「アントマン＆ワスプ」　★★★☆～マーベルでいちばんのお気に入りヒーロー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

マーベルでいちばんのお気に入りヒーロー ★★★☆

(C)Marvel Studios 2018 （2018年／アメリカ／118分／Ant-Man and the Wasp）【　監督　】ペイトン・リード【　出演　】ポール・ラッド
エバンジェリン・リリー
マイケル・ペーニャ
ウォルトン・ゴギンズ
ボビー・カナベイル
ジュディ・グリア
ティップ・“T.I.”・ハリス
デビッド・ダストマルチャン
ハナ・ジョン＝カーメン
アビー・ライダー・フォートソン
ランドール・パーク
ミシェル・ファイファー
ローレンス・フィッシュバーン
マイケル・ダグラス

【あらすじ】

　“シビル・ウォー”での戦いの後、自宅での刑期を務めているヒーロー・アントマンことスコット・ラング。彼は、あと3日で刑期が終わろうとしている中、自宅で一人娘と遊ぶ充実した日々を過ごしていた。

　ある時、量子世界に入り込むための“量子トンネル”を開発中のハンク・ピム博士と娘のワスプことホープ・ヴァン・ダインの前に、すべてをすり抜ける謎の美女エイヴァが現れ、量子トンネルがある研究所を奪おうとする。

　量子トンネルが完成すれば、行方不明の母親を救えるかもしれない、そんな画期的な技術を巡り、アントマンとワスプはエイヴァと対峙することになる―

【コメント】

　いよいよ宿敵サノスとの戦いが佳境に入ってきた“マーベル・シネマティック・ユニバース”。とりあえずの気持ちで観ていた僕も、いつの間にかその世界観にドハマりしてしまっているわけですが、5月に公開された『アベンジャーズインフィニティ・ウォー』の続きが気になってしょうがない中のワンクッションで公開となったのが本作。

　2015年『アントマン』、2016年『シビル・ウォーキャプテン・アメリカ』と、小粒ながらユニークな存在で魅了したヒーローの満を持しての続編ということで、とにもかくにも劇場で観なくてはと、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

(C)Marvel Studios 2018

マーベルでいちばんのお気に入りヒーロー

　いや～やっぱり面白い！僕的にはマーベルのヒーローの中でいちばんのお気に入りヒーローです。他のヒーローとは違ってとても庶民的、決して「俺は宇宙を守る！」なんて大それた正義感を持ち合わせたヒーローではない小粒な存在ですが、逆にそれが親近感が湧いてきますし、設定も他のヒーローと違って非常に科学的。等身大でとてもユニーク、大好きなヒーローです。

　今回からバディ・ムービー的な感じになっていて、30年も前に量子世界に取り残されてしまった初代ワスプであるホープの母親を助け出すというストーリー展開の中、量子の犠牲になってなんでもすり抜けてしまう体になってしまったエイヴァやマフィアが量子トンネルを狙って襲い掛かる。研究所がビルになったりコロコロバックになったり、アントマン自身も小さくなったり12mに巨大化したり、キティちゃんのペッツが巨大化したりと、もうドラえもんいらず、何でもありのしっちゃかめっちゃかさで、それが逆に笑わせてくれる。

　ヒーローとは何ぞやなんて難しいことは考えず、とにかく笑えて楽しませることに重きを置いたユニークで楽しいヒーローですね。

まさかの大御所登場！ミシェル・ファイファー

　いやでも、本作は何気に大御所の役者が登場しますね。前作から引き続きのピム博士役のマイケル・ダグラスしかり、『マトリックス』のモーフィアスでお馴染みのローレンス・フィッシュバーンしかり。

　しかしながら僕が驚いたのは、なんといっても大女優ミシェル・ファイファーの登場。『スカーフェイス』や『恋のゆくえファビュラス・ベイカー・ボーイズ』、『イーストウィックの魔女たち』なんて、僕が学生時代にめちゃくちゃ出ていた女優さんで、量子世界に30年も取り残されながらメイクバッチリで登場したのもビックリ仰天でしたが、よもやこんな大御所がヒーローものに登場するなんて思ってもみませんでしたね。彼女の登場で、アントマンもワスプも一気に彼女に持っていかれた感がありますね。それくらいの存在感を放っていたと思います。

『アベンジャーズ4』に繋がるラストは必見！

　ここ最近のマーベル系映画は、オープニングで「エンドロール後も映像あるから最後まで観てね！」なんて表示が出るようになって、むしろこれが楽しみのひとつになってしまったりしてます。

　御多分に漏れず本作でも最後に映像が流れますが、これがなかなかの衝撃。量子トンネルの実験で、ピム博士とジャネットとホープが見守る中、量子世界に飛び込んだアントマン。量子世界への飛込に成功したアントマンだったが、ピム博士たち３人が突如として塵と化して消え去ってしまい、量子世界に取り残されてしまう。

　これは５月に公開された『アベンジャーズインフィニティ・ウォー』を観た人ならば、あのラストの意味することは即座にわかるはず。そして、これが来年公開の『アベンジャーズ4』に繋がることは言うまでもない。いったいアントマンはどうなってしまうのか。もしかしたら、量子世界があの宇宙のラスボス・サノスに打ち勝つカギになっているのかもしれない。とにもかくにも、『アベンジャーズ4』の公開が待ち遠しくてしょうがないです。

　しかしその前に、来年3月には初の女性ヒーロー『キャプテン・マーベル』の単独映画が公開されるので、それもどう関わってくるのか楽しみですね。