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彫刻家 斎正弘さん 第6回 (再放送) 『世の中、ナメンでないぞ』の体験談


みなさま、おはようございます。


毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の

彫刻工房くさか 日下育子です。


本日は素敵な作家をご紹介いたします。


彫刻家で、宮城県美術館創作室教育普及学芸員の

斎正弘さんです。

(※2012年インタビュー当時。現在は既に退職されています。)


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

斎正弘さん

(”パラサイト”という名前のカッコイイメガネをご愛用です。)


 
前回の白川美紀さんからのご紹介です。

白川美紀さん 第1回第2回第3回第4回


今日は、斎正弘さんが宮城教育大学在学中の頃に、先生方から受けた影響など、

美術という仕事に携わられる上で基礎になったという体験談をお送りします。


私がとっても面白いと感じたエピソードを、お聴きしたままいくつか紹介させて頂きます。


斎さんは、今から紹介させて頂く体験談から、
「自分の尺度だけではわからないものを拒絶せずに受け容れる姿勢」
が大切だと学ばれたそうです。



それから、読者のみなさまへ。


斎さんのお話は、直接お聴きすると、感動で目からウロコがボロボロ落ちます!
けれども、私がそれを文章でお伝えしようとすると凄く難しいのです。


私自身、とってももどかしいのですが斎さんから直接お話をお聴きしたら、100倍面白い!

と思ってお読みいただけましたら、とっても嬉しいです。


斎正弘さんは38番目の登場作家です。
2012年11月8日 のインタビューを再放送でお送りします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-h800

時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)—2001




日下
私は、斎さんの彫刻作品を拝見して、とても、のびのびしているな~と思います。



斎正弘さん
そうですか。

僕はのびのびしているのは、私のせいではなく、お父さんとお母さんのせいだと

思っているので。育てられ方とか、小さいときは呆れてものも言えない、と本当に

言われていたので。



日下
そうですか~。それも、貴重な体験だったのでしょうね。



斎正弘さん
僕が学生の時ですが、絵画Ⅳの合評会で、他の人が具体的な講評を受けている中、
何て言われるかドキドキして待っていると、いつも『ああ、斎君のは斎君のだからな・・・。』
の一言で終わってしまうんです。

それを先輩の人からは、『私もいつ、そう言われるかと思ってS.T先生についているのに、
アンタは1年生の時から言われて良いわね。』と言われて『はぁ?』と思いました。
同じ学費を払っているのに何なんだろう!?と思っていたんです。


日下
確かに、そうですよね。



斎正弘さん

でも、あとから、美術ってそういうものか~と思ったので、そういう基礎的なところでは、
S.T先生やS.J先生の影響とかすごく受けていると思うのね。



日下
ああ、そうでいらっしゃるんですか~。



斎正弘さん
S.J先生というのは、かなりのお弟子さんでも画室に入れなかったそうなんだけど、
僕が1年生の頃は休みの日に訪ねていくと画室に入れてくれて、聞いたことには何でも

答えて教えてくれました。
 
そこで、絵筆で使い古して毛が3本しかないような筆があって、『これまだ使うんですか?』

と聞いたら、『女のヌードでへそをヒュッと描くのに良いんだよ』なんて言われて(笑)、
その筆があれば女のへそが描けるんだというのが、専門家は違うな、と思って

びっくりしました。(笑)



日下
ハハハ、ハイ!(私もビックリ!)



斎正弘さん
そういう話を聞いた後に陶芸の授業で、陶芸家のM.Y先生が草花の絵を描く時に、
ヤギの毛の筆をもっていて、『花のところをそれでピシピシと描くと良いんだ。』

というのを聞きました。



日下
面白いですね(笑)。


斎正弘さん
S.J先生の話を聞いていてそういう話を聞くと、専門家ってそういう風に筆を使うんだ、

違うな~と思って感慨深かったんです。


聞いてなければ『ふーん。』で終わったと思いますが。そういう、うんと基礎的な、道具と

作家がどう付き合うかみたいなものとか、合評会で『これは才能だから、はい次。』

みたいなものには深い影響を受けています。


ここ(美術館の創作室)で仕事をする上では一番大切なことを見せてもらっているというか。



日下
そうですね~。面白いことですよね。



斎正弘さん

実際的には、※T.M先生のモニュメント作ったりするのを一生懸命手伝ったり、

その時にいかに値段をつけるかというのも含めて教わったと思います。



日下
それは素晴らしいですね。私もそういう経験をしたかったですが、なかなか機会に

恵まれませんでした。



斎正弘さん
Ⅰ.N先生は東京の作家だから、値段をつけるときとかまた全く違った計算をしたのを

見せてもらったり、やらされたりして、仕事としての美術ではそれらの先生の影響を

受けたし、本質的な美術では、最初にあげたS.T先生やS.J先生、先輩のT.Kさんとかの

影響を受けています。


 ※Ⅰ.N⇒ttp://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/A/ide_n.html

   S.J⇒ 画家。http://www.angnet.com/gaka/art-3/mk52.htm



日下
はい。素晴らしいですね~。



斎正弘さん
はい。美術って、あんまり一人でやるようなことって無いと思います。知らないうちに他の人

というか大人の人たちの影響を受けています。



日下
素晴らしい恩師や先輩の方に出会って来られたんですね~。とっても羨ましい気がします。


斎正弘さん
はい。
例えば、 陶芸の授業で夜中の3時に窯に火を入れると、M.Y先生に

『じゃあちょっと食事に行きましょう』なんて言われて、みんなで車に乗って国分町の

日本料理屋に行くんです。店に着くと先生は、

『来ちゃいました~!今日は学生もたくさんいるのでよろしくお願いしまーす!!』

なんて言って。(笑) 夜中の3時のみんなヘトヘトになっている時に、こんな大きい皿に

今獲ってきたみたいな生牡蠣がたくさんのっていて潮水の味のするのに、レモンを絞って

ヒュッと食べるみたいな。それも『ヤバいな・・・、相当高いんじゃないか!?』

と思うようなもの、贅沢とか美味いというのを身をもって教えられました。


やっぱり美味いもの食ってないと、本当に美味いものってわからないんですよね。



日下
ああ~、それはすごい体験ですね~(笑)



斎正弘さん
それとは別に、生意気なようだけど、僕が美術の時間にM.K先生に

『何でこういうのがいいって分かるんですか?』と聞いたりするわけ。

 

そうするとM.K先生は『私は君より年を取っているのでたくさん見ているからね。』

とか言って。『カクッ。』っときますよね(笑)。 



日下
確かにそうですね(笑)。



斎正弘さん
その先生は『見るほかないんです。いいのを見るとかでなくて、見るほかないんです。』
と言うんです。


良いものというのも悪いものを見ないと分からないし、とにかくたくさん見ないと分からない

ということですよね。



日下
なるほど~。



斎正弘さん
良いものというのも、さっき言った牡蠣のように、夜中の3時のヘトヘトになっている時に、
今獲って取ってきたみたいな牡蠣を、しかも思う存分食うとかさ、『いやいやこれは、

いや~、美味い!』とかっていうのをやっておかないと本当の『美味い!!』って

わからないんですよね。


普通、お母さんの作ったものを『美味いな~!』と思ってたりするじゃない。でも絶対に

気づかないような美味さというのが世の中にはあって、次から次へとそういうのが

あるから、『ナメンでないぞ!』みたいなのを盛んにいろんな場面で教えられたりしました。



日下
素晴らしい体験ですね~!!




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-j
時空船―トブ-カゲ



斎正弘さん
それからまた、日本画の授業では、みんなで奥松島に写生に行ったのですが、

僕は写生って心から嫌いなので。



日下
エッ!?そうでいらっしゃるんですか?


斎正弘さん
そうなの。だから僕は、わざわざ奥松島に写生に行ってるのにそこの景色ではなくて、

そこにあった『奥松島で見たタンポポの綿毛』というのを描いたのね。


技法的には完全な日本画を描いて出したんだけど、わざわざ奥松島に風景の写生に

行って、提出したのがそういう絵だったので、日本画の先生が困って

『どうしたらいいんだべ・・・?』と助手の人に聞いたそうです。


当時の助手の人も素晴らしい人で、

『「一番いい点数にしておいたらいいんじゃないですか」と言っておいたからな。』

と後から聞かされました。



日下
それは素晴らしい助手の方ですね~。



斎正弘さん
僕はそれを聞いた時に、美術ってそういうもんなんだな、相当優秀で尊敬する先生でも

困ることってあるんだなとか、しかも、そういうわけの分からないものが出てきたときに
『駄目!』と言うのではなく、『好意的に見るものなんだ~』というのは、すごく今の活動を

している時の基礎的になっています。



日下
あぁ~、それはとっても大切なことなんでしょうね~(感心!)



斎正弘さん
だからいろんな人がいろんなことをやっている時に、僕の知らない事をやっているから

とか、技法的に何とかというのではなく、僕が見たこと無いものを見たときにも、ちゃんと

敏感に反応出来るようにしておこうというのがあります。



日下
なるほど~(感動!)そういう感性のトレーニングって大切なんですね。

素晴らしい体験談をありがとうございます!!



*************************



斎正弘さんのお話、いかがでしたか?


