みんなの学び場美術館 館長 日下育子

素敵なアーティストのインタビュー記事を掲載。
日下育子の作品をご紹介して行きます。


テーマ:

 

みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。
        
今日は、素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家 有馬寛子さんです。


有馬寛子さん 

以下、2015年3月の再放送でお届けします。


菅原 睦さんのご紹介でご登場頂きます。
菅原 睦さんインタビュー
第1回  第2回、 第3回 、第4回  、第5回

  

第1回目の今日は、制作を始めたきっかけについてお伺いします。
有馬さんは子供の頃、祖父母の手伝いでキノコの菌種を木に詰める作業を体験されていて、
それがとても印象に残っているそうです。

どうぞお楽しみ頂けましたら幸いです。

**********************************

2008_1
2008_1 「命を得た風景」       
125×125×175cm  石、木   
2008年





2008_2
2008_2 「打ちよせる風景」      
100×75×65cm   ベニヤ合板 
2008年





2008_3
2008_3 「つくろいの景色」      
60×60×85cm    伊達冠石  
2008年





2009_1
2009_1 「繋がる風景Ⅰ-海と山-」  
166×150×130cm   ベニヤ合板 
2009年




2009_2
2009_2 「繋がる風景Ⅱ-山と川-」  
130×90×85cm   伊達冠石  
2009年




2012_1
2012_1 「羽化」           
17×8×3cm     大理石   
2012年





2012_2
2012_2 「今日も宇宙とつながっている」
11×11×8cm    大理石   
2012年





2012_3
2012_3 「今日も宇宙とつながっている」
11×11×8cm    大理石   
2012年




2012_4
2012_4 「境界線のその先に」     
55×55×25cm    大理石   
2012年




日下
制作を始めたきっかけをお伺いします。
有馬さんは岩手県和賀郡のご出身なんですね。


有馬寛子さん
はい。


日下
仙台の私からすると、もっと自然が豊かそうな印象があります。



有馬寛子さん
そうですね。旧沢内村っていうところなんですけれども、雪が2、3メートルくらいは積もるところ
なんで、結構雪と山に囲まれて小さい時は過ごしていました。


日下
そうですか。幼少の頃の興味やご家族の影響などはいかがでしょうか。


有馬寛子さん
彫刻的なものを作るきっかけになっているのは、おそらく、一緒に住んでいたうちの祖父と祖母が、
小さい頃にナメコをつくっていて、その菌種を木の丸太にドリルで穴をあけてポンポン詰めていく
作業があるんですね。
それを小さい頃によくやっていて、木を削ったり何か作業をしたりっていうのは、好きで印象に
残っているんですけれども。それを近くに沢の流れている山の中に置いて、2年くらいすると
キノコが出てきて収穫するとか、そういうことが最初にあるのかな、と思っています。

特に親戚で絵や彫刻をやっていたりっていう人はいなかったんですけれども、もともと工作を
したり作るのは好きでした。


日下
ご両親はそれを温かく見守ってくれていたという感じでしょうか。


有馬寛子さん
そうですね。
両親はずっと働いていたので、そんなに家にいるという感じではなかったので。


日下
そうですか。
意識して美術の方面に行こうかなと思うようになったのはいつ頃からですか。


有馬寛子さん
高校の時に美術部に入ったのが一つのきっかけだと思います。
もともと作るのは好きでしたが、中学校くらいまではずっと運動部で、小さい中学校だったので、
メインのソフトボール以外にもスキーや陸上など色々やっていて。

ただ文化部はなかったので、作ることをやれる部活に入りたいなと思って高校で美術部に入って。
で、どちらかと言うと平面より立体の方が好きだったので、そのときに彫刻をやりたいんです、
と先生に言って首像を作り始めて。
その時にその先生が木彫もやらせてくれて、彫刻をやるようになったという感じですね。
普通科の学校だったんですけれども。


日下
そうですか。大学に入ってからはいかがでしたか。
スムーズに表現したいこと、素材などは見つかりましたか。


有馬寛子さん
そうですね。学部は岩手大学で、菅原睦さんと一緒で、教育学部だったので最初に素描、油絵、
金属加工、陶芸、版画とか、プロダクトデザインとか色々なことをやりました。
その時はやっぱり立体の素材で可塑性のあるもので、木とか石とか、そういったものをやって
いきたいなあと思って。


日下
はい。


有馬寛子さん
石を始めたのは大学に入ってからで、指導教員が石彫の先生で、その環境が整っていたので、
やらせてもらっていました。
ただ、学部の時は、石は結構扱いにくくて、その素材をコントロールというか、思った形になって
いかないっていうのは結構ありました。


日下
分かります。彫り始めの頃の素材のコントロールっていうのは結構大変ですよね。
若い時はエネルギーがあって、難しいことへのチャレンジ感を楽しむ、青春な感じは味わい
ましたけど。


有馬寛子さん
そうですね。どんなに一所懸命やっても思ったようにならない。
なので、基本的には学部の時には塑像もやっていましたが、石と木とをやっていました。


日下
そうですか。
有馬さんの作品の写真を見ると結構最近まで木と石の両方をされていますね。
両方やってみてどうですか。近いテーマ性のものも両方の素材でやっていらっしゃるようですね。


有馬寛子さん
はい。自分のテーマとしては、自然の風景を彫刻作品として表したいっていうのがもともと
あります。
素材が変わっても表現したいものは変わらないですけれど、それを表しているときに、今思えば、
石の方が、いろんな形の組み方としては合っているのかな。

ただ岩手大を終わってから東京芸大の大学院に入ったんですけれども。
岩手大では木彫、石彫、両方やっていましたが、石の専門の先生だったので
教えてもらえることが多くて、どちらかというと石がメインでした。

大学院に入ってからは、彫刻家の先生と木工系の先生がいる作業場所で、木彫の先生に
教えてもらう機会が多くて、自分としても木彫をちゃんと勉強したいなと思って。
そこで色々、木の彫り方とか道具の仕立て方から全部教えてもらって、2年位やってみました。


日下
素晴らしいですね。


有馬寛子さん
今は石をやっていますが、その経験も活かせてるなと思っていて。
石なんだけれど木彫のような彫り跡というか、細かな凹凸とか、面の出し方みたいなところは、
自分の中では特徴的なのかなと思っています。


日下
ああ、そう言われるとすごくわかります。
後半の2012年頃からの作品に特にそれが感じられますね。


有馬寛子さん
はい。


日下
2012年の1と4などは木彫の大きい丸刀で彫ったみたいな面とか。
でもこれ結構削って出すの手間がかかってますよね、これくらい面が大きいと。
リューター(ハンドグラインダー)で削るような仕事ですよね。


有馬寛子さん
そうです、そうです。結構かかります。


日下
作品は大きいものなんですか。


有馬寛子さん
2014年の博士の審査展に出した作品が一番大きいですけれども。
卒業制作でつくった作品以外は、大きくても60cm位かな。


日下
すごくきれいですね。丁寧で素晴らしいと思います。
次回からのお話がとても楽しみです。ありがとうございました。






2012_5
2012_5 「羽化」           
20×8×26cm    大理石   
2012年

****************************
編集後記

昨年2015年8月20日~09月17日に全5回で掲載した彫刻家 菅原 睦さんのご紹介により、
今回初めて有馬寛子さんにお話をお伺いしました。

私は芸術大学の博士課程まで学ばれたアーティストには初めてお話をお伺いしましたが、
とてもしっかりと丁寧に思索して制作をされている様子が感じられて、また作品もとても美しくて
感動しました。

有馬さんは東京芸術大学大学院で「生活を見つめる場から創造性へ―北方性教育運動と生活
版画教育運動を通して―」という博士論文も書かれています。着眼点がご自身の制作の実感
から生まれているところがとても素晴らしいと感じました。
若手女性彫刻家として、これからの創作活動がとても期待されます。

次回は制作テーマと造形表現の変遷について、有馬さんの制作活動の前半について
お届けします。 どうぞお楽しみに。

****************************

◆ 有馬寛子さんが掲載されているWEB

◇2009年 第83回国画会彫刻部奨励賞 
 有馬寛子さんのページ

◇有馬寛子さんの博士論文サマリー(要約)
 

◆ 有馬寛子さんが出品される展覧会
 ◇国展 
 ・2016年4月27日(水)より5月9日(月)まで。(休館日なし)(※ 現在は終了しています。)

・会場=六本木 国立新美術館 
・主催 =国画会 

 ◇青山表参道の美容室の展示
  2016年3月6日~5月7日GIRLS BRAVO!! NORA Journey×拝借景/東京NORA Journey
  NORA Journey HP 
  拝借景HP

 ◇岩手のチャリティ展
  けやきチャリティ小品展
  12月予定 岩手県花巻市東和町

◆有馬寛子さんがご勤務されている秋田公立美術大学 とその美術教育センター


****************************
有馬寛子さんの略歴 

○略歴
1985年 岩手県生まれ
2009年 岩手大学教育学部芸術文化課程造形コース美術専修卒業
2011年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程芸術学専攻美術教育領域修了
2014年 東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了
2015年~ 秋田公立美術大学美術教育センター勤務

2006年 第33回彫刻シンポジウム参加(~第36回)/岩手県盛岡市 ギャラリー彩園子
2007年 第5回つくる展/岩手県 岩手県民会館
2008年 第82回国画会彫刻部入選(~第84回) /東京 国立新美術館
2009年 平成20年度岩手大学美術講座賞受賞
2009年 岩手大学芸術文化課程美術コース卒業制作展/岩手県 岩手県民会館
2009年 第83回国画会彫刻部奨励賞/東京 国立新美術館
2010年 藤野賞(藤野基金)
2011年 東京藝術大学卒業・修了作品展/東京 東京藝術大学美術館
2011年 国画会彫刻部受賞作家展/東京 ギャラリーせいほう
2011年 けやきチャリティ小品展(~2015年)/岩手県花巻市 けやきラウンジ
2012年 BAMAアートフェア/韓国釜山 ヘウンデセントラルホテル
2012年 希望のための美しきモノローグたち展/東京 銀座アートホール
2013年 東京藝術大学博士審査展/東京 東京藝術大学美術館
2014年 half point-6人の現在点-/岩手県盛岡市 旧石井県令邸
2014年 第88回国画会彫刻部新人賞(準会員推挙)/東京 国立新美術館
2015年 GIRLS BRAVO!! NORA Journey×拝借景/茨城県取手市 拝借景
2015年 デコ借景/茨城県取手市 拝借景
2016年 GIRLS BRAVO!! NORA Journey×拝借景/東京NORA Journey

 

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは
 ★コチラから★ 

 

 


::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★
学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!


