昨日から開催されている、丁子紅子(ちょうじべにこ)・平良志季(たいらしき) 2人展を見に、画廊art Truthに行ってきました。
今日は、二人の作家さんとも在廊ではなく、店主のにしうみさんから色々とお話を伺いました。
今回の、作家お二人は、二十代半ばの新進の女流日本画家です。
まず、お二人のDM、案内状に使った絵をご覧ください。
丁子紅子さんの「咲く。」という作品です。
そして、平良志季さんの「椿めでて。」という作品です。
この絵は、お二人が相談して、DMに載せる絵として、選んだそうです。
そして、会場でも、DMと同じように、この二枚が並んで飾られています。
この2枚の絵、「着物姿の女性」と「椿の花」が描かれている作品ですが、ご覧のとおり、そうした共通性が、逆に、二人の個性の違いを、際立てています。
まず、丁子さんの他の作品をご覧ください。
「この場所。」という作品。
「たがために」という作品。
丁子さんの作品は、基本は、背景や服などは、あまり描き込まず、「黒髪」、「白い肌」、「赤い唇」、「つり上がりぎみの涼しい目」という、共通の描き方でありながら、一つの一つの作品には、異なる表情、人格、妖艶さを、描き出しています。
そして、そこから感じるもの、それは、それぞれの作品に描かれた女性の瞳の奥にある、深淵な精神(こころ)と、神秘であり、さらには、含みのあるアンビバレンスさえ感じてしまう。
この若さで、そうした、女性を描くことができるのは、才能がなす技なのでしょう。
それが、私が感じた丁子紅子さんの作品の印象です。
さて、一方、平良志季さんの作品です。
「思い悩ます」という作品。
「雲中参る」という作品。
まず、この絵を見ると、着物の描き方、顔や手の表情など、平良志季さんの表現力、技術力の高さに驚かされます。それに加え、それぞれの女性の表情が、時に艶めかしく、また時に、凛々しいなど、その豊かさがストレートに伝わってくる。
特に、「雲中参る」の作品は、正直すごい!
実は、平良さんは、妖怪を描くことを得意としているとのことですが、この絵は、俵屋宗達の雷神風神図さえも思い浮かべるような、霊的な孤高さ、力強さを、現在の美人画として調和させ、見事に描いている。
こうした絵を、想像でき、描ききるというのは、才能のなせる技に違いないと思います。
この二人の若手女流作家の10年後、20年後、いったいどうなっているのでしょう?
今回の作品展は、ここに展示した作品はもちろんのこと、二人の将来までも楽しまさせてくれる、秀逸の作品展でした。
この作品展は、7月13日から同18日までです。
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