私が響いた斎さんの言葉は、

『絶対に気づかないような美味さというのが世の中にはあって、次から次へとそういうのが

ある・・・。』


『そういうわけの分からないものが出てきたときに『駄目』と言うのではなく、好意的に

見るものなんだ・・・。』

ということです。


常に自分の尺度の外にも、今の自分には分からないけれど、何か価値のあるものが

あるかもしれない・・・、ということを知っていると、そういうものとの出会いに素直に

感動したり、受け容れたり出来るのではないかと思いました。


美術はそういう体験をいっぱいさせてくれる機会、要素が盛りだくさんの分野で、
斎さんはその体験を普及させていらっしゃる方なのだな~と改めて感じました。


今日もここまでお読み下さってありがとうございました。



*************************



◆斎正弘さんのブログ


◆斎正弘さんがかつて主に子どもとの向き合い方を書いたエッセイ
 仙台の情報誌に毎月1回、10年掲載されたもののWEB版です。
    おとうさんのひとりごと on the web


◆斎正弘さん執筆で、河北新聞夕刊に掲載されたコラムのWEB版
    美術、ほんとのところ     


◆斎正弘さんの本 
 『大きな羊の見つけかた』 仙台文庫 987円
    仙台文庫      

    ブックショップ    
    『おとうさんのひとりごと』 


宮城県美術館  


◆斎正弘さんのお話が直接お聴きできる催しです。

 (※ 現在は終了していますが、内容を参照頂くため
             以下、そのまま掲載しております。)
    美術探検―実践余話

       場 所 基本的 そあとの庭 1階
       日 程 9月~2月間毎月2回 第1第4金曜日夜
       時 程 18:00 開場。予約者サパー(要予約)
            19:00 講義開始。(1時間講義、30分質疑)

            20:30 終了
       参加料 講義前に軽食をとりたい人は予約した上で1500円。

         *講義終了後、各自がその日の話の値段を決め各自寄付。


11~12月 ○美術は本当に生活の役に立つのか具体的に考える。
       ○ 美術の始め方/始まり方。
 1~2月 ○美術を学ぶ理由/学ばなければいけない理由。
       ○そもそも美術って何ですか?を具体的に考える。
       ○なるほど、だから美術館か。



本日もご訪問ありがとうございました。


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目標がある方が健康?


皆様、こんにちは。

おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です。




昨日は大雪の影響を受けた方も多いと思いますが


お元気にお過ごしですか?


私も雪かきでかいた汗が冷えて風邪を引くんじゃないかと思いました。


すぐに着替えられればいいですけどね


ドライ下着でも、汗はすぐに拭き取る方がいいですね


あと、冬場は油断して、水分補給を忘れがちですよね


しっかりと水分を摂りましょうね



大地も大分乾いていたので、雪が水分補給になったかな?


乾燥は、風邪やウイルスの感染流行の大きな環境要因です。



体も自然も乾燥し過ぎは、要注意ですね。



さて、新年に目標を立てた方も多いと思いますが


目標のある人の方が、無い人より健康なのではないかと思うのです。


どういう理由かと言うと


前提として、病気の原因の多くは精神的な要因から引き起こされるのですが


例えば、鬱状態から免疫不全で病気になるなどのケースが良い例です。


他にも、ストレスで胃を痛めるとか・・・



目標のある方が、自分でコントロールできる範囲が多く


精神衛生上良いのだろうと思われるのです。


また、大きな目標を持ち、それに邁進しているほど


脳は活性化するという事です。


それにより心が満たされる事も多い=精神的安定


そして、目標に生きていないと


目の前の短期的な快楽に逃げる傾向が強いのです。



経験ありませんか?


やけ食いや暴飲暴食


エスカレートするとアルコール依存症や薬物依存になる・・・


なんとも恐ろしい結果を招いてしまうかもしれないですね


まあ、精神的にも生活環境的にもコントロールが利きにくい訳ですね


必ずしも、目標があるから健康とは言い切れないですが・・・


こうしてみると、目標を持って生きることは


少なくとも流されて生きるよりは健康的なはずです。

少なくとも、精神衛生上も生活習慣的にも良いことなんだと思います。


更には、目標と自分の価値観や欲求が一致しているのがベストですね



私の目標は「食と健康」を通して笑顔を広げることです!



今日も自然の恵みと健康に感謝。











創業145年下総屋の医食同源ブログ

彫刻家 斎正弘さん 第5回 (再放送)~抽象絵画の始まり~

みなさま、おはようございます。

彫刻工房くさか日下育子です。


本日は素敵な作家をご紹介いたします。


彫刻家で、宮城県美術館創作室教育普及学芸員の斎正弘さんです。

(※2012年インタビュー当時。現在は退職されています。)

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

斎正弘さん

(”パラサイト”という名前のカッコイイメガネをご愛用です。)


 
前回の白川美紀さんからのご紹介です。

白川美紀さん  第1回、  第2回 、  第3回 、 第4回  



斎さんは、今回、抽象絵画のはじまりについて宮城県美術館が最も力を入れて

コレクションしてきた20世記初頭の画家ワシリー・カンディンスキーをあげて

お話してくださいました。


また、そのことから『人間はみんな違っていて、同じ人間』ということにお話が

展開していきました。


それから、読者のみなさまへ。


斎さんのお話は、直接お聴きすると、感動で、目からウロコがボロボロ落ちます!

けれども、私がそれを文章でお伝えしようとすると凄く難しいのです。


私自身、とってももどかしいのですが斎さんから直接お話をお聴きしたら、100倍面白い!

と思ってお読みいただけましたら、とっても嬉しいです。


斎正弘さんは38番目の登場作家です。

2012年11月1日 のインタビューを再放送でお送りします。


*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-k
「 時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)2001



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-g800
「 飄々とすぎるキラキラ 」



日下
斎正弘さんのブログにあった文章で、


『作る人も含め、ほとんどの人にとって美術はほぼ「見る」ことだけだ。「私(個人)

が見る」ことにこだわったとき、美術はどのように使えるのか。その実践的使い方

(類型=公共的ではなく)の点検を通して、20世紀的な概念では見つけにくかった

基本になる美術概念の気付き/見つけ方を考える講義。』というものがありますが。


※斎正弘さんが現在、行っている美術探検―実践余話 の内容です。このブログの

一番最後に案内を掲載しました。


 

斎正弘さん

それは日本ではと言った方がいいと思う。日本ではもともと、絵は日本画だから。

日本がイメージしている美術と西洋人がイメージしているアートというものはどうも

違うんじゃないかという気がしていて。


絵を描く時って、モノを見て描かないでしょ。見てると描けないじゃない。だから描く時、

紙見て描くじゃない?で、紙見て絵が描けるというのは何を見ているかというと、

何を見ていると思う?


日下
頭の中。



斎正弘さん
そうですね。
だから絵って、頭の中を見ているんですよ。


これは小学校6年間で図工をやっている間は、頭の中っていうのはまだビデオテープ1本

なんだよね。だからファイルされていなくて、頭の中に見えているのは最後のところだけ

だから、何回も同じことしても大丈夫なのね。


だけど中学に入って来ると例えば、多重化してくるんですよ。例えばお茶碗とか時計とか。

時計っていうと何思い出す?



日下
時計ですか?



斎正弘さん

ほら、この段階でもう違うでしょ。人の頭の中って見られないので。

段々分かってくるんだけど、普段ボーっとしてるときって、大人になると『憎しみ』って

どんな感じ?『愛する』では何が見える?とかってなってきて、実は、『頭のなかって

グチャグチャなんだよね。』というのが分かって言えるようになったわけよ。

20世紀になって初めて。


それまではそんなこと言えなかったわけです。そんなことを言うと『おまえは魔女だ!』
なんて言われて火あぶりにされていたわけです。



日下
そうだったんですか。
魔女が火あぶりにされるってそういうことだったんですね。(驚)



斎正弘さん
昔は神様がちゃんといらして世界が完成しているので、全部理論があってピチッとして、

モノには全て理由があるなんていって、その頃はまだ『頭の中はグチャグチャなんだよね』

なんて、あまり分かっていなかったんです。


でも神様がいなくなってから、光は曲がっているとか言う人が出てきて『エーッ!?』って

混乱してきたでしょ。だから物理も混乱しているでしょ。
 

で、絵って頭の中を描くってわかっていたので、私達は抽象画を描けるように

なったわけよ。これまで無いんだからね、抽象画って。一個も。こんなにあるのに

一個も無いんだよ、抽象画って。模様はあるけど。『すごいよなッ。』っていうのが

20世紀なわけです。


そういうことがあり、カンディンスキーという人が初めて抽象画というのを描いてくれたから、
『頭のなかってグチャグチャなんだよね。』というのが分かってきた。

美術と言うのは頭の中を描く練習というところがあって。カンディンスキー自身も、

初めて描いた時は、『見た通り描いたらグチャグチャになった・・・!』と思ってしまったのよ。



日下
ええ、ええ。



斎正弘さん
カンディンスキーも、
『これ絶対に先生クビになるな』と思っていたのよ。でも思い切って

描いて出してみたら、見てる人達が『ひえーっ!』とか言って、『やべぇ、カンディンスキー、

お前もこう見えてたの?』っていうのがあって。

普通の人は、作家が描いて見せてくれないとわからないのよ。作ってくれるから初めて

見えるのよ。その人の頭の中が。それまではそんなことを言うと罰が当たるとか、

口が溶けるとか言われていたわけよ。 



日下

口が溶ける、ですか。(笑)



斎正弘さん

そう。でもね、言っても大丈夫だったわけよ。そして、それこそ真実だなんてなって

しまったから、みんなすごい慌てたのよ。


・・・というような、こういう言い方で理解していくあたりが美術館での美術の普及なの。



日下

あぁ~、とっても引き込まれます。斎さんのお話は分かりやすくて、とっても面白いです。



斎正弘さん

そういうことをカンディンスキーって1911だか14年に発明したのよ。抽象画を。
今なんと2012年になってしまったじゃない。今誰かカンディンスキーみたいなそういう奴

いるか?


