「マジンガーZ INFINITY」　★★★～昭和世代歓喜、これぞロボットアニメの原点

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2018』の掲載にあたって」

昭和世代歓喜、これぞロボットアニメの原点 ★★★

(C)永井豪／ダイナミック企画・MZ製作委員会 （2017年／日本／95分）【　監督　】志水淳児【　原作　】

永井豪

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【　声の出演　】森久保祥太郎
茅野愛衣
上坂すみれ
関俊彦
小清水亜美
花江夏樹
高木渉
山口勝平
菊池正美
森田順平
島田敏
塩屋浩三
石丸博也
松島みのり
宮迫博之
朴ろ美
藤原啓治
石塚運昇

【あらすじ】

　悪の科学者Dr.ヘル率いる地下帝国の野望を阻止して10年。

　科学者の道に進んだ“マジンガーZ”の操縦者・兜甲児は、富士山から謎の巨大ロボットとそれに乗っていた生命体を発見する。時を同じくして、“グレートマジンガー”の操縦者・剣鉄也が謎の失踪を遂げる。

　その時、機械獣を率いる宿敵Dr.ヘルが出現、再び地球に存続の危機が襲う。兜甲児は再びマジンガーZに登場し、地球を守るためDr.ヘルと対峙する―

【コメント】

　「プールからマジンガーZが登場した時、俺の涙が頬をつたった」

　とは、本作を劇場で鑑賞した友人の感想。いやいやさすがにそれはないだろう、とツッコみつつも、確かに「マジンガーZ」は我々昭和世代の少年たちの心をわしづかみにした神ともいうべきロボットアニメである。

　そんな伝説のロボットが、実に四十余年の歳月を経て満を持しての劇場アニメ化ということで、劇場公開当時観に行こうか迷っていたものの結局スルー。友人の「昭和世代の俺たちなら絶対に観るべきだ！」との激推しもあって、行きつけのTSUTAYAで手に取った次第です。

(C)永井豪／ダイナミック企画・MZ製作委員会

　いや～良かった良かった。なんかもうね、ブレストファイヤーとか大車輪ロケットパンチとか光子力ビームとか、確かに涙がチョチョ切れるくらいの懐かしさを感じますね。今やったら古臭さ満点のロボットの動きも、「あ～小学時代夢中になって観てたな～」なんて懐かしい目で見たりして、昭和世代ならば間違いなく歓喜する、これぞロボットアニメの原点だ！と思わせるものでしたね。

　なんといっても、オープニングの水木一郎兄貴が歌うニューバージョンの「マジンガーZ」のテーマ曲が思わず一緒に歌ってしまうくらいカッコよくて、これだけでも本作を観た甲斐があったというもの。兜甲児や弓さやかはもちろん、Dr.ヘル、ブロッケン伯爵、あしゅら男爵というお馴染みの敵やボス・ヌケ・ムチャの３バカトリオも健在、「グレートマジンガー」の剣鉄也と炎ジュンも登場という豪華キャスト。もうね、懐かしすぎてね、友人が涙を流した理由が分かった気がします。

　ストーリー的にはさすがに今風のテイストを盛っているので、マジンガーの世界観を鑑みると正直マッチしていたのかどうかは疑問が残るところ。だけど、クライマックスのDr.ヘルとの戦いでのマジンガーの必殺技オンパレードは昭和世代が懐かしまないでどうするというくらいの感激シーン。マジンガーのどこにあれだけミサイル仕込めるスペースあるんだよとか、腕ぐるぐる回して腕がすっ飛んでいく大車輪ロケットパンチとか、必殺技出すたびに技の名前叫んだりとか、今観ればツッコミどころ満載ですが、それでも俺たちは子供のころ夢中になって観てたんだな～と懐かしさで胸がいっぱいです。

　元兜甲児の声優だった石丸“ジャッキー”博也御大も司令官役で登場してるし（さすがに兜甲児の声は厳しかったか）、いまやオッサンとなり果てた人たちの当時の少年心を思い出させてくれるシーンが多かったと思います。ここまでくれば、無理に現代のアニメテイストと組み込まなくてもよかったと思いますけどね。

　そんなわけで、昭和の少年心をくすぐる懐かしさ満点のロボットアニメでしたが、願わくば続編で「グレートマジンガー」や「グレンダイザー」作って三部作にしてほしいと思っている今日この頃です。