 

 

 

 

 

 

  


テーマ:

みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。

 

4/8(日)に「みんなの彫刻アカデミー」 0(ゼロ)期モニター開催の第9回(最終回)を

開催いたしました。

 

モニター生のmikaさんは、台座となる石板に本体を立てるための穴あけをして、

本体も仕上げの彫りこみをして、作品完成となりました!

 

 

↑ 台座に心棒を入れ、本体を取り付けているところ。

↑ 「あっ、いい感じです~!」

 

 

↑ 全対像を見た上で、仕上げの手彫り。

 

↑ より綺麗に仕上げるために、初めての機会も、自分で使ってみました。

   エアーチッパーという振動させて彫る道具です。

 

 

 

↑ こちらは、体験で参加されたマリコさんの作品。

  大理石の端材で、もともと穴の開いた石でしたが、

  面白いと選ばれました。

 

↑ 手彫りで、ノミの筋彫り、むしり彫り(点彫り)、エアーチッパーを

   用いて、即興的に彫る感覚を楽しみながら制作されました。  

 

 

↑ たった1回の制作でしたが、思う存分楽しんでいただけたようで

  私もうれしかったです。


 

↑ 女子会のようなアウトドアランチも満喫いたしました。(笑)
 

今回、昨年6月から月1回ペースでモニター開催しました。

体験を含めて3名の方にご参加いただきました。

 

この機会を通して、「自分が表現したいもの」「自分のテーマ」

を考え、自分の内面と向き合いながら、石で表現する楽しさを

体感していただけたと思います。

 

表現に応じて、その方の体力に応じて、石の素材を吟味し、

また使用する道具はふさわしいものを選ぶことによって、

初めてでも充実して良い作品を創作していただけると感じました。

 

 

今年秋からは、本格開催する予定でおりますので、どうぞお楽しみに。

 

何か新しいこと、インスタントではない、本物の体験をしたいというあなたに

ぜひ、ご参加いただきたいと思っております。

 

また、時期が来ましたらお知らせさせていただきますので

その時はどうぞよろしくお願いいたします。

 

ご参考までに、

「みんなの彫刻アカデミー」 0(ゼロ)期モニター開催のご案内はこちらから↓

https://ameblo.jp/mnbb-art/entry-12364057866.html

 

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは
 ★コチラから★ 

 

 

★ 4/15(日)13:30~ 桜の季節の 35th 彫刻さんぽ in 彫刻工房くさかアトリエ



::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★
学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!


 

 


 


テーマ:

みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。

いつも作家インタビューをお楽しみ頂きまして、ありがとうございます。

私の夢は、インタビューにご登場頂いた作家様を作品だけでなく、その思いも合わせて紹介し応援する本を出版すること、そしてその先には本物の美術館を建てることです。

これからも制作と並行して、精一杯活動して参りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします❗



そんな私ですが、今日はイベントのご案内をさせて頂きます。

私は自分の勉強のために、ときどき街中の彫刻などを見て回る「彫刻さんぽ」をしております。

桜の美しいこの春は、仙台郊外の自然豊かな私のアトリエで、私がこれまで大切に温めてきた作品群をご覧頂きます。

私のアトリエ界隈は八重桜が多いこともあり、例年は仙台市内より一週間~10日遅く、満開の季節になります🎵

散歩のあとは、ささやかですが私の手作りの温かいおやつと美味しい珈琲でお楽しみ下さい。


短い時間ですが、ご希望の方には石彫り体験もして頂けます。

気軽に遊びにいらしっしゃいませんか♪



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 


35th 彫刻さんぽ in 彫刻工房くさかアトリエ
4月15日(日)13:30~ 

仙台ロイヤルパークホテルから北に車で7分ほどの所にある
彫刻工房くさかアトリエで、私がこれまで大切に温めてきた作品群をご覧頂きます。

ご参加ご希望の方は13:00に仙台ロイヤルパークホテル向かいの

ACTUS(仙台市泉区紫山1丁目1-4)の駐車場にお越しください。

そこから車で7分ほどのアトリエにご案内いたします。 

待ち合わせご希望の方は行き違いを防ぐため、必ずご連絡下さい。 



場所をご存じの方は13:30に直接アトリエにお越し頂いても大丈夫です。

(直前でのご参加も可能です。その際はお電話でご連絡下さいませ。)

 info@k-195.com または 090-4319-7439

ご興味おありの方も上記連絡先にお気軽にお問合わせ下さい。

あなた様にお会いできますことを心より楽しみにしております🎵

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 


本日もご訪問、ありがとうございます。


:::::::::::::::::::::::::::::::::::

 


テーマ:

みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の原 透さんです。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-800p
原 透さん


以下、2013年8月の再放送でお届けいたします。

前回登場の小淵俊夫さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 小淵俊夫さん  第1回、  第2回第3回第4回 


  彫刻家 第1回 原 透さん 第1回 第2回、   第3回,  第4回 第5回 ,  第6回

 

最終回で 第7回目の今日は、原 透さんのパブリックアートの考え方について、
今後の活動予定、 「あなたにとってアートとは?」についてお聴かせ頂きました。


 お楽しみ頂ければ幸いです。


************************

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

真知

 

<秋田県立武道館モニュメント>

 340×105×120

160×340×120

 赤御影石       2004年

 秋田県立武道館設置



 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-那須野が原ハーモニーホール 2002


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-那須野が原ハーモニーホール 

 

時間軸―V―7
108×235×80
白御影石 2002年
栃木県 那須野が原ハーモニーホール設置

 


 

 

日下

では社会との接点についての思いをお聴きしてみたいのですが、原さんはパブリックコレクションもとても多くていらっしゃいます。パブリックな空間に彫刻で関わる時に
社会との接点というようなことで、意識されることがありましたらお聴かせ下さい。


     

原 透さん
僕は、パブリックアートを意識してやってきたのですが、展覧会とか美術館とかと明らかに違うと感じています。やはり、見ようとしない人の視角にも入ってしまうといところだと思いますね。誰かにとって、いつも通る場所に作品が置かれたとすると、その作品を作者以上に見続けることになります。ということはその人たちにマイナスの印象を与えてはいけないという・・・。負の感情を与えるようなものであってはいけないと想う。

 


日下
なるほど~。本当にそうですね。

 

 


原 透さん
作品が置かれるその場所ごとに事情が違うという。見え方も違う、気候も違う、通る人も違う、そこが非常にパブリックアートの面白いところだと想います。

美術館は割とニュートラルな空間にしようと想って作られているというところがあります。いつも光がこういう感じとか、壁の色は白とか。ところがパブリックアートだとシチュエーションが全部違ってきます。それが難しい所だと僕は感じているという事です。

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-長野市 上千歳町広場  2009

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-長野市 上千歳町広場  2009

時間塊7

 295×165×145

 赤御影石      2009年

 長野市 上千歳町広場設置


 



日下
ありがとうございます。

話は変わって、社会との接点というくくりでする質問かどうかわかりませんが、原さんは文化庁の国内研修員をされた経歴がおありですね。どんな内容だったのか、なさってみて良かったことなど、原 透さんご自身の体験から、この制度の善い所などを教えていただけますでしょうか?

 

 

原 透さん
今はこの名称が変わっていると想います(※)。僕は国内研修員だったので、実際には大学の恩師のアトリエを研修施設に受け容れ登録して頂いて、彫刻を制作させてもらったということです。国外と国内がありますが今は名弥が違っていると想います。インターンシップ制度とか言うのじゃないかな。

 

 


※ 下記文言で検索して頂くと詳細情報が見られます。

     ● 新進芸術家海外研修制度
     ●平成29年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業(芸術系大学等連携)

 



日下
はい、そうだと思います。改めて、調べてみたところ、今は新進芸術家の海外研修のみに変わっていたようではありますが・・・。

 

   
原 透さん

この時、「今、自分は実際にどういう素材でどういうテーマで制作をする」とか書類を出しながら制作をしたので、僕はすごくそういうものの意味合いを考えながら制作する機会になりましたね。


何となく制作するのではなくて、日時と、どういうテーマで作って、どこで発表してというところまで届け出て制作をするので、本当にいい勉強になりました。

 


日下
大学の恩師の先生と言うのは大成浩先生※でいらっしゃるのでしょうか。

 

  

 ※ 彫刻家 大成浩さん

     http://www.toyamap.or.jp/hot/gallery.html




原 透さん
そうです。


   

日下
こういう芸術家を育成するシステム、制度については想われることはおありでしょうか?

 


原 透さん
そうですね。やはり美術に関してはなかなか制作していくことが大変なので、国の機関が助成をするというのは若い作家にとっては貴重な機会だとは思います。

 


日下
そうですよね。日本という国はすごく芸術を学ばれる方が多いと聞いたことがあります。

 

 


原 透さん
本当はもっとそういう事業をやっていい国だと想います。やはり文化というのは大切にして欲しいと想っています。

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-16

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

時間軸―V―

 120×300×100

 赤御影石
      2000年

  兵庫県淡路夢舞台設置


 




日下
そうですね。では近年の活動内容、今後の発表予定など御聞かせいただけますでしょうか。

 

 

原 透さん
夏は新潟県の十日町市の彫刻シンポジウム  の公開制作をします。

 

 



日下
その十日町市の彫刻シンポジウムというのはとても貴重な機会ですよね。彫刻シンポジウムというのはとても少なくなっているので。

 


原 透さん
新潟県は彫刻シンポジウムとかアートトリエンナーレ(※)とか開催されていて、アートに理解がある地域ですね。特殊ですね。

 

 

 越後妻有アートトリエンナーレ公式HP⇒ 大地の芸術祭    

 

 

日下
原 透さんは時間旅行者の椅子の作品を制作される予定なのですね。

 

 

 


原 透さん
十日町のこのシンポジウムの特徴的な要素は具象的な作品が求められていることです。僕は抽象的な作品を作っている物が多いのでどうかなぁと想ったのですが。
一時期、椅子をテーマに造っていた作品がありました。

 

 

 

 

日下
そうですか~!オファーがくるというのは素晴らしいですね!!

