みんなの学び場美術館 館長 日下育子

素敵なアーティストのインタビュー記事を掲載。
日下育子の作品をご紹介して行きます。


テーマ:

みなさま こんにちは。
みんなの学び場美術館 館長 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家 山本 哲三さんです。

 



山本 哲三さん(高校時代)


以下2014年11月の再放送でお届けいたします。

前回までの片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんからのリレーでご登場頂きます。
     
彫刻家 片桐 宏典さん
  
第1回   第1回続き  第2回目  第3回   第4回   第5回   第6回
  第7回   

  第8回      第9回   第9回リンク    第10回  第10回リンク  

 

彫刻家 ケイト・トムソンさん

  第1回   第1回続き  第2回   第3回   第4回   第5回   第6回   第7回  第8回  番外編  

 

 

山本 哲三さん 

第1回  ~バウハウスのカリキュラムに倣って、彫刻を始めました~

第1回続き  略歴のご紹介   

 


第2回目の今日は、山本 哲三さんが石を彫刻の素材に選ばれたきっかけのお話をお伺いしました。
京都美術大学の授業では、点・線・面の組み合わせの構成的な制作に戸惑われながらも

石の授業では、道具作りまでも自分で行うという、作ることを根源的なところから体験されたそうです。
その中で、石の魅力に取りつかれていったのだそうです。

 

どうぞお楽しみ頂けましたら幸いです。


************************************



海を渡るワード写真

「海を渡る風」
北木石(花崗岩)、H210cm

1998年

’98かさおか石彫シンポジュウム

笠岡運動公園




 


たわむれる700

「たわむれる」

能勢石(閃緑岩)、H150cm

1992年

’92石の道・いけだ彫刻シンポジウム

池田市塩塚公園

 


 

 


あがるさがる S

「あがるさがる/紙風船-12.8kg・河原石-12.5kg」

大理石+木材+和紙+ヒモ、H300cm、

2005年

AD&Aギャラリー個展

 


 



あがるさがる S2

 

「あがるさがる/紙風船-12.8kg 」

大理石+木材+和紙+ヒモ+アクリル絵の具、H27cm

2005年

AD&Aギャラリー個展



 

 

あがるさがる S3

「あがるさがる/河原石-12.5kg 」

大理石+ヒモ、H14cm

2005年

AD&Aギャラリー個展



 

 


地球安康S

「地球安泰/人のような石-124.0kg・樹木のような石-127.0kg」

大理石+板+和紙、H100cm

2005年

AD&Aギャラリー個展




 


たまごが S

「たまごがさきかにわとりがさきか」

大理石+玄武岩+木材+和紙、H29cm

2007年

ギャラリー揺個展

(ギャラリー企画“いのち”シリーズ)




 

 

日下
前回、京都美大で、バウハウスに倣ったカリキュラムで立体制作を始めたというお話を頂きました。
そういうカリキュラムで勉強されて、その後、作家生活に入って行く際に
良かったことや、印象に残っている制作などはありますでしょうか。

 

山本 哲三さん
そうですね。高校の時は、いわゆるモデルを見て作ることから始めていたので、

それを取り去ってしまって、いきなり何か形を組み合わせて作っていくということが

なかなか理解できなかったですね。

 

その方法は、何か自分が見たものを形にして表すということではないわけです。
石の塊を彫る場合でも、見えたものを再現するように石を見ていくのじやなくて
何かを組み合わせたようなところで形を作っていきますので
ある意味、自分も勿論、見る人も初めての、誰も見たことのないものが出てきてしまうわけですね。
それを、どういうところでよしとするのかが、頼りなくて、なんかものすごく不安というか、
何か物足りないということは、常に思ってましたね。


同級生の人たちは、高校の時にモデルを見ての制作をやってないから、
1年生の一番最初からカリキュラムで針金を組み合わせて形にしていく制作に
かなり素直にすんなり入っていけたんではかいかと思うんです。
その辺の違いみたいなものは、僕は思ってましたね。


 

日下
そうでしたか~。


 

山本 哲三さん
大学では、ちょうど3月の終わりに、1年生から4年生まで、みんな一緒に学年ごとの進級制作と
卒業制作の展覧会で発表するわけですけれども。
石膏の人体像は、モデルを見ながら写実的に作っているから、見る人も、これは人体だという目で
見てくれます。

 

構成的作品では、「こりゃなんや?」言われても何とも言いようがないというか、
「彫刻や」としか説明できないようなことで、誇らしい気持ちと少しだけ釈然としないものを残して

やっていましたけどね。

 

そういうふうなことを経験した上で、これは(※写真)、僕が作った石膏の直付けで作った作品

なんですね。

みんな人体を塑像という考えで作りますけれども、そうじゃなくて、石を彫るにしても、実材という

考え方で、実際の素材の良さとか、石膏で直付けしていくと、付けるのと削るのとで、より一層、

効果的に素材の力や、素材そのものを見せられるんとちがうかという考えで作ったわけですけどね。

 

 



※2回生の課題で制作した2/3等身、石膏直付け。

 

 

 

日下
はい。


 

山本哲三さん
だから、良かったことというと、僕は、写実的に物を作るということも一番最初にやってたし、
その後は、何かを手がかりに形を作っていくということもやったということで、
両面の考え方ですね。

 

作品を作る時のアプローチの仕方が、わりあいいろんな方向から作れるなってことが、
良かったなぁとは思いますけどね。

 

そして、ちょっと話が飛んでしまいますけど、
今はわりあいと、石彫ということもそれほど意識せずに作品を作ったりします。
また、山に生えている木を取ってきて、それをいわゆる木彫というふうな捉え方ではなく
素材を活かした状態で、何か工作というとこら辺で作品作れへんかな、というなことで、やったりする。

 

自分が、ほんまに思いついたように、作品を作っているんですけれど、
そういうことができるっていうのは、学生時代にいろんなことをしてたからかなぁと思いますけどね。


 

日下
思いついたように、作品を作れるというのは、とても素晴らしいですね。
AD&Aギャラリーでの個展のリーフレットの中で、美術史家で当時兵庫県立美術館館長補佐の
中島徳博さんは、山本さんの作品は石の在り様を問いかけていらっしゃるんじゃないか、ということを
書かれていて興味深く感じました。

 

写実と組み合わせの両方の制作方法を経て、主な素材が石に定まってきたのは、
いつ頃からなんでしょうか。

 


山本 哲三さん
木彫などいろんな素材の体験をしてきましたが、大学の授業で、石を彫るという体験をしましてね。
それが、なんかすごく自分にすっきり、しっくりきたというか、石彫が、自分にとってかなりいい
素材じゃないかなぁという風に思いました。

 

石彫の授業の場合、僕らの時代はタンガロイ なんていういいものがなかったんですよ。
だから石彫の授業というのは鋼の棒をコークスで温めて、鍛冶屋のように鍛造して、
のみなど道具を作るということをやっていたんですね。

 

当時を思い出すと、そんなに石で何か形を作るというものはないんですね、言ってみたら。
実際に、石を彫る道具を自分で作る一連の作業の中に石の作品というものがあるんですけども、
それが、ものすごく新鮮で面白かったですね。

 

僕らの子供の時代なんか、結構まだまだチャンバラとかよくして遊んだりして。
木で刀のようなものを作ったり、鉄のかけらを金槌で叩いてちょっと刃物的なものを作ったりとか、
遊びの中でしてきたことを、もう少し本格的に鍛治屋さんができるわけです。
そういうものがなんか気に入った感じがあるんではないでしょうかね。

