造形作家 河野甲さん (再放送)
みなさん、おはようございます。
毎週木曜日、「みんなの学び場美術館」担当の
「彫刻工房くさか」日下育子です。
本日は素敵な作家をご紹介いたします。
造形作家の河野甲さんです。
河野甲さんの作品のテーマ、制作方法、作品制作の思いについて
インタビュ―をもとにご紹介させて頂きます。
みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて15番目の作家様です。
2011年11月10日のインタビュー
を展覧会情報を最新版に変えてお送りします。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。
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「風の三作品」 ~ 『風を読む』
「風の三作品」 ~ 『大気への託身』
「風の三作品」 ~ 『突風』
日下
河野さんの制作テーマをお聴かせいただけますか?
また皮革を素材に作品を制作されるようになったきっかけをお聴かせいただけますでしょうか?
河野 甲さん
私は京都の美術短大を卒業後、皮革の立体造形で
独自の世界を表現していた叔父のもと弟子入りして一年間基礎を習いました。
その後、アルバイトをしたり会社に入ったりしたこともありましたが、
やっぱりこの道に行きたいと決心して制作するようになり、25年経ちました。
その師匠は皮革を素材にサイやゴリラなどの生き物を制作していました。
私も皮革の質感を活かしてそんな生物をモチーフに制作したかったのですが、
同じ素材を使い、同じモチーフで制作したのでは二番煎じになると思い、
まったく別の存在感を持っている生き物を作ろうと決心しました。
それで昆虫というモチーフがでてきました。
日下
河野さんの作品では、
皮革の素材と昆虫という生き物の質感がとてもマッチしてますね。
河野 甲さん
はい、そうですね。
手法としては写実なのですが、
身の回りにいるような生き物にとても惹かれています。
日下
河野さんの作品には、昆虫類など本当に写実的なものと、
私の好きなトンボの羽のついた人のように幻想的な作品があると思います。
そういう幻想的な作品を制作される時には
写実的なものとは違ったメッセージを込めて制作されているのでしょうか?
河野 甲さん
幻想性を取り込みたいということ、
そして心象的な生き物を作るという感じです。
なのでメッセージを込めるというよりは
心に浮かんで来るものを素直に表現するという感じです。
写実ということについては、身の回りの生き物を簡略化せずに作るということがあります。
私が学生の時、油絵を描いていたのですが、その頃はそぎ落としていくことが大切であると
教わりました。けれども私は作り込むことが楽しくて、むしろそぎ落として行くことにストレスを
感じ、シンプルな表現をしなければと考えるのは悩みでした。
しかしある時期、そぎ落とすということは、表現をシンプルにするということではなく、
自分の表現したい世界がより濃密になることなのだと思いいたるようになりました。
つまりシンプルでなく狂おしいほどに作り込んだとしても、
そこに作者のオリジナリティと模倣を超越したセンスが光っていれば、
その作品は十分そぎ落とされていると言えると思うのです。
翻って、自分の作るものがまだ十分その領域に達しているとは言えないのですが。
『クロオオアリノカミ』
『クロオオアリノカミ』 (部分アップ)
日下
5年ほど前に(仙台の個展で)河野さんの作品を初めて拝見した時には、
作品の作り込み方がとても素晴らしくて、
昆虫や生き物の形の関節が動くとかの機能までも感じさせるようですねと
お話をさせて頂いた記憶があります。
河野 甲さん
私は『風を読む』という作品で、膝やくるぶしに骨の堅いところが見えているような、
生き物の形態についてはお話をした記憶があります。
そういう骨などの形というのは、生きるのに必要なかたちに進化していて、
骨格にも意味のないかたちはないと思います。
『風を読む』という作品でも、人がしゃがんだ時に膝のお皿の部分が硬く見えますが、
その質感にこだわるというのはあります。
そういう硬いところは硬くという、質感の強弱はしっかりと作り込みたいと思っています。
日下
写実以上のイメージが加わった作品の場合、
例えば『風の三作品』などの場合は、
ご自身の飛びたいというような心の反映はあるのでしょうか?
河野 甲さん
『風の三作品』では、思考して作るというよりはひらめきかと思います。
この三点の作品はNHKの番組で、
『飛ぶ』ということに関連して番組のために三点制作したものです。
それは『風を読む』『大気への託身』『突風』というタイトルがついています。
日下
NHKの番組ではその三つの作品が紹介されていましたね。(※)
私はそれを見てとても感動しました。
そうしたら5年ほど前に仙台で河野さんの個展が開かれていて、
実際に拝見して、さらに素晴らしいと思いました。
ところで素材的なお話もお聴かせ頂きたいのですが、
『風を読む』の作品は羽のところはどんな素材で作られているのでしょうか?
河野 甲さん
私は皮革をメインの素材に制作していますが、
この作品では羽のところに合成樹脂を使ってあります。
日下
皮のところは確かFRPを土台にしているとお聴きしたかと思いますが。
河野 甲さん
はい、そうです。私の作品は、まずはじめに粘土でモデリングをして、
シリコンで雌型を取ります。
シリコンの型なので、後から何個か同じものを制作することができます。
その型にFRPを入れ、ある程度完成度のあるかたちをFRPで作った上で、
そこに皮を貼って制作していきます。
貼る皮の厚みは薄いもので0.3ミり、暑いもので2ミリ程度ありますが、
その厚みの中で出来る細工をモデラーというヘラを使って仕上げていきます。
この他に、オリジナルの粘土を中に仕込んで作る方法があります。
これは芯になる造形の上に、特殊な粘土を肉付けして、
そこにさらに皮を貼ってかたちを作るという方法です。
粘土の上に濡らした皮革を貼り、中の粘土と一緒に造形していく方法です。
そうやってかたちを作っていきます。
ですから、大きくは二種類の作り方で制作しています。
『クロハナカミキリ』
ペーパーウェイト 『オコゼ』
日下
河野さんの作品にはかなりの大作もおありのようですね。
河野 甲さん
はい。素材の牛革は畳一畳分の大きさがありますから
上手く貼れればかなりの大作も作れます。
私の作ったものでは高さ3mのものがありますし、
小さいものはブローチまでかなり幅広く作っています。
日下
制作時間はどのくらいかかるものなのでしょうか?