 


原 透さん
どこかで誰かが見てくれているようです。こんなのあったよという風にどこかでつながっているんですね。美術畑のつながりというのがあるのでしょうね。

 

 


日下
本当に継続していらっしゃるのが素晴らしいですね。

 

 


原 透さん
とにかく彫刻家というのは継続するのが大変ですから。コツコツやっていると必ず見ていてくれる人がいるのだなと想います。

 

 

 

 

日下
素晴らしいですね。では、次回のリレー作家をご紹介頂けますでしょうか?
 
 
原 透さん
彫刻家の渡辺忍さんを紹介します。

 

 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-0217

 

 

時間旅行者のためにNo. 0217
200㎝×75㎝×73㎝
赤御影石 2010年

 

 

日下
では最後に「原 透さんにとってアートとは?」

 

 


原 透さん
考える手段です。アートって、色々なこと考えないと。アートを通して、様々な要素が見えてくるので。

そこが自分としては一番好きな事でもありますし、難しいところでもあります。あと、多くの人と交流できるということがあります。

 


日下
そうですか。今回は素晴らしいお話を本当にありがとうございました。

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-ランドスケープ  2004年

 

時間軸のためのランドスケープ
75×85×85
赤御影石 2004年

 

 

**********************************

 

今回、小淵俊夫さんのご紹介で初めて、原 透さんとお話をさせて頂きました。原 透さんと小淵俊夫さんはすいど-ばた美術学校という美術予備校でご一緒で仲が良かったのだそうです。


実は私は、卒業制作で一度だけ国画会に応募したことがあるのですが、その時、東京都美術館の中で、仙台から応募した見ず知らずの私の作品搬入を原さんが手伝って下さったということがございました。

 

今回、原 透さんはとても丁寧に明快にお話をお聴かせ下さいました。原 透さんは現代物理学の領域である、「時間軸」、「特異点」というテーマを彫刻の造形で表現される、貴重な彫刻家でいらっしゃいます。

 

私は、原 透さんが
「ルネサンス期のように、もっと美術が科学と共に最先端を行っていいのではないでしょうか。 科学者たちが理論の裏付けが無いと発言出来ないような事を、美術の分野で、 自由な解釈を示してもいいのかな。」と仰ったことがとても印象に残りました。

 

みなさまもぜひ原 透さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

**********************************

◆原 透さん卒業の東京都立芸術高校

 

◆原 透さん作品が見られるWEBぺ―ジ

 ◇ 国画会
 

◆原 透さんの今後の活動 (※現在は終了しています。)

  ◇ 第19回十日町石彫シンポジウム

   ・2013年7月27日(土)~8月18日(日)

   ・参加作家    北島一夫、 橋本恵吏、 原 透

 
  ◇原透、西山瑠依展

    □9月2日(月)~9月7日(土)

    □ギャルリー志門  

     〒104-0061東京都中央区銀座6-13-7新保ビル3F

      TEL:03-3541-2511

 

 

 

◆原 透さんの コンセプト文章

特異点(singularity)

 石を素材にした彫刻を制作していると、石の中に宇宙に繋がる根源的物質の要素、時間の概念を感じることがあります。 特異点という言葉は物理学と数学の両方で用いられます。ある基準下で、その基準が適用できない点です。

 

物理学では、一般相対性理論の帰結であり、密度が無限大、体積が0、時空の歪みが無限大になります。よって、その点では物理法則が破綻しています。現代の宇宙論によると、私たちの宇宙の始まりも特異点に収束されてしまいます。これを回避するため、様々な理論的試行錯誤がおこなわれています。また特異点は、重力崩壊した星からできるブラックホールの中にも存在すると推測されます。


 相対性理論は光を物差しとして、時間と空間の関係を説明しています。彫刻が内包している問題とかなりの接点があります。この作品のシリーズでは、相対性理論を彫刻に組み込むことにより、私達の日常では目にすることのない、形、構成を視覚化しようと考えています。これは単に物理学の法則を説明するのではなく、その要素から生まれてくる現象の実態を表現するということです。
 

 「特異点のある石」では、石の中に特異点があるものとして構成しています。その強い重力で外側の形が中に引きずり込まれています。原子から惑星まで、すべての物質は、内部の力と外部の力がせめぎ合って形態を維持しています。したがって、このような構成はヒューマンスケールでは起こりません。自然を観察して、その要素を抽出し、様々な素材の特性を生かして表現する方法では作りえない構成です。


 作品のよりどころになっているのは、相対性理論の「特異点は質量と体積の関係で成り立ち、質量の大きさを規定していない」という定義です。質量が変わらず、体積を縮める方法があったならば、すべてのものは特異点になります。ただし、物質密度は非常に高くなります。地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは
 ★コチラから★ 

 

4/8(日)10:00~ みんなの彫刻アカデミー0期 第9回のご案内♪



::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★
学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!

 


テーマ:

みんなの学び場美術 館長 日下育子です。

4/8(日) 10:00~13:00

みんなの彫刻アカデミー」 0(ゼロ)期 第9回を開催いたします。

 

 

第1回目 参加者の感想
第2回目 参加者の感想

 

2017年6月~2018年3月の予定でスタートした0期モニター開催も、いよいよ終盤となり、参加者様は、本当に毎回熱心に制作に励まれていよいよ完成間近となってきました。 

 

 

この彫刻アカデミーは、彫刻のCurving(カービング・彫刻)、Modeling(モデリング・塑像)、Casting(キャスティング・鋳造)の手法のうち、最初の手法で石を素材に体験していただく彫刻教室です。

 

彫刻の大前提となるのが、制作した像が何の支えも無しにその像自体で自立していることです。

現在の参加者様は、精神的・経済的自立を目指す女性ですが、第1回の時に上記の彫刻についての説明をした際、「自立する彫刻」という言葉にとても響いた様子で、ご自身のテーマを「自立して、自立する彫刻を制作する」と決めて、内面を表現した祈りのかたちを制作中です。

 

彼女の制作テーマ通り、初心者には危険を伴うハンマードリルやグラインダーでの切れ込みを入れるところ以外は、本当に私の手を借りず、とても集中した自立した姿勢でご自身の作品を制作されています。私は彼女の作品の完成がとても楽しみでなりません。

 

以下概要です。
……………………………………………
4/8(日) 10:00~13:00
彫刻工房くさか アトリエ (宮城県黒川郡大和町小野  )

仙台ロイヤルパークホテルから車で北に7分 県道264号線沿い。

ご連絡いただいた方に案内地図送付、入り口目印のご案内を差し上げます。)

 

参加費 モニター生特別価格 5,000円。
(道具無料貸出、制作の石素材 概ね2分の1切、13000円相当プレゼント)

 

モニター開催期間は残りわずかとなりましたが、1回だけの体験参加も可能です。

参加費用 5.000円(道具無料貸し出し、素材の石プレゼント)

1回体験してされてみて、また続きをやりたい!と思って頂けましたら、来年度秋に本格開催を

予定している「みんなの彫刻アカデミー」をご案内させていただきます。

 

動きやすく、汚れを気にしない、温かい服装でご参加ください。

 


★実施内容: 石を素材とした彫刻制作     

この彫刻アカデミーは、彫刻のCurving(カービング・彫刻)、Modeling(モデリング・塑像)、Casting(キャスティング・鋳造)の手法のうち、最初の手法で石を素材に体験していただく彫刻教室です。

 

 彫りたいかたちをどのように石で立体化するか、頭、心、手で考える実践を指導いたします。
 彫ってみたいものがあれば参考資料としてご持参下さい。 (ご自身でのスケッチ、本や写真、プリントアウトした画像など )

 彫ってみたいもののイメージがまだわかないけど興味あるという方には、形を考えるところから指導いたしますのでご安心ください。

※今回の0期モニター期間は2017年6月~2018年3月までの間で毎月1回、
 9回開催予定です。 プレゼントする石の量で小作品1点の完成を目指します。
 
持ち物
■スケッチブックやノート、鉛筆、赤鉛筆などの筆記用具
■軍手
■タオル二枚位 (頭に被る、汗拭き)
■飲み物
■雨合羽 

以下のものは、準備可能でしたらご持参ください。
当日、現物をご覧になってからのご購入でも可能です。
■防塵メガネ
  (ホームセンターで売っている安いもので可。
  ゴーグル式は曇りやすく不便なのでお勧めしません。)
■マスク 
  (ホームセンターで売っている、簡易式のマスク。
   普通のマスクやバンダナでも代用可能。)

服装  
■汚れても良い服装
  (怪我防止のため長袖長ズボン、アトリエにて着替え可)
■丈夫な靴、お持ちでしたら安全靴
  (サンダルなどヒールのあるものや爪先が露出するものは不可)


参加ご希望の方は必ずご連絡下さい。
info@k-195.com     または  090-4319-7439

0期モニター生は、随時募集中です。
どうぞお気軽にご参加ください。


「みんなの彫刻アカデミー」 0期の開催予定は以下の通りです。
① 6/18(日) 13:30~16:30 (終了しました。)
② 7/15(土) 13:30~16:30 (終了しました。)
③ 9/16(土) 10:00~13:00 (終了しました。)
④ 10/28(土) 10:00~13:00 (終了しました。)
⑤ 11/18(土) 午前の部 10:00~13:00 
         午後の部 13:30~16:30 (終了しました。)
⑥ 12/16(土)⇒12/3(日)に変更になります。
         午前の部 10:00~13:00 (終了しました。)
         午後の部 13:30~16:30 (終了しました。)

⑦2018/1/20(土) 午後の部 13:30~16:30(終了しました。)
⑧ 2/17(土)  午前の部 10:00~13:00 (参加者都合にてお休み) 
⑧ 3/18(土)  午前の部 10:00~13:00 (終了しました。)
⑨ 4/8(日) 午前の部 10:00~13:00

皆様のご参加を心よりお待ちしております。
 本日もご訪問、ありがとうございます。

 

:::::::::::::::::::::::::::::::::::


★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは

 ★コチラから★


::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

 


学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 

 


人気ブログランキングへ ←ポチッとおしてね! 

