今日は、横浜の石川町の画廊ギャラリーARKで、今日から始まった「美の饗宴展」に行ってきました。(会期 3月5日(木)~14日(土)日曜休廊)
出展作家は、北川朔さん、こみや梢子さん、島崎良平さん、下重ななみさん、ひらのにこさん、山本有彩さん、やちだけいさんの7人の方々になります。
今回は、それぞれの方が、2,3点の出展になりますが、その中から気になった作品を何点か紹介させていただきます。
まず、下重ななみさんの作品です。
「いつもより少し甘く」 下重ななみ 紙本着彩 F6
静かにマグカップを傾けて、コーヒーでしょうか、紅茶でしょうか、暖かい飲み物を飲んでいる女性。視線を見ると、ぼんやりと前方を見ており、少し甘い飲み物を飲みながら、くつろいでいる様子が伝わります。
衣服はたいへん丁寧に描きこまれており、画面全般に金箔が散りばめられ、美しい作品に仕上がっています。
美大時代から人気があった下重さんの作品は、昨年秋の個展を経て、一つひとつの作品に深みが増している印象がします。
(昨年秋の個展について触れたブログはこちらです。)
〇下重ななみ作品展~Garden~(於 ギャラリーアーク)に行ってきました!
「Tea time」 下重ななみ 紙本着彩 M3
少し細長の画面に、煙草に火をつける女性の姿が描かれています。
その画面は、四角い枠から覗き込んだように、両手、顔、カップが、自然に切り取られており、女性が少しけだるそうにくつろぐ表情が、大変魅力的です。
下重さんの新しい面を見ることができ、少しわくわくするような作品です。
次は、山本有彩さんの作品です。
「それでも夜は明ける」 山本有彩 絹本着彩P10
山本有彩さんの作品には、この作品のように、二人ないし三人の女性の作品が多いように思います。そこに登場する女性は、かならず神秘的であり、古風であり、そして、それぞれの女性が個性を主張するのではなく、全体で「調和」を感じさせます。
このギャラリーARKで行われた、昨年秋の山本有彩さんの個展は大変すばらしく、私のブログでも紹介させていただきましたが、月間アートコレクションの2020年2月号で完売作家として紹介されていました。
「春薄暮」 やちだけい 絹・墨・アクリル 31×31㎝
うつむき加減で憂いがある眼差し、片方に寄せた髪の重たさと前髪の軽やかさ、そして、セーターをつまむ指・・・・それぞれの表情が静かさの中に、しなやかな動きを表現しているように思います。
最近、やちだけいさんを美術雑誌で拝見することが多く、注目されている作家さんだと思います。
「rose are red」 ひらのりこ 色鉛筆 透明水彩 F4
ひらのりこさんの作品は、あまりにも淡い色彩のため、このように携帯の写真では、なかなかその作品の魅力をお伝えすることが難しいのですが、
この作品は、女性の眼差しと、一輪一輪の薔薇の美しさに思わず目を見張ってしまいました。
rose are red 赤いバラ、そして女性の美しさを上品に伝える作品です。
「響子」 北川朔 紙本着彩 F4
この作品は、色紙にさらさらと墨で描いたような、北川朔さんとしては少し趣を変えた作品に思います。個人的に言えば、首筋から鎖骨にかけた表情が艶やかさを感じさせる、懐かしい色気がある作品に思います。
「春を待つ」 北川朔 紙本着彩 F6
こちらの作品は、額にガラスがないので、反射がなく大変くっきりと写真を撮ることができました。北川朔さんの作品の魅力が伝わりやすいのではないでしょうか。
「春のあとさき」 こみや梢子 岩絵具、水干絵具、墨・泊 F4
こみや梢子さんの作品は、おそらく今回初めて拝見します。
女性の表情や、背景の描き方など、独特で個性的な作品と思います。
今後、どのような作品を描かれるのか、注目していきたいと思います。
「蝋梅の女」 島崎良平 墨・アクリル・顔彩 25.6×60㎝
いまや雑誌など様々なところで作品に遭遇する機会が多い島崎良平さんの作品です。
むかし話やおとぎ話などに登場するような、艶めかしく可愛らしい、まさに島崎良平ワールドといえる作品ではないでしょうか。
以上大変雑駁な紹介でしたが、これらの作品に加え、個性的な作品を楽しめる作品展になっていますので、ぜひとも、作品を直接ご覧になって楽しんでいただければと思います。
最後にギャラリーARKのホームページのアドレスを掲載します。