河野 甲さん
ペーパーウェイトのような小さなものは、型ができた時点で、
一日で3個ほど作ることができます。
大きいオブジェなどは半年ほどかかります。
いつも土日も休み無しで朝の9時から夜の9時10時までは制作しています。
日下
そうですか~。それはとてもすごいことだと思います。
ところで、河野さんの今後の展覧会情報を教えて下さい。(※2011年時点)
河野 甲さん
来年は4か所で展覧会をすることが決まっています
例年4~5か所で個展をしますが、ここ数年は一年間に6~7回フル稼働で
展覧会をしています。
日下
とても精力的でいらっしゃいますね。
今日はお忙しい中、お話をお聴かせ下さいましてありがとうございました。
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※ 編集後記
私が河野さんを知ったのはおよそ15年ほど前になるでしょうか。(※2011年時点)
テレビ番組のBS・NHK特集の「生き物たちに神を見た」で
東京大学・航空力学の東昭(あづまあきら)教授という方を取り上げた番組で、
河野さんとその作品が紹介されているのを見たことにあります。
東教授は、航空力学でヘリコプターがなぜ飛ぶかということの数学理論を研究されている
方です。 この番組では、東教授は子供のころからトンボ好きで、
その飛び方を数学理論で研究されていることが紹介されていました。
またアイヌの神話で、満月の夜、ホタテ貝がその外套膜に風を受けて
海の上を帆掛け舟のように風で大移動するというお話があるそうなのですが、
番組中では東教授がそれが本当に可能かどうかを科学的に計算して、
可能だということを紹介していました。
河野さんはこの番組の中で知人ディレクターの依頼で、昆虫が飛ぶことをテーマに
制作を依頼されたのだそうです。その制作過程、作品が番組中で丁寧に紹介されました。
そこで河野さんが制作されたのが私が大好きな『風の三作品』なのだそうです。
私はこの番組で河野さんの作品の素晴らしさを知りとても感動したのですが、
およそ5年ほど前、たまたま仙台のギャラリーで個展をされているのに遭遇して
話かけさせて頂きました。
今回はそんな御縁でインタビューをさせて頂きました。
インタビューの頃は仙台のギャラリー杜間道で個展をしておられ、
直接お話を伺うこともできてとても嬉しかったです。
今回は私が大好きな『風の三作品』を主に紹介させて頂きましたが、
河野さんは手で触れて愛でる作品、ペーパーウェイトなど、
大作から手のひらサイズのものまで幅広く制作されています。
皆さまも河野 甲さんの作品をぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。
本日もご訪問下さいまして、ありがとうございました。
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◆河野甲さんの個展
2015/10/17(土)~25(日) 水曜日休廊
11:30~18:30 (最終日17:30)
仙台市青葉区春日町2-8 1f
せんだいメディアテークの西隣
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秋の味覚は
皆様、こんにちは
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】五代目の金久保です
秋の連休第二弾はいかがお過ごしでしたか?
紅葉狩りやキャンプ等のレジャーに出かけた方も多いのかな
各地で地域行事やイベントも盛んだったようですね~
日曜日には、私の街ではも恒例の市民体育祭が行われる予定でした。
しかし、朝から小雨で残念ながら中止
家は連休関係無く、月曜定休なので助かりましたが
連休中日に行事を入れられて
「はい、雨天中止~」ってのも不完全燃焼的なストレスだと思います
私は、月曜日にいつも通り朝一番でサーフィンを楽しみ
午後は妻とアウトレットに出かけましたが
爽やかな暑さの中、ロードバイクの人達と沢山すれ違いましたよ
こんな日は、青空の下、自然の中でランチがいいですね~
アウトドアでも、お弁当やお食事の後は熱い緑茶がお勧めです!!
もちろんカテキンの殺菌力で、食中毒予防になるからです
それに、家族や友達と外で食べた食事の後に
青空の下でお茶を淹れて飲むのって最幸においしいんですよ~
ティーバッグでもちゃんと茶葉で淹れるとペットボトル茶とは風味も格段に違うし
何よりの違いは・・・
「はい、お茶がはいったよ~」て誰かが誰かのために
笑顔で手渡しして飲む方が、幸せを分かち合ってるって感じませんか?
思いやりや感謝の気持ち、コミュニケーションや連帯感が味わえるのです(^^♪
お勧めは、どこでも上煎茶の味が楽しめる「しずく」です
ティーバッグで手軽だけど、風味は上煎茶のおいしさです。
1袋づつ個別包装してあるから、携帯性・保存性も良くて便利ですよ
家では連休中日の旅行土産に「コンニャクきな粉大福」を頂いたので
家族でお茶を淹れて楽しみましたよ
一口で余裕で食べられる小さなお菓子
皮にコンニャク独特の歯ごたえを感じるモチモチ感と
甘さ控えめな餡が、きな粉の風味と合って美味しかったですよん
ん~ この和菓子には、さっぱりした中級煎茶が合うかな
軽い甘みとほのかな渋みが、甘みを引き締めてくれます
「あ~ 日本人で幸せ」と思える瞬間ですね(笑)
他にも秋の味覚は沢山あるから
味覚探訪しながら、どんなお茶が合うか考えながら楽しむのもいいですね~
そんな小さな事が、五感の感覚を磨き
日本人のアイデンティティーをしみ込ませて
人生をより豊かに味わわせてくれるのでしょう
今日も自然の恵みと健康に感謝。
創業145年下総屋の医食同源ブログ
新作「終息と誕生の風景」(動画)
彫刻工房くさか 日下育子です。
先日、2015年10/2~10/7まで、せんだいメディアテークで開催された
第52回宮城県芸術祭彫刻展に新作を出品しておりました。
「終息と誕生の風景」という新作です。
ありがたいことに宮城県知事賞受賞という評価を頂きました。
動画にて紹介させて頂きます。
「終息と誕生の風景」
H73×W59×D54(cm)
ウルグアイ産黒御影石、伊達冠石
果実が虫蝕で朽ちて死に向かう、
それによって種子は果実の中から露出して誕生に向かう。
違う方向に向かう命が同時に存在するあり様を
風景として、彫刻で表現しました。
本日もご訪問ありがとうございました。
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石の彫刻家 鈴木典生さん (再放送)
みなさま、おはようございます。
彫刻工房くさか 日下育子です。
本日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家の鈴木典生さんです。
鈴木さんは、石を素材に彫刻制作をしていらっしゃる作家です。
石の彫刻を屋外空間で、環境と呼応させる展示で発表されています。
今回は、近年のテーマ性など、作品制作の思いについて
インタビュ―をもとにご紹介させて頂きます。
みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて6番目の作家様です。
2011年8月25日のインタビュー、
を展覧会情報等を最新版に変えてお送りします。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。
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白御影石
70×180×50 cm ×4
計/3000 kg
白御影石
360×700×25 cm
5000 kg
白御影石
300×1000×30 cm
5000 kg
『雨引の里と彫刻 2008 』 展より
白御影石、土
530×200×45 (h)cm
同上 部分アップ
日下
鈴木さんが制作の素材として、石を選んだきっかけなどありましたら、
ぜひ教えていただけますでしょうか?