 



日下
そうでしたか~。

 


山本 哲三さん
その中でどんどんやりながら、形を作っていくってことが、ものすごく印象の強いものでもあった

わけですよ。
石の素材からくるインパクトというか、重いし、そして硬いし、なかなか彫れない、形がなかなかできない。
石っていうのは、やっぱりなんかすごく魅力ある素材なんですよね。

 

日本庭園に石が一つぼんと在る時、それで一つの存在感がすごくあったりするわけやし。
その時、石をやり出したということは、その石の素材感、存在感みたいなものを出すということが、
すごく楽しかったと思いますけどね。

 

それと、木や粘土の場合というのは、いわゆるデッサン力が大事と言われるでしょう。
デッサンでも、対象を写実的に描く時に、デッサン力がないと、ちゃんと見えてくれないとかね。

 

本当の意味でのデッサン力というのは、単に写実的に、上手く描けるかどうかということでは

ないんですけど、当時、デッサン力と言われると、それなりにプロポーションがきちんとしてて

というふうに思うわけですよ。

 

そういうふうに、作らないと粘土の塑像なんかは、つじつまがあわないから、まぁ、破たんしたもの

になって、ものすごく自分の場合は、ものすごく不得手やというか、なかなか上手くできないっていうか、

面白くなかったっていうかね。

 

それに対して、石そのままの塊がそこにぼんとあるわけですから、それをある意味、
できるだけかさを少なくさせずに、ただ最初は四角い固形の石に、手を加えて、
石の存在感みたいなものを、壊さない状態でやるっていう。

 

その時は、もともとあるものをそのまま使えるということ、それを自分の制作していくのがピッタリ

くるなぁということも思いましたけど。
その他にも授業でいろんなことをしていますから、素材はいろいろありますけど、
なんか、石の素材というものが、その頃から気にいっていましたね。
ホームページなんかも、stone_work と名前を付けて、やってましたけど。

 




2回生石彫作品
 

石彫課題(3回生)で制作した2作目の石彫



 

 

日下
そうでしたか~。石の存在感に惹かれていらしたのですね。

山本さんの学生時代からの制作に対する思いもお伺いして

その後の作品も拝見すると、作品の魅力がよりストレートに伝わってくるようです。

学生時代の制作の心境を詳しくお聞かせくださって、どうもありがとうございました。





 


はるかむかし3 700

「はるかむかしむかし・・/つきのカミさん」
大理石 H90×W58×D58㎝
2007年

AD&Aギャラリー 2007年個展





 

はるかむかし2 700

「はるかむかしむかし・・/うみのカミさん」
大理石 H29×W121×D71.5㎝

2007年

AD&Aギャラリー 2007年個展

 

 

 

 

はるかむかし①700


「はるかむかしむかし」

大理石
2007年

AD&Aギャラリー 2007年個展

 

 

銀閣の天井に円く銀箔が貼られていて銀砂灘に反射した月光がその銀箔を
ほのかに照らす光を楽しむ仕組みのことが述べられた随筆を読んだことがあります。
どうも、銀砂灘も向月台もかなり後世になってから作られたもののようです。
ダイナミックな砂の造形はお月見の装置ではなくそれ自体で生命の根源を
象徴しているように思えます。

(AD&Aギャラリー 2007年個展 作品集より 山本 哲三さんの作品コメント)

 

************************************

 

編集後記

 

今回、片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんのご紹介で、初めて山本 哲三さんにお話をお伺いしました。
山本 哲三さんは大阪芸術大学の教授を数年前にご退職された、活動歴豊富で多彩な彫刻家で
いらっしゃいます。

 

片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんからは、1969年にオーストリアのサンクト・マルガレーテンの

採石場で開催された日本人のみ5人での共同制作の伝説的な彫刻シンポジウムに参加された
素晴らしい彫刻家のお一人としてご紹介を頂きました。

 

そのシンポジウムで、山本 哲三さんを含む日本人5人が制作した素晴らしい作品は
シンポジウム関係者から『ジャパン・ライン』と栄誉な名前で呼ばれることとなりました。
これから後の回で、たっぷり紹介させて頂く予定です。

 

山本 哲三さんはその彫刻シンポジウムをオルガナイズされた、彫刻シンポジウムの父と呼ばれる
彫刻家カール・プランテルさんに贈る冊子「ARIGATO PRANTL SAN」という、
日本人の参加した彫刻シンポジウムの記録冊子編纂にも尽力されていました。

 

今日は、そんな山本 哲三さんが石を彫刻の素材に選ばれたきっかけのお話をお伺いしました。
京都美術大学の授業では、点・線・面の組み合わせの構成的造形に戸惑われながらも、
石の授業では道具作りまでも自分で行うという、作ることを根源的なところから体験されています。
石の存在感を壊さずに引き出すという感性も、身構えた所の全く感じられない、自然体でいらして
素敵で素晴らしいと感じました。

 

これから数回にわたって、山本 哲三さんの彫刻の学びと活動の歴史、そして
伝説のシンポジウムについても貴重な写真資料と共にお届けしてまいります。

 

どうぞお楽しみに。

 

**********************************

 

◆ 山本 哲三さんのホームページ 

 

◆ 山本 哲三さん著
 「彫刻シンポジウムと共同制作
  ―日本人の参加した彫刻シンポジウムの記録冊子編纂の機会を得て―」

(大阪芸術大学 紀要)

 


◆山本 哲三さんが編集の一員を勤められた資料集
 
冊子「ARIGATO PRANTL SAN」のプロジェクトホームページ
 

 ビバ! 彫刻シンポジウム
 日本人彫刻家が参加した世界の彫刻シンポジウム 参加記録・作品写真集のホームページ
 

 

◆ 山本 哲三さんの展覧会情報

  ホームページ展覧会情報

  アートでびっくり!干支セトラ(午)展

  前半2014年12月5日(金)-23日(火)

  後半2015年1月9日(金)-25日(日)
  毎週、金・土・日と祝日のみ開廊/AM11時-PM5時
 

 Art-Setスタジオ

 〒489-0042瀬戸市中切町3TEL0561-83.0484(開廊日のみ対応)
 
Art-Setスタジオのfacebook  


山本 哲三さんの略歴


◆山本 哲三さんお薦めの彫刻シンポジウムに関するレポート

 文化資源学,文化経営学の研究者 柴田葵さんのホームページ

  彫刻回帰線
  彫刻家カール・プランテルさんを訪ねて

 


本日もご訪問くださいまして

ありがとうございました。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 

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テーマ:

今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家 山本 哲三さんです。

 


山本 哲三さん

 

以下、2014年11月の再放送でお届けします。

 

前回までの片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんからのリレーでご登場頂きます。

     
彫刻家 片桐 宏典さん
  
第1回   第1回続き  第2回目  第3回   第4回   第5回   第6回   第7回   

  第8回      第9回   第9回リンク    第10回  第10回リンク  

 

彫刻家 ケイト・トムソンさん

  第1回   第1回続き  第2回   第3回   第4回   第5回   第6回   第7回  第8回  番外編  


 


第1回目の今日は、山本 哲三さんが美術を始められたきっかけと、

学生時代の造形の学び方についてお伺いしました。


山本 哲三さんは、美術コースのある高校で彫刻科を卒業後、京都市立芸術大学でも

彫刻を学ばれていますが、そこではドイツのデザイン学校バウハウスのカリキュラムに倣った

独特の授業を受けてこられたそうです。


今日は、その内容の独自性についてお聞かせ頂きました。

 

どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。

 

********************************

 


ヴィーナス

「ヴィーナス」

大理石、H200cm 

1991年




 


マダムのシャポー
「マダムのシャポー」

大理石、H250cm

1993年




 


ソンブレロ

「ソンブレロ」

大理石、能勢石、H60cm

1993年、素材




 


コスミックバード

「コスミック・バード」

ステンレス、伊達冠石、H1400cm

1996年

泉佐野市総合文化ホール前広場




 


風神雷神
「風神雷神」

大理石、北木石、H180cm、L210cm

豊中市松寿園中庭





 


マコンデ

「マコンデ」

閃緑岩、H200cm

1993年





 


風のカミさん

「かぜのカミさん」

大理石+玄武岩、H300cm

2004年

京都野外彫刻展出品

その後、東尾道彫刻公園に設置/2010年




 


かぜのカミさん-トルネードs 700

「かぜのカミさん/トルネード」

大理石、木材、和紙、H80cm

2007年



 

       


日下
制作を始めたきっかけ、美術に興味をお持ちになられたきっかけを
お聞かせいただけますでしょうか。

 


山本 哲三さん
特に意識して、美術をやろうという考えは、全然なかったんですけどね。
僕は、美術のコースがある高校に入学したんです。

 

京都は日本画がさかんで、明治の初期に南画家が画学校創設を陳情して画学校が出来たんです。

その後、発展して、京都府立から市立に移管され、名称も幾度か変わります。

内容的には、普通画・専門画・応用画と言っていたそうです。

それが、日本画・西洋画・図案・彫刻・漆工・建築など次第に多様になって行ったんです。

 

有名な画家の排出もありますが、京都は染色繊維関係とか陶芸、漆芸など、伝統工芸の作家や職人さんもたくさんいてはるわけで、その様な子弟が勉強するような場所、後継者の育成を担うところと言うことでもあったんですよ。


太平洋戦争に負けて学校制度が変わり、併設されていた絵画専門学校は美術大学に、美術工芸学校は新制高校(日吉ケ丘高学校)に、建築科は他の新制高校にという形になったわけです。
僕はその高校の彫刻科というところに入学しました。


 

日下
はい、彫刻科に。

 


山本 哲三さん
入った理由というのが、結構いい加減な、といいますか、
勉強があまりできなかったもんで、普通科の方には、ひょっとしたら無理かも知れん、

実技と学科試験ならいけるかもしれん・・・・。

 

小さな頃から工作なんかが好きやったもんですから、まぁー、家から電車には乗らなきゃいけない

けれど、そう遠くはないですし、そこへ入ってみたらどうかと親が言ったもんで、受験して美術コースの

彫刻へ入ったんです。それが、彫刻をやりだしたきっかけなんですね。
実家が、画材店をやってたりしてましたんで。

 


日下
画材店ですか~。

 


山本 哲三さん
はい、画材店で絵の材料を売っていたわけですから美術というものに対しては、小さい時から

結構馴染みはありましたね。
だから美術コースに入ったのも、違和感のない状態で、それがそのまま、ずっと続いているということ

です。

 


日下
その後、山本さんは京都市立芸術大学の彫刻コースに入られますね。
そこでは
バウハウス カリキュラム(※)を模倣していたとのことですが、
具体的にはどんな感じの授業だったのでしょうか。

 

バウハウスのカリキュラム


 

山本 哲三さん
現在の京都市立芸術大学、僕の頃は京都市立美術大学でしたが、僕なんかは、そこまで意識高くなかったから、とにかく大学に入ってみたらたまたまそういうカリキュラムをされていたということですね。

 

 



(↑クリックして頂くと拡大してご覧頂けます。)

 


山本 哲三さん
これが、そのカリキュラムなんですけど。

 

バウハウスのカリキュラムというのは、1年に入った時にですね。
一つの授業テーマとして、幾何学的形態の構成ということをするんです。

 

そういう一つのテーマで1章、2章、3章と細かくいっているんですけれども、順番に直線を使った形とか、
それから曲線を使った形とかいう風なことで、素材としては、針金を真っ直ぐ伸ばして直線の基本形に

するということなんです。
それを構成ですから、組み合わすわけですね。そして、立体の形を作っていくと・・・。

 

針金の場合だと、はんだ付けでいけるんですけどね、それでは、実際の展覧会に出す作品としては、

弱いですからね、鉄筋とか鉄のそういう素材を使って作品を作れるように、同時に、ガス溶接の実習

なんかも平行してやってたんですね。

 


日下
それは、実践的ですね。

 


山本 哲三さん
そのバウハウスのカリキュラムを倣ってというのは、結局、点・線・面という造形要素を構成する、

という考え方なんですね。
これカンディンスキー なんかが、理論書(※)を書いてますけれども、そういう点・線・面という考え方で

単純な形を組み合わせて、徐々に複雑なものにしていくという1つのカリキュラムを考えていったわけ

ですね。
京都美大では、現代彫刻家の堀内正和先生(故)と辻晋堂先生(故)が美大の彫刻科に赴任された時にそれまでのアカデミックなカリキュラムに変わるものをやりたいと言う事から始められました。

抽象彫刻と言う物に情熱を注いでこられた堀内先生などが主になられて考えられたと思うのですが、

造形言語と言うような考え方を軸にして彫刻を創る道順をカリキュラムにされた、と思うんです。

 

この場合だと1年生の前期は直線形を使って、後期になると曲線を使って、針金を曲線に曲げたものを

要素として、その中に入れる。それとか、そこに、面的な要素を入れていく。
その場合やったら、ブリキ板で、そういう面的な要素をやるし、それから針金も、1本だと線的な要素がいくつか並べると今度は面的な要素になるんですね。

 

 ※カンディンスキーの理論書点と線から面へ (バウハウス叢書)/ヴァシリー カンディンスキー


 

日下
はい。

 


山本 哲三さん
そして、それを少しずらしながら並べていくと、単なる2次元の平面じゃなくて、

ねじれた曲面で出てきますね。
だから、カリキュラムとしては、そういう造形のやり方みたいなものを、順番に複雑にしていって

勉強していくというやり方だったわけです。

 

実際にカリキュラムが出てますので、順番を追っていきますと、形というものに対しての自然形態と、

幾何学的形態、それは人工的形態というのかもしれませんけどそういう捉え方をするんですね。

 

自然な形態の、ある彫刻のカリキュラムだと、ギリシャ時代からあるような石膏マスクや石膏像を

模刻したり、というような順番で段々大きなものを作れるようになっていくわけです。
高校の時は、そういった古くからある彫刻のカリキュラムをやったわけです。
だから、高校1年生の時は、一番始めに石膏マスクを模刻するところから始まりました。

 

で、京都美大の彫刻の場合だと、そういったトータルした形ではなくって、造形の要素という考え方で
点・線・面というものを、組み合わせて立体を作っていくという考え方のカリキュラムだったですね。

 

次第に自然の形態ということになると、そこで人体を見て捉えて粘土で作る授業ですかね。
それから線的、面的要素の次は、量、量という塊になるんですね。
ボリュームというものとして、人体というものを捉えると・・・。

 

それは2年生になって、モデルを粘土で作るということがあったりとか、3年生になると、実材という

考え方で、材質から石彫や木彫があったりとか、そうやって立体を捉えていくというやり方ですね。

 