そういう奴って出たときは、みんな相当動揺したんだよ。でもそのときは

分からないんだろうな。『いや、俺もさ・・・。』という人がその後も何人かはいたのよ。
でもみんないまだに具象をやっているんだからな~。


でも私たちは常に20世紀のカンディンスキーみたいな、価値観というか、概念の転換

みたいなものについては注意深く見ていて、注意深く見るほどがっかりするけれどな、

最近。何かいろんな場面でがっかりすることが多いけど。



日下

はい、そうですね・・・。




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-j

「 時空船―トブ-カゲ 」




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-i

「時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)?ツレ-モク 」




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-p

個展 復脚類収集癖会場風景




斎正弘さん

だから美術館でデイビット・ナッシュとか、日本の有名な作家とか、優秀な作家の手伝いを

させてもらっていると、美術って、新しい概念を作って行くというのが仕事なので、

みんな同じ言葉を使ってはいるけど説明しにくいのよね、相手には。

 

つまり『みんな同じ言葉を使ってはいるけど』というときの、その言葉の概念が日下さんと僕とでは違うのよ。


日下
えっ!?
えーと、どういうことでしょう?


斎正弘さん
僕は”みんな違う”と思って
『みんな同じ』だと思ってるけど、あなたは”みんな同じ”

だと思って『みんな同じ』だと思ってるでしょ? 



日下
ええと・・・??



斎正弘さん
僕は”みんな違う”ということが
『みんな同じ人間』だと思ってる。だから違う事をやったり、

変なことを言って来たりする子どもたちに『おお、そうか。』って言えるのよ。


学校の先生は変なことを言ってくると『何言ってるんだ、正弘。お前そんなこと言ってるから

駄目なんだ。』ってなってしまう。でも僕は、私たちはみんな人間だから、みんな違っていて、

みんな同じ人間だと思っているので『何だ、正弘、みんなと同じじゃないか』と言ってしまう。

でもそうすると子どもも『日下が変なこと言っている。あいつが人間だ』って言うわけよ。

そうすると誰もいじめようが無いじゃない。


というような、物凄く基本的な深い所にかかわるのが美術の仕事なのね。そういうことを

出来るだけ一般化したいというのはあります。さまざまな活動の中で。



日下
なるほど~。深いですね。



*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  



今回、抽象絵画のはじまりの話が、とっても目からウロコでした。


カンディンスキーの抽象画のように表現を通して、人間同士の共通するところを

見つけたり、違っていても当たり前と認めたり、その発見の作業に美術が関わって

いるのだと改めて教えて頂きました。


『美術って、新しい概念を作って行くというのが仕事』

『物凄く基本的な深い所にかかわるのが美術の仕事』

ということをズシッと受け止めました。


斎さん、ありがとうございます。目からウロコのインタビューはまだまだ続きます。


どうぞお楽しみに。



*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  


◆斎正弘さんのブログ


◆斎正弘さんがかつて主に子どもとの向き合い方を書いたエッセイ
 仙台の情報誌に毎月1回、10年掲載されたもののWEB版です。
     
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宮城県美術館


◆斎正弘さんのお話が直接お聴きできる催しです。

美術探検―実践余話   (※ 現在は終了していますが、内容を参照頂くため
                   以下、そのまま掲載しております。)

□場所 基本的 そあとの庭 1階。
□日程 2012年9月~2月間毎月2回 第1第4金曜日夜。
□時程 1800 開場。予約者サパー。(要予約)
    1900 講義開始。1時間講義。30分質疑。
    2030 終了。
□参加料 講義前に軽食をとりたい人は予約した上で1500円。
     講義終了後、各自がその日の話の値段を決め各自寄付。

11~12月 ○美術は本当に生活の役に立つのか具体的に考える。
       ○ 美術の始め方/始まり方。
 1~2月  ○美術を学ぶ理由/学ばなければいけない理由。
       ○そもそも美術って何ですか?を具体的に考える。
       ○なるほど、だから美術館か。




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和菓子とお茶


皆様、こんにちは。

おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です。



成人式も終わり


もうお正月気分からのお祝いムードも一段落でしょうか



以前には、うちのお店も新成人にお抹茶を


振る舞うサービスを行った事がありますが


最近の若者はそういう堅苦しく感じる


日本の伝統や文化には関心が薄いのかなぁ・・・



せっかくの晴れ着を着る機会だからこそ


着物で味わえる凛とした気分や味わいを五感で感じて欲しいですね



先日、お客様が面白い和菓子をお土産に下さったので


それに合わせたお茶を淹れて一緒に楽しみました。


鶴亀と干支の申の顔の上生菓子ですよ


お猿さんのお菓子は、なんとほのかなココア風味でした





で、合わせたのはお菓子の甘みが引き立つ


爽やかな若葉の香りと渋みの中にまろやかな旨味が感じられる


【荒茶】を淹れてみましたよ





鮮やかな緑色の水色と青葉の香りが新鮮なお茶です。


柔らかな渋みとまろやかな甘みで


甘い和菓子をほおばった後に心地よい風味です。



時には、こういう和のテイストを味わうのもいいですよ~


ケーキやクッキーとコーヒーよりも


ずっと低カロリーで栄養素としても健康的です。



洋菓子は脂肪分、糖分共に高く


コーヒーにはカフェインが多いけど


和菓子と緑茶の組み合わせは


脂肪分が少なく、甘みもグラニュー糖や白糖と違いヘルシーで


緑茶には体に良いカテキンやタンニン、ビタミンCが沢山含まれています。


カテキンには腸内の悪玉菌を減らす作用や


脂肪燃焼を高める効果があるんですよ


そして、ビタミンCは抗酸化作用が強く、若返りや元気の元になるんです



ヘルシーで美味しい日本の食文化を見直しましょう!



今日も自然の恵みと健康に感謝。











創業145年下総屋の医食同源ブログ

彫刻家 斎正弘さん 第4回(再放送)~素材との対話、制作についてのお話


みなさん、おはようございます。


毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の

「彫刻工房くさか」日下育子です。


本日は素敵な作家をご紹介いたします。


彫刻家で、宮城県美術館創作室教育普及学芸員の斎正弘さんです。

(※2012年インタビュー当時。現在は退職されています。)



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

斎正弘さん


 

前回の白川美紀さんからのご紹介です。


白川美紀さん 第1回、  第2回 、  第3回 、 第4回  


今日は、斎正弘さんがどんな風に鉄の素材と対話して、かたちが生まれるのか、

惜しみなく語って下さっています。


斎正弘さんの言葉と作品写真を見比べながら、読者のみなさまも、

どうぞ制作を追体験するように読んで頂けましたら、新鮮なのではないかと思います。


斎正弘さんは38番目の登場作家です。
2012年10月25日 のインタビューを再放送でお送りします。

では、どうぞお楽しみくださいませ。

* * * * * * * * * * * * * * * 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-h800

「 大潮の曇 」



日下
斎さんの制作テーマについてお聴かせいただけますでしょうか。

先日は、特別なテーマは決めずに頭に浮かんでくるものを制作するとのことでしたが。



斎正弘さん
僕は、アメリカ留学以前の宮教大時代から鉄の制作をしていて、すごく作品に自信を

もっていました。ところがアメリカに行ったら、

『アルプと同じだよね。どういうところが君のオリジナルなの?』と言われて

『困ったな~。』と思いました。

 

鉄という素材も、溶接するという手法も一緒で、特別に自分の独自の要素があるかというと

そうでもない。その時に、

『そうか美術というのは、それをやることによって、新しいものが見えるというそういうことを

やっていかなくちゃいけないんだ』

としみじみ思って、それ以降、常に下手に出るというか『どうだ、参ったか~!』というのは

出来なくなって来ました。


自分よりも他の人が確立した技法で作品を作るというのは、並大抵のことじゃないな

というのは、アメリカに行った時に思ったね。20世紀の初頭に抽象絵画というのが

出てから、世界中の作家がいろんな実験をしていて、これを始めてしまえば大体誰でも

気づくというようなことは全て20世紀の始めにやってしまったんですね。その時は銅とか

手に入らない素材とか多いから、中途半端な素朴なものが多いけど。



日下
そうでしたか~。
ちなみにアメリカではなんという学校に行っていらしたんですか。



斎正弘さん
ブルックリン・ミュージアム・アート・スクールという、
ブルックリン美術館の附属美術学校で、

社会教育のための専門学校ですね。

 