鈴木 典生さん
私が石を彫り始めたのは、金沢から茨城県に来てからです。(※1)
特に31歳の時に参加したアーティスト・キャンプ・イン・カサマの頃から、
素材を石に絞ったように思います。
それまでは、学生時代を過ごした金沢では木を彫りつつ、石を彫りつつで、
その頃は現代の人間をテーマに具象的な作品を制作していました。
その頃、木という素材に違和感を感じはじめました。
木はかたちを作るのには扱い易いのですが、表現はしにくいところを感じていました。
木は恒久的な素材でもないし、生きているので割れてきてしまうということがありました。
私は制作でかたちを求める気持ちが強いので、そういう木に違和感を感じたことがあります。
それに対して石と言うのは無機質で固い素材であって、
素材に求めるものが僕の表現にあっているかも知れないと思いはじめました。
金沢ではいろんな素材を使える環境にあったので、
複数の素材を組み合わせなども実験してみたうえで石を選んだ感じです。
(※1 鈴木さんは金沢工芸大学のご出身です。)
日下
鈴木さんの制作テーマについて教えていただけますでしょうか?
鈴木 典生さん
15年前に笠間に戻ってきて、それまでは人体、人間をテーマにしてきましたが
求めているものが変わってきました。
その頃はそれまで木で制作してきた人体、人間の形を引きずって
それを石でもやっていたのですが、かたちと石との葛藤がありました。
そこで『石って何だろう?』ということからかたちを考えるようになったんです。
その時に一つの野外展覧会『雨引の里と彫刻』 との出会いがありました。
これは僕の理想とする野外展でした。
当時は、彫刻コンクールも含めて、野外の展覧会が多く、
それが日本の中で流行っていました。
それらは行政主体が多く、展示場所が行政管轄の公園など作られた場所が多く、
面白味がない、野外でやる必然性が見えてこないものが多かったんです。
雨引は野外でありながら生活空間であり、
この展覧会が始まった頃は自分で展示場所を探せるという魅力がありました。
それで彫刻への考えが明確になって、自分の中での変換点になったのです。
そして石で彫刻をすることを本格的に覚悟して、野外展を中心に活動すると決めました。
そのことで作品の内容も変わって来ました。
日下
鈴木さんの作品は、私が鈴木さんと出会った頃、
笠間で制作されていたColony(コロニー)から、
少しづつシリーズ展開してきているように思うのですが、
現在までの変化の流れをお聴かせいただけますでしょうか?
鈴木 典生さん
日下
はい、鈴木さんがかつて受けられた別のインタビュー(※2)でもそれが出てきますね。
そのインタビューの中には、
『自己を守るという《防衛本能》を表わしたものが多い.
これは 彫刻を始めてから一貫しているテーマだ。
形状は様々だが、等身大の自分をスッポリと覆い守る
『シェルター』(鈴木さんが好んで使用する作品名)を築く。』 とあります。
また鈴木さんご自身の言葉で語っていらっしゃる部分で
『いま、人間の防衛本能(自己防衛力)は弱まりつつあると思う。
それは僕も同じことで、自分のことすらよく分からずに、
ともすると生きていくことが曖昧になってしまうのだから、
これでは自分を自分で守ることは難しい。
だから僕の作品は、自分の身体を基準にした殻をつくり、
その中に閉じこもって自分を守ろうとするものが多い』 とありました。
(※2 『若手彫刻家のアトリエ拝見』
これはこのインタビュー時点で10年ほど前のインタビューだそうです。)
鈴木 典生さん
はい。石と言うのは宇宙時間、人類にとって時間を超越しています。
地殻で地球も守られていますが、そこが人間と重なっていて、そこからの発想です。
日下
石という素材で覆い守ると言うことを、人間単位のミクロでも、
地球と地殻というマクロでも捉えていらっしゃるんですね。
鈴木 典生さん
そうですね。アトリエ探訪のインタビューを受けた頃は、
作り手がリアリティーを持つことが大事と考えていて、
自分自身を見つめ身体の表現をしていた頃です。
今はもっと普遍的で、いろんなものに対して限定される見せ方をしています。
日下
そのことをぜひ詳しくお聴かせいただけますか?
鈴木 典生さん
Cover( カバー)シリーズは野外展を続けて行く上で、
なぜそこかという場所のこと、なぜ野外かに問題点を絞って
石で地盤を覆い尽くす、地盤と作品で一つの作品を制作していました。
大地を包み込むことでひとつの作品というコンセプトです。
Capusule(カプセル)シリーズは、かたちは植木鉢的だけど
Cover( カバー)シリーズからの流れです。
そこから石という塊の素材を考えて、包まれるかたちである
Stone Capsules(ストーンカプセル)へと展開していきました。
Stone Capsules(ストーンカプセル)は野外彫刻としてコンセプトを
植物を対象としています。
500×1500×50 (h)cm 2500 kg
これは、作品(石)を半分に切って中身をくり抜き、
そこに土を入れてまたくっつけてカプセル状にしています。
それを野外に設置するうちに植物の種などが飛んできて
そこに芽を出すという考えです。
こうして何かの生命体が命を宿す環境だけを作ってあげて、
置かれる場所によって生えてくる植物が違うという、
置かれる場所を反映する作品にしています。
設置している間に自然に生えてくる雑草、苔を見せたいんですが、
展覧会は期間限定なのでなかなかそうはいかず、
自分で種を入れたりすることもあります。ちょっとやらせ的ですけど(苦笑)。
日下
彫刻でもあり、装置的でとっても面白いですね。
鈴木 典生さん
なかなか作品を恒久設置する機会が少ないからですね。
それでも、昨年3月に北名古屋に作品を設置しました。
11月に写真を撮りに行ったらまったく草が生えておらず、
何故かと思ったら向かいの商店の人が雑草を抜いていたということがありました(笑)。
まぁ、それもその環境が作品に映しだされているということなので構わないと思いますが。
Stone Capsules-集うー
鈴木 典生さん
そういうわけで石は、ずっとそのテーマでやってきています。
ただこのStone Capsules(ストーンカプセル)の作品は、
かたちの上下を中半分で石を切って、中をくりぬいて、また合わせるという
作業内容が甚大なんです。
今年の 『2011年 雨引の里と彫刻』 では 『寒花』 という作品を展示しました。
これは、カプセルの穴を彫る前のくり抜かない面がきれいだと思っていて
そのまま出している作品です。
きっかけは18年前に、初めて大きい石を大口径のカッタ―で切った時の
切削面の美しさに感動したということがあるんです。
人工的で機械的な面だけど、いつかそれを作品化して見たいと思っていました。
鈴木 典生さん
ありがとうございます。
花びらのようなものをモチーフにしていたり、
ひまわりの花びらとかそういう作品をやり始めています。