日下
そうすると、一般的な大学とは、結構、基礎として取り組むものの順番が逆ですよね。
点・線・面の造形要素ということは、抽象的なものに先に取り組んでいるといいますか・・・。

 


山本 哲三さん
そうですね。具象抽象という言葉がありますけれども、
単純な言い方ですけど、具象というのは、人体だとか、動物だとかを、そのまま見えるように作る

というのが具象と言って、抽象というのは、作者のイメージの中で作りあげた形を表しての抽象って

いうふうに、言いますけども、この場合は、点・線・面という考え方の場合、抽象でもないし、具象でもないというか、構成という考えのカリキュラムやったんです。

 


日下
はい。

 


山本 哲三さん
構成は、その当時デザインの勉強としてある所もありましたけれど、通常は彫刻でも絵画でも

石膏デッサンの場合やったら、昔からある石膏像を、木炭デッサンするとかね。
もうちょっと進めば、実際のヌードモデルを見てデッサンするとかいう風に、どんどん授業を深めて

いきますけどもね。

 

京都美大の場合は、そうじゃなくて、何かその形を好きなように組み合わせなさい、という形で

始まっているというか。

もう少し素材に慣れてくると実際に物を見て写実的にそれを写すようなことをやったりとか。

 

あるいは、見た物の形を1つのヒントにして、自分で形を作っていくとか。
その場合、キュービズムの人たちがやったような単純な形に置き換えて作るということでも

いいわけですけれども。例えば、人体をシリンダーの状態に分解して描いたりしてました。

そういう捉え方でもいい。
一つのモチーフとして人体のあり方を研究するという言い方でやったりもしていますけどもね。

辻晋堂先生


からは今までにない物を創りなさい、とか言われていましたね。
そういうのが、京都美大の彫刻科のやり方やったんです。

 


日下
人体でも観察して造形表現するのとは違った捉え方で制作しているんですね。
やはりとっても独特ですね~。(感心!)


山本 哲三さん
この写真は実習室なんですけど。

 

 


線の構成って、ここにもありますけれども、鉄の線で、曲線を作ってますね。
これは鉄板の2次曲面というか、鉄パイプを半分に切ったものの組み合わせで、

繋ぎあわせていくことで新たな形に変化していくとかね。

これが、1回生の実習で、こういうことを、やったわけですね。

 

抽象だとか、何だとかいう概念はまるでなくって。
結局、針金とか鉄板を使って形を作りましょう、というぐらいの感じなんですよね。

 


日下
そうですか~。
とっても興味深いお話をありがとうございました。




 


春風
「春風」

大理石、木材、和紙、H35cm

2011年

 


**************************

 

編集後記

 

今回、片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんのご紹介で、初めて山本 哲三さんにお話をお伺いしました。
山本 哲三さんは大阪芸術大学の教授を数年前にご退職された、活動歴豊富で多彩な彫刻家で
いらっしゃいます。

 

片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんからは、1969年にオーストリアのサンクト・マルガレーテンの

採石場で開催された日本人のみ5人での共同制作の伝説的な彫刻シンポジウムに参加された
素晴らしい彫刻家のお一人としてご紹介を頂きました。

 

そのシンポジウムで、山本 哲三さんを含む日本人5人が制作した素晴らしい作品は
シンポジウム関係者から『ジャパン・ライン』と栄誉な名前で呼ばれることとなりました。
これから後の回で、たっぷり紹介させて頂く予定です。

 

山本 哲三さんはその彫刻シンポジウムをオルガナイズされた、彫刻シンポジウムの父と呼ばれる
彫刻家カール・プランテルさんに贈る冊子「ARIGATO PRANTL SAN」という、日本人の参加した

彫刻シンポジウムの記録冊子編纂にも尽力されていました。

 

今日は、そんな山本 哲三さんの彫刻を始められた頃のお話をお伺いしましたが、
一般的な日本の美術教育とは違ったカリキュラムで学びを始められたということが
山本 哲三さんの自由な作品イメージを拝見する上で、とても興味深く感じました。

 

これから数回にわたって、山本 哲三さんの彫刻の学びと活動の歴史、そして伝説のシンポジウム

についても貴重な写真資料と共にお届けしてまいります。

 

どうぞお楽しみに。

 

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◆ 山本 哲三さんのホームページ 

 

◆ 山本 哲三さん著
 「彫刻シンポジウムと共同制作
  ―日本人の参加した彫刻シンポジウムの記録冊子編纂の機会を得て―」

(大阪芸術大学 紀要)

 


◆山本 哲三さんが編集の一員を勤められた資料集
 
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◆ 山本 哲三さんの展覧会情報

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  前半2014年12月5日(金)-23日(火)

  後半2015年1月9日(金)-25日(日)
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山本 哲三さんの略歴


 

◆山本 哲三さんお薦めの彫刻シンポジウムに関するレポート

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  彫刻回帰線
  彫刻家カール・プランテルさんを訪ねて


 

 

本日もご訪問くださいまして

ありがとうございました。

 

 

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皆様、こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。

 

私はときどき、自分の勉強のために彫刻、展覧会など眺めにでかけるのですが、

よろしかったら一緒にお散歩いたしませんか?    

ご多忙の方、遠方の方は私の元気な近況報告と受け取って頂けましたら幸いです。
 

・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆・:,。゚・:,。★゚
 

第32回 ★4/23(日)13:30~ 彫刻工房くさか アトリエ
仙台ロイヤルパークホテル(仙台市泉区寺岡6-2-1)から車で5分ほどのアトリエで、

私が長年大切に温めている作品をご覧頂きます。

ご希望があれば、石彫体験もして頂けます。

 

アトリエ界隈は桜の時期には、桃源郷のような美しい景色になります。

当日は名残の桜か、葉桜かわかりませんが、

緑萌え始める時期の自然と、作品と制作環境を

楽しんで頂けましたら、とても嬉しく存じます。

 

 

待合わせ場所は、仙台ロイヤルパークホテル向かいのACTUS(仙台市泉区紫山1丁目1−4)の駐車場で待合わせ。そこから車で5分のアトリエにご案内いたします。
春先とはいえ野外ですので、どうぞ暖かい服装、お足元を気にしない靴でおいで下さいませ。散歩の後は、アトリエにて私の手作りおやつと坐カフェの珈琲を召し上がれ~!


今回のさんぽには私の個展コラボ企画カフェLIVEに出演して下さった、

歌手・ボイスアーティストの比嘉ひろ音さんもいらっしゃいます。

オリジナル曲の「さくら」を披露してくれるようですよ♪
どうぞお楽しみに♡

 

 

ご参加の際は、待合わせで行き違い生じないように前もって、
ご連絡頂けましたら幸いです。

 

☆☆☆参加申込み・お問合せ☆☆☆
彫刻工房くさか 日下育子
TEL 090-4319-7439 Eメール k-1114@k-195.com
Facebook messemger も可能です。

 

Facebook グループ『彫刻さんぽ』

Facebookのアカウントをお持ちの方はご覧いただけます。
メンバー登録して頂きますと今後の予定が分かりやすくなります。

ブログにも同じ内容を掲載しております。

 

 

本日も、ご訪問下さいましてありがとうございます。

 

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皆様、こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。

 

現在、桜を題材にした浮彫り作品を制作中です。

その制作過程を公開してみます♪

 

 

 

