このブログで、上村松園をはじめ、丁子紅子さん、戸井田しづこさん、平良志季さん、中園ゆう子さん、星奈緒さん、福田季生さん、宮崎優さん、大竹彩奈さん、中島華映さん、寒河江智果さん、山本有彩さん、改発静香さん、星野有紀さん、宮北千織さん、伊勢田理沙さん、王培さん、京都絵美さん、藤井佳奈さん、小野彩華さん、菅澤薫さん、下重ななみさんについて触れました。
新型コロナウイルスによる外出自粛により、公募展や絵画展が次々と中止になり、私が行きつけの画廊も休廊になっています。
絵画鑑賞ができないなか、時間は比較的ありますので、今日は、「美人画・女性画を描く女流画家20人」について挑戦してみようと思います。
(なお、関係する私のブログについては※印を付しましたので、クリックしていただければと思います。)
私のブログで過去に記載した、「私が注目する「美人画・女性画」を描く女流画家10人 (追記しました)※」は、私のブログの中で最もアクセスが多い記事となっており、この第2弾としてこの記事を以前から書こうと思っていました。
ただ、どういうふうに書いてよいのか迷いがあり、先延ばしになっていました。
今回は、単純に、美人画・女性画を描く女性の画家で、私のブログで取り上げた回数の多い順に20名取り上げてみたいと思っています。
(各表題の敬称は省略させていただきます。)
①丁子紅子(60回)
丁子紅子さんを初めて取り上げたのは、2016年7月の平良志季さんとの二人展でした。(丁子紅子・平良志季 2人展(於 art Truth) に行ってきました。※)
クールビューティーと言われる丁子紅子さんの美人画は、鑑賞する者の感じ方、見方によりそう画風であり、また、その精力的な活動により、私のブログで取り上げる回数が圧倒的に多くなりました。
作品を1点紹介します。
(「丁子紅子 日本画展」(於 伊勢丹浦和店)に行ってきました。※)
丁子紅子さんは、現代童画会に所属しており、童画展や選抜展には必ず、作品を拝見することができ、いつも楽しみに足を運びます。
昨年秋の第45回記念現代童画展では、最年少で最高賞の現代童画大賞を受賞されました。
丁子さんは、飾らぬ性格であり、いつもご自分の絵のそばにいらっしゃって、いろいろとお話をしていただけるので、それもとても楽しみの一つです。
「さよならでみた夢の続きを。」 丁子紅子 100F 日本画 現代童画大賞受賞
(第45回記念 現代童画展(於 東京都美術館)に行ってきました!※)
②戸井田しづこ(28回)
戸井田さんは、私が最も長い間通っている横浜中華街の画廊art Truthに出展されることが多く、ブログで取り上げる回数も多くなりました。
また、闇と光の中に浮かぶ女性の作品の優しさや、艶めかしさに魅了された私は、はやくからその作品のファンになりました。
「夢のいたずら」 F6 アルキド 戸井田しづこ個展「夢の通い路」 出展作品 2019年6月
(戸井田しづこ個展「夢の通い路」(於 art Truth)に行ってきました!※)
戸井田さんは、現代童画展にいつも大作を出展されており、美人画として丁子紅子さんの作品と双璧をなしています。
昨年の第45回記念現代童画展に出展された作品も大変すばらしいものでした。
左「パンジーの囁きⅠ」 50F アルキド 右「パンジーの囁きⅡ」 50F アルキド 第45回記念現代童画展 出展作品
(第45回記念 現代童画展(於 東京都美術館)に行ってきました!※)
③平良志季(27回)
平良志季さんの作品を初めて拝見したのは、2016年7月の丁子紅子さんとの二人展でした。
平良さんは、女性画も描きますが、よく描くのは日本古来の妖怪であり、その分取り上げる回数が少なかったのかもしれません。
しかし、着物姿の女性の作品は日本古来の美人画の美しさを感じさせる作品であり、魅力あふれるものです。
「思い悩ます」 丁子紅子・平良志季二人展 出展作品 2016年7月
(丁子紅子・平良志季 2人展(於 art Truth) に行ってきました。※)
