「空飛ぶタイヤ」　★★★☆～連続ドラマ向け

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

連続ドラマ向け ★★★☆

池井戸潤

空飛ぶタイヤ (実業之日本社文庫)

1,080円

Amazon

【　出演　】長瀬智也
ディーン・フジオカ
高橋一生
深田恭子
岸部一徳
笹野高史
寺脇康文
小池栄子
阿部顕嵐
ムロツヨシ
中村蒼
柄本明
佐々木蔵之介
和田聰宏
木下ほうか
浅利陽介
六角精児
大倉孝二
津田寛治
升毅
谷村美月
近藤公園
村杉蝉之介
渡辺大
矢野聖人
田口浩正
斎藤歩
岡山天音
矢島健一
津嘉山正種

【あらすじ】

　とある道路で、運送会社“赤松運送”のトラックが脱輪し、たまたま歩道を歩いていた主婦に直撃、死亡する事故が発生した。

　赤松運送の社長・赤松徳郎は、警察から整備不良を疑われ、世間やマスコミからも厳しいバッシングを受けるが、トラックの構造に欠陥があるのではないかと疑問を抱き、トラックの製造元“ホープ自動車”の販売部課長・沢田悠太に再調査を要求する。

　はじめは再調査を蹴っていた沢田だったが、内部からの告発によりリコール隠しであることを突き止め、有志らとともに告発に動く。

　しかし、ホープグループという巨大企業は、ふたりが戦うにはあまりにも強大だった―

【コメント】

　さて、今回は劇場の予告で散々観ていて前々から非常に楽しみにしていた本作を鑑賞。昨今原作が軒並みドラマ化されて一躍有名になった池井戸潤原作ですね。

　僕の場合は、小説こそ読んだことはないものの、2015年にTBSで放映された「下町ロケット」が面白くて観ていたので、本作もきっと満足するに違いないと、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

連続ドラマ向け

　いや～面白かった！勧善懲悪、悪者には正義の鉄槌を。これぞ池井戸潤という爽快なドラマでしたね。

　経営が苦しい中小企業の身に突然起きた死亡事故。家族や世間から厳しいバッシングを受け、何度も何度もくじけそうになるも、己の信念や正義を信じ、そして周りの人たちに支えられながら巨悪に立ち向かっていく。方や、巨大企業側の人間も、自らのブランドのため自浄のために、冷遇されながらも立ち向かっていく。このふたつが合流した時に巨悪が崩れ落ちていくこの爽快感。スッキリしますね。やっぱり勧善懲悪は観ていて気分が良いです。

　ただ、この類のものはやっぱり連続テレビドラマのほうがいいですね。「下町ロケット」もそうでしたが、登場するキャラがとにかく多いので、ひとりひとりが背負っているものや信念のような掘り下げが映画の2時間では描くのに限界がある。それぞれのキャラ堀りをして共感させてこそ、クライマックスの爽快感があるというもの。

　ちなみに、本作は既にWOWOWで仲村トオル主演でドラマ化されているので、機会があったらそっちのほうも観たいと思っています。TBSで連続ドラマ化してくんないかな～。

豪華絢爛な俳優陣

　池井戸潤の映画ということで、出演している役者陣の豪華絢爛さにも目を引くところです。とにかく、細部にいたるまでベテラン揃いですね。

　W主演と言ってもいいTOKIOの長瀬君と、昨今人気急上昇中のディーンフジオカのイケメン対決。ワイルド対ジェントルマンという対照的なイケメン対決は面白い。高橋一生、中村蒼、ムロツヨシ、浅利陽介などの売れっ子若手俳優も取り揃えているし、笹野高史や柄本明、佐々木蔵之介、六角精児、津田寛治、木下ほうかといったベテラン陣もがっちりと脇を固めている。特に、岸部一徳の悪徳ぶりは相変わらず憎たらしさ百倍。

　女優陣も、いくつになっても可愛らしい深田恭子や、もはや中堅どころの小池栄子、ちょっとだけ出演でも爪痕を残した谷村美月など、男のドラマをきちんと支える華やかさ。

　とにかく、豪華絢爛の一言に尽きます。もっとも、長瀬君の社長役はいささかカッコよすぎのような気もしますけどね。まあ、そこは映画なんで。

主題歌はサザンオールスターズ「闘う戦士（もの）たちへ愛を込めて」

　本作のテーマソングを彩るのは、大物中の大物サザンオールスターズの「闘う戦士（もの）たちへ愛を込めて」。日々闘っている企業戦士（サラリーマン）への応援参加ですね。