ワーキング ドノヴァン:ハーディガーディーマン(大阪フェスティヴァルホールライヴ)

”風に吹かれて“とか、”激しい雨が降る”などボブ デュランの演奏を聴くと、そのインパクト、特に政治的メッセージの強烈さは、ドノヴァンをはるかに上回るでしょう。伴奏のギターテクニックもポールサイモンと並んで、レヴェルが高いことも認めざるを得ません。ハーモニカもしかり。

 

確かにドノヴァンは多くのことをデユランから学んだことでしょう。しかし、ドノヴァンは、デユランにない良さもかなり持ち合わせていると思うのです。まず、透明で高音まで伸びた力強いヴォーカル、しかもこのハーディーガーディーマンの30秒あたりの綺麗なヴィブラート、おそらく腹式呼吸が万全なのでしょう。

 

それに、ギターがデュラン以上にうまい。一般にシンガーソングライターの、ギターワーク、刺身のつまのように軽視され雑なものになりがちですが、ドノヴァンのそれはコード演奏ですら和音がきれいに響き力強くヴォーカルを大いに引き立たせています。

 

しかも使用しているギター、黒地に星のデザイン、ホールは三日月形。ファンからは、月の輪熊ギターと呼ばれ、本当かウソかよくわかりませんが、オークションに出したら200万ポンドに達するかもしれないという噂もあるようです。

 

そして、多くの曲の歌詞は、イギリスにおける詩歌の伝統に沿った極めてファンタスティックで品位の高いものになっています。

彼は、ボブデュランのコピーどころではなく、英米のフォークのジャンルで計り知れない足跡を残しているといっても過言ではないのです。

                        ドノバン

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