「御願い事」 平良志季日本画展 出展作品 2018年6月
(平良志季日本画展(於 そごう横浜店美術画廊)に行ってきました!※)
④中園ゆう子(24回)
中園ゆう子さんは、その作品を初めて拝見したのは、2017年9月の「魅惑の女性画展」でした。
みなとみらいの輸入雑貨屋さんのコーナーで開催された魅惑の女性画展は、多くの新進の作家の方々が出展されており、回を重ねる中で、大きく飛躍していく方がでてきます。
この魅惑の女性画展では、中園ゆう子さんをはじめ中島華映さん、山本有彩さん、細川成美さん、古比良巧さんを知ることができました。
中園ゆう子さんは、当初、私にとっては謎の作家さんでした。少しずつ交流を持つことができ、やがて、2017年美の起原展で準大賞を受賞され、銀座の画廊美の起原で個展をされることになりました。中園ゆう子さんは、熊本在住の方ですので、おそらくは東京での個展はこれが初めてではないでしょうか。
「FULL」(F4 紙本着彩) 中園ゆう子個展「色彩の住人」 出展作品2018年11月
(中園ゆう子個展「色彩の住人」(於 銀座画廊・美の起原)に行ってきました!※)
この個展で初めて、ご本人に感動の対面をすることができました。この個展での大作「龍宮童子」の前のご本人の写真を撮らせていただきました。
この後、画廊美の起原をはじめ、東京方面でのグループ展の出展の数も多くなり、今後のさらなる飛躍をとても期待しています。
⑤上村松園(20回)
私は上村松園の美人画が大好きで、その作品を数多く収蔵する山種美術館の展示をはじめ、奈良の松伯美術館の特別展にわざわざ赴くなどして、そのたびごとにブログに取り上げていたら、この回数になりました。
美人画を描く女流画家といえば、上村松園であり、この方の作品の気品、そして質の高さは誰もが認めるところだと思います。
村松園・松篁・淳之展 三代に見る日本画百年の流れ」(於 松伯美術館)の感想※
奈良、松伯美術館に行ってきました。興福寺、春日大社、鹿、スタバ。※
山種美術館の美人画の精華で、写真撮影可であった「砧」という作品です。
「上村松園-美人画の精華-」(山種美術館)に行ってきました。※
⑥星奈緒(19回)
星奈緒さんは、私がブログを書き始めた当初からよく通った横浜中華街の画廊art Truthで、個展やグループ展を通じて知ることになりました。星さんの作品は、パステル画という手法で描くため、もとより柔らかく、優しい印象があるのですが、写実性に優れ、描かれた女性の憂いや心の彩を描き出す作品にその特色があると感じています。
「眠るための部屋」 パステル 水彩P3 星野奈緒展 出展作品 2019年9月
星奈緒展・暗いところで光るもの(於 art Truth)に行ってきました!※
これまで、星さんは東京での展示はほとんどありませんでしたが、画廊美の起原が主催する2019美の起原展に入賞され、銀座で作品を拝見することができました。今後、多くの方にその作品を見ていただけることになればと思っています。
「歩き方を忘れる日」 パステル S20 2019美の起原入選作品展 出展作品
2019美の起原展 入選作品展後期(於 美の起原)に行ってきました!※
⑦福田季生(18回)
福田季生さんの作品を初めて拝見したのは、2017年4月の第1回新日春展でした。
事前の情報は何もなく、その印象深い作品に前に立って、日本画の美人画の系譜を感じさせる魅力的な作品と思いました。
こちらの作品です。
「花ごもり」 第1回新日春展 出展作品 2017年4月
その後、日展や新日春展で作品を拝見し、より作品を知ることができる一方、京都で活躍されいる方ですので、なかなか普段は作品を拝見することができませんでした。そんななか、私が良く行く、銀座の画廊ギャラリーアートもりもとにおけるグループ展に作品を出展されるということになりました。
その時の作品です。
「花の夢」 summer syow2018 出展作品 2018年7月
「summer show 2018」(於 ギャラリーアートもりもと)にいってきました!※