 


↓こちらも

 


にほんブログ村  ← ポチっとおしてね!

 

 


テーマ:

みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の原 透さんです。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-800p
原 透さん

 

以下、2013年8月の再放送でお届けいたします。


前回登場の小淵俊夫さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 小淵俊夫さん  第1回、
 第2回 第3回 第4回 

 


  彫刻家 第1回 原 透さん 第1回 第2回、   第3回 、 第4回 、  第5回
 

 

第6回目の今日は、前回までの宇宙のお話を踏まえて
改めて 制作テーマの「特異点」について、お聴かせ頂きました。

 


 お楽しみ頂ければ幸いです。


************************

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-KAJIMA

特異点のある石

  85×80×80㎝

  赤御影石           2012年

 

 

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-6

特異点のある石6
  28㎝×28㎝×28㎝

大理石            2012年




 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-8
特異点のある石 8

  85×110×140㎝

  本小松石           2013年

 

 

 

 

 

日下
秘密でなければ、お聴きしてみたいのですが。「特異点」の作り方というか・・・。
本当に「特異点」の求心力というか本当に吸い込まれていくような穴の造形をされていますが、この穴は貫通している穴なのでしょうか。

 

 


原 透さん
基本的に、穴は、彫刻家の多くが興味を持っていてたくさん方が取り組んでいらっしゃると想いますね。
造形的にいうと穴には貫通型の穴と、途中で止まっている洞窟のような穴と2種類あると想います。僕の作品には両方の種類の穴を扱った作品があります。

 

 

 

日下
あっ、そうなんですか。

 


原 透さん
はい。完全に通じている穴と、通じていない穴と両方あります。「特異点」のシリーズでは、気体とか流体のかたちを固体に持ってきたりしています。

 


日下
穴の空き方を、石の技術面から拝見すると穴がドリルでブツッと開けたような正円の穴ではなくて穴の中にもに肉づきがありますよね。

 

 


原 透さん
正円にならないようにかたちを作っています。実際に円形に穴をあけてその後にかたちを作っています。
正円だとやっぱり、特徴の無い穴になるのでそこは気をつけています。

 

 


日下
とても素晴らしい技術で、そこが作品の魅力で、とっても面白いところだと想います。

 

 


原 透さん
そうですね。穴があると穴を覗き込むというのは人間の本能みたいですね。大人でも子供でも、性別も関係無く、
その先に何が見えるかというのをあきらめないでずーと見ている方がいます。見えないところでも一生懸命覗いて見ているという。

 

日下
ええ、本当に面白いです。興味があるのでついついお伺いしてしまうのですが特異点の文章(※下記参照)の中に「地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。」
ということが書いてあります。

 

「地球を縮めたとすると、・・・」というのはどういうことでしょうか。

 

 


原 透さん
その文章は僕が考えた訳ではなく、宇宙の関係の本で、研究をしていらっしゃる方が書いている文章なのですけど。

 


日下
地球を半径約9ミリに縮めるぐらいに密度を高めると・・・、ということでしょうか。

 

 


原 透さん
そうですね、違う領域のものになるというか。体積と質量の関係なのでもしも体積の方だけを縮める方法があれば、質量が小さいものでも何でも縮めた時に特異点になるということです。

 

これはなにか面白くて、巨大な大きい星にだけ当てはまるのかと想ったら体積と質量の関係で、車でも、コップでも質量があるものだったらなんでも特異点になるそうです。もちろん実際にやって見ることは出来ませんが。

 

ブラックホールは太陽の何倍かの質量の星が最期を迎え、自らの重力に耐えきれなくなって極限まで縮まってしまう。そして特異点になるという事のようですね。

 

 


日下
ありがとうございます。何となくわかるような気がしてきました。

 

 


原 透さん
残念ながらブラックホールって見に行けないですからね。

 

 

 

日下
そうですね。(笑)見に行ったら吸い込まれちゃいますものね。

 

 

 


原 透さん
特異点のそういうところが非常に面白かったので、それが石の中にあったらどうなっちゃうの?あったらどんなことが起きるかなというのが作品の言いたいことでもあります。

 

 


日下
とっても素晴らしいお話をありがとうございます。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時間軸―L―2  2001

時間軸―L―2

 30×210×55

 赤御影石      2001年


 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-京都青蓮院 2000
時間軸―Ⅰ―

 25×165×20

 赤御影石      2000年

 京都青蓮院


 




 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時間軸―S―2   2002

時間軸―S―2 

40×560×170
赤御影石   2002年
 


**********************************


参照: 原 透さんが書かれた「特異点」 説明文

 

特異点(singularity)

 石を素材にした彫刻を制作していると、石の中に宇宙に繋がる根源的物質の要素、時間の概念を感じることがあります。
 特異点という言葉は物理学と数学の両方で用いられます。ある基準下で、その基準が適用できない点です。物理学では、一般相対性理論の帰結であり、密度が無限大、体積が0、時空の歪みが無限大になります。よって、その点では物理法則が破綻しています。現代の宇宙論によると、私たちの宇宙の始まりも特異点に収束されてしまいます。これを回避するため、様々な理論的試行錯誤がおこなわれています。また特異点は、重力崩壊した星からできるブラックホールの中にも存在すると推測されます。
 相対性理論は光を物差しとして、時間と空間の関係を説明しています。彫刻が内包している問題とかなりの接点があります。この作品のシリーズでは、相対性理論を彫刻に組み込むことにより、私達の日常では目にすることのない、形、構成を視覚化しようと考えています。これは単に物理学の法則を説明するのではなく、その要素から生まれてくる現象の実態を表現するということです。
 

 「特異点のある石」では、石の中に特異点があるものとして構成しています。その強い重力で外側の形が中に引きずり込まれています。原子から惑星まで、すべての物質は、内部の力と外部の力がせめぎ合って形態を維持しています。したがって、このような構成はヒューマンスケールでは起こりません。自然を観察して、その要素を抽出し、様々な素材の特性を生かして表現する方法では作りえない構成です。
 作品のよりどころになっているのは、相対性理論の「特異点は質量と体積の関係で成り立ち、質量の大きさを規定していない」という定義です。質量が変わらず、体積を縮める方法があったならば、すべてのものは特異点になります。ただし、物質密度は非常に高くなります。地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。

 

 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-ドロ11
Singularity11

 紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル
   37㎝×27㎝    2012年

 


 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-ドロ14
Singularity14

  紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル

  37×27㎝    2012


 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時空2

 

特異点のある時空2
  ワトソン紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル

  91㎝×73㎝     2012年

 

 

*********************************

 

今回、小淵俊夫さんのご紹介で初めて、原 透さんとお話をさせて頂きました。

原 透さんと小淵俊夫さんはすいど-ばた美術学校という美術予備校でご一緒で仲が良かったのだそうです。


実は私は、卒業制作で一度だけ国画会に応募したことがあるのですが、その時、東京都美術館の中で、仙台から応募した見ず知らずの私の作品搬入を原さんが手伝って下さったということがございました。

 

今回、原 透さんはとても丁寧に明快にお話をお聴かせ下さいました。原 透さんは現代物理学の領域である、「時間軸」、「特異点」というテーマを彫刻の造形で表現される、貴重な彫刻家でいらっしゃいます。

 

私は、原 透さんが
「ルネサンス期のように、もっと美術が科学と共に最先端を行っていいのではないでしょうか。 科学者たちが理論の裏付けが無いと発言出来ないような事を、美術の分野で、
 自由な解釈を示してもいいのかな。」

と仰ったことがとても印象に残りました。

 

みなさまもぜひ原 透さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

**********************************

 

◆原 透さん卒業の東京都立芸術高校

 

◆原 透さん作品が見られるWEBぺ―ジ

 ◇ 国画会
 

◆原 透さんの今後の活動 (※現在は終了しています。)

  ◇ 第19回十日町石彫シンポジウム

   ・2013年7月27日(土)~8月18日(日)

   ・参加作家    北島一夫、 橋本恵吏、 原 透

 
  ◇原透、西山瑠依展

    □9月2日(月)~9月7日(土)

    □ギャルリー志門  

     〒104-0061東京都中央区銀座6-13-7新保ビル3F

      TEL:03-3541-2511

 

 

 

◆原 透さんの コンセプト文章

特異点(singularity)

 石を素材にした彫刻を制作していると、石の中に宇宙に繋がる根源的物質の要素、時間の概念を感じることがあります。 特異点という言葉は物理学と数学の両方で用いられます。ある基準下で、その基準が適用できない点です。

 

物理学では、一般相対性理論の帰結であり、密度が無限大、体積が0、時空の歪みが無限大になります。よって、その点では物理法則が破綻しています。現代の宇宙論によると、私たちの宇宙の始まりも特異点に収束されてしまいます。これを回避するため、様々な理論的試行錯誤がおこなわれています。また特異点は、重力崩壊した星からできるブラックホールの中にも存在すると推測されます。


 相対性理論は光を物差しとして、時間と空間の関係を説明しています。彫刻が内包している問題とかなりの接点があります。この作品のシリーズでは、相対性理論を彫刻に組み込むことにより、私達の日常では目にすることのない、形、構成を視覚化しようと考えています。これは単に物理学の法則を説明するのではなく、その要素から生まれてくる現象の実態を表現するということです。
 

 「特異点のある石」では、石の中に特異点があるものとして構成しています。その強い重力で外側の形が中に引きずり込まれています。原子から惑星まで、すべての物質は、内部の力と外部の力がせめぎ合って形態を維持しています。したがって、このような構成はヒューマンスケールでは起こりません。自然を観察して、その要素を抽出し、様々な素材の特性を生かして表現する方法では作りえない構成です。


 作品のよりどころになっているのは、相対性理論の「特異点は質量と体積の関係で成り立ち、質量の大きさを規定していない」という定義です。質量が変わらず、体積を縮める方法があったならば、すべてのものは特異点になります。ただし、物質密度は非常に高くなります。地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは
 ★コチラから★ 

 

3/18/(日)10:00~ みんなの彫刻アカデミー0期 第7回のご案内♪



::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

 


学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!