何か深い意味よりも華やかさ、元気になりたいという気持ちで、
石で花をつくるのも面白いかなと思っています。
今後もどう変化するのか自分でも楽しみなんです。
日下
それは素晴らしいですよね。
鈴木 典生さん
自分でもよく頑張ってきたと思っています。
今は、女子美術大学で週に1回の非常勤講師をしているのですが、
そいういう環境に行くと自分の学生当時のことを思い出します。
学生だった当時は、10年後に自分がどういうものを作ってているか
想像がつかなかったけれど、作品のクオリティーがどんどん高まっていると思います。
今は彫刻シンポジウムやコンクールなど、彫刻の仕事の場が減ってきているし、
その中で材料費とか考えるとわれながらよくやっていると思いますよ。
日下
本当にそうでいらっしゃると思います。
鈴木さんは本当にコンスタントに活動を継続して来られて素晴らしいと思います。
ところで、鈴木さんの作品では白御影石が多用されていますが、
その素材についての思い入れがありましたら、お聴かせ頂けますでしょうか。
鈴木 典生さん
はい、白御影石は作品を作る上で、
野外に白いものというのは自然に目に入りやすいということがあって使っています。
黒御影石は力強く存在していて本当は使いたいんですが・・・。
茨城県という地域的にも、白御影石は自然に存在していますしね。
変に権威的な存在感ではなく、緑と白が良く映えるというのが原点にあります。
日下
鈴木さんの制作していらっしゃるところは、真壁石がとれるところだったでしょうか。
鈴木 典生さん
はい、アトリエは真壁と岩瀬の間の大和村にあります。
そこはもともと石屋さんの工場で、その石屋さんが倒産する時に
作家数名でその工場を買い取ったんですよ。
石を切る機械もあって、その仕事場があるからこそ制作出来るという所です。
アトリエの名前は『スタジオ第3工場』といって、
共同で使用しているメンバーは、岡本敦生さん、
村井進吾さん、 菅原二郎さん、廣瀬光さんと僕です。
日下
その石屋さんには、確か私も一度行ったことがありました。
それにしても、そうそうたる作家さんたちですね。
鈴木さんが今、制作の際に心がけていることなどありましたら、
お聴かせ頂けますでしょうか。
鈴木 典生さん
心がけているのは作品を常に作っていることです。
当然ながらだけどペースを乱さずにやるようにしています。
たまに気分がのらないときも出来るだけコントロールして、
手を動かして意識が飛ばないようにしてます。
それかそういうときは、というか、届いたDMの展覧会は
基本は全て回ることを心がけているので展覧会を見たりしています。
日下
届いたDMの展覧会を全部見るというのは結構すごいですよね?
常日頃から、感性を研ぎ澄ましていらっしゃるんですね。
鈴木 典生さん
そうですね。出来るだけ規則正しく、ぐうたらしないようにしています。
それは昔に比べて大分はっきりしてきました。
若い頃に比べて周りが見えてくるというのもあって
精神的に安定してきていると思います。
若い時は自己中心的にになりがちですけどね。
やっと生活のリズムが安定してきたところですね。
日下
最後に鈴木さんのこれからの展覧会情報がありましたら、教えて頂けますでしょうか?
鈴木 典生さん
来月から、つくば市で2年に1度の展覧会で
『アートセッションつくば』に出品予定です。
今は、毎日その制作を頑張っています。」
日下
鈴木さん、今日はお忙しい中、お話を聴かせて下さってありがとうございました。
*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*・・*
私が鈴木さんと出会ったのは、1996年の夏に茨城県笠間市で開催された
『アーティストキャンプ・イン・カサマ』という美術イベントでした。
お互いに参加作家として50日間にわたって、
十数名の作家とともに現地に滞在、公開制作・作品設置しました。
以来、鈴木さんはずっと優れた造形感覚で作品発表を続けていらっしゃいます。
皆さんも、ぜひ鈴木さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか?
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◆鈴木典生さんが出品される彫刻の展覧会 (最新情報)
チラシPDF
会期 2015年10月4日(日)~11月23日(月)
9:30AM~16:30PM
入場無料
会場:平沢官衙遺跡(つくば市北条)から、つくば道沿い神郡地区~臼井地区
天野浩子 飯嶋桃代 大和田詠美 岡本敦生 小笠原森
越智彩 小野養豚ん 國安孝昌 塩谷良太 鈴木典生
ゼレナク シャンドル 中村厚子 中山庄太郎
橋本真之 吉野辰海 (順不同)
問合せ (公財)つくば文化振興財団 TEL 029-856-7007
(月(月曜祝日の場合は翌平日)を除く9:00~17:00)
◆ 鈴木さんが毎年出品されている野外彫刻展
201510/10(土)~12/20(日) 9:00~17:00
茨城県桜川市
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スポーツの秋
皆様こんにちは
おいしいお茶で癒しと健康をお届する【下総屋茶舗】五代目の金久保です
秋らしいさわやかなお天気ですね
秋と言えば・・・
食欲ですか? 読書?
いえいえ、美味しいもの食べて、まったり読書にふけっていては
健康上良くないですよねー
せっかくきれいな青空の季節なんだから
屋外で運動して、リフレッシュやストレス解消しましょうよ
と、言うことで
先日、九十九里トライアスロンを楽しんで来ました
今年二度目のトライアスロン完走で~す(^^♪
9/26は朝から小雨で肌寒い日でしたが
スタートの頃には雨は上がってくれました
実はこの一週間前に自転車で転倒して
左膝と左胸を強打し、肋骨にヒビが入ってました
深呼吸やすると痛むので、レース直前は練習不足・・・
でも、棄権は嫌なので途中リタイヤも覚悟で臨みました
スイムはいつもより好タイムで
バイクまでは記録更新意識する好調さでしたが
ランニングでひざ痛が出てしまい、大きく後退でも何とかフィニッシュ
海辺を走るコースは気分爽快でしたよ(^^♪
ゴール後のビーチパーティーでは
焼きハマグリなど地元グルメに癒されました
そこで共に戦った人生の先輩と話したら
何と76歳で25年以上のキャリアだとか・・・
しかも、全く疲れを感じさせない爽やか笑顔
その人の仲間には80歳のアイアンマン(鉄人レース完走者)がいるそうです
すごい!!!!!
また目標とする基準が上がってしまった~
まあ、本格的な運動じゃ無くて
散策がてらのジョギングやウォーキングで日頃の運動は十分ですね
とにかく、楽しく継続するのが一番ですね
そのためには、日課になるくらいの目標を持つといいですね
ついでに運動の30分前に緑茶を飲む習慣をつければ
体脂肪燃焼効率がグンとアップしますよ!