僕の同級生は本当にベトナムから帰ってきた兵隊さんとか、退職したタクシードライバー

とか秘書とか、いろんなおじいちゃんとかおばあちゃんたちで、彼らは退職して

勉強したい時に秘書組合やタクシー協会から奨学金が出るんですよ。


アメリカのおじいちゃんとかおばあちゃんたちって本当にヘンテコリンだから、本当に

好きなものを勝手に作っているんですよ。



日下

すごいですね。すごいアクティブで、ちょっと日本では、あんまりそういう方達って

そういないんじゃないんでしょうか。



斎正弘さん
しかも僕は Non Figurative Sculpture という
非具象彫刻のクラスに行っていたから、

世界の怪物だけ作っているおばあちゃんとか、ユダヤのお地蔵さんだよな、あれ・・・。

五百羅漢みたいなユダヤの神様だけ作っているおじいちゃんとかいて、作品よりもその人を

見ているのがすごく面白かったですね。


でみんな、70歳ぐらいで退職してから、溶接の仕方とか、絵の描き方とか教えられて

いるんです。65を過ぎてからとか、年取ってから美術を勉強すると描きたいものが

決まっているんですね。だから先生が課題出すとかの前に、もう作り出しているんです。


しかも日本の先生と違って、

『ああ、君こういうの作りたいのか。こういうのだったら、ああいうの見て来たらいいよ。

こういう人に話を聞いてきなさい。』 

とかその人がやりたいことを教えてくれるんですよ。そうすると三つ目位から作品に

なってきて、10個目からすごい作品になっているんですよ。


日下
素晴らしいですね。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-g800

「 飄々とすぎるキラキラ 」



斎正弘さん
僕は彫刻家で現代詩のⅠ.Nという作家の影響とかすごく受けているから、
現代詩の

作り方の影響があって、題名とかも、ヘンテコリンなんですよね。その言葉、題名のイメージをもってしまってそのイメージで見えてしまう作品が多いんですよ。

 

   ※Ⅰ.N⇒http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/A/ide_n.html
    


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-k

「 時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)?2001 」
 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-r
「 個人蔵。(復脚類の一種。題名非公開)」
 (気仙沼のSさんという陶芸家の方の持っている山の木の間に設置。)


斎正弘さん
あと、僕はリサイクル主義者だから、
例えば、このあなたが気に入っている作品は、

この作品のここの部分になっちゃってるんです。

(上の作品の舟のかたちのところが、下の作品に活かされています。)


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-m

「個人蔵。(題名非公開) 」

 (H先生宅の庭の木の間に設置。)



日下
テ―マはあまり決めないということですが、
乗り物の雰囲気を感じますよね。



斎正弘さん
船はちょっと意識していると思いますね。
これなんかは完全に『時の向こうを渡る船』

という題名で時空船をイメージすることはありますよね。

(前出の「 時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)2001 」)

 

空っぽの時間の船ってことなんだけど、これなんかは、ちょっと押したり風が吹いたりすると

シュワシュワシュワ~って動いてしまうんです。



日下
このぐらい細い線を使っていると動いちゃうんでしょうね。いいなぁ。




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-j
「 時空船―トブ-カゲ 」




斎正弘さん
この辺の作品だと2本足で立っているんですけど。


 

*    *   *   *   *   *   *   * 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-a
在学中のスタディ



日下
この砂利に置いてある作品、
これランドアート とか意識していらっしゃいますか。



斎正弘さん
あれはアメリカで作った作品です。
宮教大の時、ランドアートはあったのかもしれないけど、

僕はその時は全然、美術家じゃなくて、美術学生だったから。だからランドアートとか

アースワークとかはアメリカから帰って来てからの方が強く意識し始めた。


僕はべターっと広くて何も無い所の方がいいなと思っていて、『僕はこれで行こう』

と思いました。皿みたいに平面だと日本の普通の作家は彫刻作品は出来ないと

思ってしまうけど、僕は、ワーッと広がって廃墟みたいなのがあって、上から見るとあるけど

立って横から見ると何も無いという。石の平野が続いている所は、僕はすごい好きだな、

という。


宮教大のT.M先生には『君の作品は全然3次元じゃないね』と言われて。T先生は

長野県の上田の生まれなので、山の間の谷間とかないと、すごく不安だって仰るんです。

高所恐怖症で狭いところが好きだそうなんです。それこそ立体に強い関係があると

思うんだけど。

 

先生に褒められているうちは駄目だなと思っています。怒られないにしろ、『あんたのは

駄目だな』って言われないうちは新しいものって出来ないなと思っているんです。


    ※T.M⇒ 彫刻家。イタリアに留学し、

          彫刻家ペリクレ・ファッツッィーニに支持。

        ⇒http://www14.atpages.jp/ruisiyouki/tiyo014a21m2.htm



日下

そうですか。


斎正弘さん
きちんと台座に乗って作品になるとか、
入っていける作品とか、うんと気にし始めたのは

帰ってきてからでないかな。1978年9年とか。その基礎はアメリカでやってきたとは

思うけど、こういう作品も。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-b

在学中のスタディ




日下
この作品は、有機的ですね~。
モコモコが秩序だってきれいな作品ですね。

結構大きいんですか。



斎正弘さん
かたちの一番高いところで人の高さぐらいあるんです。
中は空っぽだからさ、軽いんです。

これを横に置いたり、立てて縛ったり、作品にしたんです。鉄の溶接ですね。


僕のは、最初から鉄板を小さく切って叩いてかたちを準備して、それを若干内側に曲げて、

組み合わせて球体に作っていくのね。 すると最後どうしてもつじつまが合わなくなるのよ。

それをどうするかと考えて、合わないところを隠すようにもう一個をこうくっつけてしまうと、

いろいろかたちができるのよ。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

在学中のスタディ


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

在学中のスタディ
 


斎正弘さん
それからこれなんか、最初に骨組みを考えて置いてその間を埋めていくのよ。

骨組みを考えて埋めていって、自分で意識的につじつまを合わせるみたいな。

だから、僕がこうしようと、意図するものと違っていっちゃうのよ。 ねじれてきたり。


実材を使うとき、鉄という素材もすごく発言するわけ。だからどうやってもこうならない

というかたちになって来るわけです。鉄を温めてバンバン叩いて、無理矢理

『俺はこうしたいんだ―!』という向き合い方の人もあれば、僕なんかは

『あら~、そう来たの~、どうすっかな~。』・・・と言いながら最後に

『・・・どうだ参ったか~!』と僕が言うようなのと。


僕が発言するのではなくて、素材が発言したのに対して、それを『あら~、そう来たの~』

僕が対応しながら作っていくという方が・・・。今『好きなんだな。』と言おうとして、

でも好きなんでなくて『上手いんだな。』 


僕は、素材の発言と僕の発言を上手いこと融合させてかたちを作るというのが上手いのかも知れないね。



日下
ああ、はい、そうですね~。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-f800
在学中のスタディ



斎正弘さん
この左側の丸いかたちは、丸く球に作る予定だったけど、
つじつまが合わないところが

出てくるからバンと切って平らにして、足を延ばしていって。初めからこうしたいというのを

作るより、そうやって作っていった方が上手くいくような気がする。こっちの方の人(鉄)が

言ったことを活かした方が無理なく作り込んだような感じ、たくさん作ったような感じに

見えてくる。


昔の作家の人がみると良くできてるな~なんていう感じになってくる。

僕は『鉄の言うとおりに作ったらこうなりました』みたいな感じです。

鉄だと、僕が気にいらないところがあったら、バキンと切って裏返したり、 本当に様々な

思いもかけない切り方って出来たり、途中でどんどんやり直しがきくというのが

鉄を使っている一つの要因でもあると思っています。

 

これなんかすごくアクロバティックな、一点で止められことが造形的に実験できるということ

なんです。



 
アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-i

「時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)?ツレ-モク 」



日下
面白いですね。のびのびしていらっしゃいますね。



斎正弘さん
そうですか。のびのびしているのは、私のせいではなく、
お父さんとお母さんのせいだと

私は思っているので。育てられ方とか、小さいときは呆れてものも言えない、

本当に言われていたので。


僕の先生のT.MとかⅠ.Nとか、T,Kとかに造形的には影響を受けていますが、

うんと基本的なところでは、S.T先生や※S.J先生とか、ああいう大御所の先生の影響を

受けています。
 
    ※ S.J⇒ 画家。
http://www.angnet.com/gaka/art-3/mk52.htm


日下
そうですか~。
具体的な制作のお話、とっても貴重ですね。ありがとうございました。


************************


私は、これまで彫刻の制作をしてきて、何度も『君のオリジナルなところはどこなの?』

ということを何度も訊かれてきました。時にはやんわり探るように、時には真剣を

つきつけられるような鋭さで・・・。


作家たるもの、表現者たるもの自分だけの独自性、作家性が無ければと思い、

一生懸命理論武装したり、制作体験を積んだりして考えるのですが、自分で自分らしさを

見つけるというのはそう簡単な事ではなく、一生かかって最後に見つかるようなものと

思ってきました。


また、斎さんインタビューの第2回 で斎さんがお話になっていたように、表現系が

遺伝的な要素や身体的要素を含んでいるのだとしたらそんな風に無理に探さなくても、

身体で素材にぶつかった痕跡そのものがその人らしさの表れと言えるのではないか・・・。私自身がその両方の思いを持ちながら制作して来ました。


そんなことがあり、斎正弘さんがアメリカで、斎さん自身のオリジナルについて問われた

体験、そしてその後の制作の時の造形思考にとても共感しました。


それにしても、斎正弘さんが平面的な風景を彫刻に取り込んでしまうあたり、

とても面白いと感じました。


よく作家と原風景の体験の関わりと言うことは語られることが多いと思うのですが、

風景を自分の目線の高さで考えるのと俯瞰するのと二視点で考えて制作される

というのは、ちょっと私には無い要素でしたので、すごいな~と感じました。


次回も斎正弘さんの『かなり面白いっ!!』体験談をご紹介させて頂きますので、

どうぞお楽しみに!!


*************************


◆斎正弘さんのブログ



◆斎正弘さんがかつて主に子どもとの向き合い方を書いたエッセイ

 仙台の情報誌に毎月1回、10年掲載されたもののWEB版です。

   おとうさんのひとりごと on the web


◆斎正弘さん執筆で、河北新聞夕刊に掲載されたコラムのWEB版
   
美術、ほんとのところ    


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 『大きな羊の見つけかた』 仙台文庫 987円

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新年の目標


皆様、明けましておめでとうございます。


おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です。




関東地方では、暖かなお正月が続いていますね。


年末年始休みで、運動不足&カロリーオーバーの方も多いのではないでしょうか?