 


テーマ:

みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の原 透さんです。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-800p
原 透さん

 

以下、2013年8月の再放送でお届けいたします。


前回登場の小淵俊夫さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 小淵俊夫さん  第1回、  第2回第3回第4回 

 

  彫刻家 第1回 原 透さん 第1回 第2回、   第3回,  第4回
 

 

第5回目の今日は、テーマにされている科学分野のかかわりから「人間原理」のこと、それにアートができることについて、お聴かせ頂きました。


 お楽しみ頂ければ幸いです。


* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-8

特異点のある石 8

 

  85×110×140㎝

  本小松石           2013年

 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-ドロ11
Singularity11

 

   紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル
   37㎝×27㎝    2012年

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-ドロ14
Singularity14

  紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル

  37×27㎝    2012


 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時空2

 

特異点のある時空2
  ワトソン紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル
  91㎝×73㎝     2012年

 

 

 

 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-4つの時間軸  1999

 

4つの時間軸
60×300×300
赤御影石 1999年

 

 



 

日下
前回は、歴史的には科学の最前線のところにアートも一緒にいたのが、近年全く離れてしまったけれど、また最先端で表現した方がよいのではないかというお話でしたが。

 


原 透さん
僕が感じることなのですが、自然科学の人たちって、かなりのところまで進んでしまっているので、それによって、彼らは理論だけでは解釈しきれない領域に段々入って来てしまっていると思いますね。

 

科学領域は分からない事が出てくると、それを一生懸命調べようとします。でもそこを突き詰めて行くとさらに分からない要素が出てくるという・・・。理論を重ねていったはずなのに別のものが出てきてしまうというのが、現代科学の難しい所なのかなと想います。

 


日下
例えば、どんなことでしょうか。

 


原 透さん
美術のインタビューでこんなこと話していいでしょうか?

 


日下
ええ、どうぞ。お聴きしてみたいです。

 

 


原 透さん
例えば、一般的に有名な方だとホーキング博士とかそういう現代理学者の方の本を読むと神という言葉がやたら出てくるんですね。

 

彼らが言うことを簡単に説明すると私たち知的生物が今、ここに存在しているのは、宇宙の始まりのビッグバン宇宙理論にあるように想像できない巨大な爆発が起こり、その後に空間が出来あがって、いろんな物質が作られて、それが揺らぎとかいろんな要素が入って星となり、私たちにつながって来ているということです。

 

その様々な物質が合成され、生物が生まれ、人間まで進化してくる確率を計算したり、そのためにどういう要素が必要か調べりたりすると非常に確率が低いようです。上手に色々な事を調整しないとここまでたどり付かないという。そこでどうも神が出てきちゃっているみたいですね。

 


日下
はい、はい。(興味津々!)

 

 


原 透さん
「この宇宙はあたかも、ちょうど人類が誕生するよう細かく調整されているように見える」
これホーキング博士の本に書いてある言葉ですけど。これが、彼らが困っている領域みたいですね。

 

「人類という認識主体が生まれない宇宙は存在しても認識されないので、 認識される宇宙はちょうど人類が誕生する宇宙のみである。」つまり、「宇宙という認識自体が生まれないと宇宙って価値があるの?」ということなんですね。

 

ただあるだけで何も認識するものがないと。だから人間は必然的に生まれたのではないか。これは「人間原理」という考え方で、人類が生まれたというのには理由があるのだと。

 


日下
「人間原理」という言葉は、私は初めて聴きました。

 

 

 

原 透さん
かなりいろんなところで定義されているんですが、もっと別な定義だと「人間原理とは、物理学、特に宇宙論において宇宙の構造の理由を 人間の存在に求める考え方。」・・・固い言葉だとこんな感じかな。

 


日下
えーと、つまり・・・。

 

 


原 透さん
宇宙がその存在を人間に認めさせようとして必然的に生まれさせて来たという考え方です。
ビッグバンの後にちゃんと人が作られるように物質が合成されてきているという。均一に物質が広がらずに、あるゆらぎというかムラというか人間が出来るように宇宙が出来上がっていく。物質の広がりが均一だったら星もなにも生まれなかった可能性もあるそうです。

 

 

日下
はぁ~、すごいですね。

 

 

原 透さん
対岸から見せて頂いていると、各論としてのいろんな理論が研究して分かって来ていますが、大きく全体を見せて頂くと私たちがここにいるのは、そこに繋がって来る存在というのは、「何でこんなに調整されて、何かあるのかな?」というような興味が一杯出てきます。

 


日下
そうですね。不思議ですね。ここまでお聴きしてきて、美術でこういうことを表現されている方ってあんまりいらっしゃらないですよね。

 

 

原 透さん
そうですね。他のジャンルではこんなことが出てきているのですよね。美術では、あんまり出てきていないので。


だから、宇宙の創世から科学者が理論と数式とを積み重ねて、どんどん詰めていけばいくほど「誰が調整したん?何か不思議なものが関与しているのか?」というのが今の現代物理学の命題というか、困っているところですね。科学の分野の人たちが「調べれば調べるほどスピリチュアルな方に行っちゃうんですよね。」と言っていますね。

 

僕はそういうのから一番、遠い事、遠い世界をやってきた人なのに「あれ?」と想います。芸術から見ると分からない事は神の行動とかそういう考え方がありますが、科学はそこから離れて、理論はそうじゃないんだよ、
と理論を積み重ねて来たのにどんどん調べて行ったら、めぐりめぐってここに来ちゃった、というように僕は感じますね。

 


日下
なるほど~。面白いですね~!!

 


原 透さん
そういう科学者の困っているところに美術は、自由な分野ゆえに「自由に発想していいんじゃないの?ちょっとアート畑が解釈を示せるんじゃないの?」みたいなことを想いますね。

 

美術はやっぱり今、起きていること、生きていることを素直に表現できる分野だと思うんです。今、現代物理学で起きていることについても、イメージ出来ることを発言すれば、非常に刺激を与えると僕は想うんですよね。 

 


日下
そうですね。その考えは面白いですし、美術の役割を改めて自覚させてくれる言葉だと想います。原さんが貴重な表現者でいらっしゃいますね。

 

原さんご自身は科学の領域に踏み込んだ「特異点」などのテーマで何か伝えて行きたいことというのはおありでしょうか?

 


原 透さん
実際にまだ、作り出したのが最近で、時間もそれほど経っていないので、これからその、現代物理学にたずさわっている人に見に来て頂いて逆にどう思われるか教えてほしいですね。
私の物理学系の友人は、面白いねとは言ってくれますが。

 

 

日下
とっても素晴らしいお話をありがとうございました!

 

 

 

 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-王妃Ⅱ
 

王妃のために Ⅱ

68×35×37

  白大理石     2009年


 

**********************************

 

今回、小淵俊夫さんのご紹介で初めて、原 透さんとお話をさせて頂きました。


原 透さんと小淵俊夫さんはすいど-ばた美術学校という美術予備校でご一緒で仲が良かったのだそうです。


実は私は、卒業制作で一度だけ国画会に応募したことがあるのですが、その時、東京都美術館の中で、仙台から応募した見ず知らずの私の作品搬入を原さんが手伝って下さったということがございました。

 

今回、原 透さんはとても丁寧に明快にお話をお聴かせ下さいました。

原 透さんは現代物理学の領域である、「時間軸」、「特異点」というテーマを彫刻の造形で表現される、貴重な彫刻家でいらっしゃいます。

 

私は、原 透さんが
「ルネサンス期のように、もっと美術が科学と共に最先端を行っていいのではないでしょうか。 科学者たちが理論の裏付けが無いと発言出来ないような事を、美術の分野で、
 自由な解釈を示してもいいのかな。」

と仰ったことがとても印象に残りました。

 

みなさまもぜひ原 透さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

**********************************

**********************************

 

◆原 透さん卒業の東京都立芸術高校

 

◆原 透さん作品が見られるWEBぺ―ジ

 ◇ 国画会
 

◆原 透さんの今後の活動 (※現在は終了しています。)

  ◇ 第19回十日町石彫シンポジウム

   ・2013年7月27日(土)~8月18日(日)

   ・参加作家    北島一夫、 橋本恵吏、 原 透

 
  ◇原透、西山瑠依展

    □9月2日(月)~9月7日(土)

    □ギャルリー志門  

     〒104-0061東京都中央区銀座6-13-7新保ビル3F

      TEL:03-3541-2511

 

 

 

◆原 透さんの コンセプト文章

特異点(singularity)

 石を素材にした彫刻を制作していると、石の中に宇宙に繋がる根源的物質の要素、時間の概念を感じることがあります。 特異点という言葉は物理学と数学の両方で用いられます。ある基準下で、その基準が適用できない点です。

 

物理学では、一般相対性理論の帰結であり、密度が無限大、体積が0、時空の歪みが無限大になります。よって、その点では物理法則が破綻しています。現代の宇宙論によると、私たちの宇宙の始まりも特異点に収束されてしまいます。これを回避するため、様々な理論的試行錯誤がおこなわれています。また特異点は、重力崩壊した星からできるブラックホールの中にも存在すると推測されます。


 相対性理論は光を物差しとして、時間と空間の関係を説明しています。彫刻が内包している問題とかなりの接点があります。この作品のシリーズでは、相対性理論を彫刻に組み込むことにより、私達の日常では目にすることのない、形、構成を視覚化しようと考えています。これは単に物理学の法則を説明するのではなく、その要素から生まれてくる現象の実態を表現するということです。
 

 「特異点のある石」では、石の中に特異点があるものとして構成しています。その強い重力で外側の形が中に引きずり込まれています。原子から惑星まで、すべての物質は、内部の力と外部の力がせめぎ合って形態を維持しています。したがって、このような構成はヒューマンスケールでは起こりません。自然を観察して、その要素を抽出し、様々な素材の特性を生かして表現する方法では作りえない構成です。


 作品のよりどころになっているのは、相対性理論の「特異点は質量と体積の関係で成り立ち、質量の大きさを規定していない」という定義です。質量が変わらず、体積を縮める方法があったならば、すべてのものは特異点になります。ただし、物質密度は非常に高くなります。地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは
 ★コチラから★ 

 

3/18/(日)10:00~ みんなの彫刻アカデミー0期 第7回のご案内♪



::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

 


学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!