運動の後は十分な水分補給とストレッチなど
体のケアもお忘れなく
水でもお湯でも手軽においしい
上煎茶ティーバッグ【しずく】 がお勧めですよ
通販はhttp://simosaya.shop-pro.jp
では、今日もおいしいお茶を飲んで
元気に楽しくお過ごしください(^^)/
彫刻家 杉 英行さん 第2回 ~再生する力(生命力)を伝えたい ~ (再放送)
みなさま こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は素敵な作家をご紹介いたします。
彫刻家の杉 英行さんです。
2014年1月9日のインタビュー を展覧会情報を最新版にして、再放送でお届けいたします。
岡村 光哲さんからのリレーでご登場頂きます。
彫刻家 岡村 光哲さん 第1回
、 第2回
、 第3回
、 第4回
、 第5回
、 第6回
杉 英行さん
第1回
~ 木は一番馴染みます ~
手記 「木材入手顛末記」
第2回 ~再生する力(生命力)を伝えたい ~
第3回
~作りたいものを作っていけばいい~
第4回
~ 木の生命力を最大限引き出すように・・・ ~
第5回
~アートとは、なくてはならないもの ~
「再生」というテーマ、彫刻によってメッセージを伝えたい、という想いと
作品「方舟」シリーズについてお話をお聴かせ頂きました。
巻末に杉 英行さんの手記「再生というテーマについて」も掲載いたしました。
どうぞお楽しみ頂ければ幸いです。
************************
作業台‐再生
木 57x57x93cm
2002年
RESURRECTION
160x160x45cm
2000年
予感‐RESURRECTION
200x200x45cm
2001年
閉じ込められた意思‐Ⅱ
木・鉄
2008年
焦土から
木
2009年
日下
杉さんの文章を拝読しながら、作品を拝見いたしました。
その中の
『(前略)~「再生」は、死あるいは破壊と表裏一体のものです。
生きることは、現在という瞬間において、自らを創造し再生する事でもあります。
過ぎた一瞬はもう既に存在しないので、死んだのと同じです。
常に新たなる再生をしなければなりません。~』
という文章がとても印象に残りました。
この頃に作られたのが「作業台‐再生」、「作業台‐再生Ⅱ」という作品ですね。
杉 英行さん
後から送った『resurrection』という作品もそうですね。
『resurrection』というのは「蘇り」という意味なんですよ。
なので、再生と同じ意味です。
日下
そうですか。
私は特に「作業台‐再生Ⅱ」という作品に力を感じました。
上手く言えないのですが、この作品の作業台というものが
物体というよりは、彫刻を作る為の「場」として感じられます。
作業台の上に半球で、台の下からは鋭角に出てくる、
台に内包されているかたちは、まさに杉さんのクリエイティブ・スピリットというか
精神を造形化しているものなのかなと感じました。
杉 英行さん
そう解釈されて、その通りです。
日下
そうですか。
私にとっても「再生」は関わりあるテーマですが、
杉さんはご自身が生きることそのものを「再生」と捉えていらしゃるのが
新鮮に感じられました。
杉 英行さん
そうありたいということです。希望とか。
実際はそんなに・・・。
毎日毎日、希望としては思っていますが厳しいです。
生きるという意味では。
日下
そうですか~。それから
『(前略)~ご自身に厳しくありたいと思っています。』と書かれていますが
具体的に心がけていらっしゃることはおありでしょうか。
杉 英行さん
作品に対して、制作に対してということです。
例えば、こういう風にして見せ場を作ろうとか、
あるいはこう見せてやろうとか、何かそういう風に思いがちじゃないですか。
なんというか小手先のこと。
そういうことに絶対走らないと。(笑)
日下
ああ~。なるほど~。
杉 英行さん
ピアニストのオヤマさんと言う人が書いていた文章なんですけど
画家のゴヤについて書いていた文章なんですが
「自分の全存在をかけて、生きるということの意味を絵筆で問うていた。
そこにはこう見せたいとか、そういう下心も作為も一切ない。」
というようなことを書いているんですよ。
自分に厳しくしたいというのはそういうことなんです。
日下
そうですか。
でもそれは凄く難しいことだなと思います。
そういう方向に走らないように自分を律しながら
かたちを作っていくというのは、とても難しいことですよね。
杉 英行さん
そうですね。
日下
凄いことだと思います。
それから杉さんの文章の中で、
『私は政治家ではないし、声高に自然保護や反戦活動をやっている訳ではもありません。
一人の木彫作家として、作品によって伝えたい。
少しは社会的な運動にも参加するかもしれないけど、彫刻によってメッセージを伝えたい。
メッセージといっても、具体的な「再生」そのものではなく、また再生の説明でもありません。』
というところもとても印象に残りました。
作品で伝えていきたいというすごく強い意思がおありですよね。
というのは、学び場美術館でインタビューさせて頂いていると
メッセージを伝えたいと明言される方は、意外にそう多くはないのです。
制作プロセスから生まれてくるもの、制作を通して感じたことを
表現していらっしゃるという方が多いと感じます。
「メッセージ」と仰る方は少ないと思います。
杉 英行さん
基本的には、仰った方と同じだとは思いますけど。
だから、自分では意識しているところもありますけど、
どう受け止められるかはわからないので。
だから、上手く説明できませんが、
あまり具体的な事例に対してのメッセージではないんですよ。
「閉じ込められた意思ーⅡ」という作品がありますが。
日下
ええ、これは訴える力と緊張感が素晴らしい作品ですね。
杉 英行さん
あの作品を制作したのは、
ミャンマーの仏教徒の人たちが弾圧されたんですよね。
そのことがきっかけだったんですけど。
他にも本当は何点かあるんですけど、それもちょっと反戦のメッセージを
込めたつもりではいたんですけど。
でも内容的には、「焦土」という作品がそうですが、
戦争で焼かれた大地、焦土の中から必ず再生していく生命力みたいなものを
信じましょう、というような内容ですよね。
だから再生のテーマとずっと繋がっています。
日下
そうですね~。文章にある
『どんなひどい状況下でも、矛盾と混沌の中からいつか必ず再生する力(生命力)が
生まれてくる事を、感じとってもらえるような表現をし、伝えたいと思います。』
ということは、すべての作品に共通しているのだなと感じました。
方舟ーⅠ
木 150x70x60cm(本体のみ)
1998年
方舟‐Ⅲ
木・アクリル絵の具 90x35x35cm
2012年
方舟‐Ⅵ
木・アクリル絵の具69x69x70cm
2013年
日下
さて、もう一つ印象的に感じる作品が「方舟シリーズ」です。
よく拝見していましたら1998年、99年、2000年と三つ作品があって
その後2012年から制作を再開していらっしゃいますね。
杉 英行さん
そうですね。
日下
私は、最初カラフルな彩色に眼が行って、楽しい彫刻だと感じていたのですが
見ているうちに、だんだんと彩色が、舟の外側、舟がわたっていく空間を反映した
ものではないかと感じました。 方舟の窓かなと思われるような部分もあります。
「方舟Ⅵ」になって来ると、舟の造形がカプセル状というか、半球の屋根になっていて、
シェルターとか潜水艦のようにも感じられます。
そうだとすると、勝手な読み込みかもしれませんが、この頃起こった出来事など、
何か特に祈りを込めていらっしゃる作品なのかと感じたのですが。
杉 英行さん
そうです。
題名は「方舟」なんですが、
1998年99年頃の作品と違って彩色をするようになったんですけど。
彩色するというのは、絵画的な手法を取り入れたかったんですね。
しかし木のもつ素材感も殺したくないと。
木のもつ素材感を活かす方法で、絵画的な手法を取り入れて制作したいなと。
それで特に意図は無いんですけど、
もともと木彫をやっていること自体が楽しいので
そういう色を彩色することも凄く楽しくて、
作品を観た人が楽しく作っているなというのを感じてもらえたらいいなと。
まあ発想、・・・発想と言うほどでもないんですが、
例えばエジプトの王家の石棺がありますよね。
で、あの棺ってやっぱり非常にきれいに模様を描いたり、色を塗ってありますよね。
金箔を貼ったり。それがちょっとヒントにもなっています。
日下
そうですか~。(感心!)