会社や仕事が始まったけど



何か体が重いと感じちゃいますよね。





さて、仕事上もですが、個人的にも



新年は目標をしっかり決めて、有意義な1年にしたいですね





で、人生を豊かに幸せにするには



バランスのとれた目標が必要なんですね



だって、お金持ちでも、愛が無かったら寂しいですよね





では、質問です。



1.あなたの今年の仕事上の目標はなんですか?



2.あなたの今年の経済的な目標はなんですか?



3.あなたの今年の家族や人間関係の目標はなんですか?



4.あなたの今年の健康上の目標はなんですか?





1項目に沢山の目標がある場合は、最も重要な目的を決めましょう。



そして、4つの中でも今の自分にとって



最も大事な目標を選び、次々に優先順位を決めましょう。





あとは紙に書いて、毎日見ながら確認です。



目標を達成するには何をすべきか?



計画を立てて実行にせ移せば、幸せな年末を迎えられるはずです!





と、教科書通りの事を書きましたが・・・



こんな簡単なことさえ、言い訳しながらやらない自分が居たりします(笑)





言い訳や先延ばしが多く、行動にできない私は



どうやら自尊心が低いのが原因らしいのです。



もっと今の自分を認めて、自分を好きになる必要があるみたいです。





だから、自分と向き合って目標を決めるのは



とっても大事なことだと分かりました。



実は、ここまではちゃんとやったので



こうして偉そうに書いちゃった訳ですが・・・





私の人生の目標は



「健康で安全で豊かな社会を子孫に手渡すこと」です。



だから、これからも「食と健康」をテーマに



皆さんの役に立ったり、食の安全のために活動しますよ







お店も、美味しくて健康に良い緑茶を



御年賀ギフトにする愛に溢れたお客様で賑わっています。






ありがたいですね~



今日も健康とご先祖様に感謝。











創業145年下総屋の医食同源ブログ

彫刻家 斎正弘さん 第3回(再放送)~作品がなくなると、作品は永遠になる、というお話


みなさん、おはようございます。


毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の

「彫刻工房くさか」日下育子です。



本日は素敵な作家をご紹介いたします。


彫刻家で、宮城県美術館創作室教育普及学芸員の

斎正弘さんです。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館
斎正弘さん



前回の白川美紀さんからのご紹介です。


白川美紀さん 第1回、  第2回  第3回  第4回  


本文の前に・・・

学び場美術館では、作家の方々に、あらかじめ作品写真を見せて頂き、インタビュー

させて頂いております。


ところが、斎正弘さんとはインタビュー申し入れの際に、メールでこんなやり取りが

ありました。


<2012.8.15 斎正弘さんから日下へ>


日下さん、今回の作業に関して、特に問題はありません。(中略) が、唯一にして

致命的な問題があります。


僕は、ある考えに基づいて、自分では、自分の作品の映像記録を(ある時期以降)

とっていないのです。


又、作品自体も、できるだけ手元にとって置かず、大きいものや、受賞したものなども、

できるだけ早く知り合いにあげてしまっています。


又、個展での作品も、ある時期から値段をできるだけ安くして、みんなに持っていてもらう

という方向にしています。だから、実際の作品を含め、本当に映像記録(特にデジタル化

したもの)はないのです。

なので、今回の企画は中止を含め、ご検討くださってかまいません。
ご検討を。

正弘。



<2012.8.16  日下から斎正弘さんへ>


返信ありがとうございました。


さて、作品写真データが無い、作品をできるだけ人にお渡しされているとのお話

なのですが、私は逆に、そのことでお話をお聴きしてみたくなりました。


学び場美術館のブログでは、美術の多様性を紹介したいと考えております。(中略)


斎さんはとても独特なあり方をしていらっしゃるので、 逆に興味をそそられるのです。



・ ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  



こんなやり取りから、今回のインタビューは実現しました。


ちりばめるように掲載した斎さんの作品写真は、斎さんがわずかにプリントで

残っていたものをデータ化したり、ご自身のパソコンの中などを一生懸命探したりして

集めて下さったものです。


斎正弘さんは38番目の登場作家です。
2012年10月18日 のインタビューを再放送でお送りします。



お楽しみ頂けましたら、とっても嬉しいです。




* * * * * * * * * * * * * * * 



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-p

個展 復脚類収集癖会場風景




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-n
個人蔵(題名非公開)
 



日下
ここまで、たくさん目からウロコのお話をお聴かせ頂きました。
そんな斎さんが、ご自身が作家の時はどのように制作していらっしゃるのか、

とっても興味深いのですが。



斎正弘さん

僕はアメリカから帰って来てから、極力みなさんに作品を持ってもらうということを、

昔からしているのね。



日下
はい。斎さんはご自身の作品について、
『写真の記録データを残さない、 作品も

自分の手元には残さない。』そうですが、それはどのようなお考えなのか、

お聴かせ頂けますか。



斎正弘さん
美術館の作品を見てもらって分かる通り、
美術って自分で持っているうちは

何にもならないのよ。


要するにこんなのは自己満足なので、表現というのは出しておいて、それを誰か

自分ではない違う人に持っていてもらわないと終わらない、ということです。


そういうのはすごくしつけられたし、教育されました。



日下
それはアメリカで、でしょうか。



斎正弘さん
アメリカでも、宮教大でも、外国に行った人というか、
仕事として美術をしているというのは、

そうだと思います。


美術というのは、それまでみんなが気づかなかったことを、『いや、実は俺もさ…。』

っていうのをやって見せるのが仕事なので、みんなに持ってもらわないといけないので。

だから、最初から値段をつけたりするのも嫌だったけど、でも、みんなに持ってもらう、

というのは思っていました。

 

ただ日本に帰って来たばかりの頃って、東京で展覧会するとバブルでやたら値段が

高くなるんですよね。それでも売れるのはいいんですけど、僕の作品は鉄だから、

すぐに錆びて壊れる、無くなると思っていたんです。


そしたら、その頃、デイビット・ナッシュが美術館に来て、木を切って川に置く作品を

制作したんです。それで僕たち美術館側では

『川に置いたら流れてしまいます。』

と言ったら、彼は
『何を言ってるんだ。作品だよ。無くなってしまったということは永遠になったということ

なんだよ。』

と言うわけです。



日下
へぇ~。(感嘆)


斎正弘さん
僕は『しまった!』と思ったんです。

彼は『Gone away means forevre』とか言って、僕は『クッソ~』とか思って(笑)。


僕はそれまで『鉄の彫刻だから壊れてしまうんですよ。』と言っていましたが、

壊れてしまうと明らかにその人の頭の中に残る。頭の中に残る世界というのは、

つまり美術では、無くなるということが永遠になるということだったりする。



日下
あぁ~。なるほど。そうですね~。





アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館
アメリカ留学  在学中のスタディ





斎正弘さん 

彫刻家としては、その時の世界というのを僕はまとめてパッとかたちにするわけだから、

出来るだけ意識的でなく、無意識に出てくるかたちというのを使って制作します。
 

しかも僕の場合は鉄だから、『僕のかたち!僕のかたち!!』というのではなくて、

僕のかたちと『素材の発言・発現』というのを調和させて制作するんですね。



日下
あぁ~。はい。そうですね~。



斎正弘さん
そんな風にある時から、
こっちの抵抗をうんと少なくして鉄に『素材の発言』を
いっぱい

させながら、僕の方がお話し合いをして作るようにしていったら、益々すぐ錆びて、

益々壊れやすくなる。


だから『10年は持ちますから100万円』とはあんまり言えず、かといって本当に

すぐ無くなるわけではないので、『絶対に壊れないわけではないですよ。』

と言って安くして、出来るだけみんなに持ってもらって、無くなることは美術が永遠に

なることだと思って、ずーっとそれを実行しているのよ。



日下
はぁ~。美術に対する考え方と、
素材の両方の理由で作品を手元に残されないんですね。


それからメールでは、写真の記録データも残さないということでしたが。



斎正弘さん
それは私はリサイクル主義者でもあり
原理主義者だから『無駄をするな!』という

考えからです。なので、個展をやって半年ぐらい動かないとバラして部品に

戻してしまうんです。


だから逆に写真を見て、作品を売って下さいと言われても 『もうこれは無いんです。』

ということが以前はあって・・・。だから写真のデータをとらなくなったんです。それで、

僕の作品は写真も作品もあまり残っていないのです。



日下
そうでいらっしゃるんですか~。
私自身も制作者の一人ですが、作家というのは

できるだけ作品を残したい、・・・というか記録好きの人って多いと思うのですが。


それは、自分の何か、生きた証しとして残したいという想いがあるからだと思うのですが。

 

斎正弘さん
僕は言い方かも知れないけれど、
その時その時だと思っているんです。それをきちんと

残しておいて、あとで何するの?



