「サニー/32」 ★★★~社会事件の風化の是非を問う映画 | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

 
社会事件の風化の是非を問う映画
★★★
(C)2018「サニー 32」製作委員会
 
(2018年/日本/110分
 
【 監督 】
白石和彌 

 

【 スーパーバイザー 】

秋元康

 

【 出演 】
北原里英
ピエール瀧
門脇麦
リリー・フランキー
駿河太郎
 

 

【あらすじ】

 

 雪が積もる新潟のとある町。

 仕事もプライベートもパッとしない中学校教師・藤井赤理は、24歳の誕生日の日、突如、柏原と小田に拉致され監禁される。そして柏原と小田は“サニー”と呼んだ。

 “サニー”とは、当時11歳だった小学生女児が、突然、工作用のカッターナイフで同級生の首を切りつけ殺害した事件の犯人で、ネットでカルト的な人気を持つ女児だった。

 赤理は身に覚えがないままサニーに仕立て上げられ、動画をネット上にアップされる。そして、サニーの信者が集い、事態は思わぬ方向へ展開していく―

 

 

【コメント】

 
 さて、今回は新宿バルト9でデカデカと掲げられていたポスターに目を引いて、よし観てみようと決めた本作を鑑賞。
 なんてったって2013年に公開された強烈映画『凶悪』の白石和 監督と、本編を支えたピエール瀧&リリー・フランキーの再タッグですからね、期待に胸が高鳴るってもんです。そんな期待を胸に、今回は「MOVIX昭島」に足を運んだ次第です。
 

 

(C)2018「サニー 32」製作委員会
 
 
色々と詰め込み過ぎて破綻気味
 
 う~ん、これは・・・悪くはないんですが、まあ色々と要素を詰め込み過ぎてよく分からんものになっちゃってましたね。何かあるだろうと期待して観るものの、結末が破綻気味ですね。
 ベースとなるものは、実際に長崎県佐世保市で起こった事件(ネバダ事件)で、その事件から14年後に巻き起こる更なる事件というテイで話が進みます。サニーに間違われた寂しい女教師がひどい仕打ちを受けながらネット配信され、サニーを神と崇めるファンたちがこれまたひと騒動起こし、いい加減ブチ切れた女教師が信者たちを諭したことから変な宗教団体となり、警察に追われつつさらにそこに本物のサニーが現れ・・・という、ある意味予想できない展開なわけですが、とにかく何か言いたいことを詰め込んでるんだなーという感じは分かるんですが、色々と詰め込み過ぎてぶっちゃけよく分からないまま終わってしまう。
 悪くはないものの、『凶悪』くらいの衝撃作を期待したんですが、ちょいとストーリーが破綻気味のもったいない映画でしたね。
 
 
もっとがんばれ北原里英
 
 今年の4月にNGT48を卒業することとなった本作の主役である北原里英。卒業後はおそらく女優としての道を歩むんでしょう。それを受けて、秋元康がスーパーバイザーとして本作の企画を立ち上げたんだと思います。
 まあ正直、演技はまだまだといったところですね。まだアイドル気質が抜け切れてないので、これは北原里英のために立ち上げたアイドル映画とも取れます。実際、本物サニーとして登場した門脇麦の迫真の演技とは対照的です。さすが門脇麦は場数踏んでるなと感じます。
 とりわけめちゃくちゃ可愛いわけではないものの、どこか個性的で惹かれる容姿ではあるので、これからどんどん演技の修業を積めばいい感じになるかもしれません。
 
 
社会事件の風化の是非を問う映画
 
 というわけで、結局のところ本作で何が言いたいのか?というところなんですが、僕が感じたのは、ネットの普及とともに世間を騒がせた社会事件が風化しにくくなった昨今において、果たしてそれが被害者と加害者のためになっているのか?という問題提起をしているんじゃないかということでしょうか。
 そこは、本物サニーがネット上で叫んでいた「14年間謝り続けて、もう謝罪の言葉が見つからない」「いつまで謝ればいいんですか?指を何本折ったら許してもらえるんですか?」という悲痛な叫びに集約されてるんじゃないかと思います。ネットによって事件は半永久的に記録に残る。不特定多数のネット民がそれを見て、事件に憤りを感じる。記録に残り続けるから、事件に憤りを感じる人間は後を絶たず、加害者は忘れ去られることなく、社会的に罪を償ったとしても一生頭を下げていかなくてはいけない。
 ネットの普及により、ありとあらゆる情報をネットから手に入れられ、SNSというコミュニティも普及してバーチャルな世界で生きていく人間たちへの問題提起となっていると僕は感じましたね。
 
 
(C)2018「サニー 32」製作委員会
 
 

【2018年度 Myランキング】(2/17時点)

 

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

 脇腹負傷。

 

(ベスト)… ★★★☆以上が基準

 

  1位:

  2位:

  3位:

  4位:

  5位:

  6位:

  7位:

  8位:

  9位:

 10位:

  次点:

     

     

     

     

  (ワースト)… ★★☆以下が基準

 

  1位:マンハント ★★☆

  2位:

  3位:

 

 

<その他ランク外一覧>

キングスマン ゴールデン・サークルジオストーム咲 Saki 阿知賀編 episode of side-A祈りの幕が下りる時デトロイト羊の木スリー・ビルボードサニー/32


 

『サニー/32』の公式サイトはこちら

 

 

 

 

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