「方舟」という言葉から、キリスト教のノアの方舟をイメージしてしまうんですが
杉さんの作品そのものが表現しているのは、なにかもっと違う、
精神の方舟かなと感じました。
杉 英行さん
ノアの方舟も、あれは洪水、神様が洪水を起こすと、
一部の人に新たな世界へと行けるように方舟を作らせたと。
まあそれは根底にはあるんですよ。
で、そこから翻案(ほんあん)して、いろんな、もっと広い意味でいければと。
生とか死とか、いうことも含めています。
日下
素晴らしいですね。
杉 英行さん
独りよがりでなければ良いんですが。
日下
いえ、なんというのでしょうか、
カラフルな凄く、楽しく伝わってくる部分とはうらはらに
とっても真摯な想いが伝わってくる彫刻だと想います。
素晴らしいお話をありがとうございました。
*********************************
今回、岡村 光哲さんからのご紹介で、初めて杉 英行さんのお話をお聴かせ頂きました。
杉 英行さんは「再生」をテーマにした作品制作をされています。
このテーマについての手記で杉 英行さんは
「例えば、どんなひどい状況下でも、矛盾と混沌の中からいつか必ず再生する力
(生命力)が生まれてくる事を、感じとってもらえるような表現をし、伝えたいと思います。」
と書かれています。
お話と作品から、これは杉 英行さんの作品制作の常に根底にあるものだと感じました。
私にとっても「再生」は大切なテーマですが、杉 英行さんの「再生」にはご自身が
生きること自体を「再生」と捉えていらして、そこは新鮮に感じました。
みなさまもぜひ、杉 英行さんの彫刻作品をご覧になって見てはいかがでしょうか。・
*********************************
2015年9月30日(水)~10月12日(月) (←現在開催中です。)
休館日10月6日(火)
国立新美術館
◆杉英行さんが掲載されているWEBサイト
◇ 自由美術協会公式ウェブサイト
◇ 杉 英行さんの紹介ページ
◆杉 英行さんの手記 「木材入手顛末記」
◆杉 英行さんの経歴は第1回インタビュー 巻末でご覧になれます。
*********************************
◆ 杉 英行さんの手記
再生というテーマについて
最近、「再生」をテーマにした作品制作をしています。
「再生」は、死あるいは破壊と表裏一体のものです。生きることは、現在という瞬間において、
自らを創造し再生する事でもあります。過ぎた一瞬はもう既に存在しないので、死んだのと
同じです。常に新たなる再生をしなければなりません。
私にとっては、木彫という創造的作業を通して同時に自分を再生することになります。
新たなる挑戦、新しい作品制作によって新たな自分を生きる、とでも言ったらいいでしょうか。
その意味で自分に厳しくありたいと思っています。
また、「再生」というテーマは、今こそ人類にとって重要なものになっています。
戦争、自然破壊・・・人類の歴史は、近代において特に破壊の歴史だったのではないかと
思わざるを得ません。
私は政治家ではないし、声高に自然保護や反戦活動をやっている訳ではもありません。
一人の木彫作家として、作品によって伝えたい。少しは社会的な運動にも参加するかも
しれないけど、彫刻によってメッセージを伝えたい。
メッセージといっても、具体的な「再生」そのものではなく、また再生の説明でもありません。
例えば、どんなひどい状況下でも、矛盾と混沌の中からいつか必ず再生する力(生命力)
が生まれてくる事を、感じとってもらえるような表現をし、伝えたいと思います。
2003年5月21日
杉 英行
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アリラン芸術展 金大煥 追悼パフォーマンス 星の道を歩こう 10/7
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は素敵な展覧会を紹介します。
先日より、私の尊敬する女性で、友人の
現代美術プロデューサー 小山朱鷺子さんが企画する展覧会
アリラン芸術展 金大煥 追悼と復活 を紹介させて頂いておりました。
アリラン芸術展 金大煥 追悼と復活 10/6~10/10
今日は、その展覧会のイベント
アリラン芸術展 金大煥 追悼パフォーマンス 星の道を歩こうを紹介します。
10月7日(水)19:00~
アリラン芸術展 金 大熯 追悼パフォーマンス
出演
大倉正之助(大倉流太鼓奏者)、朴 曜子(韓国舞踏家)、佐藤皖山(尺八奏者)、
佐藤佳世子(箏奏者)、大串孝二(空間美術家)、小山朱鷺子(舞踏家)
入場料/3,500円(ドリンク別)50名限定
申込み先:メール kim.art.sendai@gmail.com
小山さんは現在、仙台に拠点を置かれていますが
東京時代には、草間弥生さんをプロデュースして、ともに活動してこられ、
また、ナム・ジュン・パイクやヨーゼフ・ボイスとも交流のあった
現代美術の生き字引のような方です。
同時に舞踏家 大野一雄氏の弟子でもいらして
ご自身もこれまでたくさんの舞踏を披露してこられました。
当日は、小山朱鷺子さんご自身もパフォーマンスをされる予定です。
★ (↓★ごとに クリックすると拡大してご覧いただけます。)

★

★↓金大煥(Kim DaeHwan)氏の紹介 ↓ クリックすると拡大してご覧いただけます。
★

★

会場 :ノーバルサロン(ジャズミーブルース・ノラ)
ビルの上階に毎日新聞社が入っているビル1階です。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
金大煥(Kim DaeHwan)氏とは、'33生まれ、1900年代に生き続けた打楽器奏者。
両手に6本のスティックを持つ、トリプル・スティックをあみだした。
この方の才能は多彩で、米一粒に般若心経約300字彫刻してギネスに載っている。
神業のような手先をもっていた。
その反面ハーレーダビットソンに乗るライダーでもあり、
韓国では国民的スターだった。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚
共演者の大倉 正之助氏は、囃子大倉流大鼓方能楽師。
能楽囃子大倉流大鼓 重要無形文化財総合認定保持者。
金大煥の日本の息子ともいわれる方で、
「破天の人―韓国のスーパーアーティスト金大煥」という著作がおありです。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚
とっても楽しみな展覧会、そしてパフォーマンスになりそうですね!