日下
うーん。確かに、そうですけれど・・・。



斎正弘さん
僕が死んだ時に、『あれー、斎さんのもの何も残ってないね。』
・・・というのが

僕は好きなの。みんなの想い出に残っているのでいいと思うんです。どうせぴったりと

正しくは伝わらないと思うのでね。
 

いなくなった時に、『斎さんいなくなったね。あれー?』というのを楽しみたいのね。

人間みんな死ぬんだからさ。あんまり余計なものを残さないようにしたいと思っているけど、

でもまだ生きてるからね。まだ余計なものたくさんあるなぁ。



日下
そうですか~。
斎さんは、腹が決まっていらっしゃる感じがします。ありがとうございました。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-m
個人蔵(題名非公開)





*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*




私は、多くの芸術家にとって、とかく自分の生きた証しとして作品を残そうという考え方が

主流だと思ってきました。


私自身、自分の痕跡が作品として残るということが、何か他の職業に対して
ちょっと優位なことだと考えてきました。


今回、斎正弘さんのお話で、『本当に作品が無くなる時、人の記憶に残る、作品が

永遠になる』というのは考え方としては分かるつもりでいましたが、実践していらっしゃる

ということに、これまた目からウロコがボロボロ落ちてしまいました。


次回は、斎正弘さんご自身の制作、素材との対話についてのインタビュー記事を

届けさせて頂きます。どうぞ、お楽しみに。


最後に本年も度々、ご訪問下さいまして、
どうもありがとうございました。

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎え下さいませね。

 *・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*




◆斎正弘さんのブログ


◆斎正弘さんがかつて主に子どもとの向き合い方を書いたエッセイ

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彫刻家 斎正弘さん 第2回(再放送)~美術の技術は運動神経によるというお話

みなさん、おはようございます。


毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の
「彫刻工房くさか」日下育子です。



本日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家で、宮城県美術館創作室教育普及芸員の斎正弘さんです。


(※2012年インタビュー当時。現在は既に退職されています。)


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

斎正弘さんポートレイト
  おかけになっている眼鏡は『パラサイト』

  ・・・「寄生」という名前の斬新なデザインです。


前回の白川美紀さんからのご紹介です。

白川美紀さん 第1回、  第2回 、  第3回 、 第4回  


第2回の今日は、斎正弘さんが以前、美術館でデイビッド・ナッシュ という作家の仕事を

お手伝いされた時のエピソードと、もう一つ美術は運動神経に関わっているというお話を

お聴かせ頂きました。長い間、彫刻を彫り続けてきた私自身にとっても、目からウロコが

ボロボロ落ちるお話でした。


斎正弘さんは38番目の登場作家です。
2012年10月11日 のインタビューを再放送でお送りします。


お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。



*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館
個人蔵 (復脚類の一種。題名非公開)作品と斎正弘さん




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-h800

時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)—2001




斎正弘さん
あなたは大学を出ている人なの?


日下
はい、私は東北生活文化大学の生活美術学科にいて、
卒業するときは石彫を

していました。あんまり勉強した人っぽくないでしょうか。



斎正弘さん
いえいえ、どっから話したらいいかな。
今まで僕が美術館で外国の作家でレポートをして

一番印象に残ったのがデイビット・ナッシュいう人なんです。


その人なんかはテレビのインタビュアーなんかがくると『アンタ、大学出なの?』って聴いて

『卒業論文は何?』って聴いて、すごい聴くんですよ。



日下
作家の方がインタビュアーに質問するんですか?



斎正弘さん
そう。僕は、それまで日本の作家で
そういうのを聴いた人いなかったので、

なるほどと思ったんです。


つまり、その人は何でそういうことを聴くかというと、大学出のことをインテリゲンチャ

いうように、例えば、万有引力の法則でものが落ちるときに、何で落ちたんだろう

というような、無駄なこともまでも考えられるというのは、大学卒だからということが

あるんですね。高卒の人はあまり無駄なことは考えないという。



日下
そういうものでしょうか。



斎正弘さん
そういうところがあるんですね。

だから、自分の考えていることを伝えるのって、結構難しいので、相手がそれを

分かる人かを確認しているということだったんですね。それで、僕もなるほど~と

思ったわけです。




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-p
個展 復脚類収集癖会場風景



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-j

時空船―トブ-カゲ



日下
そうだったんですか~。


※ここで、わたしが東北生活文化大学という学校で勉強したことや、卒論のテーマが

暗黒舞踏だったことに話が及びました。


またここで、田中泯さんという舞踏家の名前が挙がりました。

※田中泯 ⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%B3%AF

 http://www.min-tanaka.com


ここから、今日のもう一つのインタビュー内容になります。



斎正弘さん
宮城県美術館は
ワークショップと言う概念を始めから使っている初めての美術館

なんですよ。日本でね。なので、僕はワークショップとは何かというと、僕は基本的に

美術の原理主義者なのよ。美術も原理主義者だし、ワークショップも原理主義者だし、

原理主義者というのはたいていみんなから嫌がられるんだけどね。危険だし。



日下
原理主義者・・・、ですか。


※ここで斎さんの手のひら舞踏ワークショップが始まりました。皆さんもお読みに

なりながら、手のひらを上にして、手の動きを体感してみて下さい。



斎正弘さん
例えばね、手を出すでしょ。
『手を握って』っていうと、日本人てヒュッって速く握るでしょ。

手をグーに握るんだけど、そこに行くまでにずーっとできるだけゆっくり握るのよ、舞踏って。

ちょっと、ちょっとやってみよう。



斎正弘さん

・・・・・・・・(集中・・・・!)



日下

・・・・・・・・(集中・・・・!)



斎正弘さん

常に動かしているんだけど。あんまりゆっくりだから、ここまでくると(手のひらを半分まで

握った状態)こっちに行こうとしていたのか(握っていたのか)、こう行こうと(開こうと)していたのか分からなくなるんだけど。こういうの部分舞踏っていうのかな(笑)。



日下
あはは。そうですね。



斎正弘さん
例えばバスに乗っていて、外を向いていて、
降りるまでに誰にも気づかれずに反対側を

向くとか。というものが舞踏だっていうことを教えられたのね。



日下
えーっ、それは田中泯さんからですか。


斎正弘さん
そう、僕はアメリカから帰って来てから、彼のワークショップにピン、ピンとくるところが

たくさんあって、それがあると、いろんなことがわかってきたんです。



日下
はい。どんなことでしょう?(ワクワク!)



斎正弘さん
宮城県美術館は様々な活動をしていて、
田中泯さんの身体のワークショップから、

すごくいろんなヒントを得ていて、彼が舞踏でやっている微速(出来るだけゆっくり動く)

という運動神経は物凄い運動神経で全てに神経がいっているのね。



日下
はい。



斎正弘さん
同じように、絵を描くのは運動神経だからね。
思ったように描けるか、思ったように削れるか

というのは、思ったようにコントロール出来るかどうかということだから、完全に運動神経

なんです。そういう学校で表現系と言われるものはほとんど運動神経ですよね。



日下
えーっ!?運動神経ですか。
そうですね。 うーん、でも、なるほど~って思っちゃいます。



斎正弘さん
だから運動神経というのは、
個人の努力というより家系のことでしょ?

僕は練習あまりしてないんだけど、足が速いんです。父親が足が速いから。

 
だから、『すいません。僕は練習しなくても速いんです。』
というのがあるみたいに、
絵を描くのだって、絵が上手いのも
おじいさんとかおばあさんの隔世遺伝みたいに、
絵を描くのも運動神経の問題として表現系を考えると、
逆にやるべきことが色々

見えて来たり、様々なことがわかって来たりするというのが、ここにいると分かるんです。



日下
ああ~!それはかなり面白い考え方ですよね。でも、そう言われて見ると、本当に

そうですよね。



斎正弘さん
『練習して上手くなりたい』というとき、
『練習しないと上手くならない人』というのは、

もうちょっと違うことを考えた方が・・・。もしかしたら走るのが速いかも知れないし・・・、

歌を歌うのが上手かもしれないし。そんなことで『歌が歌えればいいんだよ。』

と言ってから絵を描くと、逆にみんな上手く描けるんですよね。



日下
そうなんですか~!



斎正弘さん
『じゃあ、上手い絵にもいろいろあるしね』という風に、
学校でやってきたことを全部元に

戻して、原理から考えるというのは美術館がいつもやらなければいけないことなんです。


学校でやっている美術と言うのは、"造形"というもので"美術"とはちょっと微妙に

違っていると私は思っていて、『"図工"と"美術"というのとはちょっと違うから、だから

あんまり図工の上手、下手とか好き嫌いとかというのは気にしない方がいいよ。』

というのは美術からのアドバイスだよね。・・・次、何だっけ?