 


テーマ:

みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の原 透さんです。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-800p
原 透さん

 

以下、2013年7月の再放送でお届けいたします。


前回登場の小淵俊夫さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 小淵俊夫さん  第1回、  第2回第3回第4回 

 


  彫刻家 第1回 原 透さん 第1回 第2回、   第3回,
 

第4回目の今日は、社会との接点について、科学などの他分野と美術の関わりについて想うとことをお聴かせ頂きました。


 お楽しみ頂ければ幸いです。


************************

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-KAJIMA

特異点のある石

  85×80×80㎝

  赤御影石           2013年


 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-6

特異点のある石6

  28㎝×28㎝×28㎝

大理石            2012年

 

 

 

 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時空2

特異点のある時空2
  ワトソン紙、鉛筆、木炭、チャコールペンシル
  91㎝×73㎝     2012年

 

 

 

 

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-0203
時間旅行者のためにNo.0203
88㎝×45㎝×67㎝
赤御影石            2008年

 

 

 

 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時間旅行者のためにNo.0204    2008  

時間旅行者のためにNo.0204

200×70×120㎝

赤御影石           2008年
 

 

 

 

日下
私は、作品のテーマやその造形表現から、原さんはとても理科系の方という印象を持っていましたが、お話をお聴きしていると、とても自然に時間に関する、物理の理論と向き合っていらっしゃるんだなぁと感じます。

 


原 透さん
文系の分野に理系の要素を持ってきているということをやっていますね。
僕は理系の専門畑から出てきたのではないので、理系の友人にいろいろ教えて頂きながら、そういう知識を得ようとしている過程で、彫刻とかドローイングのヒントが出てくるという制作パターンです。

 

決して物理学の法則を説明しようとはしていないんですよね。いろいろ専門的な方に教えて頂いた時の「ああ、なるほどね!」というところを立体にしたり、絵に描いたりということをやっています。

 

 

日下
そうでいらっしゃるのですか。

 


原 透さん
そういう科学に対するアレルギーみたいなものを持っている人は多いと想いますが・・・。
その辺の話をすると「いや、美術ってそういう分野じゃないんじゃないの!?」という方もいらっしゃいます。

 

僕は科学というのは、人間がいろいろ疑問に持っていることにかなり答えてくれる分野だと想っています。
美術はそういう要素をあまり持っていないなと・・・。

 


日下
私には無い感性で制作していらっしゃるところが羨ましいとも想います。

 

アートという分野は、何か感性任せになってしまいがちなところもあるかと想うのですが、きちんと科学の裏打ちのあることをテーマにしていらっしゃることで「彫刻ってどういうことなのか?」という問いも孕んだ制作をされているように想います。そういう問いかけの力を持っていらっしゃる彫刻なのかなと感じます。

 


原 透さん
そういう理論の本を読んでいると実は書いていないことがたくさんあって、行間がかなり空いているということがあります。その解釈で、行間が空いちゃったところは、自分なりの言葉で埋めて行くしかないんだなということがあります。

 

何百年か前のヨーロッパではアートと科学は、意外と近いところにあったような気がしますよね。


 

日下
はい。

 


原 透さん
以前は科学の最前線のところにアートも一緒にいたのですが、アートの方が近年全く離れてしまいました。
科学者、哲学者、宗教家、美術家っていうのは交流を持ちながら、お互いの持っているものを出し合い、人間のもっている疑問をお互いに意見交換し合うという時代じゃなくなっちゃっているという・・・。

 

様々な方向性で、バラバラに追求するのではなくて、お互いにもっと交流を持つべきじゃないかなと想います。

特に美術の場合はジャンルの中に壁を作ってしまっているように感じるというところはありますね。


 

日下
そうですね。だから、美術はあまりメジャーな分野でなくなってしまったんでしょうかね。

 


原 透さん
その通りですね。本当に昔は、ルネッサンスなんかそうだと思うんですけど、最先端の人間が様々な研究していることを学び、自分の制作に取り入れていました。
いつの間にか美術って最先端とかそういうものじゃなくなってしまいましたよね。答えの出るわけのない「美術とは何ぞや?」という命題のだけに焦点を当てているような気がしています。


僕はこの流れには疑問を感じていますね。「美術とは何ぞや?」をやり始めたがゆえに他ジャンルからは相手にされなくなったんじゃないかなと想っています。

 


日下
原さんは、アートはもっとかつてのようになればいいのに、という想いでいらっしゃるでしょうか。その答えが出るわけじゃない事を問うよりももっと違う事をした方がいいというような。

 

 


原 透さん
そうですね。科学の分野は「私たちはどこから来て、何者で、どこへ行くのか」という大命題を真剣にやっていますよね。哲学と宗教はその辺が弱くなったと思います。
物理学の本では「哲学者は何をやっているんだ!」と書いている人もいます。


美術も何を求めてやっていくかというのが非常に明確じゃなくて、その上に美術畑にいる人間だけでまわっているようなジャンルになってしまったような気がします。何とかしたいような気はするんですけどね。あとは日下さんが感性まかせだとおっしゃったのはまったく同感ですね。

 


日下
ええ。それは私自身、何をよりどころに自分は作っているんだろうと悩みながらやっていているという実体験を込めて、ですが。

 

 

 

原 透さん   
この物理の領域の人と話をすると、必ず検証と実際のすり合わせを同時にしていかないといけないらしくて。

考古学とか物理系の人とかは理論と裏付けとか理詰めでやりますよね。考古学だったら、仮定という理論に対して発掘をやったり。彼らの世界は、確実な世界というか確証のある世界だと思いますね。

 

僕らの美術という世界は何でもOKなので、非常に感性まかせになってしまうところがあります。ところがそれがまたいいところで何でもOKなので何をどう考え、どう作ってもOKなので、それがすごく自由でいいところでもあると想います。

 

だから他分野の方たちは美術を逆に羨ましく思えるんじゃないかな。彼らの自由にならない部分を僕らは自由にしてあげてもいいのかなと想いますね。

 


日下
それは美術の素晴らしい生き方ですね。

 

 

原 透さん
科学の分野の人たちは非常に困っているというか、何か裏付けが無いと何も言えないような。
例えば、美術では天動説を元に絵を描いても良い訳ですよね。

 

 

日下
ああ~!そうですよね。(驚き!)

 


原 透さん
物理の人たちがそんなことを言ったら、「いやいや天が動いているわけは無い!!」となってしまいますが。
でも絵だったら、描いたって良い訳ですよね。だからそういう自由さがあるので、ああかな、こうかなということは
いろいろやっていい、どんどんやりましょうと想います。

 

 


日下
ああ~、素晴らしいですね。
とってもポジティブに考えていらっしゃるんですね。

 

 


原 透さん
美術という自由な分野ゆえに、「ちょっとアート畑が解釈を示せるんじゃないの?」みたいなことを想うんですよ。

そんな風に捉えないとこの美術という分野に長所がないので、やっぱり長所を生かしてやっていかないと。

 


日下
なるほど~。本当にそうですね。

 

 


原 透さん
やはりそういうところは対社会を考えると明確になっちゃってますね。新聞に良く出ていたりしますが、物理の大きな研究は国家プロジェクトですよ。


美術の世界は個人でこんなこと考えているよ、あんなこと考えているよ、という点と点しかありません。社会がバックアップしてくれていない・・・。

 

日本でもスーパーカミオカンデとか国家プロジェクトで巨大な研究施設を作ったりとか、ドイツで大きな加速器を作ったりしています。やはり世界にはちゃーんと観ている方がいて、これは人類にとって大切な方向性だと思うと、国を上げてバックアップしてあげているようです。ところが美術は個レベルで何か言っているような感じなのかな。

 


日下
本当にそうですね~。(納得)今日はとても本質的で内容の濃いお話をありがとうございました。

 

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-王妃Ⅱ

王妃のためにⅡ
68㎝×35㎝×37㎝
大理石         2009年

 

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 

 

次回は、宇宙のお話(人間原理のこと)など、とっても内容の濃いお話をお聴かせ頂きます。

どうぞ、ご期待下さいませ。

 

**********************************

 

今回、小淵俊夫さんのご紹介で初めて、原 透さんとお話をさせて頂きました。原 透さんと小淵俊夫さんはすいど-ばた美術学校という美術予備校でご一緒で仲が良かったのだそうです。


実は私は、卒業制作で一度だけ国画会に応募したことがあるのですが、その時、東京都美術館の中で、仙台から応募した見ず知らずの私の作品搬入を原さんが手伝って下さったということがございました。

 

今回、原 透さんはとても丁寧に明快にお話をお聴かせ下さいました。原 透さんは現代物理学の領域である、
「時間軸」、「特異点」というテーマを彫刻の造形で表現される、貴重な彫刻家でいらっしゃいます。

 

私は、原 透さんが
「ルネサンス期のように、もっと美術が科学と共に最先端を行っていいのではないでしょうか。 科学者たちが理論の裏付けが無いと発言出来ないような事を、美術の分野で、
 自由な解釈を示してもいいのかな。」と仰ったことがとても印象に残りました。

 

みなさまもぜひ原 透さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

**********************************

 

◆原 透さん卒業の東京都立芸術高校

 

◆原 透さん作品が見られるWEBぺ―ジ

 ◇ 国画会
 

◆原 透さんの今後の活動 (※現在は終了しています。)

  ◇ 第19回十日町石彫シンポジウム

   ・2013年7月27日(土)~8月18日(日)

   ・参加作家    北島一夫、 橋本恵吏、 原 透

 
  ◇原透、西山瑠依展

    □9月2日(月)~9月7日(土)