今後、東京で個展を行うとの情報もあり、さらなる飛躍を期待しているところです。
⑧宮崎優(16回)
宮崎優さんは、2016年9月の発行された池永康晟氏監修の「美人画づくし」において紹介されるなど、その存在は早くから存じ上げていたところです。そんななか、2018年10月にギャラリーアートもりもとにおいて個展が開催され、そこで数々の作品を拝見するとともに、ご本人にもお目にかかることができ一気にファンとなりました。
その際に展示された作品の一つ(「第9回アダチUKIYOE大賞」の大賞を受賞した記念として、アダチ版画研究所により制作・出版された宮﨑優オリジナル木版画)です。
「花ざかり」 宮崎優典「兆し」 出展作品 2018年10月
宮崎優展「兆し」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!※
その後、NHKにおいて放映された「浮世の画家」(カズオ・イシグロ原作、渡辺健主演)の劇中画を描かれたり(宮崎優さんの個展について書いた私の記事に驚きのアクセス数が!?※)、山種美術館の日本画アワードに入選されたり(「山種美術館 日本画アワード」に行ってきました!※)、最近では郷さくら美術館主催の第8回桜花賞展で奨励賞を受賞されたり(第8回桜花賞展(於 郷さくら美術館)で宮崎優さんの作品など桜を満喫してきました!※)、そのご活躍には目を見張るものがあります。
第8回郷さくら展の看板に掲載された宮崎優さんの作品(春宵の一部)
今後も、宮崎優さんの作品に注目しています。
⑨大竹彩奈(14回)
大竹彩奈さんは、「美人画づくし」で初めて存じ上げることになり、その後、グループ展やデパートでの個展で、その作品を拝見することになりましたが、私の中では、この本の表紙の作品がとても印象に残っています。
澤田瞳子著の「腐れ梅」(集英社)
本屋で楽しむ装画の魅力!(大竹彩奈、寒河江智果、岩崎絵里、丁子紅子、小木曽誠、原マスミ各氏) ※
この作品の原作は、グループ展でも拝見し、とても魅力的な作品でした。
出版物や個展・グループ展の開催など、大竹彩奈さんの注目度は高く、ファンも多いと思います。個展で一度お目にかかったことはありますが、ほとんどお話ができず、今後、ご本にお話を伺える機会があればと考えているところです。
⑩中島華映(13回)
中島華映さんの作品を初めて拝見したのは、④中園ゆう子さんと同様、2017年9月の「魅惑の女性画展」でした。
その後、2018年2月、横浜石川町の画廊ギャラリーARKの美の饗宴展でした。繊細の表現力と色彩の豊かさ、エキゾティックな題材など魅力ある作品に一気に惹かれていくのを覚えています。
その時の作品です。
「縁」 魅惑の女性画展 出展作品 2018年2月
「美の饗宴展」(於 Gallery ARK)に行ってきました。※
中島さんは当時、まだ大学生でしたが、銀座モダンアートに出展する女性画はすでに一定の人気があり、はじめてお目にかかったのもモダンアートでした。大学卒業直前にモダンアートさんがプロデュースで個展を開催され、大変な人気でした。
その際、ご本人の写真を撮らせていただきました。
モダンアートプロデュース中島華映初個展「浮游する夢」に行ってきました!※
大学卒業後は、仕事をしながら制作活動を続けており、今後も作品を拝見することを楽しみにしているところです。
⑪寒河江智果(12回)
寒河江智果さんの作品は、前出「美人画づくし」でも紹介されていましたし、また、佐藤美術館で2017年11月に開催された「吾輩の猫展」(「吾輩の猫展」(於 佐藤美術館)に行ってきました。※)において拝見していました。その後、同月同年、ギャラリーアートもりもとで開催された「つまり猫は、最高傑作である。」ではじめてお目にかかりました。
その時に拝見した作品はこちらです。ご覧の通り、大変優しく、可愛らしい作品です。
「いつか思い出になっても」 つまり猫は、最高傑作である 出展作品 2017年11月