① ノルウェー産のノルウェジアンローズという大理石。

  美しいピンク色、白、薄緑の流れ紋が特徴の希少価値のある石です。

  まずは、流れ紋と形のマッチするところを根気よく探して墨入れ。

IMG_20170222_112613568.jpg

 

 

 

② 墨入れした部分をカット。

  切り取る前に、心棒用の穴をあけて置きます。

  これは、石の量が重いうちにした方が安定して、穴あけできるということと

  形を作る手間をかけてから、万が一穴あけの衝撃で破損が出ると困るので

  先にやっておく、という段取りです。  

IMG_20170222_112614068.jpg

 

 

③ 輪郭をカットして、おおざっぱな粗取りをします。

IMG_20170222_112614433.jpg

 

 

④ 少しずつ形を彫りだします。

IMG_20170222_112614838.jpg

IMG_20170222_112615266.jpg

 

 

⑤ ノルウェジアンローズで彫った形をビアンコ・カラーラというイタリア産白大理石に

  取付する作品です。

  二つの石の文様の方向などが合うようにクリアファイルのシートを使って

  白大理石の板材、どこを切り取るか、全体のイメージを確認します。

IMG_20170222_112615556.jpgIMG_20170222_112616031.jpg

 

 

⑥ 切り取った形の裏面に、あらかじめ設置場所の壁面に取り付けるための

  心棒穴をあけておきます。この段取りの意図は、②のところで書いた通り

  です。 

IMG_20170303_031224378.jpg

 

 

⑦ 浮彫表面をこれから彫り進めます。

IMG_20170303_032053767.jpg

 

⑧ このような感じで、後は微に入り、細に入り、かたちに命が宿るまで

  精一杯彫り進めてまいります。     

 

完成形は…、もうしばらく先になりますのでどうぞお楽しみに。

 

本日も、ご訪問下さいましてありがとうございます。

 

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皆様、こんにちは。 
彫刻工房くさか 日下育子です。
 
つい最近、手持ちの【振動ドリル】という道具が買替えになりました。
 
写真上の赤いのが、日立のFDV15Vというもの。
かれこれ20年ほど、制作を共にした相棒の一つ。
故障して修理に出しましたが、古過ぎて部品なく、引退となりました。
 

 
そして下の機械が、新しく購入した、同じく日立のDV19。
デザインが全く違うわ~!
いかにも強そう!
そして、確かに違うのがパワーです。
 
上の機械では、石用のドリルビットでも
なかなか時間がかかって穴があかなかったのですが、
新しい機械は、ハイパワーで良く切れる感じで、
ごく短時間で、心地よく穴あけできました。
 
IMG_20170303_031224378.jpg
 
↑ タイル壁に取りつける、大理石浮彫の裏側です。
  芯棒用の穴あけをしました。
 
IMG_20170303_031224969.jpg
 
綺麗な穴があきました!
良かった、良かった♡
 
↓ちなみに浮彫の表側は、このようなイメージです。
IMG_20170303_032053767.jpg
 
大理石の板が平らなうちに穴あけを済ませ、
これから、デリケートな彫り込みいたします。
 
引き続き、精一杯制作に励んでまいります。
 
本日もご訪問、ありがとうございました。
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みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。

 

今日は素敵な作家をご紹介いたします。

片桐 宏典さんとケイト・トムソンさんです。

 

ケイト・トムソンさん
片桐 宏典さん
お二人とも彫刻家であり、ご夫妻でもいらっしゃいます。


以下、2014年10月の再放送でお届けいたします。
前々回の日下育子からのリレーで、ご登場頂いてきました。
     
彫刻家 片桐 宏典さん

第1回  ~三陸のリアス海岸が原風景にあります~ 

第1回続き  片桐 宏典さん略歴のご紹介

第2回目   ~彫刻でコミュニティーと関わってきました~ 
第3回   ~芸術家の共働制作で「宇宙」を表現しました~
第4回   ~アートをプロフェッショナルにやっています~
第5回   ~制作テーマ①  ストリームラインのシリーズについて~

第6回  ~制作テーマ②  サウンドインスタレーションについて~

第7回   ~制作の素材と想い、 舟の作品について~

第8回   ~制作の素材と想い、階段状の作品について~
第9回   ~社会との接点について アートイベントUK98について~

第9回リンク   UK98カタログより
第10回  ~アートは人生を讃えるものです~
第10回リンク   スコティッシュ・スカルプチャー・ワークショップについて


 

 

彫刻家 ケイト・トムソンさん

第1回  ~6歳で彫刻家になると決まりました!~ 

第1回続き  ケイト・トムソンさん略歴のご紹介

第2回  ~制作の素材と想い 石を彫り始めたきっかけと作品の中のスペースについて 

第3回  ~制作テーマ① リレイティブ・パーセプションズについて~

第4回  ~制作テーマ② 光(LED)を使った大理石の作品群について~ 
第5回   ~社会との接点 彫刻で遊び場を創っています~
第6回  ~共働制作の体験から描いた夢、公会堂アートショウのこと~

第7回   ~社会との接点、近年の活動について  POST CARD TO JAPAN~

第8回  ~未来の女性彫刻家へのメッセージ、ア-トはケーキの小麦です~
 

 

番外編の今日は、より良い作品の記録を求める彫刻家と、自身の作品としても撮影する写真家の
せめぎ合いについてお聞かせ頂きました。

 


どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。

 

 

********************************
     


 

「コスモスービックバン広場」 モノリス

 

 

 



「コスモスー現在の時空広場」


1.「ビックバン広場」6.2mH x 30m x 25m
2.「現在の時空広場」 2mH x 30m x 25m
岩手産白御影石、 遠野産黒御影石

デザインから制作まで全て芸術家の共働制作によるプロジェクト
片桐宏典、ケイト・トムソン、用澤修、吉田昇、ルボミア・ヤネチカ、
アンディー・アルプ、岩村俊秀、清本真右、坪井常男
1993
宮城県仙台第一高等学校

写真撮影  鈴木加寿彦

 

 

 

 

 


「望郷」
片桐 宏典
宮城県産玄武岩
90x17x18cmH
2004

写真撮影 森 眞一

 

 

 

 

 




「Eclipse」
片桐 宏典
宮城県産玄武岩
35x6x35cmH
1996
個人蔵

写真撮影 森眞一

 

 

 

 

 




「昼と夜」
片桐 宏典
宮城県産玄武岩
100x12x50cmH
1997
ペニンシュラホテル東京所蔵

写真撮影 森眞一

 

 

 

 



 

 

 


「デュエット」
ケイト・トムソン
イタリア・カラーラ大理石
10x7x24cmH
2004
個人蔵

写真撮影  森眞一

 

 

 

 

 




「Relative Perspective」
ケイト・トムソン
インド黒御影石
45x45x50cmH
2002
第20回現代日本彫刻展模型入選作品
個人蔵

写真撮影  森眞一

 

 

 

 




「ジェミニ」
ケイト・トムソン
赤御影石
13x14x31cmH
2001

写真撮影  森眞一

 

 

 

 

 

 

日下
仙台一高の「コスモス」という作品、設置されて間もなく見にうかがいました。
6メートルもの巨大な作品ですが、写真で見ても素晴らしいですね。

 


片桐 宏典さん
この写真良かったね。でも、この写真一枚撮るのに6時間かかったんです。
写真家って本当に変な奴が多いからね(笑)、ケンカしながら撮りました。
毎回ケンカしながら撮ってるね。

 


日下
そうなんですか~。(笑)

 