小山朱鷺子さんのインタビュー記事です。(過去記事)
(↓★ごとに クリックすると拡大してご覧いただけます。)
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皆さまもぜひ、
貴重な機会となりますので、どうぞご覧くださいませね!
本日もご訪問ありがとうございました。
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アリラン芸術展 金大煥 追悼と復活 10/6~10/10
皆さま、こんにちは。
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は素敵な展覧会を紹介します。
私の尊敬する女性で、知人の
現代美術プロデューサー 小山朱鷺子さんが企画する展覧会
アリラン芸術展 金大煥 追悼と復活 です。
小山さんは現在、仙台に拠点を置かれていますが
東京時代には、草間弥生さんをプロデュースして、ともに活動してこられ、
また、ナム・ジュン・パイクやヨーゼフ・ボイスとも交流のあった
現代美術の生き字引のような方です。
同時に舞踏家 大野一雄氏の弟子でもいらして
ご自身もこれまでたくさんの舞踏を披露してこられました。
その小山さんが企画された展覧会が仙台で開催されます。
★ (↓★ごとに クリックすると拡大してご覧いただけます。)

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SARP 仙台アーティストランプレイス
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★ ↓金大煥(Kim DaeHwan)氏の紹介 ↓ クリックすると拡大してご覧いただけます。
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金大煥(Kim DaeHwan)氏とは、'33生まれ、1900年代に生き続けた打楽器奏者。
両手に6本のスティックを持つ、トリプル・スティックをあみだした。
この方の才能は多彩で、米一粒に般若心経約300字彫刻してギネスに載っている。
神業のような手先をもっていた。
その反面ハーレーダビットソンに乗るライダーでもあり、
韓国では国民的スターだった。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
会期中の10/7(水)には
追悼 パフォーマンスとして、小山朱鷺子さんご自身が
パフォーマンスをされるとのこと。
10月7日(水)19:00~
アリラン芸術展 金 大熯 追悼パフォーマンス
出演
大倉正之助(大倉流太鼓奏者)、朴 曜子(韓国舞踏家)、佐藤皖山(尺八奏者)、
佐藤佳世子(箏奏者)、大串孝二(空間美術家)、小山朱鷺子(舞踏家)
入場料/3,500円(ドリンク別)50名限定
申込み先:メール kim.art.sendai@gmail.com
会場 :ノーバルサロン(ジャズミーブルース・ノラ)
共演者の大倉 正之助氏は、囃子大倉流大鼓方能楽師。
能楽囃子大倉流大鼓 重要無形文化財総合認定保持者。
金大煥の日本の息子ともいわれる方で、
「破天の人―韓国のスーパーアーティスト金大煥」という著作がおありです。
とっても楽しみな展覧会、そしてパフォーマンスになりそうですね!
小山朱鷺子さんのインタビュー記事です。(過去記事)
(↓★ごとに クリックすると拡大してご覧いただけます。)
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本日もご訪問ありがとうございました。
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アートヒーリング 畠山信行さん (再放送)
彫刻工房くさか 日下育子です。
本日は素敵な作家をご紹介いたします。
画家の畠山信行さんです。
畠山さんは、近年アートヒーリングの作品を制作をしていらっしゃる作家です。
アート(絵画)で人の心を癒すという作品制作の思いについて、インタビュ―を
もとにご紹介させて頂きます。
みんなの学び場美術館 作家インタビューを始めて6番目の作家様です。
2011年8月25日のインタビュー、
を展覧会情報等を最新版に変えてお送りします。
お楽しみ頂けましたら、とても嬉しいです。
* ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ *
s40 油彩『being2009』

s20 油彩『being2010』
M40 油彩『hevenly lightA』
M40 油彩『hevenly lightB』
畠山信行さんが最近の個展で発表された最新作です。(2011年時点)
* ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ *
「作品制作の思い」
これまで主に風景を描いてきた。
それは土のエネルギーであり
地面から湧きあがり、芽が出て、そして生きて、土に還るもの。
闇をまとったような、深く秘めたもののある
土のイメージをこれまで描いてきた。
だが、次第にそれだけでは足りないと、
それ以上のものを描きたいと想うようになった。
精神的なもの、空間の広がり、光に興味を持ちはじめ、
自分が感じるものを描くようになった。
そんな癒しの絵画制作を考えはじめたのは2年前。
現実的なもの、リアリティー、それ以上に
心の中にあるもののほうが素敵で、魅力あるものだと気づいたことにある。
アートヒーリングの制作では音楽を聴きながら描くこともある。
余計な力を抜いて、自分の心の中をしっかり見てから描く、
そういう自分をより意識するようになった。
それは、作品で自分を表現する時、
ただ描こうと思って描くのではなく
本当に表現したいと思って描くことを大事にしたいからである。
私は絵画制作を人に伝える活動もしているが、
視点は自分が作家として描くときと同じであることを大切にしている。
私は、見る側のヒーリングと作る側のヒーリングを一緒にしないと
いけないと考えている。
見て癒すこと、描いて癒すこと。
自分で描くという癒しは、必ずしもいいことばかりではないともいえる。
それは何か鬱積したものを発散するようなエネルギーのものもあるからだ。
けれども私は、基本的には絵を描いて何が出来るかということを考えている。
そこで私は癒しができたらいいと考えている。
描いているものは色というより光。
土に光というエネルギーを与えてはじめて命が生まれる。
その光や生命感ということがアートヒーリングの要素だといえる。
描きながら、描く行為によって自分自身を意識する。
その結果、上手に表現できなくてもその人は、あるいは私は
次のステップに進んでいけるのだ。
自分を意識したときに過去を取り戻すことによって未来がうまれる。
自分にできることも、できないことも見つめて未来に行く。
表現とは自分の過去であり、自分の未来であると考える。
それは絵具という色を使うことで認識できるものなのだ。
そういう自分を意識する場が重要だと考えている。
(インタビューをもとに日下記)
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
畠山さんは最近は東日本大震災での大きな被災を目のあたりにして
震災以降、自分自身がヒーリング出来ない、描けない日々が続いてしまったとのこと。
作品制作では、本当に心にあるものでないと描けないのですが、なかなかポジティブな
イメージで描くことができなかったのだそうです。そういった自分の心の問題は、
また別のところで作品として出したいと考えていると仰っていました。
今回の震災では描けないご自分を観た上で、被災しても描いている人たちを見て
強い、素晴らしいと思ったそうです。
畠山さんは、作家として自分の作品を描くだけでなく、ご自身が主催する美術研究所で
絵画講師として、ご自身でなさっていることを生徒さんたちに伝える活動もされています。
そんな畠山さんが今度、『東日本大震災チャリティーアート選抜作家展』を開催されます。
(※2011年時点)
このような活動は自分の絵と同じように大事なことだと思っていらっしゃるとのこと。
それは、絵そのものが大事というよりは、心を伝える、癒すことの方が大事で、
絵を媒体として心を伝えることを大切にしていらっしゃるからだそうです。
今回お話をお伺いして、癒しというと、何かソフトなイメージがありますが、
私は畠山信行さんの作品にソフトなだけではない、研ぎ澄まされた透明な空気感、
その温度までも感じます。
絵画空間の中に入っていけそうな、人を引き込むような絵画空間がとても素晴らしいと
思います。
皆さんもぜひ、畠山さんの作品をご覧になってみてはいかがでしょうか?
* ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ * ・ ・ *
◆畠山信行さんの作品発表情報(最新)
再生するかたち・新しいいのち rebirth-2015-
畠山信行個展
2015年9月29日(火)~10月4日(日)
10:00~19:00 (最終日17:00)
9/29(火)17:00よりオープニングパーティーを行います。
晩翠画廊
〒980-0803
仙台市青葉区国分町2-3-13
TEL: 022-713-6230 FAX:022-713-6252
◆ 畠山信行さんが主宰する仙台美術研究所
美術予備校のほか、美術専門カルチャー、ギャラリーもあります。
本日もご訪問下さいまして、ありがとうございました。
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個人邸への彫刻設置事例 仙台市 スキーブロンズ彫刻
彫刻工房くさか 日下育子です。
今日は、私の最新の設置事例を紹介いたします。
先週、設置工事を終えたばかりのスキー ブロンズ彫刻です。
クライアント様は、私の亡くなった父の数十年にわたる
ビジネスパートナーで美術印刷会社の経営を引退された方です。
この方は、20歳から86歳の現在まで、選外になってしまった2年を除き、
毎年、スキー競技で国体とマスターズ連続出場し続けている現役スキーヤーです。
(国体の時は回転、大回転、滑降、マスタースでは大回転に出場とのことです。)
2013年12月にご依頼を受け、
2014年11月より着手、10か月の制作期間を経て、
クライアント様の数え歳で88歳のお誕生日直前に設置完了となりました。

当初のご依頼内容は
●ご自身の大回転中のターンをしている姿を黒い石で制作してほしい。
●その際にスキーのエッジが立っている、体が傾斜したポーズの像
●本体は30~40㎝で、台座を含めた全体高が100㎝位。
●台座正面に「輝く人生」という文字を入れること。
でした。
実はこの条件の最初の二つ、作り手にとっては大難関なのです。
といいますのは、彫刻というのはそれ自体で像が自立していなければなりません。
体が傾斜した状態は、実際のスキー中のスピードと遠心力がかかった状態では
成りたちますが、人間でも像も静止状態では取り得ないポーズです。
また、スキーのエッジが立った状態というのは、地山(彫刻の地面)に対して、
足の接地面積が極端に少ない状態で、傾斜した人体を支えることになるので
物理的に足に極端な負荷がかかる立ち方なのです。
それと、制作時にモデルにするものが、ご自身の滑降中の正面からの写真一枚
だったというのも、なかなか難しい点でした。
立体物は複数方向からのスケッチや写真がないと構造理解と再現が難しいのです。
側面や後ろ姿は、クライアント様が貸して下さったスキー雑誌の写真や
動画DVDを参考にしました。
このような高度な制作でしたが、クライアント様の強いご希望により
出来るだけ工夫してお応えしていこうと制作スタートしました。


制作プロセスについて、簡単にまとめると
●当初、石膏模型を二つ制作。
一つは、完成時丸彫り状態のもの。
二つ目は、競技で使用するポールとフラッグをイメージした背景壁を作り
それに傾斜した人体像をもたれかけさせて、半レリーフ状態にしたもの。
台座も像に合わせてデザインしたかたちで提案しました。
その結果、クライアント様は、丸彫り状態のものをお選びになられ、
GOサインを頂いたのですが、しばらくして
「なんだか自分に見えないのでやり直して欲しい」との
ご連絡を頂きました。
私自身がスキーをすることが無かったので、あまり分からなかったのですが、
スキーのフォームというのは、人の顔と同じぐらい、スキーヤーによって
異なるものだというのです。
私は、先に挙げた像の立ち方や、石での制作にかたちがたえられるように
物理的困難さを彫刻表現でカバーしようと多少のデフォルメを加えていたのですが、
これが違和感を生んだようです。
詳しくお話をお伺いしたところ、実は写実性の高い表現を希望されていて、
それが、ヘルメットやゴーグルの形状、ウエアのライン、ゼッケンに
至るまで、詳細のご希望があることが分かりました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そのご希望を踏まえて、三つ目の石膏原形を制作。
その制作中に私は、写実性の高い像では、手足が非常に細くなることから
石での制作を断念、ブロンズに変更を判断し提案し、了承。
台座の形状や像本体とのバランスも考えて、多少のサイズ変更の結論にいたりました。
またブロンズにおいても、一般的には色は茶色か緑色の単色の像になるのですが
ウエアやゼッケンなど部分によって色の明暗差を取り入れるご希望もございました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
四つ目の石膏原形を制作。
当初から難関だった、人体の傾斜については、背景の山によって
正面からは見えないところで、左側のお尻を支えることでクリア。
またストックにも力が分散されている状態で克服しました。
ここでも、ストックの太さ、形状などクライアント様ご希望を叶えつつ
表現の精度を高めてからようやく、7月初旬に
ブロンズ制作を頼む鋳物師に原形引き渡しとなりました。
(※ 鋳物制作は、山形県寒河江市に工房をお持ちの美術彫刻専門の
英工藝(はなぶさこうげい) 鋳物師 中野秀昭氏に依頼)
(※ ブロンズ制作の詳細については、後日改めてブログで紹介させて頂きますね。)
石の台座は、私が制作いたしました。

設置の全体のしつらえとしては、台座周囲に白の砂利を敷き雪山の雰囲気を表現。
同時にこの砂利によって、雨の日の泥や砂の跳ね返りで彫刻の汚れを防ぐ仕様に
いたしました。
予定より、長期の制作期間となりましたが、クライアント様の目指すところに
到達することができ、大変ご満足頂いております。
私自身、結果的に初のブロンズ制作を手掛けることとなり、
とても多くのことを学ばせて頂く案件となりました。
クライアント様に心より感謝申し上げます。
また、ブロンズにおいて最高難度の制作に職人魂で挑んでくださった
英工藝 鋳物師 中野秀昭様にも心より感謝申し上げます。
※ 英工藝 〒990-2432 山形県山形市荒楯町1-7-34 A101
090-7567-0771
本日もご訪問ありがとうございました。
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