    □ギャルリー志門  

     〒104-0061東京都中央区銀座6-13-7新保ビル3F

      TEL:03-3541-2511

 

 

 

◆原 透さんの コンセプト文章

特異点(singularity)

 石を素材にした彫刻を制作していると、石の中に宇宙に繋がる根源的物質の要素、時間の概念を感じることがあります。 特異点という言葉は物理学と数学の両方で用いられます。ある基準下で、その基準が適用できない点です。

 

物理学では、一般相対性理論の帰結であり、密度が無限大、体積が0、時空の歪みが無限大になります。よって、その点では物理法則が破綻しています。現代の宇宙論によると、私たちの宇宙の始まりも特異点に収束されてしまいます。これを回避するため、様々な理論的試行錯誤がおこなわれています。また特異点は、重力崩壊した星からできるブラックホールの中にも存在すると推測されます。


 相対性理論は光を物差しとして、時間と空間の関係を説明しています。彫刻が内包している問題とかなりの接点があります。この作品のシリーズでは、相対性理論を彫刻に組み込むことにより、私達の日常では目にすることのない、形、構成を視覚化しようと考えています。これは単に物理学の法則を説明するのではなく、その要素から生まれてくる現象の実態を表現するということです。
 

 「特異点のある石」では、石の中に特異点があるものとして構成しています。その強い重力で外側の形が中に引きずり込まれています。原子から惑星まで、すべての物質は、内部の力と外部の力がせめぎ合って形態を維持しています。したがって、このような構成はヒューマンスケールでは起こりません。自然を観察して、その要素を抽出し、様々な素材の特性を生かして表現する方法では作りえない構成です。


 作品のよりどころになっているのは、相対性理論の「特異点は質量と体積の関係で成り立ち、質量の大きさを規定していない」という定義です。質量が変わらず、体積を縮める方法があったならば、すべてのものは特異点になります。ただし、物質密度は非常に高くなります。地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは
 ★コチラから★ 

 

3/18/(日)10:00~ みんなの彫刻アカデミー0期 第7回のご案内♪



::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

 


学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!

 


テーマ:

みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の原 透さんです。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-800p
原 透さん

 

以下、2013年7月の再放送でお届けいたします。
前回登場の小淵俊夫さんからのリレーでご登場頂きます。

  彫刻家 小淵俊夫さん  第1回、  第2回第3回第4回 

 


  彫刻家 第1回 原 透さん 第1回 第2回

 

第3回目の今日は、制作や素材について想いをお聴かせ頂きます。

 お楽しみ頂ければ幸いです。


************************


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時間軸―N― 2003

時間軸―N―

  40×85×33

  赤御影石     2003年


 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-秋田県立武道館 2004


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

真知

<秋田県立武道館モニュメント>

 340×105×120

160×340×120

 赤御影石       2004年

 秋田県立武道館設置

 

 

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-時間軸―L―2  2001

時間軸―L―2

 30×210×55

 赤御影石      2001年

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-京都青蓮院 2000
時間軸―Ⅰ―

 25×165×20

 赤御影石      2000年

 京都青蓮院

 


 


日下
制作や素材についての思いをお聴かせ頂けますでしょうか。

 

 

原 透さん
彫刻の素材として、長いこと赤御影石を使っています。石を扱う人間からすると、あまり扱い易い石ではないと想いますが。

 

 

日下
ええ、私も試してみたことがありますが、石英分の結晶のところがボソボソになりやすく難しい石ですね。
それにちゃんと買うと高価な石なのではないでしょうか。

 

 

原 透さん
はい、赤御影石は日本で採れない、それから外国産なので高価な部類に入る石です。

 

 

日下
あの赤い部分の物質は何なのでしょうね。

 

 

原 透さん
鉄分だと想いますよ。工業用ダイヤモンドを使った工具と相性が良くないみたいで、非常に道具が早く消耗します。また、赤い色が形を選ぶ石ですね。使っていらっしゃる方は少ないと想います。

 

 


日下
それなのに原さんが使っていらっしゃるというのは何か理由があるのでしょうか。やはり色みでしょうか。

 

 


原 透さん
はい。時間軸のシリーズでたくさん使っています。もっと黒御影とか彫りやすい石もありますが、赤い色にとても魅力を感じたからです。

 

僕はかなり大きな作品を作っているのですが、屋外に設置するような時に、同じかたちでも最もエネルギーが高く見える石だったからです。素材としては扱いにくいですし、価格が高いので大変ということはあるのですが。彫刻の歴史の中でもあまり使われていない石ですね。

 


日下
ええ。どちらかというと薄く切って、建築に使われるような石ですよね。

 

 


原 透さん
しかし、一つだけ例外があって、エジプトだけは使っていますね。エジプト関係の本では赤色花崗岩と紹介されています。

 

フランスのルーブル美術館が改装になって、ガラスのピラミッドができてからですが、美術館に入って行くと最初のコーナーにスフィンクスの石彫が展示されています。それが赤御影石ですね。多分今もあると想います。

 

エジプトだけはどういうわけかあの石を使っていますね。ダイヤモンド工具の無い、道具の発達していない時代によくあの石を彫ったなと感動しますね。

 

結晶質が荒くて、切って使ったりするのは良いと想うのですが、基本的な道具でかたちを作るのは大変な作業のはずなのですが、エジプトの方は本当に綺麗にかたちを作っていますね。

 


日下
刃トンボのような道具で、細かく叩いたような仕上げなのでしょうか。

 

 

原 透さん

そうですね。エジプトの制作工程は独特なのとたっぷりと時間をかけて、制作していたではないでしょうか。

 

 

 

日下
そうですか。原さんの作品では細かい筋目がたくさん彫ってありますね。やはり、それは原さんの技術力でいらっしゃるんでしょうね。それが表面的な方向性というよりちゃんとかたちの表現になっていますものね。

 


原 透さん

時間の流れを表現するのに線引きを意識的にやっています。木は自然に木目、流れが入っていますが赤御影石はそれが無い素材なので、時間の流れの表現として自分で入れているという感じです。

線を彫ったところに磨きかけてさらに強調して、時間というかたちを強めるようにしています。

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-長野市 上千歳町広場  2009

時間塊7

 295×165×145

 赤御影石      2009年

 長野市 上千歳町広場設置

 


 

 

 

 

 

日下
時間軸の作品のグニャッとしたかたちも特徴的ですが
このかたちを作るときには実際に粘土をグニャッと曲げて見たり
なさるんでしょうか。

 

 

原 透さん
ええ。曲がった形を観察するのに粘土はもちろん、金属、特に鉄 アルミは参考にしています。あとはスポンジ系とか、塊のゴム板とか、果てはこんにゃくまでいろんな弾性力のある素材を曲げて参考にしています。

 

石は曲がらない素材で、弾性力がありません。石が曲がったらこんなかたちになるのかな、というのを他の素材を曲げて参考にしています。

 

 

日下
金属だと角パイプのようなものを曲げるのでしょうか?曲げた状態で写真を撮るということでしょうか。

 


原 透さん
なるべく、むくの素材を使います。曲げて写真を撮ったり固定をしたり、それを参考に石を彫ったりしました。

 

 

日下

そのグニャッという感じですが的確な言葉かどうかわかりませんが石が溶解しているというか、無重量化しているというか、不思議な感じがします。

 

 


原 透さん
石が本来持っていない要素を入れることによって、素材に隠されているもの、見えていない要素を見せたいという気持ちはあります。石ってとにかく重さを感じる素材というか、本来の比重はそれほど重くありません。金属の方がはるかに、比重が重いものが多いです。

 

これを言うと信じてくれない人が多いのですが、石というのは、アルミニウムと大体同じ比重でおおよそ2.7位です。アルミニウムって大体、塊の状態ではなくて薄く延ばされたり、板の状態だったりするので、非常に軽いというイメージがあるんです。石とアルミニウムというのはほとんど密度的には同じです。

 

石の持っていない、曲げるという行為をすることによって、ちょっと違う側面が見えてくるとは想っています。

 

 

日下
そうですね。認識って結構いい加減ですよね。

 

 

原 透さん
ええ。石ってそういう先入観の多い素材だと思います。そういう隠された別の側面と言うのを曲げることによって見せたいというのはあります。


かたちも結構、重力に逆らって曲げています。地球の重力だと、必ず重いものは下に行くという原則ですよね。それとは逆方向に起きあがっていくというか、そういう造形はかなりやっていますね。

 


日下
ええ、そうですねぇ。

 

 


原 透さん
もし、石が曲がっていても、それが全部下に行くのではなくて、起きあがっていたりとか。重力通りに曲げると必ず垂れるようにしか曲がりませんよね。僕のかたちは起きあがっているように曲げています。

そういう要素を入れているので、きっと日下さんも無重力という感じを感じて頂けたのではないでしょうか?

