「ザ・リングリバース」　★☆～もう復活しなくていい

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

もう復活しなくていい ★☆

リング (角川ホラー文庫)

596円

Amazon

【　出演　】マティルダ・ラッツ
アレックス・ロー
ジョニー・ガレッキ
ビンセント・ドノフリオ
エイミー・ティーガーデン

【あらすじ】

　見ると必ず7日後に死ぬと言われる呪いのビデオ。その呪いから解放されるには、そのビデオをコピーし他人に見せることだった。

　大学生のジュリアは、消息が不明になった恋人のホルトの行方を捜すため彼の大学に潜入、そこでは、教授のガブリエルが呪いのビデオを研究していた。

　ガブリエルの指示のもと呪いのビデオの謎を究明していたホルトはジュリアとともに呪いのルーツを辿り、謎を解き明かそうとするが、その先には想像を絶する恐怖が待ち構えていた―

【コメント】

　さて、今回も行きつけのTSUTAYAで目に留まった本作を鑑賞。日本ではもはや知らぬ者はいないであろう名物ホラーモンスター貞子のハリウッド版である2002年公開『ザ・リング』、続編の2005年『ザ・リング2』から実に12年、“サマラ”堂々の復活です。

　ハリウッド版復活とあって、劇場公開当時観に行こうかちょっと迷ってたもののスルー、この度めでたくレンタル開始ということで、さっそく手に取り鑑賞してみた次第です。

　うむ、なるほど！たいへんツマンネ！よかったぜ1800円払って劇場で観なくて。ビックリするほどつまんなかったッス。もう復活しなくていい駄作確定レベルです。

　ストーリー展開としては割と原作を踏襲した感じがあって、「呪いを解くにはビデオをコピーして人に見せること」というオチを大胆にも最初にばらしてしまい、むしろ呪いの元凶であるハリウッド版貞子の“サマラ”がいかにして誕生したかという生い立ちを、呪いのビデオの断片的な映像から追い求めていくという展開に終始します。原作でもむしろその部分が面白いので、少なくとも原作へのリスペクトは感じますね。

　しかしながら、所詮はティーン向けホラー映画。サマラがモニターから出てきて怖がらせりゃOKという安易な考え方から抜けられず、全体的に非常に雑。せっかくあれくらいの不気味な呪いのビデオがあるわけだから、もっとピックアップして謎に迫っていくべき。12年振りの復活の割に特段の新しいアイデアがあるわけでもなく、さほどの怖さもない。しかもクライマックスの牧師とのシーンが『ドント・ブリーズ』をまんまパクったような展開になっている。これはいかがなものか。アイデアに詰まって苦し紛れにパクっちゃったのか。

　ラストシーンから感じ取るに、「続編作りまっせ！」的な意欲がビンビンと感じ取れるわけですが、サマラはもう眠らせてあげるべきですな。ついでにいうと貞子も眠らせるべきです。もう十分にやり尽くし稼いだわけですから、新たなアイデアがない限り今後復活しても凡百のホラー映画に成り下がるだけです。

　本ブログでも何回か書いてますが、原作ファンの僕としては貞子しかりサマラしかり、化け物と化してしまって散々いいおもちゃにされてしまった映画版「リング」シリーズを良しとしていないです。もっと、推理的要素が面白い忠実な「リング」を作ってくれる監督が出てきてくれることを願ってやまないです。