片桐 宏典さん
大きな彫刻はなかなか設置場所まで行って見せられないので、写真が全てです。
お金を払ってでもプロに撮ってもらう方がいい。
写真家の撮る写真は全くレベルが違う。

 

これを撮ったのは、鈴木カメラマン。(※)やっぱり上手ですよ。
3回くらい撮り直したんです。
最後は夕方の光の微妙な一瞬を捉えたっていう感じかな。
彼は学校中走り回って(背景の)電気つけたり消していました。

※ 鈴木カメラマン ⇒ 鈴木加寿彦写真事務所

 


日下
それはすごいですね~!!
そのぐらい、時間をかけて納得のいくまで撮影なさるんですね。

 


片桐 宏典さん
森眞一さんという写真家に、小品を25,6点、
岩手のスタジオで1週間がかりで撮ってもらった時なんかも、
最後はやっぱりケンカで、そのあと半年ぐらい口きかなかったかなぁ。

 


ケイト・トムソンさん
彫刻家は自分の作った彫刻は自分の子供と同じで、
どうやって写真撮るのが良いか自分のアイデアあるでしょう。

 

でも本当にいい写真家も作家だから、一番ベストな写真を創るセンスがある。
写真家は写真が自分の作品なので、
彫刻家が求める、作品のドキュメントだけに撮るのではないのです。
そのアジェンダ(行動意図)が違うし、
写真家とのコラボレーションって結構ストレスになってケンカする。

 


片桐 宏典さん
いままで一番上手だと思ったのは盛岡の森さんで
彼はスタジオでストロボを使って撮るのがめちゃくちゃ上手です。
彼は以前、トヨタでクラウンとかを海外まで持って行って撮ってた人なの。
だから光りものとかすごい上手なのよ。
ライティングの仕方など、彼が撮るのを見ていてすごく勉強になりました。
彼は光を組み立てていく凄腕の職人。

 

いい写真家と一緒に仕事すると、自分の作品の見方を改めて教えてもらう、
っていう感じがするんですよ。

 

 

ケイト・トムソンさん
勉強になったけど、自分で撮ると絶対同じレベルになりません。

 


片桐 宏典さん
以前は大型カメラの4×5(シノゴ)乾板写真でアオリをかけて一発勝負だったのです。
今はデジタルなので、とにかく撮っておけば後からなんとでもなるという
そういう世界になってしまいましたけど、ある程度までは。

 

デジタルになってこの10年位は僕が自分で撮ってます。
そこそこ撮れるようになったと思うけど。

 

屋外は機材さえあれば大して変わらないけど
屋内のストロボを使った写真はまだまだ全然プロにはかなわない。
プロの写真家の一枚には、光の情報量が豊富なのです。

彼が撮った写真※後で送ってあげるよ。

 


日下
そうですか~。
とっても興味深く、参考になるお話でした。
ありがとうございました。

 


★******************************************

 

編集後記

 

私が片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんに初めてお会いしたのは、
私が大学の副手1年目の冬に、お二人の住む岩手県岩手町にある
㈲浮島彫刻スタジオを訪問した時でした。 

 

ケイト・トムソンさんは、片桐 宏典さんと共にお二人のお子さんを育てながら、
着実に精力的に創作活動を展開してこられました。

 

私が今回お二人とお会いしたのは、6月半ば、イギリスから昨日帰って来たばかりという日の午前中、
時差感覚が戻ってらっしゃらないところでしょうに、仙台市内の片桐 宏典さんのご実家に
お伺いしてお話をお聴かせ頂きました。(ご親切なご対応ありがとうございました!)
片桐 宏典さんにはほぼ7年ぶり、ケイト・トムソンさんには10年ぶり位でお会いしました。

 

お二人のインタビューでは、本当に国際的に、プロフェッショナルとして活動していらっしゃる
彫刻家の内容の濃い貴重なお話をお聴かせくださいました。特に社会と具体的に関わった実践を
たくさんお話頂いて、私にとって大きな学びになりました。
私が若い時にお世話になったお二人に、今回、満を持してご登場いただくことができて
とても光栄に思っています。

 

片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんの作品は日本国内、岩手町や東京を中心にあちこちで
ご覧頂くことができますので、皆様も是非、ご覧になって見てはいかがでしょうか。


 

浮島彫刻スタジオ 片桐 宏典さんとケイト・トムソンさん

岩手県岩手郡岩手町浮島
 

**********************************

 

◆片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんのホームページ 
  
浮島彫刻スタジオ 


片桐 宏典さん(日本語)、ケイト・トムソンさん(英語)のエッセイ集
 

 

◆片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんが主催された展覧会のホームページ

 「POSTCARDS FROM JAPAN」  
 「POSTCARDS TO JAPAN」

 

スターリング大学(イギリス)での展示
 片桐 宏典さんの紹介ページ

 ケイト・トムソンさんの紹介ページ


 スターリング大学 Corridor of Dreams  (「夢の回廊」 インタビュー動画)

 (全23分中、お二人と作品が映るのは11:30~15:30頃です。)

  

スターリング大学アートコレクション 
ケイト・トムソンさんのインタビュー  (約2分)

スターリング大学のFacebook ⇒Art Collection at the University of Stirling

        

                     片桐 宏典さん ケイト・トムソンさんの写真

                        

日本・石の野外彫刻―ストーンアート写真集
  藤田観龍 著(写真)  本の泉社

  片桐 宏典さんの作品写真と手記「石彫というジャンル」(318ページ)
  ケイト トムソンさんの作品写真が掲載されています。

 

※2017年1月より Kindle版も発売になりました。

⇒ https://www.amazon.co.jp/dp/B01N25WLQ8

 

 

◆ 片桐 宏典さんの略歴  ⇒ 第1回 続き

ケイト・トムソンさん 第1回続き 略歴のご紹介


 

 

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みなさま こんにちは。

みんなの学び場美術館館長 日下育子です。

 

今日は素敵な作家をご紹介いたします。

イギリス人の女性彫刻家 ケイト・トムソンさんです。

 

ケイト・トムソンさん
片桐 宏典さん
お二人とも彫刻家であり、ご夫妻でもいらっしゃいます。

 

以下、2014年10月の再放送でお届けいたします。
前々回の日下育子からのリレーで、片桐 宏典さんに引き続き、ご登場頂きます。
     
片桐 宏典さん

第1回   、第1回続き  、第2回目  、第3回  、第4回  、第5回   、第6回  、第7回 

第8回  、第9回  、第9回リンク    、第10回  、第10回リンク  


 

ケイト・トムソンさん 
 
第1回  ~~6歳で彫刻家になると決まりました!~

 第1回続き   略歴のご紹介
 第2回  ~制作の素材と想い 石を彫り始めたきっかけと作品の中のスペースについて~ 

 第3回  ~制作テーマ① リレイティブ・パーセプションズについて~

 第4回   ~制作テーマ② 光(LED)を使った大理石の作品群について~ 

 第5回   ~社会との接点 彫刻で遊び場を創っています~
 
第6回    ~共働制作の体験から描いた夢、公会堂アートショウのこと
 
第7回    ~社会との接点、近年の活動について  POST CARD TO JAPAN


第8回目の今日は、これからの女性彫刻家へのメッセージと
「あなたにとってアートとは?」にお答えいただきました。

どうぞお楽しみいただけましたら幸いです。

 

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



マインズ・アイ

 

「Key of Affinity - Mind's Eye」
バルカンホワイト大理石
100×30×220cmH
東京都大手町ファイナンシャルシティ
2012

ベンチスカルプチャー5点セット





 



