「戦狼／ウルフ・オブ・ウォー」　★★★～中国プロパガンダの香りがありつつも面白い

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

中国プロパガンダの香りがありつつも面白い ★★★

【　出演　】ウー・ジン
フランク・グリロ
セリーナ・ジェイド
ウー・ガン
チャン・ハン
ユー・ナン

【あらすじ】

　悪徳に正義の鉄槌を下したがために軍を除籍された特殊部隊“戦狼”の元隊員・レン。彼は、行方が分からなくなった恋人の足跡を追いアフリカで暮らしていた。

　そこで、政府軍と反政府軍の内戦が勃発、仲間たちとともに中国に帰国しようとするが、反政府軍が狙うチェン博士を連れ出すため、内乱のアフリカに飛び込む。

　しかし、そこには反政府軍を陰で操る“ビッグダディ”が立ちふさがる―

【コメント】

　さて、今回もTSUTAYAで目に留まった超ド級の中国アクション映画である本作を鑑賞。

　まあ、手に取るまで正直存在すら知らなかった映画でしたが、アクション映画には目がない僕としては久々の中国映画ということで手に取った次第。

　あーでもちょっと失敗。本作は2015年公開『ウルフ・オブ・ウォーネイビー・シールズ傭兵部隊 vs PLA特殊部隊』というアクションの続編のようで、そもそもパート1を観てない状態で鑑賞して大丈夫なのかとちょっと心配しつつも、借りちゃったもんはしょうがないということで、とりあえず鑑賞してみました。

　いやー、スゲー。火薬の量がハンパないな、こりゃ。とにもかくにも、ハリウッドのアクションに負けず劣らずのド派手なアクション映画に仕上がってましたね。中国映画がここまでできるとは正直思ってませんでしたね。面白かったです。

　とりあえず、前作とつながりがある場面は所々ありつつも、全体的にはあまり気にする必要なく、オープニングからラストまで落ち着く間もなくアクションアクションの連続。これだけ盛り込まれるともうお腹いっぱいです。

　中国ってアフリカと国交があるので、「アフリカは兄弟！アフリカの危機は中国が守ってやるぜ！」という、ある種プロパガンダの香りがプンプンするので、本作でもって“偉大なる中国”を誇示したいのかな～と勘ぐってしまいましたが、まあ、そういった部分を抜きに考えても迫力あるアクションを堪能できましたね。

　それもこれも、本作の主役であるウー・ジンというアクションスターあってのことでしょうね。日本ではまだまだ無名の彼ですが、前々から新世代のカンフーアクションスターとして本土では絶大な人気を誇っているようです。僕のヒーローであるジャッキー・チェンとはまた違う、マッチョで男臭いいでたちは力強くてカッコイイ。日本でも人気が出てほしいもんです。

　そして驚いたのが、敵役として「パージ」シリーズのフランク・グリロが出演しているというところ。新進のハリウッドアクションスターがこんなところで何してるんでっか。こういったところも、昨今のハリウッドのチャイナマネーの影響が出ているのかと感じる今日この頃。まあ、カッコよかったけど。

　そんなわけで、ここにも中国のプロパガンダの香りがありつつも、なんだかんだで面白いアクション映画だったわけですが、ラストで大々的にパート3の宣伝が。もう製作決定しちゃったわけね。このシリーズはウー・ジンの代表作となりそうですな。