日下
あっ、夢中でお聴きしていました。えー・・・。



斎正弘さん
実は美術と言うのは哲学なので、
一つの質問で全部に通用してしまうのね。


日下
はい、本当に深いですね。ありがとうございました。




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館-k
時空(トキ)のかなたをすぎる箱船(フネ)—2001



*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*


私が、このお話で、目からウロコだったのは、『~絵を描くのだって~隔世遺伝なんだ

みたいに、絵を描くのも運動神経の問題として表現系を考えると、逆にやるべきことが

色々見えて来たり、様々なことがわかって来たりする~。』というところです。


こんな風に素質的なことに着目するとき、今の教育では何事も平等にしているように

私には感じられるので、そこからすると「脱・平均。脱・均一」の考え方だと感じます。


斎さんが仰るような家系的遺伝などを含めて、素質というものをいい意味で、

本当にちゃんと見つけることができて、また素直に認めることができたなら、人それぞれ

本当に自分らしいものや自分がイキイキできるものに取り組めて、世の中全体も、

もっと元気になるのかな~と思いました。分かりにくいと言われる美術をこれほど明快に

伝えて下さったことに心から感動しました。


斎正弘さんのインタビューはまだまだ続きます。たくさんの方々に読んで頂けることを

願っております。どうぞ、お楽しみに。



*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*



◆斎正弘さんのブログ  




◆斎正弘さんがかつて主に子どもとの向き合い方を書いたエッセイ

 仙台の情報誌に毎月1回、10年掲載されたもののWEB版です。

 おとうさんのひとりごと on the web  




◆斎正弘さん執筆で、河北新聞夕刊に掲載されたコラムのWEB版
    
美術、ほんとのところ    

 



◆斎正弘さんの本 

 『大きな羊の見つけかた』 仙台文庫 987円

 

 
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 『おとうさんのひとりごと』 




宮城県美術館  

 (斎正弘さんは、現在は退職されています。)




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アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館


彫刻家 斎正弘さん 第1回 (再放送)


みなさん、おはようございます。

毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の
「彫刻工房くさか」日下育子です。

本日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家で、宮城県美術館創作室教育普及学芸員をしていらした
斎正弘さんです。

アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館
斎正弘さん
おかけになっている眼鏡は『パラサイト』・・・「寄生」という名前の斬新なデザインです。

前回の白川美紀さんからのご紹介です。

白川美紀さん 第1回第2回第3回第4回


今回、ご登場頂く斎正弘さんは、
“美術”とは、
世界に数多くある“常識”と向き合うことに本気で取り組んで表現する仕事

と捉えていらっしゃいます。

今日は、アメリカで体験した、日本とは違う常識体験を聴かせて頂きました。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。

2012年10月4日のインタビュー を再放送でお送りします。

以下、斎正弘さんへのインタビューです。


*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*

斎正弘さん
僕はもともとは宮城教育大学で、教育学部で美術の勉強を卒業しました。
その頃は、林竹二さんという哲学者が学長でした。

林学長は
『先生で一番偉いのは、幼稚園か、小学校の先生です。
小学校、中学、大学みたいに偉くなくなっていくのではなく、 
まず一番始めの子どもたちを育てることが大切です。』
と言っていました。

宮教大は初めて小学校の専攻科のある大学です。
   ※林竹二・・・哲学者⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E7%AB%B9%E4%BA%8C



日下 
はい。


斎正弘さん
僕はもともと陸上競技の選手で、美術なんて一番簡単だと思って始めたんだけど、
やってみたら『美術をナメんでないぞ~!』って言われて(笑)。

良い先生になれると思って勉強したら、やってみればみるほど、美術って教えにくいのね。
それで“もっと勉強しなくちゃ”と思って大学院に行こうとしたら、大学院が無いわけよ。 

当時の先生は、『斎君、もう日本語なんか通じない方がいいんじゃないか?』
という人たちで、『あっ、そりゃそうですね~。』なんて言って、アメリカに行きました。

アメリカに3年間行って、すごい面白かったんですよ。
留学先では、先生が来ても週に3日ぐらい、インタビューなんですよ。


日下 
先生が学生にインタビューするんですか?


斎正弘さん
そう、『何作ってるの?』とか。
そうすると、説明するのなんかがあって、英語が出来る出来ないじゃなくて 
”ちゃんと話せるか”が大事なんですよ。

『これは!』と思って、僕はアメリカ人になって、先生ではなくて作家になろうと思って、
いろんなことをやってみたら、もう本当に違うのよ、考え方が。


日下 
どんなところが、違うんでしょうか?


斎正弘さん
つまりその、教えるとかの象徴的なことが、運転免許で。


日下 
免許証?


斎正弘さん
そう。 僕がアメリカに居たとき、24歳ぐらいの僕とカミさんが真面目に1年間
アルバイトをして、キツキツの生活をしてお金をためると6エーカーぐらいの土地が
買えちゃうんですよ。
   ※1エーカー = 1224坪 ほど


日下 
エーッ?本当にですか。


斎正弘さん
そう。 それがニューヨークから車で1時間位の土地で、通うのに車が要るから、
ドライビングスクールに電話して、自動車の免許をとりたいって言いますよね。 

すると『どこに住んでるんですか?』と聞かれたから、『ブルックリンの○○です。』
と答えたのね。

『じゃあ明日の朝、そこで待っててください。迎えに行きますから。』と言われて、
待ってるじゃない。

僕はまだ完全に日本人の感覚だから、バスが来ると思うでしょ。

そうすると普通の車が来て、運転して来た人が『乗ってくださ~い。』と言って
運転席をよけるんですよ。

それで、僕が運転席に乗ってすぐに運転が始まるんですね。

『エッ?エーッ!?』って言いながら運転している間に、
『ほら、感覚が戻ってきたでしょ。大丈夫だから。』と言われて(笑)


日下 
エッ、その車ですぐに教習が始まったということですか?(笑)


斎正弘さん
始めからそういう訳で、 
『今度は地域のブロックから出るから、免許証取って来い』って言うわけなのよ。


日下
エッ、もらえるんですか?(驚き!)


斎正弘さん
免許証取るとき、何となく日本は振るいにかけて、落とそうと思っているでしょ。
でもアメリカでは免許証が身分証明書だからさ、だから公共はみんなにあげたいのよ。
だけどみんなにあげたらまずいから、試験をするのよ。発想が全然違うでしょ。


日下 
えーっ!?本当に?そうですね。


斎正弘さん
それで、免許証を取りに行くと並んでいて、まわりに窓口があって、
空くと『じゃあ、5番に行って。』って言われて行くとおばさんがいるんですよ。

『こんにちは~。運転免許証、使うの?』とか聞くので、『今度土地を買うので~。』
とか言うと、

『ああ、そう。じゃあこれ20分で書いてきなさい。』って言われて、
マークシートの20問ぐらいのテスト用紙を渡されるわけですよ。

『エッ?エーッ!?』って言っていると『まわり見ていいから。』って。 


日下 
席について試験じゃないんですか?


斎正弘さん
そう。まわりを見ると信号や標識のマークがあって、下に一方通行とか一時停止とか書いて貼り出してあるんですよ。

あと、おばさんが『みんなに聞いていいから』と言うわけ。
 
で、『ええ~っ!?』って言いながら書いて持っていくでしょ。 
そうすると、『3番目のマーク見なさい。あれ何?』
『一時停止です。』
『でしょ。アンタ間違ってたよ。』って教えてくれるのね。すごいビックリするんです。

でもそれで『あなたは20問のうち18問当たってたから、合格!』ってなるんだけど、
その用紙に彼女がサインをして、ピリピリって切り取って、割印を押して<『はい。』って。
それが免許証なの。


日下 
えっ?本当にそれで免許証もらえちゃうんですか?


斎正弘さん
そうなのよ。で、それを持ってちゃんと練習してから、今度は交通局の本試験なのね。

で、そこからは僕はしなかったんだけど、これも自分の車を乗って行って、
街の角におじさんが立っていて、そこから県庁まで行って帰って来るのが試験。 

つまり辻、辻ごとにチェックする人が立っていて、あの人合格、不合格とか判断するという
試験なんです。


日下 
はぁ~っ、面白いですね(笑)


斎正弘さん
要するに、おばちゃんのところでいろいろ話をするじゃない。

そこで、“この人はちゃんとお話できる人だな” ついでに“クスリやってないな”
“挙動不審でないな”というのが、チェックされるわけ。
実は、交通の規則って分からなかったら聞けばいいんですよね。

そういう風にちゃんと聞くことができる人だったら、車に乗っていいっていうことなんですよ。

普通の人が街を歩いていいように、というチェックなの。だから発想が始めから、
全く違うのね。


日下 
はい。本当に驚きです。アメリカでそんな風に免許証とれるなんて知らなかったです。


斎正弘さん
僕は、そういうので教育されたから、すっごく面白かったわけ。その後子どもが出来たのね。

子どもができるとパーマネントビザという永住権がもらえるから、一旦日本に戻ってきたら、ここ(宮城県美術館)を建てていて、手伝ったら本当につかまってしまったの。
 
で、そういう体験をして、先生にはならないでしまったわけ。


日下 
そうだったんですか~。(笑)


斎正弘さん

美術の常識というのは、“世界の常識というのはすごくたくさんあるよ”というのが前提で、
でもそれは全部理由があってあるから勉強するとすごく面白いんですよ。
・・・というようなところにずっと30年いたんですよ。


日下 
はぁ~っ。なんかすごく刺激的な体験をたくさんしていらっしゃるんですね!