チェイン・エコー

「Keys of Affinity - Chain Echo and Celtic Anchor」
バルカンホワイト大理石
220×40×110cmH
140×30×72cmH
東京都大手町ファイナンシャルシティ
2012
ベンチスカルプチャー5点セット






 


ケイヴ・ピース

「Key of Affinity - Cave piece」
バルカンホワイト大理石
200×100×65cmH
東京都大手町ファイナンシャルシティ
2012

ベンチスカルプチャー5点セット





 


ケイヴ・スケープ

「Key of Affinity - Cavescape」
バルカンホワイト大理石
170×1750×95cmH
東京都大手町ファイナンシャルシティ
2012

ベンチスカルプチャー5点セット






 


きー・ストーン


「Keys of Affinity-Key Stone」
バルカンホワイト大理石
200×100×65cmH
東京都大手町ファイナンシャルシティ
2012

ベンチスカルプチャー5点セット

 


 


オルフェウス

「オルフェウス」
ラサ・セレクト大理石
17x10.5x47cmH
2010





 


アフロディテ


「アフロディーテ」
カラーラ大理石
20×19×72cmH
2009



 

 

日下
日本の美術大学では、近頃は女性で石彫をする学生が多いと聞くことがあります。
そしてその方々は、彫刻家で結婚して、生活して制作するということに
とても興味を持っていらっしゃるそうです。
 女性で彫刻や美術をされる若い世代に何かメッセ―ジやアドバイスをお願いします。

 


ケイト・トムソンさん
一つアドバイスがあります。
女性の彫刻家は彫刻家と結婚しない方がいい(笑)

 


日下
そうですか~?(笑)
私にはお二人はご夫婦で彫刻家でいらしゃる、最高のカップルに見えます。

 


ケイト・トムソンさん
お金!ちゃんといいサラリーあるお金持ちと結婚した方が最高。

 


日下
二人で彫刻はしない方がいいんでしょうか?(笑)

 


ケイト・トムソンさん
どうでしょうね。
二人でやると両方がアシスタントとサポートが出来るから
結構いろいろやりやすいこともありますね。
でも、お金を見つける大変さは倍になります。

 


片桐 宏典さん
まあ、お金が倍になる可能性もあるし。
何とも言えないな。

 


日下
ああ~、そうですよね!!
良い可能性が倍というのは素晴らしいですよね。

 


ケイト・トムソンさん
でも、やっぱり、材料、道具、
アトリエも一緒に使えるから、要るお金が半分になる時もある。
いろいろケースバイケースかな。難しい。

 


日下
はい。

 


ケイト・トムソンさん
私たちは二人とも彫刻家ですから、お互いの作品を批判、批評することも結構大事です。

 


日下
そうですか。


 

ケイト・トムソンさん
私が新しいアイデアで作品作ると、
彼に「何それ~!?」と言われることが、結構あります。(笑)

 

私はいまだに彼のそういう反応に慣れてないから、
そういうときは、女性の友達が大事です。

 

女性同士だと、私が何を頑張ろうとしているのかよく分かるみたいで、
彫刻をしていない友達でも、
「あっ、なるほどこれのことですね。」と分かってくれます。

 

作品がある程度カタチになっている段階では、
男性、女性両方のリアクションが面白いと思いますが、

やっぱり女性のほうがもっと簡単に、女性の考えることが分かるみたいですね。
センスがもう少し近いので、何ができたか、何をやり残しているのか。


若い女性アーティストは、まだ自信がない時には
女性から意見を聴くといいと思います。

 

 

日下
そうですか~。ありがとうございます。
では、最後にあなたにとってアートとは、なんでしょう?

 


ケイト・トムソンさん
LIFE!

 


日下
ああ!! まさに!


 

ケイト・トムソンさん
芸術が無いと何も無いね。

 

自分で彫刻を作ることだけじゃなくて、
芸術って、アーティスト・ライフって、音楽、文学、ダンス、絵と彫刻、全部入ってるの。
それらとのコラボレーションも面白い。

 

それがないと意味ない。
何故生きてる?と思ってしまう。

 

アートには美しいことだけじゃなくて、先に話したように難しいこと、問題を考えることも入っている。
アートはイマジネーションです。
今、ここにいて、こういった問題がありますが、どうやったら乗り越えていけるんだろうか?という
イマジネーションがないと次のステップは出来ません。

 

アートはそのイマジネーションのエクササイズ(演習)ですよね。
その意味でアートが無いとライフは出来ません。

 


日下
はい!素晴らしいですね。(感動!)

 

これは私が時々感じることなのですが
物事を達成するときに、失敗を貴重な経験と捉えられずに
最短距離で到達しようとしたり、
お金になる仕事には意味があって、なりにくい仕事には意味が無いと
考えてしまったりという風潮もあるかと思います。

 

けれども、今のケイトさんのお話は
とても納得出来ますし、素晴らしいと思います。

 

私の身近な関わりの人の中にも
一見無駄のように思えることにも意味があるという感覚が
まだあまり分かっていない方もいます。


 

ケイト・トムソンさん
芸術とあまり関わって来なかった人たちは、芸術はケーキの上のサクランボだけ、
綺麗だけどあまり意味がない、無くてもいいと思ってしまいますが、
でも、芸術は逆にアートは小麦です。

 


日下
ああ~!!(感動!)

 

ケイト・トムソンさん
それが無いとケーキになっていきません!と考える。
やっぱり何か、基本ですね。

 

人類は誕生した初めから何か自分で作りました。
観るだけじゃなくて、自分で作ってみる。
自分で考えるということを一番簡単に実感するには、
自分で作ってみるのがいい。

 


日下
その例え話は凄いですね!!
ケーキのお話はすごくわかりやすいだと思います。
素晴らしいです。

 

今回はとてもたくさんの素晴らしいお話をありがとうございました。

 

 


スプリング

「スプリング - Spring」
カラーラビアンコ大理石

柏の葉キャンパス・アートワーク
2007





 


プリマベーラ

「プリマベーラ - Primavera 」
カラーラビアンコ大理石

柏の葉キャンパス・アートワーク
2007

 


 


プランタン




「プランタン - Prantemps」
カラーラビアンコ大理石

柏の葉キャンパス・アートワーク
2007  


メモ
柏の葉キャンパス・アートワーク
「プリマ・ベーラ」、「スプリング」、「プランタン」について
ケイト・トムソンさんより

 
この一連の作品は「光」がテーマです。光のもつ多様性を考えるとき、
躍動感溢れる生命の放つ一瞬の輝き、「光」がもっとも印象的なものです。
若い芽の透き通るような内面的な輝き、
植物に降り注ぐ朝の光を浴びた露はまるで光の粒のようです。
植物は光合成で、まさに光のエネルギーが命をはぐくんでいる、
そういった光の様々な表情を彫刻として表現してみました。

 


「スプリング」は英語で「春」という言葉ですが、
「泉、大地から水がわき上がる場所」の意味もあります。
泉の水は春の地表から、泡立ちながら深い森の中に静かに流れ、
または山の高みから海へと長い旅路を辿り、生きとし生けるものの
深遠なるミステリーを秘めながら、その旅の良き伴侶である光とともに
生命のサイクルを生み出します。

 

「スプリング」は太陽の光を求めて伸びていく植物や
湧き上がる命の泉のような、水と光の微妙なバランスを保つ
パートナーシップを明快なフォルムで表現したものです。



 