 


日下
本当にそうですね。

 

 

原 透さん

秋田に設置した作品なんかは意識的に石が立ちあがるようにやっています。石自体が意志を持って起きあがるような構成をとっています。

 


日下
いいですね~。石が意志をもって起きあがるんですね。(笑)本当にこの起きあがり方、石にとても生命感を感じますね。

 

 


原 透さん
石を曲げて見ると自ら動きだしそうな感じには成りますね。尺取り虫みたいにもなりますけどね(笑)

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-16

 

 

 


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

時間軸―V―

 120×300×100

 赤御影石
      2000年

  兵庫県淡路夢舞台設置

 

 

日下
私自身が、その無重力化という言葉を口に出してみてから、改めて、そのあたりの意味を調べて見たら、
「相対性理論では重力は時空の歪みとして記述され、 光線の進路や時間の経過が重力場によって影響されることが示される。」という文章に出会いました。原さんはそういうことを意識なさいますでしょうか。

 


原 透さん
ありますね。 その辺がきっかけで時間を表現してみようと思うようになったので、石が時間を感じさせるというか、石の中に膨大な時間が蓄積されているのを感じるので、時間を表現するようになったという事ですね。

 

 

日下
今日も素敵なお話をありがとうございました。

 

 

 

**********************************

 

今回、小淵俊夫さんのご紹介で初めて、原 透さんとお話をさせて頂きました。原 透さんと小淵俊夫さんはすいど-ばた美術学校という美術予備校でご一緒で仲が良かったのだそうです。


実は私は、卒業制作で一度だけ国画会に応募したことがあるのですが、その時、東京都美術館の中で、仙台から応募した見ず知らずの私の作品搬入を原さんが手伝って下さったということがございました。

 

今回、原 透さんはとても丁寧に明快にお話をお聴かせ下さいました。原 透さんは現代物理学の領域である、「時間軸」、「特異点」というテーマを彫刻の造形で表現される、貴重な彫刻家でいらっしゃいます。

 

私は、原 透さんが
「ルネサンス期のように、もっと美術が科学と共に最先端を行っていいのではないでしょうか。 科学者たちが理論の裏付けが無いと発言出来ないような事を、美術の分野で、 自由な解釈を示してもいいのかな。」

と仰ったことがとても印象に残りました。

 

みなさまもぜひ原 透さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

 

**********************************

 

◆原 透さん卒業の東京都立芸術高校

 

◆原 透さん作品が見られるWEBぺ―ジ

 ◇ 国画会
 

◆原 透さんの今後の活動 (※現在は終了しています。)

  ◇ 第19回十日町石彫シンポジウム

   ・2013年7月27日(土)~8月18日(日)

   ・参加作家    北島一夫、 橋本恵吏、 原 透

 
  ◇原透、西山瑠依展

    □9月2日(月)~9月7日(土)

    □ギャルリー志門  

     〒104-0061東京都中央区銀座6-13-7新保ビル3F

      TEL:03-3541-2511

 

 

 

◆原 透さんの コンセプト文章

特異点(singularity)

 石を素材にした彫刻を制作していると、石の中に宇宙に繋がる根源的物質の要素、時間の概念を感じることがあります。 特異点という言葉は物理学と数学の両方で用いられます。ある基準下で、その基準が適用できない点です。

 

物理学では、一般相対性理論の帰結であり、密度が無限大、体積が0、時空の歪みが無限大になります。よって、その点では物理法則が破綻しています。現代の宇宙論によると、私たちの宇宙の始まりも特異点に収束されてしまいます。これを回避するため、様々な理論的試行錯誤がおこなわれています。また特異点は、重力崩壊した星からできるブラックホールの中にも存在すると推測されます。


 相対性理論は光を物差しとして、時間と空間の関係を説明しています。彫刻が内包している問題とかなりの接点があります。この作品のシリーズでは、相対性理論を彫刻に組み込むことにより、私達の日常では目にすることのない、形、構成を視覚化しようと考えています。これは単に物理学の法則を説明するのではなく、その要素から生まれてくる現象の実態を表現するということです。
 

 「特異点のある石」では、石の中に特異点があるものとして構成しています。その強い重力で外側の形が中に引きずり込まれています。原子から惑星まで、すべての物質は、内部の力と外部の力がせめぎ合って形態を維持しています。したがって、このような構成はヒューマンスケールでは起こりません。自然を観察して、その要素を抽出し、様々な素材の特性を生かして表現する方法では作りえない構成です。


 作品のよりどころになっているのは、相対性理論の「特異点は質量と体積の関係で成り立ち、質量の大きさを規定していない」という定義です。質量が変わらず、体積を縮める方法があったならば、すべてのものは特異点になります。ただし、物質密度は非常に高くなります。地球を縮めたとすると、半径約9ミリでブラックホールとなり、その中心に特異点が生まれます。

 

**********************************

本日もご訪問、ありがとうございました。

 

★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは

 ★コチラから★


::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

 


学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 



 

人気ブログランキングへ
ポチっとおしてね!


↓こちらも

にほんブログ村 美術ブログへ
にほんブログ村
ポチッとおしてね!

 

 

 

 


テーマ:

皆様、こんにちは。
みんなの学び場美術 館長 日下育子です。

3/18(日) 10:00~13:00

みんなの彫刻アカデミー」 0(ゼロ)期 第8回を開催いたします。

 

前回、2/10(土)は、参加者様ご都合によりお休みとなりました。

今回第8回を開催いたします。

第1回目 参加者の感想
第2回目 参加者の感想

 

2017年6月~2018年3月の予定でスタートした0期モニター開催も、いよいよ終盤となり、参加者様は、本当に毎回熱心に制作に励まれていよいよ完成間近となってきました。

 

 

この彫刻アカデミーは、彫刻のCurving(カービング・彫刻)、Modeling(モデリング・塑像)、Casting(キャスティング・鋳造)の手法のうち、最初の手法で石を素材に体験していただく彫刻教室です。

 

彫刻の大前提となるのが、制作した像が何の支えも無しにその像自体で自立していることです。

現在の参加者様は、精神的・経済的自立を目指す女性ですが、第1回の時に上記の彫刻についての説明をした際、「自立する彫刻」という言葉にとても響いた様子で、ご自身のテーマを「自立して、自立する彫刻を制作する」と決めて、内面を表現した祈りのかたちを制作中です。

 

彼女の制作テーマ通り、初心者には危険を伴うハンマードリルやグラインダーでの切れ込みを入れるところ以外は、本当に私の手を借りず、とても集中した自立した姿勢でご自身の作品を制作されています。私は彼女の作品の完成がとても楽しみでなりません。

 

以下概要です。
……………………………………………
3/18(日) 10:00~13:00
彫刻工房くさか アトリエ 
(宮城県黒川郡大和町小野字後6-2  )

仙台ロイヤルパークホテルから車で北に7分 県道264号線沿い。

ご連絡いただいた方に案内地図送付、入り口目印のご案内を差し上げます。)

 

参加費 モニター生特別価格 5,000円。
(道具無料貸出、制作の石素材 概ね2分の1切、13000円相当プレゼント)

 

モニター開催期間は残りわずかとなりましたが、1回だけの体験参加も可能です。

参加費用 5.000円(道具無料貸し出し、素材の石プレゼント)

1回体験してされてみて、また続きをやりたい!と思って頂けましたら、来年度秋に本格開催を

予定している「みんなの彫刻アカデミー」をご案内させていただきます。

 

動きやすく、汚れを気にしない、温かい服装でご参加ください。

 


★実施内容: 石を素材とした彫刻制作     

この彫刻アカデミーは、彫刻のCurving(カービング・彫刻)、Modeling(モデリング・塑像)、Casting(キャスティング・鋳造)の手法のうち、最初の手法で石を素材に体験していただく彫刻教室です

 

 彫りたいかたちをどのように石で立体化するか、頭、心、手で考える実践を指導いたします。
 彫ってみたいものがあれば参考資料としてご持参下さい。 (ご自身でのスケッチ、本や写真、プリントアウトした画像など )

 彫ってみたいもののイメージがまだわかないけど興味あるという方には、形を考えるところから指導いたしますのでご安心ください。

※今回の0期モニター期間は2017年6月~2018年3月までの間で毎月1回、
 9回開催予定です。 プレゼントする石の量で小作品1点の完成を目指します。
 
持ち物
■スケッチブックやノート、鉛筆、赤鉛筆などの筆記用具
■軍手
■タオル二枚位 (頭に被る、汗拭き)
■飲み物
■雨合羽 

以下のものは、準備可能でしたらご持参ください。
当日、現物をご覧になってからのご購入でも可能です。
■防塵メガネ
  (ホームセンターで売っている安いもので可。
  ゴーグル式は曇りやすく不便なのでお勧めしません。)
■マスク 
  (ホームセンターで売っている、簡易式のマスク。
   普通のマスクやバンダナでも代用可能。)

服装  
■汚れても良い服装
  (怪我防止のため長袖長ズボン、アトリエにて着替え可)
■丈夫な靴、お持ちでしたら安全靴
  (サンダルなどヒールのあるものや爪先が露出するものは不可)


参加ご希望の方は必ずご連絡下さい。
info@k-195.com     または  090-4319-7439

0期モニター生は、随時募集中です。
どうぞお気軽にご参加ください。


「みんなの彫刻アカデミー」 0期の開催予定は以下の通りです。
① 6/18(日) 13:30~16:30 (終了しました。)
② 7/15(土) 13:30~16:30 (終了しました。)
③ 9/16(土) 10:00~13:00 (終了しました。)
④ 10/28(土) 10:00~13:00 (終了しました。)
⑤ 11/18(土) 午前の部 10:00~13:00 
         午後の部 13:30~16:30 (終了しました。)
⑥ 12/16(土)⇒12/3(日)に変更になります。
         午前の部 10:00~13:00 (終了しました。)
         午後の部 13:30~16:30 (終了しました。)

⑦2018/1/20(土) 午後の部 13:30~16:30(終了しました。)
⑧ 2/17(土)  午前の部 10:00~13:00 (参加者都合にてお休み) 
⑧ 3/18(土)  午前の部 10:00~13:00 
⑨ 現在調整中です。   

皆様のご参加を心よりお待ちしております。
 本日もご訪問、ありがとうございます。

 

:::::::::::::::::::::::::::::::::::


★無料メルマガ【1114(いい石)通信】
メルマガ登録のお申し込みは

 ★コチラから★


::::::::::::::::::::::::::::::::::::

 

 

★☆ アーカイブス ☆★

 


学び場美術館登場作家リスト
学び場美術館登場作家リストⅡ
学び場美術館 登場作家リスト Ⅲ ー2014

 

学び場美術館 登場作家リスト Ⅳ ー2015
学び場美術館 登場作家リスト ⅴ ―2016

学び場美術館 登場作家リスト Ⅵ ―2017


 

 


人気ブログランキングへ ←ポチッとおしてね! 

 


↓こちらも

 


にほんブログ村  ← ポチっとおしてね!

 

 

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

    ブログをはじめる

    たくさんの芸能人・有名人が
    書いているAmebaブログを
    無料で簡単にはじめることができます。

    公式トップブロガーへ応募

    多くの方にご紹介したいブログを
    執筆する方を「公式トップブロガー」
    として認定しております。

    芸能人・有名人ブログを開設

    Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
    ご希望される著名人の方/事務所様を
    随時募集しております。