斎正弘さん
そういう風に常識というのは本当に違くて、それが美術の一番面白いところなわけよ。

それでそいつを作っていくというのが一番大切な仕事で、というあたりを
僕はすごく仕込まれて来たんですね。
だから常識には様々あって、一つの常識にとらわれているとあまり面白い人生は
送れないというのが前提にあって、それで色々自分で考えて決めていこう

という話になった。


斎正弘さん

で、ここは美術館です。美術では一番大切な所であると思います。


日下
すごい体験談をありがとうございました。


**************************

斎正弘さんは、今年3月まで、美術館の創作室に勤務をしていらっしゃいました。

斎さんに今回初めてじっくりとお話を聞かせて頂き、分かりにくいと言われる美術を
これほどまでに明快に伝えて下さったことに心から感動しました。

これから、数回たくさんの方々に読んで頂けることを願っております。 
どうぞ、お楽しみに。

*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*

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彫刻家 加藤裕之さん 第4回 ~彫刻して生きる! (再放送)


みなさま こんにちは。

彫刻工房くさか 日下育子です。


今日は素敵な作家をご紹介いたします。

彫刻家の加藤裕之さんです。


アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館
加藤裕之さん 


前回の彫刻家 渡辺 尋志さんからのリレーでご登場頂きます。


  彫刻家 渡辺 尋志さん 第1回目  第2回目  第3回  第4回 


第4回目の今日は、前回社会との接点との続きで、

ご自身の作品をどんなところで味わって欲しいかというお話や

今後の発表予定、リレー作家の紹介をして頂きました。


また、最後に加藤裕之さんにとってのアートとは?という問いに

お答え下さっています。


加藤裕之さんは、みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて42番目の作家様です。
2013年3月27日  のインタビュー を最新の展覧会情報で再放送でお送りします。


お楽しみ頂ければ幸いです。


**************************




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

2012「空をゆくもの」



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館


2011-2 「追憶の稜線あの丘まで)」




アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館


2010 「森へ」





日下
加藤さんはホテルで来客に向けて展示をされているそうですね。
そういう展覧会とも違う場や空間で見せるということについての
想いはおありでしょうか。



加藤裕之さん
やはり違いますね。
展覧会で未発表のものを見せるのと違って、
新制作展で見て頂いた作品などを                   
お貸しするような形でやっているんです。


支配人さんとは古くから知り合いだったものですから        
そのままお蔵に入ってしまうのも何だからということで。



日下
とてもいい取り組みですよね。



加藤裕之さん                   
作品が人目につくというのは、蔵に入っているより           
はるかに作家としてはありがたいことだし
彫刻だけではなく平面も結構置かせてもらっているんですよ。


その平面作品は遊び的な、実験的なものが沢山あるので、        
レストランやロビー、エントランスに飾らしていただいています。      

それは僕にとっては実験的な空間で、                 
楽しくやらせていただいています。                  



日下
私自身は、これからは生活空間で、普通の方に
作品を楽しんでいただけたらいいと思っているので、
こういう取り組みはとっても素晴らしいなと思います。  

   

加藤さん
はい、そうですね。
もっとそういう機会があればいいなぁと思ったときに、
住宅展示場とかがありますよね。モデルルームとか。         
ああいう所でできないかと思っています!

モデルハウスのなかの下駄箱の上に                  
ちょっと小さい彫刻がおいてあったり、
リビングの壁に彫刻がおいてあったりとか
できないかなぁと思っているんですけどね。

ちょっとまだそういうつながりがないものですから            
できないでいますけど。



日下
そうですか。
建築家の中にも彫刻があると
空間が引き締まって、よりよく見えるということを
ご存知の方がいらししゃるようですものね。

そういうことがもっとできるといいですね。



加藤さん
そうですね。
そういう意味では、彫刻とか絵画とか美術品とかが、
美術館やギャラリーだけにあるわけじゃないというか、          
生活空間の中でも、そのあり方を提示できればいいかなと         
思いますけどね。              


日下
はい。
それでは加藤裕之さんの今後の発表予定としては
ホテルと個展と新制作展ということですね。



加藤さん
新制作展は公募展ですが、
素敵な彫刻家が沢山いて、若い頃                   
彫刻家って格好いいなって思った展覧会です。  

 

新制作というのが新鮮で刺激になっていて
長くやってこれたのもそこで発表して叱咤激励されて
来たからというところがあるので、
そういう意味では長く、大事にしていきたいと思っています。      

だだそこはそこで、グループ展のようなものですから、
個展も大きなことは出来ませんが
続けていきたいと思っています。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

ギャラリーなつかROUND2011 023



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

ギャラリーなつかROUND2011 022



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

ギャラリーなつかROUND2011 028



日下
次に紹介して下さる方をご紹介いただけますでしょうか



加藤裕之さん
織本亘さんです。                           
同世代で多摩美出身で新制作にも出していますが
苦労もお有りのようなので、                 
頑張ってもらうためにもご紹介したいと思います。



アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

2010 「さんかくやま」



日下
では最期の質問ですが
加藤裕之さんにとってアートとは?



加藤裕之さん
大きいくくりですね。



日下
あるいは加藤さんにとって、彫刻とは? 表現することとはと
置き換えて頂いても良いかと思います。



加藤裕之さん
そういうことでしたら、自己表現、或いは自己実現の世界ですね。           
彫刻して生きる!の一言ですかね。

何のためにではなくて、彫刻して生きるなんです。単純ですが。

アトリエにいる時間が何よりしあわせです。
実際、制作していなくても、椅子に腰掛けてぼーっと物思いに耽っている時間も
いいもんです。
楽しくなけりゃやりませんね。
 

                                    
日下
それは大切なことですね。



加藤裕之さん
それからアートは大衆化じゃないですけど
軽くなって、人が触れ合えるようなものにはなっていますけど
僕らがやっているようないわゆるファインアートも、
もうちょっと目を向けてくれるといいのになということは
あります。                               



日下
加藤さんが目指していらっしゃる
自己実現とは、どのようなものか
もしよろしかったら
お聴かせいただけますでしょうか。



加藤裕之さん
今、自分の気持ち良いかたちとか
かたちに表せたら幸せじゃないですか。・

そのことに対して共感を持ってくれる人がいたら
もっと幸せですよね。


だからそういう意味では
自己実現したこと、自己表現したことが                   
人とつながるようなことになると素敵だなと思っていますけどね。  

それがみなさんとつながって
作家と見る人とが共感し合える何かが生まれたりするのが
一番豊かだなと思いますけどね。


どこかで作る人と見る人が

分かれちゃってるような気がするので。
それはつまらないなという気がします。


日下
そうですね。



加藤裕之さん
震災のあたりでは、
絆、絆ってみんな言ったじゃないですか。


絆って言って、みんなそのことを意識したわけですけども
アートの世界でも、どこかでイメージを共有したり、
その形、色、要素でいろんな人が共感する
何かが生まれたりするといいなぁなんて
まぁ幻想ですけどそんなことを思っています。
小さい幻想ですけど。



日下
そうですね。そういうものが・・・。(共感)



加藤裕之さん
本当はホテルの展覧会も震災のチャリティーのような
かたちでもやりたかったんですけども
事務的な手続きや処理、会計やら何やらと出てくるので
止めましたけど
何か本当はお手伝い出来ることがあればと思っています。


新制作展では震災のチャリティーの作品を
献品したりはしていました。


けれども個人的には、出来ることってそんなに多くなくて
やれないけど、本当はそういうことも、
作家としてもっと模索すれば良かったかな
なんて思っていますけどね。



日下
でも、そういう風に思っていらっしゃることが素晴らしいですよね。



加藤裕之さん
いいえ、本当に言い訳ですけども。



日下
震災ではご自身の方は大丈夫でしたか。



加藤裕之さん
僕の住んでいたところは内陸なので
自身の被害も津波の被害もほとんど無くて
大丈夫でした。
渡辺 尋志さんのところなんかも大変だと思いますけども。



日下
そうですね。
これから長い時間がまだまがかかりますからね。



加藤裕之さん
だから、本当はもうちょっと大きな
影響力のある作家になっていればと
思いますけどね。


グループ展やなんかも出来るんだろうなと思って
悔しいと思っていました。
もちょっと頑張ろうかなと思っています。



日下
そうですね~。
私自身も作り手のはしくれとして、
まだ何も力のあることはできないし、何も言えないのですが
どこできっかけがおとずれるかも
わかりませんので、
きっと、これから、と思っています。




では貴重なお時間をありがとうございました。





アーティストを応援する素敵な彫刻工房@日下育子の学び場美術館

羽化する形2 (2000制作)




**************************


今回、渡辺 尋志さんのご紹介で
初めて、加藤裕之さんとお話をさせて頂きました。


岩手の風雪のある風土を純度の高い抽象彫刻に
されている作品がとても素晴らしいと感じました。


楠という木の素材感を活かしながら
冷たい、しかもかたちの無いものを、
温かみのある造形に昇華していらしゃいます。


その温かみというのは、木からくるものだけではなく
ご自身では大学で保育士養成など、
人間を培う造形表現を研究し、実践していらっしゃるという
人間的な温かさからもきているのだろうと感じました。


加藤裕之さんの作品は、東京池袋のホテルグランドシティ
でも常設されています。


みなさまもぜひ加藤裕之さんの作品を
直接ご覧になって見てはいかがでしょうか。


**************************

加藤裕之さんが出品されている展覧会 (←現在開催中です。)


YEAR END EXHIBITION OF MINI・SCULPTURES 2015   
2015.12.7 mon - 22 tue 11:00am ~ 6:30pm (最終日5:00)


ギャラリーせいほう   
〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目10-7 東成ビル 1F
 TEL 03-3573-2468
JR新橋駅/銀座口 地下鉄新橋駅/1番出口  地下鉄銀座駅/A3出口


総勢117名の作家様の作品がご覧頂ける展覧会です。

学び場美術館にご登場下さった作家様では、青野正さん、明地信之さん、安藤英次さん、

織本亘さん、笠原鉄明さん、加藤裕之さん、加茂幸子さん、原透さん、松田重仁さん、

渡辺忍さん、渡辺尋志さんの十名がご出品されています。



◆ 加藤裕之さんの個展

  加藤裕之彫刻展 2013,5,7(火)~5,18(土) (←現在は終了しています。)
  ギャラリー澄光
 


◆ 加藤裕之さんの過去の個展情報
   ギャラリーなつか
  


◆ 加藤裕之さんが掲載されている 新制作協会ホームページ
    ⇒http://www.shinseisaku.net/wp/archives/4440


◆ 加藤裕之さんの彫刻が展示されているホテル
    ホテル グランドシティ



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