「プリマ・ベーラ」とはイタリア語でやはり「春」の意味ですが、
直訳すると「最初の真実」という言葉です。
二つの羽の内側は微妙な光をデリケートに反響します。
一組のカップルがともに支え合いながら
新たな空間を創造しながら育てる様を表現しています。
この作品は心のよりどころである自分の家へ帰る気持ちに
同調するように、建物に入る際に見える位置に配置されます。



 

「プランタン」もフランス語での「春」です。
「初めての時」という意味を持っています。
スパイラル状の同じカーブの曲面がそれぞれ三つの違ったのフォルムを
組み合わせる構成となっています。スパイラルとは生命の基本的なかたちです。
と同時に光を内包したり透過させたりして際立たさせるかたちでもあります。
それぞれのユニットが様々なリズム感で生命の謳歌を表現したものです。



 

またこれらの彫刻は素材として大理石を使用しています。
かたちと表現に応じてそれぞれ違った種類のものが使われています。
「スプリング」にはきめの細かい表面と堅牢さで知られる石である
ビアンコカラーラ大理石(イタリア)。

「プリマ・ベーラ」もカラーラビアンコ大理石ですが、
もっと有機的な模様と暖かみのある別の山からとれた石を使っています。
「プランタン」はバルカン・ホワイト大理石(マセドニア)という
透明感のある大理石、光をよく透過する石を使っています。
大理石の帯状の色模様は何千年にもわたって積層され眠っていたこの石を、
今改めて作品の素材として、光と生命のダンスを、
透明感を持った表現の中によみがえらせました。


**************************

 

編集後記

 

私が片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんに初めてお会いしたのは、
私が大学の副手1年目の冬に、お二人の住む岩手県岩手町にある
㈲浮島彫刻スタジオを訪問した時でした。 

 

ケイト・トムソンさんは、片桐 宏典さんと共にお二人のお子さんを育てながら、
着実に精力的に創作活動を展開してこられました。

 

今回は、女性アーティストだからこそという視点で、

若手女性アーティストへのメッセージをお伺いしてみました。


二人とも彫刻家でご夫妻で、強い信頼関係と絆がおありだからこそ
時には困難な状況も乗り越えながら、数々の秀逸な作品で実績を積んでこられたのだなぁと
私には感じられました。

 

また最後の「あなたにとってアートとは?」に芸術を、ケーキの上のサクランボではなく
小麦に例えてお答え下さったところに、ケイト・トムソンさんのとっても女性的でいて力強い
精神と芸術の本質を感じました。
とても腑に落ちたのと同時に、この言葉をお聴きできて、とっても嬉しく思いました。


次回は、お二人にインタビューした時に、彫刻の作品写真撮影について
とっても有意義で楽しいお話をお聞かせ頂きましたので、そちらを番外編としてお届けいたします。

どうぞお楽しみに。

 

浮島彫刻スタジオ 片桐 宏典さんとケイト・トムソンさん

岩手県岩手郡岩手町浮島

***********************************

 

◆片桐 宏典さん、ケイト・トムソンさんのホームページ
 
浮島彫刻スタジオ 
 ケイト・トムソンさんのエッセイ集 (英語です。)
 

スターリング大学(イギリス)での展示
  ケイト・トムソンさんの紹介ページ

 スターリング大学 Corridor of Dreams  (「夢の回廊」 インタビュー動画)

 (全23分中、お二人と作品が映るのは11:30~15:30頃です。)

  

スターリング大学アートコレクション 
ケイト・トムソンさんのインタビュー  (約2分)

スターリング大学のFacebook ⇒Art Collection at the University of Stirling

                    ⇒ケイト・トムソンさん、片桐 宏典さんの作品

                        

 

日本・石の野外彫刻―ストーンアート写真集
  藤田観龍 著(写真)  本の泉社

 ケイト・トムソンさんの作品写真、片桐 宏典さんの作品写真と手記が掲載されています。

 

※2017年1月より Kindle版も発売になりました。

⇒ https://www.amazon.co.jp/dp/B01N25WLQ8

 

 

ケイト・トムソンさん 第1回続き 略歴のご紹介

 

 

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皆様、こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。

近頃制作中の作品です。

ノルウェジアンローズという大理石で
桜をモチーフとした作品を制作中です。



大理石板の両面から
石の文様のベストなところをとって
墨入れ。

カットしました。


形の輪郭をとって
荒取りします。



少しずつ彫りすすめます。


形の中に石の文様が
どんな風に流れているか
分かるようにした上で
ベースになるビアンコカラーラ
の文様とも調和するように
石取りします。




美しい作品になるよう
精一杯、がんぱります。

本日もご訪問
ありがとうございます。

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皆様、こんにちは。彫刻工房くさか 日下育子です。

 

先日開催されていた

私の個展コラボ企画でマリンバ奏者の 朝倉香絵 さんと

カフェLIVEに出演して下さった

比嘉ひろ音 さんの次のコンサート案内です。

 

2017年2月25日(土)より、仙台 大町のTHE 坐 カフェにて

  比嘉ひろ音 ハートフルコンサートが開催されます。

 

ひろ音さんは、私から見て、とてもスケールの大きな

出産と子育て体験をお持ちの愛あふれる女性です。

 

♪地球上のすべての命に捧げる♪想いで

歌を歌われています。

 

私の時のカフェLIVEでも涙を流しながら

お聴きになっている方もいらっしゃいました。

 

今回もきっと

優しさと元気を届けてくれることでしょう!

皆様どうぞお誘い合わせの上、ご参加下さいませ。

 

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すべての人に捧げるハート・オン・タイム

夜を写す窓
窓際にもたれ見上げる夜空
星が消える前に
夢が消える前に
寒い寒い冬の森へ
愛を探しに出掛けませんか

 

歌  比嘉ひろ音
ピアノ  諸沢和良

 

2017年2月25日(土) 開場 17:45 / 開演 18:00
【会 場】THE
「坐カフェ」
     仙台市青葉区大町1-3-7 横山ビル1F
     (地下鉄東西線 青葉通一番町駅より徒歩5分)
【参加費】前売:3,500円/当日:3,800円(30名限定、珈琲&デザート付)
【申込み/問合せ】Ture Sound (比嘉)09075687064
【協 力】マザーアースコンサート実行委員会

 

 

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本日もご訪問下さいまして、ありがとうございました。

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皆様、こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。

先月、1月11日~2月10日(金)まで
仙台市青葉区大町の 「坐カフェ」 にて
開催しておりました私の個展
日下育子 彫刻・写真展「生命礼賛」がお陰様で
盛会のうちに終了することができました。

たくさんの皆様にお越し頂きまして
ありがとうございました。
心より感謝申し上げます。

また、コラボレーション企画VOL.1の
カフェLIVEで演奏して下さった
歌手・ボイスアーティストの 比嘉ひろ音 さん、
マリンバ奏者の 朝倉香絵 さん
ピアニストの 諸沢和良
坐カフェマスターの小笠原さん
大変お世話になりましてありがとうございました。

コラボレーション企画VOL.2
彫刻さんぽにもたくさんの皆様にご参加頂きまして
ありがとうございました。

皆様から頂いた率直なご意見ご感想、温かいお言葉を糧に
今後も精一杯制作に励んでまりますので
どうぞよろしくお願いいたします。

本日もご訪問ありがとうございました。
素敵な週末をお過ごしくださいませ。



 
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