「ジオストーム」　★★★～大味のB級ディザスタームービー

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

大味のB級ディザスタームービー ★★★

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., SKYDANCE PRODUCTIONS, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC （2017年／アメリカ／109分／Geostorm）【　製作・脚本・監督　】ディーン・デブリン【　出演　】ジェラルド・バトラージム・スタージェスアビー・コーニッシュアレクサンドラ・マリア・ララダニエル・ウーエウヘニオ・デルベスエド・ハリスアンディ・ガルシア

【あらすじ】

　世界のテクノロジーが集結し開発された、自然災害から地球を守るために天候を制御できる気象宇宙ステーション“ダッチボーイ”。

　このシステムを作り出した科学者ジェイクは、査問委員会で彼の資質を問われ、あえなく解雇、世捨て人となって一人娘と静かに暮らしていた。

　それから２年後、ダッチボーイがウィルス感染により地球に自然の脅威を振るい始め、世界で未曽有の危機“ジオストーム”が発生する。

　ダッチボーイの暴走を止めるべく、ジェイク弟で政治家のマックスが立ち向かうが、そこには恐ろしい陰謀が隠されていた―

【コメント】

　さて、2018年2発目。年明けはまだ目玉作品が公開されない中で、これはちょっと観とこうかなとチョイスしたのが本作。

　「彼氏も凍る・・・」なんてなんじゃそりゃなCMがしょっちゅうTVで流れていたので、既視感は感じるものの、とりあえず映画が観たいというわけで、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

大味のB級ディザスタームービー

　うん、なるほどね。まあこんなもんでしょう。思ったとおり、いろんなシーンに既視感を感じつつ、荒唐無稽で大味なB級のディザスタームービーでしたね。まあ、それなりに楽しめましたけどね。

　地球上のあらゆる天災をダッチボーイなる宇宙ステーションで制御するという、とんでもないシステムが登場することもさることながら、人間が一瞬でカッチコチになったり、地下でマグマが噴火して香港の街がボコボコになったり、とんでもなくバカでかい津波が押し寄せたりと、ハリウッドらしいCGを駆使した地球破壊映像が続くので、しっちゃかめっちゃかながら相変わらず映像は絶品だなと。

　それでいて、地球を守る完璧なシステムであるダッチボーイが、まさかのコンピュータウィルスによって誤作動し地球にジオストームをもたらすという、このシステム脆弱性ありまくりなんじゃね？と思っちゃうくらいの粗々な設定。

　細かいことは気にしない！面白けりゃそれでいいんだ！という感じが伝わってきましたね。

ローランド・エメリッヒの影響大

　このムチャクチャ感・大味感、どっかで見たことあるぞ、と感じていたら、本作のディーン・デブリンなる監督、『インデペンデンス・デイ：リサージェンス』の製作・脚本を担当した人物とのこと。そうか、この監督は、あの『インデペンデンス・デイ』や『2012』のローランド・エメリッヒ監督の影響を受けているのか！

　本作を観れば分かりますが、とにかく細かい設定は気にせず地球が壊滅していく様をとにかく描きたいがための映画のような気がします。エメリッヒ監督もまさにそんな映画を生み出しているので、本作の監督はエメリッヒJrといっても過言ではないくらい、エメリッヒの影響を受けている感じがしましたね。

映画のノリは90年代

　いや～でも、全体的に本作のノリって90年代ですよね～。細かい設定は気にせず、とにかく勢いと迫力映像だけで押し切るこの感じ。都合がいい部分も多く、往年のハリウッドの大味なご都合主義を多分に含んだ映画ですね。

　まあ、別に悪いわけじゃなく、むしろ懐かしい空気さえ感じさせるものがありましたが、さすがにこの時代にこの作風が通じるとは思えない。最近は観客の目も肥えまくっていますからね。ちょっとのほころびで醒めてしまう観客は多い。作り手はとにかく練りに練った見せ方を求められるという大変な世の中になってしまいました。

　本作はある種、バカ映画としてとらえて観れば、あるいは楽しめたのかもしれないですね。