「つまり猫は、最高傑作である。」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました。※
その後、2018年5月にギャラリーアートもりもとで開催された寒河江智果個展「風待月の花園」で、とても美しく可愛らしい作品や、艶めかしく色香漂う作品など、大変楽しめる数多くの作品を拝見することができました。
その時の作品の一つです。
「風待月の花園」 寒河江智果個展 出展作品 2018年5月
寒河江智果展「風待月の花園」(於ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!※
直近の個展も、つい先日まで予約制で、かつ、ネットでの紹介という形で、ギャラリーアートもりもとで行われましたが、素晴らしく私が感動した作品が出展されており、この個展については後日、紹介できればと思っています。
さて、ここまで書き進めてきて、このペースで書いていくとアメブロの文字制限で掲載不能になることが明らかになってきました。
そこで、ここからは申し訳ありませんが、最低限の紹介で、省力化したいと思います。
⑫山本有彩(12回) 伝統的な日本画と現代感覚が調和した作品です。
「繋がっていられたら」 絹本着彩 F6 山本有彩個展 出展作品 2019年10月
⑬開発静香(12回) 少女と花の作品が美しくて可憐です。
「初夏の朝(人物)」 改発静香日本画展 出展作品 2017年7月
改発静香 日本画展(於 小田急百貨店町田店)に行ってきました。※
⑭星野有紀(12回) 写実的で可愛い少女。しかし、私にはとても手に負えない奔放さがあります。
「感傷地帯」 40.9×40.9㎝(6S) 星野有紀展 出展作品 2019年12月
星野有紀展(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!(最後にインコのハンカチの話題)※
⑮宮北千織(12回) ベテランの風格を感じさせる作品です。
「かりね」という作品(絵はがき) 第72回春の院展 出展作品 2017年7月
第72回春の院展(於 横浜そごう美術館)に行ってきました!※
⑯伊勢田理沙(11回) いわずと知れた実力を兼ね備えた写実絵画の若手ホープ
「あのね・・・」 60.6×50.0㎝(12F) 伊勢田理沙展「あのね・・・」 出展作品 2019年6月
伊勢田理沙展「あのね・・・」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました。※
⑰王培(11回) 中国の地方の素朴な子供たちの作品が魅力
「暖日」 案内状掲載作品 「王培=Wang Pei=展<日本画>」出展作品 2017年11月
王培=Wang Pei=展(於 横浜高島屋)に行ってきました。※
⑱京都絵美(11回) 深遠なる女性の心と美を描く現代の美人画です。
「星の影」 画集からお借りいたしました。第72回院展 出展作品2017年7月
第72回春の院展(於 横浜そごう美術館)に行ってきました!※
⑲藤井佳奈(10回) 写実絵画で飛躍が期待される若手画家です。
「天使にだってなれたハズ」 90.9×90.9㎝ (30S) 藤井佳奈個展「小さい頃の夢のこと」 出展作品 2019年11月
藤井佳奈個展「小さい頃の夢のこと」(於 ギャラリーアートもりもと)に行ってきました!※
⑳小野彩華(10回) 神話の世界を感じさせる明るい作品が印象的です。
「魅惑の人物画展」(於 ギャラリーアーク)に行ってきました!
㉑菅沢薫(10回) 少女の独特な感覚を描いた世界を感じさせます。
「匂いの痕跡」 菅澤薫展「歪な巣」 出展作品 2019年3月
菅澤薫展「歪な巣」(於 コート・ギャラリー国立)に行ってきました!※
〇下重ななみ(9回) 今、期待の若手日本画家。
「Tea time」 紙本着彩 M3 美の饗宴展 出展作品 2020年3月
以上、私のブログを賑わせていただいた現代の女流画家の美人画・女性画の作品でした。
今後も、この方々の活躍を期待するところであります。