of Art」のあるものを作るという
思いをもって制作しました。
私はこのモニュメント作品で物語を作ろうとしているんです。
日下
それは素晴らしいことですね。
その物語についてもっと詳しくお聴かせ頂きたいです。
・・・この続きは次回、11/24の学び場美術館に掲載させて頂きます。
次回、後編は松田さん制作のトニー・ザイラーのモニュメントにまつわる
現代の神話と、パブリックアート、韓国清洲の
アーティスト・イン・レジデンス事業についてお話頂きます。
どうぞお楽しみに。
今日も最後までお読み下さって、ありがとうございました。
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・
私が松田重仁さんの彫刻と出会ったのは、松田さんの2007年の
宗教法人長泉院付属 現代彫刻美術館での個展でした。
はじめは展覧会のチラシに出会い、とても興味を惹かれ美術館に見に
行ったのですが、作品は質・量ともにクオリティが高くとても感動したのを
覚えています。
私自身が1998年から種子シリーズとして植物の種子をモチーフとした彫刻を
制作しており、松田さんの作品にはとても共感を覚え、いつかお話を伺いたい
と思っていました。
今回はそのような経緯で、現代彫刻美術館のご協力によって松田さんと
連絡を採らせて頂くことが出来ました。
松田さんには、内容の濃いお話をたくさんお聴かせ頂けて
とてもありがたく思っています。
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・
◆ 山形市蔵王温泉スキー場 パラダイスゲレンデ
山形市特別名誉市民「トニー・ザイラー氏顕彰碑」についてはコチラ
⇒ http://kikakushitu.blog7.fc2.com/blog-entry-521.html
◆ 松田重仁さんのブログはコチラ
⇒http://matsudashigehito.blog129.fc2.com
◆ 松田重仁さん略歴
⇒http://www.museum-of-sculpture.org/musse/matsuda-ex/matsudashigehito/matsu-ex02.html
◆ 宗教法人長泉院付属 現代彫刻美術館
⇒ http://www.museum-of-sculpture.org/musse/cc.html
第9回特別展示 松田重仁展
⇒ http://www.museum-of-sculpture.org/musse/matsuda-ex/matsuda_index.html
◆ 松田重仁さんの作品はコチラでご覧いただけます。
● 山形県天童温泉 桜桃の花 湯坊いちらく
⇒ http://itiraku.com/
WEBページ『彫刻家 松田重仁の世界』
⇒ http://itiraku.com/gallery/
(このページで、数々のパブリックコレクション等の情報がご覧いただけます)
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柿が美味しい季節
皆様、こんにちは
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です
毎日過ごしやすいお天気ですね
こんな日は、アウトドアでランチしたくなりますね
ランニングやサイクリングなどの運動にもいいですよね~
私も朝から2件、配達に行きましたが
ロードバイクで行ったら爽快でしたよ
トータルで40km位走ったかな
2件目に配達に行ったお客様の所に
大きな柿の木があって
美味しそうな柿がたわわに実っていました
「沢山なってますね~」と言うと
「家じゃ、誰も食べ無いから勝手に採って持って行っていいよ」
と笑顔で言ってくれました
そんなに食べたそうな顔をしてたかな(笑)
でも、折角だから
「母も私も大好物だから、お言葉に甘えて少しだけ頂きます。」
と、手の届く所のを採らせて頂きました
「昔から柿が赤くなると、医者が蒼くなる」って言うように
柿はビタミンCやカテキンがあって健康に感謝良い果実ですよね
緑茶と一緒ですね
緑茶もビタミンC豊富でカテキンもたっぷり
風邪の予防にもメタボ予防にも食中毒予防にもいいんですよ
ところが、最近は血糖値が高めの人が多いので
「柿は好きなんだけど、糖分が多いから余りたべられない」
という人も多いからみたいですね
私は気にせず1日に数個食べちゃいますけど
血糖値が気になる人は我慢してるんですね
食いしん坊の私は、食べ物制限が入る病気にはなりたくないな~
そのためにも日々の運動は欠かせませんね
やはり、病気になる前に予防です
今出来ることから始めてみましょう
毎日のお茶もあなたの健康を支える自然の恵みですよ
今日も自然の恵みと健康に感謝。
英工藝(はなぶさこうげい)鋳物師 中野秀昭さん
皆さま、こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
先月、仙台市の個人邸にスキーのブロンズ彫刻を設置させて頂きました。
仙台市個人邸への彫刻設置事例 スキー ブロンズ彫刻
スキー ブロンズ彫刻 制作過程の紹介
今日は、その制作でお世話になった
山形県寒河江市に工房をもつ、
鋳物師で英工藝(はなぶさこうげい)の
中野秀昭さんの紹介をさせて頂きます。

右側が中野秀昭さん。
三枚下の写真から、上にスクロール
しながら写真をご覧頂くと工房の
感じがお分かり頂けるかと思います。

天井近くに鉄板が吊るしてあるのは
炉から吹き上がる炎が天井に燃え移る
のを防ぐためとのこと。
炎がそんなに高く上がるなんて凄い
ですね❗

右上端に見える黄色い物は、
門型クレーンのチェーンブロック。
重い砂型などもこれで吊って動かす
そうです。

これが、ブロンズの材料である金属を
溶かす炉です。
この上蓋から、天井近くまで炎が立ち
上るそうです。凄い炎の勢いですね❗
炉の横から出ている棒で炉を傾けて、
急須の注ぎ口のようなところから
砂型に湯(溶融した金属)を注ぎ込むのだ
そうです。

床には砂を敷いて土間状にしてあります。
これらの仕事を独りで行うのは、かなりの危険作業だと思いますが、
中野さんは基本一人でお仕事されています。
英工藝さんは、美術彫刻に特価しており、
主に人体彫刻のブロンズやトロフィー、表札などの制作をされています。
トロフィーなどは、意匠からの依頼であれば、こ自身でデザインして、
クライアント様へのプレゼンテーションもされるそうです。
中野さんは、クライアント様へのご要望に
お応えしようというマインドの
とても高い職人さんです。
今回の最高難度の制作にも職人魂で
挑んで下さいました。
美術彫刻を制作の皆さま、
ブロンズ彫刻のご依頼は
英こうげいの中野秀昭さんに
ご依頼されてみてはいかがでしょうか?

今回の案件で、私は、4回ほど山形県寒河江市に通いましたが、中にはこんな
素敵な虹が出た日もありました。
※ 英工藝 工房
〒991-0042 山形県寒河江市高屋字台下1738-1
郵便はこちらへ
〒990-2432 山形県山形市荒楯町1-7-34 A101
090-7567-0771
本日もご訪問ありがとうございました。</font>
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